今回も原作の話をふわっとしながらやって行きます。 strikersはもっとガッツリ書いている作者もいるし、私風味で行きたいと思います。
今のヴィータちゃんのイベントは何故会話パートが無いんだ……(絶望)
1話 そりゃ10年くらい会ってなかったらそうなるわな
1話
「闇の書」事件から10年が経ち、少女達は立派な女性へと成長していた。 そしてこの男達も……
「ミッドチルダに着きましたよ」
一人の青年が二人の男にそう告げる。 青年の名は『ユーノ・スクライア』、若き『無限書庫』の司書長にして考古学においても名を馳せている。 ユーノ達が乗っているのは次元世界を渡航する船。 おおよそ5時間の移動が終了し、ミッドチルダに着いたのだ。
「んぉ? もう着いたのか」
「くぁ……中途半端に寝たから眠い……」
一人の男は透き通るような白髪を後ろで結んでポニーテールにし、その長さは尻まである。 無駄に整ったその顔は、化粧をしてしまえば女と間違えてしまうだろう。
もう一人の男は黒髪を角刈りのように整えつつ、髪全体は少し上を向いている。 彼もまたそれなりに整っているが、男らしさを感じる。
「うおー! こ↑こ↓がミッドチルダなんすねぇ〜!!」
「アニメと同じだ……!」
二人は街に出てミッドチルダの街並みを眺める。 どうやら初めて来たのか田舎上がりの学生のようにはしゃぐ。
「それじゃあ僕は無限書庫に戻るので」
「うん、ありがとうねユーノ君!」
「今度また礼をする」
「はい、なのは達によろしく伝えといてください!」
ユーノは別の方向に向かった。 残された二人もまた目指す目的地に向かい歩き出す。
「それじゃあ行きますか」
「あぁ、ユーノから聞いた話から想定すると今日は多分アニメの4、5話くらいだ」
「え、何でアニメの話数とか記憶してるの……」(引き)
「ファンなら当然だ」
「え、それは……」(ドン引き)
二人はそのまま街を出て物語の入り口を目指す。 新暦0075年、地球に続きミッドチルダまでもがこの男達によって騒がしくなる……
『機動六課』、正式名称『古代遺物管理部 機動六課』はロストロギア関連の危険な事件を扱う課。 はやてが設立し、そこにヴォルケン、なのは、フェイト、新人達の『スバル・ナカジマ』、『ティアナ・ランスター』、『エリオ・モンディアル』、『キャロ・ル・ルシエ』。 そしてその他の優秀な人材が揃っている。
この日、列車で輸送していたロストロギアの『レリック』を狙って「ガジェット」と呼ばれるロボット達がれを襲撃した。 なのはとフェイトは新人4人を連れて現場にやって来た。 当初は緊張気味な新人達だったが、見事ガジェット達を相手に立ち回り、最低でも30機はいたガジェット達を順調に撃破していく。
「ティア、あと何機!?」
「こっちはあと3!」
「了解! こっち片付けたらそっち向かう!」
「こっちももうちょっとです!」
「あと一機……!」
ガジェットも残すところ僅か、だがこの世界は歪んだ世界。 元の世界通りに上手く行くはずもなく……
「ヤァッ!!」
車両の上でガジェットを掃討していたエリオとシャロ。 残すところあと一機となったガジェットをエリオの槍が貫く。ガジェットは動かなくなり完全に停止した。
「よし!」
「エリオ君、やったね!」
喜ぶ二人、だがそれは油断の表れ。 突如列車の中からガジェットが1体突き破ってエリオの背後に現れる。 もちろんそれには気付いたが、咄嗟の事に頭は反応しても身体は追いつかない。
「エリオ君!?」
「しまっ……!」
ガジェットを目の前に動かなくなる一瞬の時間、だがガジェットはすでに光線を発射する準備が終わっている。 本来起こるはずのない窮地、だが……
「ウオラァ!!」
『!?』
起こるはずのない窮地なら、起こるはずのない救援もまたある。 突如空から現れた男がガジェットに落ちて来た。 いや、空からガジェットに攻撃したのだ。 ガジェットの外殻を破壊し内部まで右の拳が深々と突き刺さる。 そしてその勢いは止まらずガジェットを電車の内部に叩き落としてしまう。 男もガジェットに乗る形で車両の床に勢いよく落ちる。
「ふぃー……」
「今のは……?」
「誰……?」
エリオとシャロは天井に開いた穴から男とガジェットの姿を確認する。 そこには動かなくなったガジェットとその隣に立っている白髪が目立つ男が立っていた。 男は自分を見ている二人に気付くと声をかける。
「よ! 怪我ないか?」
「は、はい! 大丈夫です」
「ならよかった、ショタとロリの柔肌にキズがついたらたまったもんじゃないからな」
