緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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VSジーサードと過去との因縁
第五十六弾 ジーフォース


10月31日。

文化祭の片付けは一年の仕事なので、寮でのんびりしていた。

そして、夕方にレキのご飯を作ろうとレキの部屋に行く。

鍵が閉まっていたので貰った合鍵を使い中に入るが、

 

「あれ?おかしいな」

 

普段は自分からは外にあまり出ないので、ここに居なかったことに違和感を覚える。

レキの携帯にかけても出ない。アリアにかけても出ない。

理子にも白雪にもかけるが一向に繋がらなかった。

 

「………」

 

何か事件に巻き込まれているかもしれない。

 

そう思った俺は風を使い、適当に調べてみる。

だんだん範囲を広げて行くと、一つ、何かにぶつかった。

俺はその場所に風を使って飛んで行くと、ハイマキがいた。

しかし、ひどく負傷していて、銀色の毛が血まみれだった。

俺はすぐさまハイマキの元へ飛んで行く。

 

その場所にはレキも白雪も理子もいて、傷だらけでレキも、白雪や理子も倒れている。

俺はすぐさまレキのところに駆け寄った。

 

「レキ!」

 

「梓、さん」

 

「待ってろ、今治す」

 

そう言って力を使う。

レキの体を淡い光が包み、傷が消えていった。

 

「梓さん、アリアさんを」

 

レキの視線の先を見ると、まだアリアが戦っていた。

俺は頷き、そっとレキを下ろす。

そして、背中から「るうと」を抜き走り出す。

もう片方の手でベレッタを持ち、フルオートにして、円を描くように撃つ。

アリアの周りには風を配置しているので大丈夫だ。

アリアと戦っていたやつは、アリアの小太刀を振り払って飛び下がる。

アリアは小太刀を杖にして、ギリギリ意識を保っていた。

 

「あ、梓?」

 

「おう!アリア、大丈夫か?」

 

俺はアリアに話しかけながらマガジンを入れ替える。

 

「大丈夫、じゃないわよ。あいつ、私たちをいきなり襲ってきたのよ。そこで最初に理子が倒されて、瞬く間に白雪、レキと倒していったわ。かなり強いわよ、あいつ。梓が来なければやられてたかも」

 

「ほう?Sランクのアリアがそう言うか。分かった。俺がやるからアリアはレキと協力して、下がってるか、この場から引いてくれ。後これを」

 

そう言って一つだけ弾を取り出して力を込める。

淡い光が包み、だんだんと白くなっていく。

完全に白くなったところでアリアに渡す。

 

「これは?」

 

「『白銀の弾丸(プラチナブレッド)』の力を込めた弾だ。一定期間だけ、傷を癒すことが出来ると思う」

 

「ありがとう」

 

そう言って走っていくアリアから目を離し、先ほどのやつを目に写す。

 

「さて、わざわざ俺や金次を狙わないのはなんでだ?ジーサードの部下さんよ」

 

「お兄ちゃんの女が誰か分からなかったから、全部やった。それだけだ」

 

「お兄ちゃんってのは、金次のことか」

 

「そうだよ。私はジーフォース。金次お兄ちゃんの妹だよ」

 

「そうか……。女として生まれてきてしまったか……。だから出来損ない(・・・・・)なのか」

 

「……なんだと?」

 

「当たり前だろ。ヒステリア・サヴァン・シンドロームは男が女を守るために強くなる(・・・・・・・・・・・)

なら女の場合は?

普通に考えれば男に女は守られるために弱くなる(・・・・・・・・・・・・・)。まぁ、遺伝子的には確かに金次の妹かもしれないがな」

 

「………」

 

「お前があいつの遺伝子的な妹だろうと、あいつらを傷つけた報いは受けてもらう」

 

『赤霧の名の下に』

 

そう言うと雰囲気が変わる。

風を使い、一気に間合いを詰める。

 

「……っ!」

 

スピードに驚いたのか少し反応が遅れていた。

俺は横殴りに「るうと」を振るう。

ジーフォースは剣で受け止めていた。

すぐさま俺はバックステップを踏んで、フルオートのベレッタをさっきと同じように円を描くように撃つ。

弾に弾が当たり方向を変える。

その弾に惑わされているところに、弓を射るように剣を前に出して撃つ。

その弾が燃え上がり、ジーフォースに迫って行って、

爆発した。

 

「がはっ!」

 

ジーフォースは吹き飛んで壁に激突した。

俺は「るうと」をしまい、ベレッタのマガジンを入れ替えて、ジーフォースに突きつける。

 

「終いだな」

 

「くっ!」

 

悔しげにこちらを見てくる。

俺は引き金を引こうとしたその時。

 

「我流 一刀 太刀」

 

そう声がして振り向いた瞬間に斬られた。

 

「ぐわぁ!」

 

俺は風を使い、力を振り絞ってその場を離れる。

 

「ゴホッ!ゴホッ!」

 

「大丈夫かい、ジーフォース」

 

「あ、ありがとう」

 

「なっ……!?」

 

聞き覚えのある声だった。

でも、この世界、転生してからは聞いたことが無い声。

その男がこちらを向いて顔を表す。

 

「やぁ、久しぶりだね。碧」

 

「お、お前は!?」

 

その男は、前世で見た顔。

俺の親友だった、東海林竜太(しょうじりゅうた)だった。

 

「一刀流 燦々」

 

そして、竜太の三連撃を受けて、意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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