ソードアート・オンライン マザーズ・ロザリオ ボクの生きる意味   作:むこ(連載継続頑張ります)

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 こんばんは。先月中に完結を目指していた幻の銃弾編ですが、間に合いませんでした……申し訳ございません。

 さて、前回の後書きの予告通り、今回で幻の銃弾編は最終回となります。
 ゲーム版では救済処置がなかった詩乃にも、幸せになってもらうために描いてきた物語、それがどう結末を迎えるか、皆様の目でお確かめくださいませ。
 


第74話~リアル・バレット~

 

 西暦2026年11月21日(土)午前11:17 東京都文京区湯島 東都文京病院

 

 

「よう、恭二、生きてるか?」

 

「やっほー恭二! お見舞いに来たよー!」

 

 マイペースで病室の扉をスライドさせながら、明るく挨拶をする二人の姿があった。

 ここは都内文京区のとある病院。ここの一室に、先日の死闘による名誉の負傷の治療にあたっている、とある男の子が入院している。

 男の子はお見舞いに来てくれた友人二人の顔を見る也、笑顔で迎え入れた。

 

「やあ、こんにちは。和人、木綿季ちゃん」

 

「こんにちは。キリト、木綿季」

 

「おう、やっぱりシノンも来てたんだな」

 

「あはは、熱々ですなあ……」

 

 入室して早々に、先に部屋にいる二人に野次を飛ばしたのは木綿季だ。

 詩乃と恭二が正式にお付き合いを始めたという噂は瞬く間に広まっていった。

 こういった色恋話に目がない明日奈や里香、珪子はもちろんの事、昨今よく交流がある木綿季も筆頭に立って、彼女を弄っている。

 

「あ、あはは……参ったねこりゃ」

 

 病院のイメージ通り、白い壁に白い天井、白い床に設置された白いベッドに、新川恭二が窮屈そうな格好で横になっている。

 少し古い建物のせいか、よくみると壁や天井に塗装の剥がれや黒いシミなどが見える。

 

 恭二は右腕と左脚がギプスと包帯でぐるぐる巻きに固定されており、一番重症な肋骨の部分には、コルセットのような形の胸部固定サポーターが装着されている。

 

 骨折とは言っても、手術が必要なほどの怪我でもなかったらしく、ひたすら安静にしていれば自然治癒してしまうという。

 医師から診断結果を聞いた時は「べ、勉強が遅れる……」と嘆いていたそうだが、一緒に話を聞いていた詩乃に「そんなの後でやればいいでしょう!」の一言により物の見事に一蹴されてしまった。

 入院四日目の現在、まだ絶対安静を強いられているため、可能な時間は詩乃が一緒にいて面倒を見てくれてるのだ。

 

「も、もう! からかわないでよ!」

 

 詩乃がリンゴの切り身の乗った小皿を片手に、顔を赤らめていきり立つと、木綿季も苦笑いで「ごめんごめん」とその場を取り繕う。

 部屋の隅に立てかけてあるパイプ椅子に手を伸ばし、ベッドの横に腰掛けている詩乃の隣にそれらを並べ、すっと同じように腰を落ち着ける。

 

「ほら、これお見舞いの品、食べてくれ」

 

 そう言いながら、和人は手に持っている紙袋の包を恭二のベッドの脇にある、小さなシェルフに置いてもらうよう、詩乃に手渡した。

 

「うわ、いいのかい……? ありがとう、いただくね」

 

「ああ、食ってくれ。美味いぞ、地元川越の芋のお菓子だからな」

 

「味はボクが保証するよ!」

 

 木綿季はそう言いながら、自分の胸を自信満々に『トンッ』と音を立てて叩き、自分たちの住んでる所の名産の味を自慢し始めた。

 実はここに来るまでに、和人はこのお菓子を二箱買ってきていたのだが、途中休憩したときに木綿季が我慢出来ずに、一箱ペロりと平らげてしまっていたのだ。

 

 義理の妹の圧倒的な食欲を前に、長兄である和人は相変わらず頭を悩ませている。

 あれから事が一段落し、菊岡から報奨を受け取ってたおかげで懐は潤ってはいるが、この調子で浪費をされていっては、いずれ蓄えはまた尽きる。

 そうなってしまう前に、この底なしの胃袋をどうにかしなくては。

 

「あはは、木綿季ちゃんが保証してくれるなら、間違いはないかな?」

 

「でしょー! いっぱい食べてね♪」

 

「……いっぱい食べたいのは恭二じゃなくて、お前だろ?」

 

 和人がズバリ図星を突くと、今度は木綿季が顔を赤くして、縮こまってしまった。

 今日もしっかりと茶碗三杯の白飯を食べ、ここにくる途中お菓子を一箱平らげて。

 更にはお昼にはちゃんとランチも、三時にはおやつもいただき、夜も楽しいディナーをいただく予定になっている。

 三年間食事を取っていなかったツケを回収している、と言えば聞こえはいいかもしれないが、ただ単に食い意地が張っているだけなのである。

 

