PMC装備で異世界に転勤になりました!? 作:フワフワクド
それでは2話投稿です!
どうぞ!
俺がこの世界に来て良かったと初めて感じた瞬間はここだった。
太陽が程よく照りつけ、平原の草たちが風で靡いており、暑くもなく寒くもなく程よい感じだったからだ。
そして遠くを見ると白っぽい壁みたいなものが見える。おそらく街の防壁なのだろう。
そこに向かって歩いていく。
すると突然目の前にメッセージみたいなものが現れた。
『前の世界で持っていたものは全て召喚出来ます』
俺は頭の中でハンヴィーを念じると目の前に現れた。
さすがにこれで移動すると騒ぎになりかねないので、一度しまい徒歩で移動する事にした。
門前に行くと兵士が3人おり、出入りする手続きをしていた。
そんなこんなで10分ほど待つと自分の番になったので小走りで行く。
「ようこそステインへ。お前さんはギルドカードか商人証を持っているか?」
「いえ、持ってないです」
「なら銀貨2枚で入れるが、手持ちはあるか?」
無いです、と言おうとしたら目の前にメッセージが浮かんだ。目の前の門番は何も反応しないため、俺にしか見えていないのだろう。
『前世の世界のお金は換金してリュックに入れてあります』
なんとありがたい事だろうか、前世では小金持ちだった為、手持ちは結構あるはずだ...俺はリュックを手で探る振りをして財布を召喚し、銀貨2枚を手渡す。
すると門番は、今日の日付けと門番の名前らしきものを紙に書き、書いた紙にハンコを押した。
「出る時にはこれを見せてくれたら大丈夫だ。入る時にはこの用紙と、出る時に渡す用紙を持ってきてくれ。そうしたらタダで出入り出来るからな。この紙は無くさないように」
「ありがとうございます、お仕事頑張ってください」
そう言うと彼は頑張れよと言ってきた。俺は前を向きなおし冒険者ギルドがどこにあるか知らないが、冒険者ギルドを目指し歩いていく。
この街には看板が数十メートルごとにあり、その看板でギルドの位置を把握する事ができた。
冒険者ギルドを発見し、中に入ると恐らくだが、依頼を受けようとする冒険者で受付がごった返していた。
その隣にはカウンターがあり、メニューらしき物が書いてある板が貼り付けられている。おそらくギルドの食事処なのだろう、朝からは流石に酒を飲んでいる奴は居なかったが、朝食としてもの凄い量食べてる人が大勢いた。
「こんな朝からどうしたんだいおチビちゃん、ママの所から逸れちゃいましたかー?ギャハハハハ」
身長2メートルはありそうな大男達が俺の目の前に歩いてきて、俺をバカにしてくる。
たぶん170はあると思うんだがな...
そんな事はさておき睨み返す。
すると男達は目を鋭くさせる。
「ガキがガンたれてんじゃねぇぞ?まだギルドにも登録してねぇ雑魚なんだろ?いいからそこ退けよ」
「お前こそそこ退けよ、ママに習わなかったか?人を見た目で判断するなって、もしかしてお前はパパから産まれたって奴か?笑わせるなよ片腹痛い」
俺はクスクスと笑いながらも言い返す。男の手が俺の首元に来るのが見える。普通なら結構速いのだろうが、何故か俺の目には遅く映る。
そしてその手を掴み取り、背負い投げの要領で男を投げる。
叩きつけられた轟音でギルド中が注目し静かになる。
そして前世で使っていたM9A1を召喚し、男の左の耳元で床に向けて発砲する。
ギルドには発砲音と薬莢の跳ねるいい音が木霊する。
おそらく男は気絶して、左耳の鼓膜が破れただろう。
男の周りにいた奴らは俺を痛い目に合わそうと、我先にと殴りかかってくる。俺はM9A1をしまい、赤黒い槍を召喚。
そして槍で攻撃を受け流し、その力を利用して攻撃する。
彼らの鳩尾や頭の位置には石突きが当たり、何が起きたのか分からず気絶した。
そうしているとタイミングを見計らったように、カウンターの奥から同い年ぐらいの女の子が走ってきた。
「あ、あなた大丈夫ですか?」
「見ての通りピンピンしてるが?怪我はしてないと思うが、こいつらの手当てしてやってくれ」
「は、はい」
彼女は俺に怯えながら周りの冒険者を纏めて男達を壁際に引きずって手当てしだした。
俺は何事も無かったかのように受付に歩いていくと、並んでた冒険者が散っていった。
「冒険者の登録したいんだけどお願いできる?」
「え、えっと登録は彼女の役目でして!」
指を指したのは先程走ってきた女の子だった。向こうの方でええ!?って驚いている声が聞こえてくる。
なんとなく分かった。怖いんだろ?大丈夫だって攻撃しないから。...たぶん
「自分がしたくないからって彼女に押し付けるのはどうかと思うぞ?」
少しドスを効かせた声で睨みつけると、少々お待ち下さい〜!と言いながら逃げて行った。
少しすると手当てしていた彼女が受付に帰ってきた。そしてカウンター下から紙を取り出してきた。
「こ、こちらが登録書になります」
「そんな怯えなくてもいいのに、取って食おうって訳じゃないんだ」
「は、はいぃ」
てか、さっき逃げてった人何しに行ったの?登録用紙ってカウンター下から出したよね?何しに行ったんだろ。
「そ、それでは。ギルドカードの登録料なのですが、クエストのFランク報酬役3回分、大体銀貨10枚を支払っていただく事になります。それにご了承いただける場合はサインをお願いします。
