オレはオレの幸せに会いに行く   作:ほったいもいづんな

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なのは可愛い! だからViVid Strike!で顔すら映らなかったのは許さねえからなぁ?

あと久しぶりに淫夢ネタ使った。 すごい書き上げるの楽だった。(小並感)


21話 SIX PETALーShe Screamed Like A Girl

 21話

 

 

 

 

 高町 なのはは管理局随一の空戦魔導師である。

 

 魔力ランクはS超え、その技術もさることながらレアスキルである『魔力収束』を上手に運用させ、その実力故に『エースオブエース』と呼ばれる存在である。

 そんな彼女は一度、魔導師としての生命が終わりかける事態が発生した。 だがなのはは血反吐を吐きながらも再び空に舞い戻った。 そして今もなお仲間達と共に空を飛ぶ。

 

 ヴィータはそんななのはの相棒の一人である。 二人の戦闘のスタイルは相性がよく、昔からタッグを組んで仕事をすることが多かった。 子どもの頃に衝突した影響なのか、二人はとても仲が良く姉妹のようにも見えるほど親密な関係である。 今も昔もヴィータはなのはに子ども扱いをされたりするが、やられているヴィータ本人はそんなに悪い気はしない。 だけどよく怒る。

 

 しかし相棒であるヴィータでさえも、なのはの想い人である『真条 拳』の存在はあまり知らない。 聞いたところで笑って誤魔化されてきた。 だごしかし。

 

「……ポーッ」

 

 騎士カリムとの会合が終わってからなのはは時折どこかを見ながらボーッとする時がある。 その訳を共に行ったフェイトやキリンに聞くと決まって『拳』という名前がでる。 以前空気が読めないと言われたヴィータであったが、流石にこれは察した。 察した上で思った。

 

「こいつは詳しく聞かねえといけねぇなぁ?」(イタズラ顔)

 

 ヴィータ、根掘り葉掘り聞くためにキャラを捨てて来た。

 

 

 

 

 

 

 

「それでねーキリンちゃんが……」

「そうなの? 楽しかった?」

「うん!」

「そっか、それは良かったねぇ」

 

 高町 なのは、珍しく仕事が少なめな今日はヴィヴィオと遊んでいる。 つい先日身寄りのないヴィヴィオをなんとかしたいと考えたなのはは引き取り先が見つかるまで保護責任者、つまり母親代わりになることにした。 以来ヴィヴィオからは『なのはママ』と呼ばれるようになる。 ちなみにフェイトが後見人となっていて、『フェイトママ』と呼ばれている。 ……キリンは『キリンちゃん』のままだが。

 

「今度なのはママも一緒にやろうよ!」

「ママも? う〜ん、ママはあんまり歌は上手じゃないからなぁ……」

「一緒にやれば楽しいよ!」

「……そうだね、お仕事がなかったら一緒にやろっか」

「やたー!!」

 

 二人はなのはの自室で仲良く座りながら話をしていた。 穏やかな時間、心が安らぐ空間に……

 

 バァン!!(ドア大破)

 

『!?』

「警察だ!!(本当) 大人しくしろ!!(意味不明)」

「ファッ!?」

 

 ヴォルケンリッター(淫夢)が襲来する。 手際よくヴィータとシグナムがなのはの両手を抑え込む。 なんのこっちゃと思ってるヴィヴィオをザフィーラが咥えて部屋の端へ移動させる。

 

「ザフィーラ? 何の遊びー?」

「…………プロレスだ」(頭痛が痛い)

「わー! あれがパンツを取ったら勝つゲームなんだね!!」

「……そのイラン知識は誰から教わった?」

「え? キリンちゃん」

「あいつ……!」

 

 引き続き大乱闘リリカルブラザーズXをお楽しみください。

 

「え、何々どうしたの!?」

「動くな! 抑えろ!」

「何するのヴィータちゃん!? シグナムさん!? 流行らせコラ!」

「そっちしっかり押さえろシグナム!」

「す、すまん高町……」

「何々!? ふ、二人に負けないよ!(エースオブエース)」

「シャマルぅ! こぉい!」

 

