緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第六十二弾 果たし状

過去の話をし終えてしばらく全員無言だった。

……まあ、人の人生をいきなり語られたらそうなるか。

 

「と、これが竜太のことと、俺の死因。そしてついでに飛鳥たち奴隷解放の真実だ」

 

『………』

 

未だに無言。

……どうしたものか。

 

「……あんたって昔から常識破りなのね」

 

「どう言う意味だ、こら」

 

アリアがさらっと罵倒してくる。

……ここにいる全員常識破りばっかりだろうが。

 

「さて。こうして俺の過去を語ったわけだが、何故このタイミング?って言うのは分からん。ただ今回は前世の友人竜太が出てきたことで、それを説明するために過去を語ったにすぎない。これからお前ら金次たちはジーサードと戦うことになるだろう。あいつは金次の兄弟みたいなものだからな」

 

「……どう言うことだ?」

 

「……まだ気づいてなかったのか?ジーサードの意味(・・・・・・・・)に」

 

「意味?」

 

「ジーサードとは金叉の3番目と言うことで、遺伝子状はお前の弟にあたる。ジーフォースも同様にな」

 

「………」

 

開いた口が閉まらない。

みたいな感じで呆気にとられている金次。

 

「ど、どうしてそんな事が言えるんだ?」

 

言葉を絞り出すように発する金次。

 

「大した確証はない。俺はジーサードの雰囲気とジーフォースの言葉を元に推理してみただけだ」

 

惜しげも無く告げる。

この推理も完全じゃないから、大した責任を感じるつもりもない。

 

「あいつは手強いぞ?金次が全力でやっても勝てない可能性だってある。そこに竜太がいるとなれば鬼に金棒だ。一応竜太は俺の剣の師匠だからな。あいつの強さは折り紙つきだ。近く、ジーサードたちと戦うことになれば竜太とは俺がやる」

 

「無茶よ!あんたはまだ一命を取り留めただけなのよ!?」

 

「だが、あいつとはお前たちでは戦えない。それこそ全員でかかっても負けるだけだ。あいつは俺と一緒に最前線を駆け、銃を一切使わず剣だけで最後の最後まで戦い抜いたやつだ。多対1になってもあいつは圧倒してくるぞ」

 

俺がそう言うと押し黙る。

すると、レキが一歩前に出た。

 

「梓さん」

 

「どうした?」

 

「……死ぬつもりではありませんね」

 

「当たり前だ。死ぬ直前のあいつの言葉は忘れていない。あの時は自殺紛いな感じで死んでしまったが、こうして、恋人も出来て幸せだからな。この幸せを壊さない為にも死なないさ」

 

恥ずかしいが顔に出さずに言い切る。

レキは俺の言葉を聞いて少し顔を赤らめた。

 

「ともかく。今は決戦を待つしかない。休めるうちにお前らも休んでおけよ」

 

話を終える為に布団を引っ張って掛ける。

金次たちは顔を見合わせて俺に返事を返し部屋を出て行った。

 

 

 

その夜。

ふと目が覚めた俺は、制服が置いてある位置に何やら紙が置いてある。

俺は不審に思い、風を使って引き寄せ、中身を見てみる。

 

『赤霧碧へ

 

明日の夜0時。

 

学園島の南端にある空き地島にて待つ。

 

東海林竜太』

 

……果たし状だった。

俺はため息をつき紙を閉じる。

大胆なことをするようになったなぁと思いつつ、

少しでも体を治す為に眠りについた。

 

と言うかいつの間にかベットにはレキがいた。

 

 

 

 

 


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