緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第五弾 戦姉妹

そして次の朝、何故かいるアリアをほっといて朝ごはんを食べる。俺はバスには乗らない主義なので歩いていくために朝は早い。時間に縛られず自由にのんびりと歩くのが一番いい。とりあえずあいつらにご飯を用意してやって、

俺の愛銃のグロック17とベレッタM9を装備して、胸元にソードブレイカーを装備して出る。

 

授業は滞りなく進んで、昼休み。金次がアリアと一緒に寮を出た、とか言って金次を追いかけて行った。

そして、何故か俺まで追われる羽目になった。

………何でだよ。

 

そして逃げてきて屋上。

追いかけてきた奴はいなかったので一安心。

ふと、気配を感じてその方向を見ると、一人の少女がいた。

 

「レキ」

 

その少女はレキ。

ロボットレキなんて呼ばれているほど、無表情だ。

 

「隣、座っていいか?」

 

そう聞くとコクンと頷いたので、隣に座って弁当を開ける。

 

「そういえばレキ。お前昼飯は?」

 

と言うと箱を見せてきた。

 

「カロリーメイト?」

 

レキはコクンと頷く。

………これはダメだろ。

 

「ほれ、これやるよ」

 

俺は二段弁当の片方を渡した。

レキはフルフルと首を振っていた。

 

「いいから。ほら」

 

俺は手をとって渡した。

レキは無言だったが、

 

「ありがとうございます」

 

そう呟いた。

俺は少し笑って食べ始める。

ふと、俺はいつも疑問に思ったことを聞いてみる。

 

「そういえばレキ、いつも何聴いてるんだ?」

 

「風を」

 

「風?」

 

「はい」

 

「ふぅん。そっか」

 

俺は手を前に出して風を起こしてみる。

何か聞こえるのか、と。

俺が手を前に出したのを不思議そうに見ていて、風を起こした瞬間、少し驚いたように見えた。

 

「それは?」

 

「ん?ああ、俺の超能力さ。あ、これは誰にも言うなよ?無理矢理、SSRに入れられかねないからな。」

 

「風が」

 

「ん?」

 

「風がどんなものか聞いています。」

 

「どんなもの?ううーん、単純に風を操る力だな。自身で風を起こすことも出来るし、大気中の風を操る事が出来る。小さな風を起こすこともできるし、サイクロン見たいな竜巻を起こすことも出来る。そんなもんかな。あ、もうそろそろ授業始まるから帰るわ。じゃな」

 

 

 

そうして、昼休みも終わり、授業だ。

この武偵高には様々な科がある。

 

強襲科(アサルト)狙撃科(スナイプ)探偵科(インケスタ)諜報科(レザド)救護科(アンビュラス)尋問科(ダキュラ)鑑識科(レピア)装備科(アムド)車輌科(ロジ)通信科(コネクト)情報科(インフォルマ)衛生科(メディカ)超能力捜査研究科(SSR)特殊捜査研究科(CVR)、など様々な物がある。

俺はその中の強襲科、狙撃科、探偵科、諜報科の授業を受けている。

武偵ランクは左から、S、S、A、Bといった具合だ。

 

この授業中は授業を受ける代わりにクエストと言って、他の人の依頼を受けることも可能だ。その難しさによって貰える金額も変わるので、金がよく減る奴は毎回のように受けている。

 

俺は狙撃科で授業を受ける。

そこまで金が必要ってわけじゃないからな。

 

授業が終わり、寮へ帰る。

その途中、

 

「あの!」

 

声をかけられた。

その方向を見ると、先日助けた子が来ていた。

 

「なんだ?」

 

「あの、風切梓先輩、ですよね?あたし、火野ライカって言います!」

 

「ああ、うん。で?俺に何か用か?」

 

「あの、風切亜里沙先輩、ご存知ですよね?あの人に戦姉妹になって欲しいんすけど、どこにいるか知ってますか?」

 

俺はその言葉を聞いて溜め息をついた。

………先輩って言わなかった方が良かった。

 

「それは俺の苗字が風切だから知ってると思ったのか?」

 

「はい。苗字からして双子か何かですよね?」

 

「え〜、あ〜、うん。仕方ない。で、戦姉妹(アミカ)になりたいんだっけ?」

 

「はい!」

 

「それじゃ、かかって来て。」

 

「は?いや、あんたじゃなくて亜里沙先輩に」

 