 来いと言っておきながらそもそもシャマルも最初から部屋に入って来たのだが……まぁ些細なことだろう。 シャマルは自身が生み出した、マジカルクッキング(いともたやすく行われるえげつない行為)を手にしていた。

 

「何ですかその兵器!?」(素)

「意外と罵倒が激しい!?」

「おら! シャマルの料理を食べたくなかったら大人しくしろオラァン!」

「大人しくしてくれ……高町がそうしてくれれば私が食べずに済む……!!」(切実)

「シグナムさんの願い悲痛すぎ!? わ、私は三人に負けないよ!(儚い願い)」

「るせー! シュバルゴ!」

「やめてー!(建前) ナイスゥ!(目覚めるM)」

「オラ、味見してみるかオラァ!?」

「にゃー! にゃー!(突然の課長) すいません許してくだい何でもしますから!!」

「ん?」(勝ち確演出)

 

 ん?(予定調和)

 

「今何でもするっていたよなぁ?」

「え、それは……やはりヤバい……(再確認)」

「それじゃあお前……」

「いや本当シャマルさんの料理はマジで勘弁してください」(早口)

「辛辣スギィ!?」

 

 かくして大乱闘スマ……リリカルブラザーズXはなのはの負けと相成った。 そして何でもすると言ってしまったなのはの示談の条件とは……

 

 

 

 

 

 

「拳君のこと……?」

「おう、知らなかったからな」

 

 意外と素朴であった。

 

「いやそれなら普通に聞いてくれれば答えるのに……」

「嘘こけよお前、いつも誤魔化して来たじゃねぇか」

「それは……恥ずかしいし……」

「だから今日はシャマルを連れてきたわけだ。 正直に言えよ?」

「かしこまり!」(即答)

「なのはちゃんもダメなのね……うふふ、私の料理を美味しそうに食べてくれるのはあの人だけなのね……」

「いやシャマルよ、もう少し腕を上げてくれれば文句は言わんぞ?」

 

 部屋の隅でのの字を書き始めるシャマル。 だがシャマルの料理の腕が悪いのは周知の事実のため誰も慰めない。 そんなシャマルを置いておいて話を続ける。

 

「フェイトとかキリンのやつが言ってる『拳』って奴のことを話してくれよ」

「う〜ん……分かったよ」

「ヴィヴィオも聞いていいの?」

「うん、いいよ」

「わーい!」

 

 ヴィヴィオを腕で抱きながらなのはは静かに語り始める。

 

「私が拳君に最初に会ったのは……まだフェイトちゃんやキリン君と出会う前だったな」

 

 思い起こされる子どもの頃の記憶。 あの頃はまだ魔法という存在を自分が扱うなんて微塵も思ってはいなかった。 だが『キリト』という存在によって異能な力の存在を少し知ってしまっていた小2の2月。 そこで拳が現れたのだ。

 

「昔ね、ちょっと色々あって怖い目にあった時があったの。 その時はまだレイジングハートとも出会ってなかったからすっごく怖くて、震えて何も出来なかった」

「高町が? 意外だな……」

「え、それどういう意味ですか?」

「……確かに今の勇猛な高町では考えられんな」

「ザフィーラさんまで!? ちょっと!?」

 

 そら(普段の全力全開を見たら)そうよ。

 

「えぇ……。 あー……それでね? その時に拳君に助けてもらったのが最初の出会いなの」

「はー……ヒーローがやってきてそのままイチコロだったわけか」

「なるほどね、それがキッカケでなのはちゃんはその拳君って男の子を……」

「話の伝達率が高い!?」

「ママの好きな人なの!?」

「え? あ、まぁ〜……そうだよ」

「ほーん、ふーん……へぇ〜」(ニヤニヤ)

「うっ、ヴィータちゃんはそういう反応すると思ってたよ……」

 