「あはは、それで……どうだ? 怪我の具合は」

 

「あ、うん、今のところ順調だけど、絶対安静だってさ。右腕と左太股にヒビ。肋骨が二本完全に折れてるってさ」

 

「治るまで……三週間から四週間くらいかかるみたいよ?」

 

 脚は掛け布団に隠れていて見えないが、右腕のギプス、そしてやや大袈裟に巻かれているサポーターを見ると、どれだけ昌一に痛めつけられたかというのが、文字通り痛いほどわかる。

 

「派手にやりやがったな……ザザのヤツ……」

 

「あはは、かなり手酷くやられたよ」

 

「恭二のお兄さんなんでしょ? 血が繋がってるのに、よくこんな酷いこと出来るよね……」

 

「……私のことも、本気で殺そうとしてきたわ……」

 

 ザザの話をした途端に、ここにいる全員が暗い空気になってしまった。

 中でも血の繋がった兄弟である恭二には、皆に迷惑をかけたと、余計に重く受け取っているようである。

 

「その……ごめん二人共、僕の身内が……酷いことをしてしまって……」

 

 身体が五体満足の身であれば、今すぐにでも土下座して謝罪したい。しかし体を固定されてしまっている恭二にはそれが出来なかった。

 なのでゆっくり目を閉じて、少しだけ首を傾げる形で、彼は誠意を見せようとした。

 

「俺は大丈夫だよ。元々恭二の力になりたくて、今回の件に首を突っ込んだんだからな?」

 

「……私もよ。でもキリト? アンタはもっと自分の身をいたわりなさい?」

 

「……へ、お、俺?」

 

 詩乃が少しばかりキツめの口調で声を掛けると、全員の視線が彼に集まった。

 

「そうよ、今更かもしれないけど、アンタは昔から無茶しすぎよ。そういうこと続けて、あまり木綿季に心配かけちゃダメよ?」

 

「あ、ああ……わかった、努力はするよ、あはは……」

 

 後頭部をポリポリとかきながら苦笑いを浮かべる和人を見て、周りの人間は「本当に分かってるのか?」と疑いの眼を送っている。

 

 いつ、誰も知らないところでトラブルに巻き込まれていたり、厄介事に首を突っ込んでいくというのが、もはや常習的に行われている和人は、少し誰かがストッパーになってあげた方がよさそうだ。

 

「木綿季、あなたがしっかり見ててあげないとダメよ?」

 

「うん、和人……もう危ないことはこれっきりにしてね?」

 

「あ……う、うん、約束するよ」

 

「……和人にもしものことがあったら、ボク……泣いちゃうからね……ッ」

 

 木綿季が不安そうに和人の手を取ると、彼はもう片方の手で彼女の頭を優しく撫で回した。

 すると木綿季は目を閉じ、心地良さそうに和人の掌の感触を楽しんでいる。

 

 やはり、絶剣だ絶歌だなんだかんだ言われても、中身は十六歳の女の子。家族の愛がまだまだ欲しいお年頃なのだ。

 

「か、和人……ふ、二人が見てるよ……?」

 

「別にいいだろ、減るもんじゃないし……」

 

 付き合うとは、恋人とはこういうものだと、これみよがしに自分たちの仲の良さを、つい今週に付き合い始めた詩乃と恭二に見せつける。

 

「……アンタたち、帰ってもいいのよ……?」

 

 詩乃が若干声のトーンを低めにして、ニコニコ微笑みながら和人たちに語りかけると、すぐに二人は姿勢を戻し、苦笑いを浮かべながらその場を誤魔化そうとしている。

 

「あはは、相変わらずで安心したよ。そういえば……事件はあれからどうなったんだい?」

 

「あ……ああ、そうだな、何から話したもんか……」

 

 和人が昌一を気絶させたあの後、それから十分ほど経過して漸く警察と菊岡、そして木綿季が現場に到着した。

 和人と詩乃、恭二から何が起こったのかを聞き、昌一はすぐに傷害、暴行、殺人未遂の現行犯で逮捕された。

 

 大怪我を負っていた恭二は救急車で最寄りの病院まで緊急搬送。

 事件の詳しい話は和人と詩乃から聞き出し、恭二の容態が安定すると、より詳しい事件の背景を知ることが出来た。

 

 既に拘留されていたジョニー・ブラックこと金本淳も、目を覚ました新川昌一も初めは黙秘を続けていたが、恭二の証言を元に問いただされると、計画の実行犯だということをあっさりと認めたという。

 しかし、逐一供述の内容が引っかかるものだったり、現実とゲームの区別がついていなかったりと、かなり取り調べは長引いたようだ。

 