「……はい?」
男の存在に疑問を覚えながら二人も車両の中に戻る。 何だか不思議な雰囲気を男から感じ取るが、すぐにスバルとティアナのことを思い出しそちらに向かう。
「……あ、スバルさん達の方に向かわないと!」
「大丈夫かな……」
「うー……ん? 誰かは知らないけど大丈夫でしょ」
『?』
男の発言に二人は疑問を覚える。 一体何の根拠があってそんなことを言っているのかと。 だが男はそれをすぐに証明する。
「だって多分彼が行ってるだろうし」
『アンチマギリンクフィールド』、通称「AMF」と呼ばれる防御魔法が存在する。 この魔法が貼られていると並大抵の魔導師では対処は厳しい。 だがスバル達はその並大抵に分類されない。 たとえ「AMF」が貼られていようとガジェットの対処に苦はないだろう。
「これでラスト!」
「ーーッ!?」
ティアナの持つ銃のデバイスから放たれた魔法弾がガジェットを破壊、停止させる。 その背後ではスバルがガジェットを殴り壊していた。
「片付いたわね……」
「うん、エリオ達は大丈夫かな?」
「大丈夫とは思うけど一先ず合流しましょ」
ガジェットを全て破壊した、そう思っていた。 だがここでも起こるあり得ない事態。
「ーーっ! ティア後ろ!」
ティアナの背後から起き上がったガジェット、それに気付いたのは偶々前を先行していて偶然振り返ったスバルだった。 起き上がったガジェットは確かにティアナが対処したはず、だが破壊が不十分だったのか、それとも偶々その個体だけ再起動したのかは分からない。 だが確かなことはガジェットはティアナを照準にすでに捉えてあるということだけだ。
「何ですって……!?」
「くっ……ティア!!」
咄嗟に庇いに行こうとするスバル、だが致命的に距離が少し遠い。 間に合わない、それに気付いてしまったがそれでもティアナを守ろうと必死に走る。 ティアナも自分は攻撃を喰らうことを瞬時に理解してしまう。 だがここでやられても被害を最小限にするためにデバイスを前に構える。
……しかしガジェットから砲撃は来ない。
『!?』
気が付けばガジェットに斜めの線が入っていた。 そしてその斜めの線にそってガジェットの上部が滑るように落ちる。 剥き出しになった内部を見てようやく察せる、ガジェットは斬られたのだと。
「……」
「あ、あんたは誰!?」
ガジェットの後ろにはガジェットを斬ったであろうと考えられる人物がいた。 手には刀を一振り。
「はぁよかった。 ガジェットの耐久値なんて考えてなかったから折れるかと思った……」
刀を持っている男は刃の状態を確認し終わると鞘にしまい呆気に取られる二人に話しかける。
「一応助けたつもりだが……実はやられてましたとかはないよな?」
「え、えぇ……」
「あのぉ……貴方は一体……」
二人はこの男が一体何の目的でここにいるのかが分からなかった。 敵ならば助かる理由もない、野次馬にしてはここは遠すぎる。 味方と言われても……こんな人物は見た事がなかった。
「ボクか? ボクは……」
「うおぉい! 『翔次』君やーい!」
「む?」
男が自らを名乗ろうとした時、これまた見たことのない男が別の車両から現れる。 そしてエリオとシャロも。
「エリオ、シャロ! 無事みたいだね」
「はい、あの人が助けてくれて……」
「あんた達も?」
「……もしかしてティアナさんたちも?」
「っとと、そうだ大変何です!」
『?』
無事合流を果たした四人はお互いの状況を確認し合う。 そして謎の男組も同じように説明しあう。
「……何? ブレーキが壊れているだと?」
「そうなんだよぉ……多分あのロボット達……ガジェットだっけ? 多分壊したんだと思うんですけど……」
どうやらこの電車のブレーキが破壊されていたようだ。 だが列車を止める手段など魔法を使えばいくらでもある。 だが今回はそうは上手くいかない。
「……しかもガジェット達がいつの間にか爆弾のような物を設置してて……」
「何ですって!?」
「魔法を感知すると爆発してしまうみたいで……でもそれを解除するためには列車を止めないといけなくて……」
「……どういうこと?」
エリオらが発見したのは電車の速度とリンクした爆弾。 列車が走り続ける限り取り外し出来ない爆弾。 そして電車の止まった時だけ取り外せるが、これまたやっかいな爆弾。 車体がレールから離れた時即爆発してしまうとわざわざ爆弾に書いてあるのだ。 これが真実か否かは分からないが、それでも爆発させてしまうのは論外。 だからといって放置してたら停車する駅で爆発してしまうかもしれない。 誠に嫌な爆弾である。