 まるでイタズラっ娘が新しいイタズラを思い付いたみたいに子どもっぽく笑うヴィータ。 その顔はめっちゃ楽しそうである。

 

「……? だがその拳という男は今は居ないのだろう? 何故だ?」

「あ、それは〜……」

『?』

 

 言いづらそうになのはが言葉に詰まる。 その姿は普段のなのはとは大きく違うためヴィヴィオだけでなくヴォルケン全員が首を傾げる。

 

「それは……その」

「? なのはママ?」

「今は会えなくなっちゃったんだ……」

「……そうなの?」

「うん、最後に会ったのはもう10年近く前だからねぇ……」

 

 どこか遠くを見つめるなのはの姿にヴォルケン達は何だか申し訳ない気持ちが生まれる。 だがその気遣いもすぐになくなる。

 

「……でももしかしたらまた会えるかもしれないんだよね」

『……は?』

「そうなの?」

「うん、この間カリムさんの所に行った時にね。 キリン君とフェイトちゃんが拳君と再会させてくれるかも……まぁかも何だけどね」

「……おい、あたしらの同情と申し訳なさを返せ」

「えぇ……」

 

 何だか妙に力が抜けたヴィータ。 いらぬ心配だったと済ませ……新たなネタに気付く。

 

「……つーことはあれか?」

「?」

「もしまた会えたら『結婚』でもするのか?」

「んにゃ!?」

「けっこん〜?」

 

 ヴィータの一言で一気に顔が赤くなり爆発するなのは。 対して結婚というワードの意味がよく分からないヴィヴィオにシャマルが丁寧に説明する。

 

「結婚っていうのはねぇ、ヴィヴィオちゃんにパパが出来ることだよ」

「パパ……パパ?」

「うん、ヴィヴィオのお父さん」

「パパ……わぁ……!!」

 

 幼いヴィヴィオでもパパという存在は分かっている。 ママと来たらパパ、それは生物としての本能に刻まれた愛し愛してくれる存在。 まだ見ぬ父親にヴィヴィオは嬉しそうに笑い出す。

 

「いいいいいやいや!! けっ、けっ、けっ……けっ!?」

「落ち着け、言えてねぇぞ」

「結婚!? いやだってまだお付き合いどころか一度振られてるし……」

「高町、女は度胸だと主が言っていた。 何事も当たって見なければ分からん」

「私一度当たって砕けたんですけど!?」

「なんだ……高町はその男が好きなのだろ?」

「いやそれはそうだけどぉ……」

 

 ヴォルケン達に少々の茶々を入れられるも、自分の中の気持ちを整理出来ずにあうあうしている。 そんななのはにヴィヴィオが追い打ちをかける。

 

「なのはママ……けっこん、するの?」

「うぇ!? それは……」

「そしたらパパが出来るんだよね!? ヴィヴィオ、その人の事もっとしりたい!」

「う……あ……それは……あうあう……」

 

 いよいよなのはのキャパシティを超え始めている。 なのはの目はもうグルングルン回っている。 もはや正常な状態ではない。 そんななのはを逃さないよう誰かに連絡を取ろうとするヴォルケン達。

 

「キリンの奴は詳しそうだよなぁ?」(ゲス顔)

「テスタロッサも知っているはずだ」(ちょっと楽しくなってきた)

「心悟君も言わずもがなよねぇ」(割りかしノリノリ)

「翔次も少なからず知っているだろう」(普通の意見)

「にゃにゃ!? やめてー!!?」

 

 ーーにゃぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 その日、とても可愛らしい少女のような悲鳴が六課に響き渡った。 それが関係あるかどうかは不明だが、なのはのファンクラブの会員がかなり増えた。




うちのヴォルケン達がやけにノリが軽いのは前作の影響です。

次回ははやての話を予定してます。 ……関西弁がむつかしい。

今回も誤字脱字等がありましたら、コメントにてお教えください。

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