 最初と途中に手を貸していた恭二も逮捕されるものと思われたが、やったことが仮想世界でアバターを動かしただけということもあり、罪には問われないという。

 しかし、肉親が殺人を犯しているかもしれないのに、黙っていたことに関しては刑事さんにこっぴどく叱られてしまったそうだ。

 

 こちらに関しては現時点では恭二を罰則する法律が無いため、罪に問われないのだとか。

 しかし、もしかしたら自分も殺されていたかもしれないため、やむを得なかったとも言えるだろう。

 

 そして逮捕された金本と昌一は、余罪の追求をされ、それらの供述を元に再捜査を行い、更に数件死銃(デスガン)騒動によって殺人を犯していることがわかった。

 窃盗、住居侵入、暴行、傷害、殺人未遂、殺人と次々に罪を重ねた結果、かなりの重い罪に問われることは逃れられないだろうということが、菊岡の口から伝えられた。

 

 そして、息子が自分の病院の備品を使い殺人を犯したことについて、恭二たちの父親は緊急記者会見を開き、遺族、関係者に深く謝罪したいと、頭を下げた。

 もちろんそれだけで許される案件ではない。賠償金や風評被害もあり、彼らの病院は立て直すまでにかなりの時間を労するだろうと言われている。

 

「親父さん……大変そうだな……」

 

「あ、うん……まあね。でも……これを機会にしっかり話すことが出来たよ」

 

「へ……、そうなの?」

 

「うん、かなり忙しいみたいで、電話越しでだったけどね。考える時間をくれっていったら、好きにしろって……さ」

 

「……そうなんだ」

 

 今回の一件で、恭二の父親は色々考えさせられたようである。長男のあの有様を目の当たりにし、自分の育て方は間違っていたのかと。

 自分のエゴを息子達に押し付けていたのではないかと。

 そしてそれらを踏まえて恭二と初めて向き合った結果、息子の気持ちを汲み取り、将来のことを考える猶予をあげたという。

 

 荒れに荒れていた新川家であったが、今回の事件をキッカケに、家族らしい家族へと変わっていけそうだ。

 父親の方は、職務と責任問題に追われているようだが、これもお灸を据えられたと思えば、丁度よかったのかもしれない。

 

「あ……詩乃、悪いんだけど……、飲み物のおかわり、頼めるかな……?」

 

「ん、はいはい……またスポドリでいいのかしら?」

 

「うん、お願いするよ」

 

「でも飲みすぎじゃあないかしら? またトイレが近くなるわよ?」

 

「あはは、そうしたら看護師さんを呼ぶから平気だよ」

 

「そう? それじゃあちょっと買ってくるわね」

 

 持ってるリンゴの皿をシェルフの上に置くと、詩乃は財布を手に取り、売店で頼まれたものを買うために、恭二の病室を後にする。

 

 詩乃が扉を開けて、廊下に出て扉を閉めるのを見送ると、恭二は顔つきを変えて二人に語りかける。

 

「……二人ともごめん、ちょっと……いいかな」

 

「な、なんだ……恭二?」

 

 普段から心優しく、ニコニコ笑顔が絶えない恭二が、珍しく真剣な表情を見せた。

 何か大事な話があるのか、和人と木綿季は話を聞くために、姿勢を正して恭二の話に耳を傾ける。

 

「詩乃を助けるために、協力してほしい」

 

「し、シノンを……?」

 

「助ける……?」

 

 恭二からの声かけに、ステレオで素っ頓狂な反応を示す桐ヶ谷兄妹。

 どういう意味で恭二がそんなことを言い出したのかが、イマイチわかっていないようだった。

 

「えっと、その、どういうことなんだ?」

 

「……彼女は、まだ……あの時の亡霊に囚われている」

 

「あ、あの時って……」

 

「……ま、まさか前に話してた、郵便局の事件のこと、かな……?」

 

 木綿季にそのことを聞かれると、恭二は首を縦に振り、肯定の返事を返した。

 恭二が言いたいことはつまりこういうことだ。

 

 今の詩乃はトラウマを克服しているように見えて、まだ完全に克服出来ていない。

 恭二のおかげで、銃や兵器などの知識や歴史を学び、興味を持つようになり、ある程度は克服出来ているのは確か。

 しかし、未だに黒星(ヘイシン)を意図して避けていたり、夢で魘される話を聞いたことから、まだ心の闇が払われていないと踏んだのである。

 

 そこで、恭二は考えた。

 どうやればその闇を払うことが出来るか。どうやれば詩乃に顔を上げて表を歩いてもらえるようになれるか。

 

「本当は僕が直接調べないといけないことなんだけど、この有様だからね……。そこで、詩乃を本当の意味で救うために、二人の力を借りたいんだ」

 

 恭二は、真剣な眼差しで二人を見つめ続けた。自分たちをここまで助けてもらっておいて、更に虫がいいことだとは重々承知している。

 しかし、それでも和人たちの協力がほしいと、見つめ続ける。

 

