緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第六十一弾 赤霧の死

親友が死んだ。

その事にとてもじゃないほど喪失感を味わった。

攫われたからずっと一緒にいた親友。

亡骸をずっと抱きしめていたところに大人がきた。

 

「赤霧。状況は?」

 

「……敵は全て倒しました。こちらは、……東海林竜太が死亡しました…」

 

「そうか」

 

そう返事を返し離れて行く。

その時、聞こえた。

この言葉が。

 

「所詮は奴隷か」

 

その時、思考が停止した。

 

……こいつはなんて言った?

俺の親友に。

所詮、だと?

ふざけるな。

勝手に攫ったのはどっちだ。

そのくせに所詮だと?

……もういい。

 

「全員、殺す」

 

俺はそう呟いて、ナイフを抜く。

そして、そっと近づき首を切る。

 

「……かっ!?……てめっ!」

 

そして、後ろから蹴り飛ばして捨てる。

血の付いたナイフを振り払って血を落とす。

 

俺はあることをしたあと基地に戻って、ヘカートの銃弾を装填する。

マガジンを過剰に持って、竜太の剣を取る。

飛鳥たちが起き上がってくるのを見ながら剣を背負う。

 

ひとつ、瞑想をする。

竜太が死んだ時の気持ちを殺意に変える。

殺意が頂点に達した瞬間に目を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、人生最大の殺し合い(ゲーム)を始めよう。

 

 

 

 

 

 

 

俺は飛鳥たち、全員に武装をさせて集まらせる。

 

「どうしたの?霧青?」

 

「ああ、これから作戦を伝える」

 

「作戦?」

 

「そうだ。奴隷から解放されるための作戦をな。相太、新太、創気、智史、健吾、優馬、幸平、浩志、太一、修平、賢治、一馬、光輝、俊樹、アンドリュー、ジェイソン、アレックス、飛鳥、朝雪、楓、瑞樹、エイラ、ライト、レベッカ、エリザ、セレナ、リリィ。やっぱり作戦は後で言う。その時の異論は認めない。分かったな」

 

男子から順に言って行き、女子で終わる。

総勢27名。

全員が頷いたのを確認して外に出る。

 

 

戦闘艦に背を向けるようにして、大人たちを待つ。

飛鳥たちは俺の後ろに並んでいる。

そして、ぞろぞろと大人たちが出てきた。

俺は一番先頭に立って出てきた奴にデザートイーグルの照準を合わせる。

大人たちは俺の行動に隠せなかったようだ。

 

「……何のつもりだ?」

 

「見て分からないか?お前らに銃口を向けている」

 

「だから何のつもりだと聞いている」

 

「元々、無理矢理戦わされていたんだ。俺たち奴隷は元の国へ帰る。その為に俺が殿となってお前らに反抗しているんだ」

 

「そんな事をしてただで済むと思っているのか?」

 

「思っちゃいないさ。だから少しでも抗う為に銃口を向けている。そして、竜太の仇は俺が討つ」

 

俺は飛鳥たちの方を向いて銃を掲げて叫ぶ。

 

「奴隷たちに最後の作戦を伝える!飛鳥、相太の指示に従いここより戦線を離脱!戦闘艦に乗って日本に帰れ!異論は認めん!さあ、行け!」

 

俺はそう言い放つ。

すると、飛鳥が少し近づいてくる。

 

「き、霧青は?」

 

「こいつらを全員殺したら自力で帰るさ」

 

「そんな、無茶だよ!」

 

「だが、やらなければならない。竜太の為に。お前たちの為に」

 

「……意見を変える気はないんだね」

 

「ああ」

 

「……」

 

飛鳥が無言で近づいてくる。

俺はそれをじっと見ている。

そして、俺に抱きついて来たかと思ったら、俺の唇に飛鳥の唇が重なった。

沈黙の後、ゆっくりと飛鳥が離れて行く。

 

「……生きて。生きて私たちのところへ帰ってきてね」

 

「ああ。善処する」

 

飛鳥はニッコリと笑って全員を率いて走って行く。

俺はそれを見送って、大人たちの方を向く。

 

「やけにすんなり倒してくれたな」

 

「ああ、どうせあいつらは死ぬ運命だ」

 

「何?」

 

そう言って胸元から何かのスイッチを出してくる。

 

「これはあの戦闘艦に設置してある爆弾のスイッチだ」

 

「爆弾だと?」

 

「ああ。逃走するならあの船だからな。あらかじめ設置して置いた」

 

そして、止める間もなくスイッチが押された。

しかし、爆発はしない。

 

「な、何故だ!何故爆発しない!?」

 

「当たり前だろ」

 

俺はデザートイーグルでスイッチを破壊して、淡々と言う。

 

「あの船に爆弾があるのは知っていた。だから全て昨日のうちに外しておいた」

 

「ば、馬鹿な!?30個はあったはずだぞ!?」

 

「全てと言った。さぁ、殺戮を始めるか」

 

『赤霧の名の下に

力を持って力を示せ

守るべきものの為に

力を用いて敵を穿て』

 

そう言うと雰囲気が変わる。

サバイバルナイフとトカレフも抜き、思いっきり息を吐き出す。

限界まで吐いて、思いっきり息を吸い込んで、叫ぶ。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

数は1対恐らく3000。

そこからは酷い争いだった。

俺も何千人か殺した。

グレネードを投げて、それを撃つ『血の雨(レッドレイン)』を使ったり、相手が撃った銃弾を撃ち、跳ね返す。

ナイフを持って接近戦を挑んでくる奴は首元を切り、盾に使う。

スナイパーは爆弾で目くらましした後に寝転がりヘカートて撃ち抜く。その時にシャーロックに撃たれたであろう痛みが浮かんだ。

その痛みを堪え、戦うが、視界が無いのは痛く、血の霧(レッドミスト)を使っても当たってるかどうかも分からない。

そして、右脚の感覚がなくなり、左腕、右腕も使えなくなる。

最終的にナイフを口に咥えて戦い、

 

 

 

心臓を撃たれて死んだ。

 


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