緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第七弾 銃弾

俺はアリアに電話を貰ってすぐ、女子寮の屋上に上った。

 

「アリア!」

 

「遅いわよ!風切!」

 

「風でブーストしたのに…」

 

風まで使ってきたのに怒られた。

………解せぬ。

 

「元Sランク武偵を含めて四人、まぁ、こんだけ集まれば上出来ね。」

 

「今から助けに行くわよ。あたしと金次はバスに向かって、風切とレキは狙撃ね。」

 

「「「おう(はい)」」」

 

「あ、その前に金次。ちょっとこい」

 

そう言って金次を呼び出す。

 

「なんだよ」

 

「お前、普通モードでやる気だろ?」

 

「………ああ、そうだが?」

 

「お前にならせてやる(・・・・・・)。」

 

「は!?何でだよ!俺があれを(・・・)使いたくないのを知ってるだろ!?」

 

「ああ、知っている。だが、本気でやると言った以上、お前の本当の本気を見せてやってもいいんじゃないか?失礼だろ?お前には力がある。その力を隠して、偽りの本気でやって。ま、強制的にやらせるけどな」

 

「は?」

 

「ハックシュン!」

 

俺はくしゃみをして金次に抱きついた。

 

「諦めなよ。金次には力がある。その本気でなおアリアから離れたいならその実力さえ偽ればいい。」

 

私は離れて笑ってやる。

 

「最初に言ったでしょ?金次には金次にしか出来ないことがある。他の誰でもない。金次だから出来ることをしてあげてね」

 

「はは、悪い子だ」

 

金次の雰囲気が変わり、キザな態度になる。

 

「女の子にそこまで言われたらやらないわけには行かないな」

 

私はもう一度くしゃみをして男に戻る。

 

「ま、言ったのは俺だけどな。亜里沙では抱きついただけだからな」

 

「分かってるさ」

 

「……行くか」

 

「おう」

 

 

 

 

無理矢理、ヒステリアモードにした俺は、

レキと一緒にヘリに乗っていた。

 

ヘカートのレバーを引き、銃弾を装填する。

 

「レキ、視力は?」

 

「両目とも6.0です。」

 

「俺より1ずつ上か。なら、外回りに爆弾があるかもしれないから外探してくれ。」

 

「分かりました」

 

俺はアリア達がバスに乗り込んだのをスコープ越しに見ていた。

……危なっかしい。

その近くを通る車が一体。

その車を見ると、

 

「UZI、だと!」

 

車にUZIが搭載されていた。

俺はすぐさまアリア達に知らせる。

 

「アリア。外に車が一台。それにはあの時のUZIが載っている。気をつけろ」

 

「了解よ」

 

無線を切ってじっと車をヘカートで追っていく。

 

「ありました。」

 

レキが知らせてくる。

俺はスコープから目を離し、レキの方に向く。

 

「何処だった?」

 

「バスの下です」

 

「アリア、バスの下だ」

 

アリアに爆弾の在り処を教える。

 

「レキ、橋に差し掛かったら爆弾を撃て。出来るか?」

 

「はい。」

 

「よし、それじゃ、頼む。」

 

俺たちは寝転がってスコープを、覗く。

爆弾を解除しようとしていたアリアだが、金次がバスの上に立っていたのを見て叫んでいた。

 

「レキ、狙うぞ。俺は車を、レキは爆弾だ。」

 

「はい」

 

俺はスコープを覗く。

横からレキの狙撃する時の言葉を呟く。

 

『私は一発の銃弾。銃弾は心を持たない。故に、何も考えない。ただ目標に向かって飛んでいくだけ。』

 

「俺は銃だ。遠くてもなお対象を沈黙させる。何事にも束縛されない。赤霧の名の下に。その力を持って敵を穿て。」

 

レキは爆弾を。俺は銃を、それぞれ撃ち抜いた。

 

「対象の沈黙を確認。お疲れ、レキ」

 

俺はレキに声をかけるが何も答えずじっと何処かを見つめる。俺もその方向を見てみる。

 

「あれは………」

 

遠くに何かが見えた。

空を飛んでこちらに近づいてくる。

そしてプロペラが回る音が聞こえた。

 

「軍用ヘリか!まずい!車輌科のやつ!早く離れろ!」

 

こちらが撤退するまでにガトリング砲を撃ってきた。

 

「レキ!」

 

俺は咄嗟に風でヘリを覆ってレキを庇う。

しかし、その風の壁を突き破って俺に当たる。

 

「ぐわぁぁ!くっ!」

 

ドスドスと何かが刺さるように俺の体を貫いていく。

俺が胸からグロックを抜いて一発、発砲する。

キンッと当たって向こうのヘリが少し離れていく。

 

「くっ!イテテ、大、丈夫か?レキ」

 

「はい。風切さんが庇ってくれたので大丈夫です。」

 

「そうか、ごぼっ!」

 

俺はレキにかからないように血を吐く。

 

「大丈夫か!?」

 

車輌科のやつが心配してくれたが俺は手を振って大丈夫と示す。

 

「ごぼっ!ごぼっ!あの野郎。容赦、なく、撃ちやがって。ぶっ壊す!」

 

俺は風を纏って飛び出す。

風を足で蹴って浮かび上がり、風を足元に集めて、

 

「パイルトルネード!」

 

踵落としで下に蹴り落とす。

足の下に竜巻が起こり、ヘリがバラバラになって砕け散った。

俺はそれを見ながらヘリに戻ろうとするが、

 

「がはっ!」

 

途中で血を吐いて、徐々に意識を失っていった。

 

 

 

 

 


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