「俺は構わないよ。どうせ来年度になるまで暇だしな。それに……困ってる友人をほっとけるほど薄情じゃないさ。勉強に追われている木綿季はわからないけどな」

 

「ぼ……ボクだって平気だもん! これでも一生懸命勉強して、明日奈に凄いって言われてるくらいなんだから!」

 

「あはは……、ありがとう二人とも」

 

「礼には及ばないよ。それで……俺達は一体何をすればいいんだ?」

 

「あ……んとね……」

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 そして一月後 西暦2026年12月16日(水)午後17:05 東京都台東区御徒町 ダイシー・カフェ前

 

 

「へえ……ここがそうなんだ」

 

「ええそうよ、恭二くんは……初めてだったわね?」

 

 相も変わらず黄緑色のパーカーのポケットに手を突っ込みながら、淡い色をした木目調の外観のダイシー・カフェを、恭二がマジマジと見つめている。

 例の死銃(デスガン)事件解決から一ヶ月が経過していた。

 恭二の体もすっかり良くなり、腕も脚も、そして肋骨も元通りになり、今では走り回ることも出来るまでに回復していた。

 

 あれから詩乃は、平日は学校が終わってから、休日はほぼ一日中病院におり、ほとんど付きっきりで恭二の面倒を見ていた。

 

 後半になると、もうすっかり以前の和人みたく、病院の先生や医療スタッフに顔を覚えられてしまい、院内一のアツアツカップルなんて言いふらされてしまう始末であった。

 

 なんと言ったって、本来ならば面会の手続きを踏まなければならないのに、詩乃の場合顔パスで受付を通ってしまうくらいなのだ。

 その話をされた和人は「以前の俺みたいだな」と、新たに詩乃をからかうのに絶好なソースを手に入れて、何やらニヤニヤしていたという。

 

 そんな彼らが今、馴染みの店『ダイシー・カフェ』に足を運んでいる。SAO時代からの戦友エギルことギルバートが経営しているカフェ&バーの小洒落たお店だ。

 何故彼らがここにいるかというと、事件解決と恭二の退院を軽く祝おうということで、ここダイシー・カフェが選ばれたのである。

 

 店主のギルバートからすれば、何かとある度に店を貸切にしないけいけないため、ちょっとだけ参ってしまっているのだが、他でもない和人からの頼みであるため、断りきれずに、何度も何度も貸切を許してしまっているのである。

 その分、仮想世界で精神的に色々返済してもらっているようではあるが。

 

「よう二人とも、今ついたのか」

 

「やあ、和人」

 

「久しぶりね、キリト」

 

 キィッという音とともにダイシー・カフェの扉が開かれると、店の入口から相変わらずの全身真っ黒コーディネートの和人が姿を現した。

 たまには他の服でも着てみたらどうだと腹に思っている詩乃であったが、想像してみても、壊滅的にまで似合わなそうだったので、すぐに考えるのをやめた。

 

「とりあえず……入ってくれよ。今日は貸切にしてあるからさ」

 

「貸切って……、別にアンタの店じゃないでしょうに……」

 

「まあまあ、細かいことは抜きにしてくれたまえよ」

 

 SAOメンバー随一のツッコミ担当の鋭い指摘を受けると、和人はその場を濁し、店の扉を大きく開いたままにして、二人を招き入れた。

 

 詩乃は慣れた足取りで、恭二は初めてということもあり、店の外に置かれた立て看板やポスター、そして入口から見える内装を物珍しそうに見ている。

 

「あ、シノンさーん! いらっしゃーい!」

 

「こんばんは、しののん!」

 

「よう、よく来たな」

 

 まず彼女らを出迎えてくれたのは、SAO時代から付き合いの長い明日奈、直葉、そしてこの店のマスターのギルバートだ。

 明日奈と直葉は学校帰りなのか、制服に身を包み、ギルバートはマスターらしく、白のワイシャツに黒のズボンという、いかにもな格好でいる。

 

 本当は他のメンバーにも声を掛けてあったのだが、今日、集まれたメンバーがこの二人だけだったのである。

 普段暇してると見せかけて、なんだかんだで個人個人は忙しいようであった。

 

「話はキリト君から聞いたよ? 大変だったんだってね……」

 

「ま、まあ……色々と……ね」

 

 入口から見て、店の一番左奥の丸いテーブルの椅子に、明日奈と直葉が腰掛けている。

 明日奈に手招きをされると、それに従うように、詩乃と恭二はそこのテーブルに同じように腰を落ち着ける。

 

 テーブルの上には食べかけのティラミスと、飲みかけのレモンティーの入ったカップが二人分置かれている。どうやら明日奈と直葉の分のようだ。

 

「それで……そちらがしののんの彼氏なの?」

 

「えっ……、えっと……その、ま……まあ……」

 