「どうしよっかな〜……」
白髪の男が頭を捻る。 そして何か思い付いたのかティアナ達にある事を聞く。
「な、ここら一帯の地図とかってある?」
「え、えぇと……」
「あるなら直線が続いている場所を教えて欲しいんだ」
流石に素性も知らぬ男に協力するのは如何なものかと思ったティアナだったが、仕方ないと思い作戦前に貰った地図を確認する。 するとおおよそ3㎞ほどの直線がこの先にある事が判明したのでそれを教える。
「3㎞か……まぁそんなに要らないけどいっか!」
「おい、一体何をするつもりだ?」
「物理的に止めるわ、みんな何かに掴まっとけよ」
『はい? ……はい?』
「おい待て!」
黒髪の男の制止を無視し白髪は外に飛び出す。 残された男はため息をつきながら残された四人に言う。
「はぁ……あいつの言う通り何かに掴まっておけ……『キリン』は何をするのか分からん……」
『……??』
困惑しながら四人はそこら辺のモノに掴まる。 男はメンドくさそうに深いため息をついた。
「お、これが言ってた直線だな」
飛び出した男は線路に降り立つ。 両足を線路に乗せ、向かってくる列車を確認する。
「よぉし……」
男は電車が目前にまで迫っても慌てず腰を低くし、両手を前に出す。 そこにスピードが出ている列車が激突する。
「ふん!!」
男は受け止める。 その加速し過ぎた超重量級の鉄塊を。
「キャー!?」
「うおぉっ!?」
中にいたスバル達は突然襲いかかる衝撃に悲鳴を上げる。 必死にそこらにある突起やらにしがみ付く。
「うぉりゃあああああ!!」
男は踏ん張るも当然速度を殺しきれずレールの上を滑ってしまう。 だがそれもほんの300メートルほど、徐々に速度が落ちた列車は次第に車輪を止める。 この男、本当に物理的に列車を止めてしまった。
「ふぅ……ちょっと足が痛かったな……アツゥイ!!」
激しい摩擦のせいで男の靴は焦げていた。 だが男には何ら異常もない。 だが中にいた者たちはそうではなく……
「おい『キリン』!」
「何だよ『翔次』君?」
止まった列車から全員が出てきた。 全員ガジェットを撃破したときよりも疲弊している。 それも当然だろう、震度5、6の揺れに襲われたのだ。 肉体的にも精神的にも疲れるに決まっている。 その中で同じく中にいた男が怒鳴り散らす。
「もっと色々方法があっただろ!? 魔法で縛るとかさぁ!!」
「えぇ……だってオレはそういうのは得意じゃないし……」
「だからって力任せに何とかするな! 外には原作勢が居るはずなんだからそっちに頼れ!」
「だってオレ転生者じゃないし〜そんなの知らんよ」
「ここにくる前に言ったよな!?」
「なんのこったよ?」(すっとぼけ)
目の前でそんな口論を見せつけられる四人、だがいつまでもそうしてもらっては困るのでスバルが恐る恐る手を上げて気になっていた質問をする。
「あの〜……あなた達は誰……何ですか? 管理局の人には見えないんですけど……」
「ヌ、そうだそうだ。 自己紹介がまだだったな……」
男達は口論をやめ、四人に向き直り自らの名を告げる。
「オレは『
「ボクは『
今、物語に彼らが帰ってきた。
「うーん、ようやく再開か」
真っ白な空間でそう呟くのはこの世界の神。 全知全能にしてこの世の不可逆を操る存在。 その神は楽しそうに笑いながらアゴを撫でる。
「でもこの世界は歪みによって形成されている……そして彼……いや彼女達が戻ったことで再び歪みが生まれてしまったねぇ……まぁそれを生み出したのはこの私だけどさ」
神は嘲るようにそう言う。
「ま、ここからが最終章。 彼女達にも……『拳』にも頑張ってもらわないとねぇ」
神の笑みは邪悪にして慈悲の笑み。 全ては神の娯楽のためのもの。 そして神の暇を潰すのはいつだって転生者達。 そして神によって新たな転生者がキリン達の世界に落とされた……
「キリンー!!」
「グェ……ふぇ、フェイトちゃん随分と大っきくなったね……」
「キリン〜っ!」
「待ってフェイト! (おっぱいに)溺れる!溺れる!」
『(何だこの状況……)』
「……あれ、キリン?」
「チーン……」(溺死)
「落ちたな……」(確信)
オチも落ちたな。(激寒ギャグ)
転生者の追加よ〜(ドナドナ) まぁ出番はまだないですが。
取り敢えずゆっくり投稿して行きますので、今回もお付き合い下さい。
今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。