第六話投稿です。
一応次回はミソラ回、そのあとはレクティ回の予定です(個人訓練の内容)。
それではゆっくりご覧ください。
あの時の頭痛できを失って以来、たびたび頭痛がするようになった。
「ぐぅ・・・・・・」
「大丈夫!?」
ミソラが心配してくれてるようだ。レクティとリコも心配してくれてるらしい。
「うん……。大丈夫……」
扉が開き、カナタが入室する。
「お、もう集まってるみたい……大丈夫か?」
「うん。もう平気だよ」
平然を装って挨拶する。
(なんなんださっきから。あの頭痛は)
アキラのことを悩ませる頭痛。風邪をひいてるわけじゃない。
「大丈夫なら話しするぜ。今日の特訓は個人。俺がお前らに課題だすから、それこなしてくれ。期限は一週間」
「何ですることになってんのよっ!」
「しないなら弱いまだよ。結構いいところついて訓練してるみたいだから、カナタ」
「お前はわかってたんだな」
「あのくらいわからなかったら僕は自分の戦い方(スタイル)を理解してないことになるじゃないか、それだけはごめんだよ。あと、リコもつかめてたみたいだよ」
「あのくらいわからなくてどうする」
「結構きついとこ言うね」
「話を戻すぞ。「私は訓練などにつきあう気はないぞ」それでもいいけどな」
リコに向きなおってカナタが告げる。
「たしかに要らないかもしれないが。前の訓練でに二発目打たなかったのは力量の差を認めたからだろ?」
リコの貌があからさまにゆがんだ。
「私は基準以上の能力を身に着けている。よって訓練を受ける資格はない」
そういうと席を立ち、小隊室から出て行ってしまった。
「じゃあ続きを……「ちょっと、リコは訓練を受けなくていいのっ?」「ああ、それは……」……」
カナタが説明しようとしたのをアキラが遮って説明する。
「リコを鍛えるより君たちを鍛えるほうが先決ってことだよ。まさか人の心配することのできる実力をお持ちとか言わないよね。あの剣術で」
「うっ!」
「そういうことだ。じゃあ始めるぜ! っと、アキラは今回副監督として手伝ってもらうぜ」
「いいよ、内容は後で説明してね。……まぁ、大体予想はつくんだけど……」
「分かった。じゃ、アキラはちょっとこっちに来てくれ」
アキラはカナタから個人訓練の内容を聞かされ、レクティを担当することになった。
「あ、アキラさん……こ、こんなことで私、つ、強くなれるんですかっ!?」
カナタから内容を聞かされたあとレクティと一緒に何件かブティックを回って服を買い集めていた……もちろん小隊費で。いまは
「……レクティってスタイルいいんだね……。もうちょっと考えて選んだほうがよかったかな?」
レクティは、メイド服姿で簡易更衣室から貌をのぞかせていた。
「あ、あの……」
「うん、よく似合ってるよ。レクティ、ちょっと派手な気もするけどこんな服でよかったかな?」
「そ、それはダイジョブですけどっ……」
先ほどの強くなれるかの質問にはあえて触れない。
「じゃあ、次にも行くとこあるし。行こうか」
「は、はい」
アキラはカナタからこんな話を聞いていた。
「アキラ、レクティとミソラの訓練は……」
「予想だけど言わせてもらっていい?」
「あぁ」
「レクティはパっと昨日の模擬試験だとあがり症。ミソラは小隊長であるというのに仲間と連携できてない。そこからレクティには上がり症の克服、ミソラには小隊の仲間を知る必要がある……そういうことだと思ったけど、違った?」
「いや、あってる」
「だったら大体わかるよ」
「わかった。任せるぞ」
「任されたっ! それじゃあ、またあとで」
そんな会話があって、レクティに服を着せて回り、学園内の女子更衣室前に来たわけだ。
「じゃあ、この服の中からどれか気に入ったのを着て学園都市内を歩き回ってきてよ」
「ええっ!」
「じゃあね、僕はこのあともう少しすることあるから先に帰るよ。自分で選んだ服を一週間続けてきて街を出歩けば大丈夫だから」
「あの、こ、こんなことでいいんでしょうかっ!」
「うん。君の剣術、あれは相当いいスキルになるはずだったのに、歯車があってないようにぎくしゃくしていたり、逆になめらかだったりするんだ。何か自分で原因分かる?」
「そ、その、わ、わたし、あ、あがり症なんですっ!」
「そのあがり症を克服する気があるのなら、この訓練を受けるべきだよ。ま、あくまでもアドバイスでしかないけど……」
「わ、わかりました」
「うん、じゃあね」
そういってアキラは次の場所に向かった。
レクティはというと、
「で、でも、やっぱり、は、恥ずかしいんですけどっ!」
アキラの立ち去った後で一人つぶやいていた。
アキラは、レクティにどうするか任せて、ミソラのもとに向かった。
「遅れてごめんね」
「大丈夫よっ! まったく、あのヘンタイは何でアキラに任せてほっぽり投げてるのよっ」
「まぁまぁ、僕もいやいや引き受けてるわけじゃないし。」
「な、ならいいけど……」
「じゃあ、ミソラの個人訓練は……お、きたきた」
アキラの視線の先にはリコの姿があった。リコを指さして、
「ミソラの個人特訓はリコの尾行!」
「なっ!あんたまで何言ってんのっ! もしかしてあのヘンタイっ!」
「そんなに深く考えずにさ、気楽にお願いね。……君、リコの”弱み”握ってきなよ」
「あいつはいけ好かないやつだけど、そんな弱み握ってまで……」
「だから、そんなに深く考えない。……まぁ、頑張ってみなよ」
そういうと足早に去って行った。
「あんたはどうすんのよっ!」
不意に立ち止まってこう答えた。
「ゴーグルの調整しにね。ずっとこのままだと困るから」
アキラは自分がいつも身に着けているゴーグルを少し動かして見せてまた足早に去っていた。
「なんなのよ、もう」
ミソラはリコの尾行を開始した。