「だから、今はあいつはいないんだ。俺がテストして報告するから」

 

ま、俺が亜里沙なんだけどな。

今は言わないけど。

 

「わ、分かりました。」

 

「えっと、ルール確認だけど。君は銃でもナイフでも使っていいから。締め技もありだし、関節技(サブミッション)も有りでいい。俺は何も使わない。」

 

「………な、舐めてんすか?」

 

「いや、俺はこれでもSランク武偵だからな。一年のAランク如きには負けないさ」

 

「言ってくれますね」

 

「それじゃ、強襲科に行こうか」

 

「はい」

 

………めっちゃキレてる。

挑発し過ぎたか?

 

 

 

 

「さて、勝敗は君の気絶、またはギブアップ。俺は、君の力を認めるか、気絶させられるか、ギブアップで。いいね?」

 

「うす!」

 

そう聞いて、ライカは構えをとる。

対して俺は構えなしだ。

 

「それじゃ何時でもいいよ」

 

「………構えなくていいんすか?」

 

「大丈夫だからかかって来な」

 

「それじゃ遠慮なく!」

 

そう言って踏み込んで上段突きで殴ってくる。それを普通に受け止める。そして蹴って来たので掴んだ手を下にやり、防ぐ。

俺はパッと手を離し、顎に掌底を打つ振りをして、逆の足を払う。

 

「おわっ!」

 

ライカが転けたのを見て後ろに下がる。

俺は手をくいっくいっとやって挑発する。

 

「こんにゃろ!」

 

ライカは突きと蹴りを織り交ぜて来るが、俺はそれを全て払う。カウンターとして殴って来たのを受け流し、後ろに回ってバックドロップをかました。

 

「がはっ!」

 

俺は手を離して、その場から離れる。

 

「どうした?もう終わりか?」

 

「!、っ、まだまだぁ!」

 

「その意気やよし!その意気に免じて少し本気を出すとしよう。」

 

「なっ!」

 

どうやら本気でやっていると思われていたようだ。

まだ、風使ってないしな。

 

「行くぞ!」

 

俺はすっと後ろに回り込んで膝カックンをして、座らせる。

その瞬間裏拳を放って来たので受け止めて、背中を蹴って肩を決める。そして、ギブアップの印にタップをしたので放す。

 

「はぁ、はぁ、くそ!」

 

「よく頑張った。合格だ。」

 

「えっ?な、なんで、負けた、のに」

 

「お前、俺が言ったテストの勝利条件はなんだった?」

 

「………気絶またはギブアップ。」

 

「それだけじゃない。俺が認めたら(・・・・・・)

と言った。だから合格だ」

 

「っしゃ!ってあたしは亜里沙先輩にって」

 

「だから言っている。少し場所を変えるぞ」

 

俺はそのまま人目につかない場所に移動する。

 

「さて、亜里沙にだったな」

 

「はい」

 

「よく見ておけよ。」

 

俺はポケットから胡椒(・・)を取り出した。

 

「胡椒?」

 

ライカが頭の上にはてなを浮かべている。

胡椒をパッパッと振り、くしゃみをする。

 

「ハックシュン!」

 

すると、女に変わった。

ライカが戸惑いの声を上げている。

 

「えっ?あ、亜里沙先輩?」

 

「や。昨日ぶり」

 

「な、なんで」

 

「それは私と梓が同じだからだよ?」

 

「同じ?」

 

「そう。私たちはくしゃみをすると男と女が入れ替わる特殊体質なんだよ。」

 

「ええっ!?」

 

おお、驚いてる驚いてる。

そりゃ、求めた先輩がそんな訳の分からないやつじゃビックリするよね。

 

「ええっと、あ、そう。戦姉妹だっけ?それはいいけど、名前は梓で書いといてね」

 

「ど、どうしてです?」

 

「私という存在は武偵高には居ないのさ。私はあくまで風切梓だからね。二人在籍していたら困るでしょ?私が」

 

「そうっすか。じゃあ梓先輩で書いときます。」

 

「はい、よろしくね〜。あ、私のことは、というか梓の体質のことは他言無用だからね」

 

「はい、分かりました」

 

こうして私は戦姉妹を手に入れた。

 

 

 

寮に帰ると理子に調べさせていたのかアリアの情報を話していた。それで一度だけ強襲科に戻ることを決めていた。

 

 

 

 


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