 テーブルに着くやいなや、いきなり明日奈が詩乃をぶった斬る。しかし、詩乃は以前のように顔を真っ赤にして反論をしようとはしない。

 いや、顔を真っ赤にしている所は同じなのだが、今回はその問に対して、すんなりと首を縦に振ったのだった。

 

「あはは……、僕まで恥ずかしくなってくるな……」

 

「えっと、シュピーゲルさん……でしたよね? リアルでは初めまして、アスナこと結城明日奈です。しののんとはSAO時代からのお友達で……」

 

「あ、えっと、僕は……新川恭二です。詩乃とは中学からのクラスメイトで、その、仲良くしてもらってて……」

 

(こういうの、『甘酸っぱい』って言うのかなあ……。お兄ちゃんといい、シノンさんといい、羨ましいなあ)

 

 紅茶のカップを口につけながら恋人がいる組を羨ましそうに、直葉は見つめていた。

 いつかあたしにも春が来るのかしら、来るとしたらそれはいつなんだろうと、自分で自分に問いかけてみる。

 しかし、いくら考えても答えはわからなかった。

 

「それにしても、恭二くんの退院祝いだってのに、随分と人が少ないわね……」

 

「ああ……、みんな忙しいみたいだからな」

 

「それに……木綿季は? キリトと一緒じゃないのかしら?」

 

 今は常に二人でワンセットの和人と木綿季、その片割れがいないことに疑問を抱いた詩乃が、店内を見回して彼女を探す。

 しかし、どこにもその姿は見られなかった。

 

「恭二……、来たばかりだけど……始めていいか?」

 

「……うん、頼めるかな」

 

 和人と恭二がアイコンタクトを取り、互いに呼吸を合わせると、和人がダイシー・カフェのカウンターの左奥にある扉の方に足を進めた。

 

「ねえ詩乃、君は……あの時のこと、どう思ってる……?」

 

「あの時の……って?」

 

 唐突な彼からの質問に対し、詩乃は少しだけ首を傾げる。その際に両サイドから伸びているお下げ髪が少しだけ左右に揺れた。

 

 おかしい、どうもおかしい。ここにきてからと言うもの、恭二くんもキリトもどこか空々しい。

 木綿季がいないのも変だし、集まったメンバーが直葉と明日奈だけっていうのもどうなの? と、詩乃はちょっとだけ感じる居心地の悪さにやきもきしている。

 

「……別に、どうも思ってないわよ。私がやらなきゃ、母さんが殺された。だから……私がやるしかなかった。……ただそれだけよ」

 

「……本当にそうかい?」

 

 今更蒸し返す必要のないことを話題にされた詩乃は、少しだけ虫の居所が悪くなっていった。

 恭二くんは、キリトは、いや、ここにいる人達は恐らく何かを隠している。

 私にだけ内緒で、何かをやっている。そう感じ取っていた。

 

「……何が、言いたいのよ……」

 

「君はまだ、心のどこかであの事件のことを引きずっている。違うかな」

 

「なッ……そ、そんなこと……ッ」

 

 そんなことない。そう言いたいのに、喉からその声が出てこない。

 

 本当にあの時はああするしかなかったんだ。母さんを守れるのは私しかいなかった。

 他に誰も助けてくれたりなんかしなかった、だから、だから私がやるしかなかったッ。

 

 私だって、殺したくなんかなかったッ、誰が好き好んで人殺しなんかしたりするもんかッ。

 でも私はやってしまった。引鉄を引いてしまった。人一人の命を奪ってしまった。

 なら、私が背負っていくしかないんだ。私一人で、罪を背負っていくしかッ!

 

「詩乃、確かに君は……人の命を奪ってしまったかもしれない。それは変えられない事実だ」

 

「…………ッ」

 

「でも、それだけじゃないんだ、詩乃」

 

「……それだけ(・・・・)じゃない(・・・・)……?」

 

 一体なんのことを言ってるのかわからない詩乃は、ただただその場に固まってしまっていた。

 この場にいる人達が、何のためにここに私を呼んだか、その理由がわからなかった。

 

「しののん、私たちね? キリト君からしののんの過去、全部聞いたの……」

 

「……でしょうね、何となく……わかってたわよ……」

 

 SAOメンバーは皆、詩乃にとっても心を許すことの出来る大切な友人達だ。

 誰もが誰も、詩乃の過去にどんなことがあったとして、それを蔑んだりするようなことはしない。

 相手の命を奪わなければいけない状況、それを誰もがわかっているから。

 そして何よりも、その事で長年ずっと苦しんできた詩乃を、どうして軽蔑することが出来ようか。

 

「詩乃、君は……今までずっとそのことで自分を責め、苦しんできた」

 

「…………」

 

「それが悪い事だとは言わない。だけど、君はただ闇雲に命を奪ったわけじゃあないんだ」

 

「そりゃあ……母さんを助けるためだったから……」

 

「それも間違っていない、だけど、君は他に知るべきことがあるんだ。知って……その人たちの言うことに、耳を傾けなければならないんだ」

 

「……な、何を……」

 

 これ以上、あの事件の何を聞けばいいの? 人殺しだのなんだのって、今まで散々罵られてきた。

 世間からの目も冷たくて、ずっと蔑まされてきた。

 また、何かを言われなければならないの? せっかく心の奥底に仕舞って蓋をしておいたのに、何でわざわざほじくり返そうとするの……?