そして名前と年齢、使用武器を書いてください。それでギルドカード(冒険者証)を作ります。そして冒険者はF〜Sの7つのランクに分けられます。Sランクに近ければ近いほど強い冒険者です。B〜A、A〜Sに進級しようとすると、進級試験が行われます。試験では基本的に実力と礼儀、マナーが重視されます。そして冒険者になるとギルドの食事の10%割や、どの大陸の街にも無料で入る事ができます。またギルドでの素材の買取を行う事が出来ます。」
彼女は俺が書いている間にざっと説明してくれる。大体分かっていれば苦労する事はないだろう。
紙と銀貨10枚を提出すると、金属の板を取り出し紙を乗せ、魔力を込める。
すると金属の表面には先程書いた情報が全て表記されていた。その他にはクエストの成功数と失敗数、緊急クエストの参加不参加の回数が記入される欄があった。
金属の板はシルバーがくすんだ色に変わり、ランクが上がると色が綺麗になっていくらしい。Cランクまではくすんだ色が少しずつ減っていき、BランクがシルバーでAランクがゴールド、Sランクでは黒になり、文字が金色になるらしい。ブラックカードだな、まさに
「そしてクエストですが、自分の1つ上のランクが上限です。下限は自分の1つ下です。パーティでクエストを受ける場合、ランクの平均値の±1が限度になってます」
「大体分かったんだけど、F〜Eとかにランクアップする時はどうやったら分かるの?」
「ランクアップはギルドカードが判断してくれます。パーティを組み、トドメだけ刺したり、他の人が倒すのを見ているだけではランクアップしない様になっています。クエスト成功時にギルドカードを預かり成功数や失敗数の更新、ランクアップの有無を調べます。そこでランクアップしている事が分かればお知らせいたします」
なるほど、他人任せでランクアップできない様に工夫されているのか、いいシステムだと思う。
俺は早速クエスト表を見せてもらう。
「じゃあEランクの討伐系見せてもらえる?」
「さ、早速Eランククエストですか!?Bランクのアレーさんを投げる程の実力があるのは分かっていますが油断はダメですよ?」
ほう、先程投げ飛ばしたのはアレーという名前らしいな。なにかあるかもしれないし、名前は覚えておこう。
そう言いながらも彼女はEランククエストを見せてくれる。
討伐系クエストは
1.ミニサイクロプス2匹の討伐
2.ゴブリンテスタロッサの討伐
3ゴブリンエリート3匹の討伐
だけである。
気になるのは、ミニサイクロプスとゴブリンテスタロッサである。
ミニサイクロプスは小さいサイクロプスなのだろう。だがゴブリンテスタロッサだけはわからない。
「ゴブリンテスタロッサっていうのは?」
「ゴブリンテスタロッサと言うのは、頭が赤色のゴブリンなんです。だから赤頭のゴブリン、ゴブリンテスタロッサって言うんです。このゴブリンにあったら必ず逃げてください!Bランクの人でもやっとなんですから!」
なんでそんな危険なクエストEランクにあるの?ねぇなんで?
流石に無謀にも受ける訳には行かないのでミニサイクロプスの依頼を受けた。
「ついでと言っちゃなんだけどさ、ご飯美味しくて、人気の宿教えてくんない?」
「それでしたらギルドの裏にある『馬小屋』っていう宿が今ブームですよ」
「...ありがと、じゃあ行ってくる」
かれこれ20分近くいたギルドを後にして、宿『馬小屋』に行く。
名前からしてマトモな宿じゃ無さそうだが、今ブームという事はマトモな宿なのだろう。
『馬小屋』に着き、扉を開けると馬小屋をイメージして作られた食堂と受付が見える。
「宿取りたいんだけど今いい?」
「はい!何泊されますか?あとお馬さんはお持ちですか?」
「取り敢えず30日、馬は無し」
「30日でお馬さんは無しっと、朝晩の食事付き、1泊銀貨3枚で30泊で金貨9枚になります。宜しければこちらにサインをお願いします」
馬が居ると少し宿代が安くなったりするらしいが、その為だけに馬を買うわけにはいかない...
俺はサインをし、金貨9枚を渡す。すると308号室に案内された。長期宿泊の場合は上の階に泊まるようだ、短期の場合は泊まったあとの清掃などの手間を考え、低い階から泊まっていくようだ。
部屋に入ってリュックを下ろし、ベッドに倒れこむ。そしてクエストを受けていたことを思い出し、すぐリュックを背負って宿を後にし、門に向いて歩いていった。
「ほぅ?異質な魔力がこの街に混じったな。ここで感じれるということはとても強い魔力の持ち主、迂闊に接触すると危険だな。兎も角今は経済復興が先だ、不思議なことに毎日貧困層が増えていっている...強大な魔力の持ち主が邪魔をしないと良いのだが...」
執務室で書類と睨み合い、窓の外を振り返ったのは、この街を治めるもの『ステイン・ウッド』だ。
彼は魔力感知が大変優れており、魔導士の才能がある。他国との戦争でも、我先にと戦場に突撃し敵を圧倒する実力がある。
そんな彼は感じた事もない魔力で少し興奮したが、目の前の書類の量をみて真面目に仕事に取り組みだした...
ホント私生活が忙しくてアリアの方も、こっちも書き溜めが減っていく一方ですぅX(((
『時間は皆平等、時間はつくるもの』です!時間が無かった等、言い訳にするのは仕事ができない人が口にする言葉です!
まぁ小説投稿は仕事じゃないので、マイペースで書き溜めて行きます。
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