緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第五十弾 スカイツリー

雷鳴が轟いたのを聞いて、俺は階段を駆け上がる。

ヘカートは持って来ていないが、「るうと」は持って来ている。

とりあえず、グロックとソードブレイカーを手に持って、ゆっくり進む。

相当上に登って、大広間に出た。

そこには見知った顔が倒れていた。

 

「ワトソン!」

 

俺はグロックとソードブレイカーをしまう。

ワトソンの背を持って座らせる。

 

「風切か」

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫だ。遠山に負けてしまった」

 

そう言いながら少し顔を染める。

 

「何だ?女とバレたか?」

 

「………」

 

俺がそう言うと顔が真っ赤になった。

 

「はぁ、まあいい。とりあえず傷治すから、ちょっとごめんな」

 

そう言ってワトソンの手を握る。

すると、手を払って来た。

 

「何をする」

 

「何って、傷を治してやろうと思っただけだ。お前も知ってるだろう。俺の目の『白銀の弾丸(プラチナブレッド)』のことを。その中に相手を癒す力がある。それだけだ。ほら、手」

 

「……分かった」

 

渋々と言った感じで手を出してくるのを握る。

すると、ワトソンの体を淡い光が覆う。

 

「これは凄いな。傷が消えていく」

 

「残念だが、失った血までは回復することは出来ない。あくまで応急処置だ」

 

「いや、ありがとう。傷が無くなるだけてマシだよ」

 

「女の子だから傷が残ったら嫌だもんな?」

 

「なっ!?からかうな!」

 

「無理して男続けるより女らしくしておいた方がいいぞ?せっかく可愛いのに」

 

「か、かわ!?……君と言い遠山といい、僕のことを……」

 

顔を真っ赤にしながらブツブツと呟く。

……おかしなこと言ったか?

 

その時、もう一度雷鳴が轟く。

そして、ポツポツと雨が降ってきた。

 

「レキは傘持ってないよな。……薄くなら行けるか」

 

「風切?」

 

ワトソンがハテナを浮かべる中、俺は手を上にかがける。

そして風を東京スカイツリーの上に形成していく。レキの絶対半径(キリングレンジ)を考慮して、半径4000mぐらい風を広げる。

この辺りだけ雨が止み、ワトソンが疑問の声を上げる。

 

「……何をしたんだ?」

 

「ん?この辺り一帯に風を配置した。雨はレキが風邪を引いてしまうかもしれんからな」

 

「君は超能力者(ステルス)なのか?」

 

「ああ、でも学校には明かしてない。と、早く金次のサポートに行かなきゃな」

 

「僕も行く」

 

「いいが、あいつは電気使いの超能力者(ステルス)だろ?金属を体に巻きつけるのは危険だぞ」

 

「分かっている。当たらないように気をつけるさ」

 

「ま、危険な場合は俺が守るから安心しろ」

 

「……あ、ありがとう……」

 

「それと、もう一度手を出せ」

 

「あ、ああ」

 

ワトソンの手を取って、力を使う。

すると、先ほどのような淡い光がワトソンの体を覆う。

 

「これはさっきの」

 

「さっきの癒す力とは違う。それは、防御膜みたいなもので、体を包んでダメージを軽減することが出来る」

 

「ありがとう」

 

「ああ、それじゃ、行くぞ!」

 

俺とワトソンは階段を駆け上がって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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