「ねぇカムクラ君はどうしてカムクラ君になろうと思ったの?」
ふとゲームを一緒にしていた七海がカムクラに問いかける
「またツマラナイ質問ですね」
「むっ!だってカムクラ君何も教えてくれないんだもん!」
七海が口を膨らます
「まぁ実際の所はまだ僕自信記憶が完璧に戻ってないですからそこら辺の記憶はまだ曖昧なんですよ」
「・・・・・それなら仕方ないか」
そうしてまたゲームに目をやる七海
(・・・・実際は覚えています鮮明に)
それはカムクラが予備学科生の日向創だった時の話だ
過去
「俺がカムクライズルプロジェクトに・・・・」
それは俺の元にきたひとつの提案だった
「うむどうだろうか?勿論それだけのリスクはあるが成功すれば君はこの学園にいる者達またいた者達の才能を全て手に入れる事が出来るだろう」
元々何も取り柄のない俺がこの学園いるのは親に無理を言って入れてもらったからだ
だが所詮はそこまで結局は予備学科
もちろん予備学科の間に才能に目覚めてスカウトされる事もあるがそんな者は一握りだ
「・・・・・少し考えさせて下さい」
「あぁいい返事を期待しているよ」
中庭
「ねぇどうしたの日向君?」
「ん?あぁいやなんでもないよ」
「本当に?」
七海が顔を近づける
「あぁ本当だって!」
俺は七海を遠ざける
「む~!だって日向君今さっきから考え事ばっかしてて楽しくない!」
「悪かったよ」
俺がこうして七海と遊ぶ事は今密かな楽しみだ
だからこそ考えてしまう七海と一緒のクラスだったらもっと楽しいのだろうかと
「・・・・・なぁ七海もし俺が何かの才能をもって一緒のクラスならもっと楽しかったのかな」
「どうしたの?急に」
「・・・・いや忘れてくれ」
「・・・・そりゃあもし一緒ならもっと楽しかったと思うよ?でもこうやって放課後日向君と遊ぶだけでも楽しいから私は充分かな」
そういって七海は微笑んだ
(あぁ・・・・そうだやっぱり俺は)
七海の事が好きなんだ
その瞬間俺は迷う事を止めた
その後
俺はカムクライズルプロジェクトを承認しそして結果
才能と引き換えに感情や記憶を全て失ってしまった
これは向こうも想定外の事だったらしく大量の謝礼金が送られた
だがその時俺は大事な物を全てなくしてしまった
その後は奇しくも七海と一緒のクラスになるが日向もといカムクラにはもう好きと言う感情はなかった
だがそれも過去の話今は━━━
「こうやってまたゲームをして楽しいという感情が戻ってきたのは七海千秋のおかげですね」
「どうしたの?急に」
「いえただこうやってまた二人でゲームをして雑談をするやはりいい物です」
「うんそうだね・・・・ねぇカムクラ君はまだ日向君には戻らないの?」
「えぇ日向創の名を取り戻すのは全てを思い出した時です」
カムクラの事を日向と知っているのは七海と小学生組そして一部の大人だけだ
他の人には悟られないよう事情を知っている者はカムクラと呼ぶように頼んでいる
「・・・・そっか、ならいっぱい協力しないとね」
「ありがとうございます」
(もし日向創として全てを取り戻したらその時はちゃんと伝えますその時の気持ちを・・・)
「ねぇねぇカムクラ君次はこれをやろうよ!」
「いいですよ負ける気はありません」
こうやってカムクラは日々を生きていく
いつか全てを取り戻すその日まで
最終回じゃないです
ただの過去話ですよ