 

「……木綿季、いいぞ」

 

 和人が店内奥の扉をノックしながら声をかけると『ガチャ』という音とともにドアノブが捻られ、扉がゆっくりと手前に開かれていった。

 

 そして何が始まるんだとじっとその方向を見つめていると、まず初めに木綿季が姿を現した。

 

「木綿季……?」

 

 奥から出てきた木綿季が、ジュークボックスの手前で立ち止まり、こちらですとハンドサインを送る。

 その後に続くように、三十代半ばくらいの女性と、四、五歳くらいの女の子が続いて奥から姿を現した。

 

「……??」

 

 見知らぬ親子、当然詩乃も出会ったことは無いようで、終始頭の上に?マークを浮かべている。

 

 女性は肩まで伸びたセミロングの黒髪に、カジュアルな服装。女の子の方は通っている幼稚園のものだろうか、白と黒の通園服に身を包み、肩からは黄色い幼稚園カバンを下げている。

 

 親子は詩乃の座っているテーブルの前までゆっくり足を運ぶと、その前で立ち止まり、礼儀正しく詩乃に向かって一礼をした。

 母親らしき女性が先に頭を下げると、それに気付いた女の子も、釣られて一緒に頭を下げる。

 

 一体何が起こってるんだ、この人たちは誰なんだと、あらゆる疑問が詩乃の頭の中を駆け巡る。

 詩乃が困り果てていると、母親の女性が、ゆっくりと口を開いていってた。

 

「初めまして、朝田……詩乃さん、ですね?」

 

「……は、はい……」

 

「私は……大沢祥恵と申します。この子は娘の瑞恵、五歳です」

 

 祥恵と名乗った女性が、瑞恵という女の子の頭に手をぽんと当てると、女の子の方がニコッと微笑む。

 

「私、この娘が生まれる前、六年前までは……地方の郵便局で働いておりました」

 

 『郵便局』というワードに、詩乃は目を丸くして凍りついた。

 基本的に、詩乃が巻き込まれたあの郵便局での事件の真実は、警察関係者、事件当事者、詩乃のクラスメイト、そしてここにいるメンバーしか知らないことだ。

 そして、詩乃は目の前の女性の面影が、どこかで見覚えがある、と思い始めた。

 

(わたし……この人を……知ってる……?)

 

「ごめんなさい……、ごめんなさい詩乃さん。私……、もっと……もっと早く、あなたにお会いしなければならなかった……」

 

「そ、それじゃあ……あ、あなたは……、まさか……あの時の……?」

 

「……はい、あの強盗事件に巻き込まれた時、現場にいた局員です……」

 

 そう、彼女大沢祥恵は、今から六年前、例の強盗事件が発生した郵便局で働いていた、郵便局員なのであった。

 隣で一緒に働いていた局員が犯人にピストルで撃たれ、次は彼女か、詩乃の母親かと思われた時。

 咄嗟に当時十一歳の少女の詩乃が、犯人に飛びかかり、周りの人の命を救った。

 そう、彼女は何も犯人を闇雲にただ殺しただけではない。

 

 それによって、そこに居合わせた人達全員の命を救った(・・・)のだ。

 ここにいる大沢祥恵なる女性も、そのうちの一人、というわけだった。

 

「あの時、私……お腹の中にこの子がいたんです。ですから……詩乃さん、あなたは私だけでなく、この子の命も救ってくれたんです」

 

 

 ……救った? 私が……命を? 人を殺した私が……救った……?

 

 

「ありがとう詩乃さん、本当に……本当にありがとう……ッ」

 

 感謝の言葉を、やっと本人に伝えることが出来た祥恵は、途端涙をポロポロと流し始めた。

 

 その反応に、詩乃がどう対応したらいいかわからずに、どうしようとおろおろしていると、女の子、瑞恵の方が、小さな足をちょこちょこと動かし、詩乃の目の前にやってきて、立ち止まった。

 

 そしてニコッと詩乃に笑顔を見せると、幼稚園カバンのチャックを開けて、ガサゴソと中から何かを取り出した。

 

「…………?」

 

 画用紙のようなものがカバンから取り出されると、瑞恵はそれを両手で持ち直し、そのまま真っ直ぐ一生懸命に腕を伸ばして、詩乃に差し出した。

 

 詩乃は解せぬ顔を浮かべたままそれを受け取る。そこには、瑞恵が自分のクレヨンで描いた、真心のこもった絵と『しのおねえさんへ』と子供らしい字が書かれていた。

 

