いろいろと書くべき内容を忘れてましたが、それでも何とか...
矛盾とかあるかもしれませんが、見てやってください
扉を開けた先に広がっていたのは、静寂
空は暗闇に覆われ、月の明かりと、ともった街灯だけが周りを照らしている
「さあ、早く聖堂へ!」
ライラの声で止まっていた足を動かす
今はただひたすらに、聖堂へむかうしかないのだ
別段運動が得意なわけでもなく、すでに息も上がり、足ももつれそうになるが、それでも走り続ける
ライラは全く息が上がってないので少し情けなくも思ってしまうが、そこは心の隅に置いておくことにした
綺麗に舗装されているからか地下水道よりも幾分か走りやすいこともあり、スムーズに移動できることは疲れているこちらにはありがたかった
軽快な足音が響き渡るほどに寝静まった町中を走るとライラが指をさした
「あそこが聖堂です!」
その先に見えるのは石造りの大きな建物
そこに現状を打開する手段がある
聖堂の扉の前にたどり着き、開けようとするが、ガチャガチャと音がするだけである
カギが閉まっているみたいだ
「くそッ! こんな時に」
「任せてください!」
そう言うとライラは扉に歩いていく。すると、その体は吸い込まれるように扉をすり抜けた
これには驚きを隠せない
だがそんなことを他所に中から声が聞こえる
「内側からカギを開けました。さあ、早く中へ!」
改めて扉を開け、中へ入る
聖堂内は広く、ステンドグラスを通して月明りが聖堂内を照らしているからか、思った以上に暗くはない
そして聖堂の奥の中央の台座に突き刺さっているものがある
「・・・剣?」
「はい。あの剣は聖剣と呼ばれ、あれを抜くことができれば導師としての力を手にすることができます」
「つまり、俺があれを抜いてあいつを倒すってわけか」
自分の足はすでに聖剣に向かって走り出していた
階段を駆け上がり、静かに佇む聖剣の前に立つ
綺麗に装飾され、月明りに輝くそれは自分が抜かれることを待ち望んでいるようにも見える気がする
気がするだけかもしれないが、そんなことは関係ない
その聖剣に手を伸ばす
「誠人さん、その剣を抜けばあなたは導師の力を得ることができます。ですが、それと同時に、導師としての使命を背負うことにもなります」
いつの間にか後ろにいたライラが静かに語りかける
その声には、誠人に対しての心配の色がうかがえた
「導師としての使命は、辛く、苦しいものです。心無い言葉を投げつけられたり、人々の悪意の前に立たされることもあるでしょう」
「・・・そこまで嫌なものならやめたい」
と口に出したが、その手は止まることなく、剣の柄を取った
―――嫌なものならやりたくないし、そもそも異世界なんて勘弁願いたいものだ
「でも、俺は元の世界に帰りたいし、ここで死にたくもない。なら方法なんて決まってるだろ?」
誰かに任せることもできるだろう
しかし、その誰かはいつ来るのか
導師自体現れることがなくなった世界に、そんな奇跡を待つくらいなら
―――自分がなる方が早いよな・・・
手に力を入れ、剣を抜こうと手を持ち上げる
聖剣は少しずつ上がっていき―――
「人生、やっぱり楽できるわけじゃないってことだよな!」
彼は、その聖剣を引き抜いた