ちょっとほかのことにやる気を吸われてまして…
ザザザザ、と水が絶え間なく、荒々しく流れる音が聞こえる。その音が反響してますます大きく聞こえる。
地面に倒れているのだろう、うつ伏せの体に冷たい感覚がある。感覚はあるのに、音が聞こえているのに、自分の思考はとてもはっきりしているのに、意識がないような感覚だった。
するといきなり声が聞こえてくる。数人が会話をしているのだろう。年を老いた声、若い声、女性の声。どれも威厳があるように感じる。
「おお…。この者が新しい導師か」
「このような者で大丈夫でしょうか…?」
「あの者、『渡り手』の選んだ人間だぞ」
「期待はできます」
「我々はただ成すべきことをするまでのこと。それは変わらんよ」
「まあ、こやつが導師になれるかどうかは分からんが、なれないなら次を待つまでよ。では目覚めてもらおうではないか」
会話が終わったようだ。そして次の瞬間にいきなり意識が戻った。目の前が明るくなり周りが見える。そこには―――
「なんだ…ここ…?」
それ以外に言葉が出なかった。多くの篝火で照らされたそこは、日本では見ることはない石造りの巨大な祭壇。滝のように落ち、川のように流れる水とそれに沿うようにある足場。一言でいうなら巨大な遺跡であった。
祭壇の元には6人のフードを被った人間が並んで立っている。先程話をしていたのはあの6人だろう。
「あ、あの…すいません。これは一体…」
彼らに近づいて話しかけてみる。落ち着いているように見えてもその心中は理解できないことが起こったことで冷静さなるものは一切なかった。墓参りしていたらいきなり巨大な遺跡にいたなどあり得ない。ここはどこか、あなたたちは誰なのか、それ以前にこれは現実なのか、それを知りたくて、口から『ここは』ではなく『あなた達は』ではなく、『これは』と口から出た。
「ふむ、目が覚めたか。新たなる導師になり得る者よ」
「…導師?」
言っている導師という言葉がわからないが自分がその彼らのいう導師なんだろう。
「後はその者が湖の乙女を目覚めさせることができれば新たなる導師の誕生だ」
「いや、あの、導師っていったい何ですか? ここは何処で、俺に何が起こったんですか!?」
話を聞いていないと受け取り自然と声が荒くなる。だが彼らの態度は変わらない。
「さあ、湖の乙女を起こすのだ。さすればお主の使命がわかる」
「あなたの運命は始まるのです」
「だから! 話を聞けよ!」
叫ぶ声を一切聞かず自分たちで話を進めていく6人。すると一人が後ろの祭壇を指さす。それにつられて自分も祭壇を見てみると、そこには
「さあ、湖の乙女を目覚めさせよ」
赤いドレスのような服を着たきれいな長い銀髪の女性が眠っていた。
原作天族がやっと
主人公しゃべらねえなーと思うけどこれも自分の文才の無さが招いた結果
なかなかに想像したことを書き起こすのは難しい