 

「しのおねえさん、ママとみずえを、たすけてくれて、ありがとう!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 この絵、この言葉、そしてこの笑顔は、詩乃が六年間ずっとずっと背負い続けてきた罪の意識を洗い流すのに、十分すぎるほどだった。

 一切の曇りのない眩しすぎる瑞恵の気持ちは、しっかりと詩乃の心に届いていた。

 

 詩乃は泣くことしか出来なかった。その涙の理由は様々だ。

 必要以上に罪の意識に囚われすぎていたこと、この親子のように、詩乃に感謝の気持ちを抱いている人がいること。

 

 それらを一度に知ったことで、嬉しさ、哀しさ、その他色々なものがごちゃごちゃになった涙を流していた。

 しかし今確実に言えることは、この涙の一番大きな理由は、嬉し涙だということだろう。

 

 次から次へと溢れ出る涙は留まることを知らず、目から溢れ出て頬を伝い、重力に引っばられて落ち、手元にある画用紙を濡らした。

 

「えへっ」

 

 泣いている詩乃の手を、瑞恵は温かく両手で掴む。詩乃は一瞬驚くも、瑞恵の純粋な笑顔に応えるように、自分も精一杯最高の笑顔を見せ、瑞恵に感謝の気持ちを抱く。

 

「ありがとう……、瑞恵ちゃん……」

 

「えへへ♪」

 

 瑞恵は終始笑顔のまま、詩乃と触れ合い続けた。そして話をしていくうちに、彼女の涙はひっこんでいき、まるで本当の姉妹のような微笑ましいやりとりに見える。

 

「詩乃さん……よろしければ、お聞かせいただけませんか? あなたが……あの後、どのような人生を歩んできたかを……」

 

「わ、私の……?」

 

「……はい、もう……あなただけに背負わせるわけにはいきません。私達も……ちゃんと向き合います」

 

 娘をなでていた時とは打って変わって、覚悟のある顔つきへと変わった祥恵は、じっと真っ直ぐに詩乃を見つめる。

 あの時に命を救ってもらったからというだけではない。

 一人のいたいけな少女に全て背負わせてしまった業を、自分も知るため。少しでも彼女の重荷を分かち合うため。

 

「……わかり、ました……」

 

 その覚悟を汲み、詩乃も今一度、自分の過去と向き合い直す。

 祥恵はそんな彼女の話を真正面から逃げずに、耳を傾け続けた。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 同日 午後17:45 東京都台東区御徒町 ダイシー・カフェ前

 

 

 あれから、詩乃は祥恵、瑞恵とたくさん話をした。ずっと今まで、人を殺めた事への罪の意識。

 銃火器へのトラウマ、毎夜毎夜苦しめられている悪夢。

 これまでの全ての体験を話した。その話から、祥恵は目を背けることなく、真剣な姿勢で聞き続けた。

 それが自分と娘の命を救ってくれた恩人への礼儀、けじめだとわかっていたからだ。

 

 やがてひとしきりの話が済むと、祥恵は詩乃と連絡先を交換し合った。何かあればいつでも相談に乗るからということで、詩乃も喜んで自分の連絡先を教えた。

 

 そして時刻もいい時間に差し掛かり、娘も連れていることもあるので、大沢親子はそのままダイシー・カフェを後にした。

 瑞恵は別れ際でも終始笑顔で詩乃のことをニコニコ見つめていた。

 

「それじゃあ……バイバイ、瑞恵ちゃん」

 

「うん! ばいばい、しのおねえさん!」

 

「あの……今度是非、うちに遊びにいらしてくださいね」

 

「あ……はい! 是非行かせてもらいますッ」

 

 別れの挨拶を済ませると、大沢親子は仲良く手を繋ぎながら、建物の向こう側へと姿を消していった。

 これから家に帰ると、晩御飯の支度などがあるのだろう。もしあの時、詩乃が勇気を振り絞らなかったら、その一家団欒の時間も永遠に失われていたのかもしれない。

 

「……はぁッ……」

 

「……大丈夫? 詩乃?」

 

「……うん、なんか……肩の荷が軽くなった……気がする」

 

「そっか……よかった」

 

 今日の計画を立てた主犯である恭二が、親子が去っていった方向を見つめながら、詩乃に問いかける。

 彼女の口から出てきた声は、心なしか今まで聞いた声で、一番嬉しそうな、生き生きとしているような声色だった。

 

「ねえ、恭二くん?」

 

「……なんだい?」

 

「今回のこと、恭二くんが……やってくれたんでしょ?」

 

「……いや、僕は……考えただけだよ。直接調べたりしてくれたのは、和人たちだ」

 

 お気に入りのキャスケット帽に手を掛けながら、自分は貢献者じゃないと謙虚な姿勢を見せる恭二に、詩乃は「素直じゃないんだから」と思いながら、襟元のマフラーの位置を直す。

