さて、戦姉妹が出来て、金次が一度だけ強襲科に戻って来るとアリアに約束して次の日。
早速、強襲科に来ていた。
来た瞬間から「死ね」「死ね」言われている。
こいつらの挨拶見たいなもんなのだが、些か野蛮である。
俺はここまで毒されてはいない。
本当に死ぬと言う苦しみを知っているから。
「おい」
何か声をかけられた。
見覚えはないので一年だろう。
「あんたか?あの男女の戦兄妹てのは」
「ああ、そうだが?」
「ははっ!あんた、Sランクのくせに弱そうだな!あんたみたいなんでSランクになれるなら、俺でも楽勝だな!」
なんて言われた。
見たことない奴に言われても何も思わないんだが。
「お、おい。止めとけよ」
「はっ!こんな奴にびびってんのか!?」
………なんかもう面倒だ。
「えっと、蘭豹先生はどこだっと。いた」
蘭豹先生を見つけて走っていく。
「蘭豹先生」
「あ?なんや?風切」
「一年男子。全員借りても良いですか?」
「は?なんでや?」
「ああ、舐められてるからですね。「あんたみたいなんでSランクなら俺でも楽勝だな」って言われたので実力差を見せつけてやろうかと」
俺がそう言うと蘭豹先生はニヤリと笑った。
「おっしゃ!一年男子全員!こいつと戦え!」
『は?』
おおっ、みんなハモった。
「な、なんで俺たちも」
「それはお前らがSランク言うもんを理解してへんからや」
「理解?」
「まぁ、戦ってみろや!それじゃ始め!」
蘭豹先生はM500をぶっ放す。
俺は足に力を入れ、思いっきり飛び出して全員の首に手刀を入れる。さっき舐めていたやつ以外を。
「は?」
さっきの奴は理解出来てないようだ。
まぁ、自分以外倒れたらそうか。
「さて、そこのお前。」
「ひっ!」
そいつは尻餅をついて後ろに下がる。
俺は歩いてそいつのそばに行き、上から見下ろす。
「これが実力の差だ。ま、俺ほどの規格外もそこまでいないだろうがな。それと………
舐めるなよ?」
俺は全力の殺気を放つ。
さっきの奴はブルブル震えている。
「Sランクになるような奴らは努力しているんだ。そのランクに見合うようにな。お前みたいに何の努力もしていない野郎が粋がるな」
俺が顔を近づけていくと気絶した。
………ああ、やっちゃったな。
「すみません、蘭豹先生。やり過ぎましたか?」
「いや、ちょうどええ薬になったやろ」
「そうですか。それでは失礼します。」
俺は頭を下げてその場を離れた。
「………凄かったのね。あんた」
そこから出ると、アリアがそんなことを言ってきた。
「俺がか?あんなもん誰でも出来るだろ」
「出来ないから言ってんのよ。」
「じゃ、俺は先に寮に帰ってるぞ。」
「うん。あたしは金次を待っておくわ」
そう言って手を振って別れた。
あ、そうだ。最近ヘカートの手入れしてないな。取ってきて寮で整備するか。
俺は狙撃科に俺のスナイパーライフルのヘカートⅡを取りに行く。
俺の狙撃銃は
と呼ばれるもので、人間に撃つのを禁止されている狙撃銃だ。
正式名称はウルティマラティオ・ヘカートⅡと言う。ヘカートとはギリシャ神話に出てくる女神ヘカテーを指しているそうだ。俺のはそこまで威力が出ないように少し弄って貰っていて、当たっても滅多なところに当たらない限り死にはしないが。
なかなか銃検がキツかった。
ちなみに俺が前世で使っていた銃でもある。
寮に帰ってヘカートの整備をして、ぼーっとしていると、金次とアリアが帰って来て、ゲームセンターで取ってきたであろうものを一緒につけていた。
次の日、いつも通り、登校しているとアリアから電話がかかってきた。
『風切、あんた今どこいるの!?』
「何処って普通に登校しているが?」
そう普通に返すと、結構驚くべき事が起きていた。
『緊急事態よ!今すぐ女子寮の屋上に来て!
『武偵殺し』にバスがジャックされたわ!』