 

「私ね、ずっと……、あの時のことを受け入れることが出来なかったの」

 

「…………詩乃?」

 

「自分のやったことを認めたくなくて、全部幻にしてしまいたかった」

 

「……詩乃は人殺しなんかじゃない。多くの命を救ってくれた、英雄なんだ」

 

「や、やめてよそんな言い草……、英雄だなんて……恥ずかしいじゃない……」

 

「でも、君が買ってくれたこいつのおかげで、僕も命を救われた」

 

 そう言いながら、恭二は自分の首からぶら下げているドックタグを取り出し、詩乃に見えるように手に取った。

 

「詩乃は僕の恩人でも……あるんだよ」

 

 少しだけ凹んでいるドックタグ。詩乃が恭二にプレゼントした、思い出の詰まったドックタグ。

 このドックタグは恭二にとってお守りでもあり、一生離さない宝物でもあった。

 

 詩乃も瑞恵からもらった絵をじっと見つめる。画用紙からは、ほんのりとクレヨン独特の匂いがする。この絵も彼女にとっては、一生の宝物になることだろう。

 

「なら、恭二くんも私の恩人ね」

 

「え……何で?」

 

「私をまた……笑えるようにしてくれたもの」

 

「……そ、それは……」

 

「自分を卑下しないで、恭二くんの悪いところよ?」

 

 何かを言おうとする恭二の唇を、詩乃はすかさず人差し指をあてて蓋をした。

 口を塞がれた恭二は、顔を赤らめながらその指先をじっと見つめている。

 

 このようなやりとりはこれから先、何回も何十回も繰り返されるのだろう。

 彼の弱気な性格を治すことが出来るのは、もう彼女しかいないのだから。

 

「何恥ずかしがってるのよ、私たちもう恋人同士なのよ?」

 

「え……えと、いや……それでも恥ずかしいものは恥ずかしいっていうか……あ、あはは……」

 

「……全くもう、これじゃあ先が思いやられるわよ……」

 

 友人から恋人の関係に間柄を深めたからといって、そう易々と恭二の奥手な性格が直るわけではない。

 人の性格は自分一人では簡単には変えられない。ならば、誰かがそれを手助けしてやればいい。

 詩乃のぐいぐいいく姿勢なら、恭二もきっと前へと成長することが出来るだろう。

 

「じゃあさ……、奥手な君でも絶対に断れないお願い、してもいいかしら?」

 

「……お、御手柔らかにね、あはは……」

 

 恭二からの声を聞くと、詩乃は彼を真っ直ぐ見つめ、自身の胸に手を当てて、目を閉じて大きく深呼吸をし、再び目を開けて彼をじっと見つめる。

 

 

 そして文字通り、彼に一生のお願いを、聞いてみる。

 

 

「……あなたが、私を一生……守って」

 

「……うん、喜んで……」

 

 

 

 私は……あの事件をこれまでずっと、忌々しい出来事だと思ってきた。

 全部幻にして消してしまいたかった。でも現実はそうじゃない。私があの時撃った弾は幻の銃弾(ファントム・バレット)なんかじゃない。

 本物の弾、現実の銃弾(リアル・バレット)なんだ。

 

 でも、今ならあの時の行動を、ちょっとだけ誇れる気がする。

 私は、あの犯人を殺すために撃ったんじゃない。たくさんの尊い命を救うために、あの弾を撃ったんだ。

 

 だから、幻なんかにしちゃいけない。その現実を受け止めて、乗り越えていかないと。

 でもきっと大丈夫。今の私には……大切な人が、ずっとずっと隣にいてくれるから……!

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 ソードアート・オンライン マザーズ・ロザリオ ボクの生きる意味外伝 幻の銃弾編 ~完~

 

 




 
 以上をもちまして、幻の銃弾編は完結となります。半年以上のお付き合い、誠に感謝の至りです。
 原作では勿体無い立ち位置にいた新川くんを、フルに活用してカッコよくなってもらいました。これでおそらく、皆様の中の『新川恭二』のイメージが変わったのなら、幸いです。
 私、結構彼のこと好きでしたからw

 さあ、続きましては次章のボク意味ですが……。
 すみません、再び外伝となります。と言いますのも理由がございます。

 この後は小さな春編、復学編と物語が続いていくのですが、考えた当初とは順番が変わってしまっています。
 何故かと言いますと、時間軸の関係で、復学編のあとに小さな春編をやってしまうと、時間が行ったり来たりしてしまい、よくわからなくなってしまう恐れがあるためです。
 なので先に小さな春編のほうを書かせていただきます。ご了承いただければ幸いです。
 小さな春編はそこまで話数を使わない、短編的な物語となっておりますので、さくっと短期間でお楽しみいただけるかと思います。

 長くなりましたが、これまでのご観覧誠にありがとうございました。
 そして、これからのボク意味も、どうかよろしくお願い致します。
 

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