緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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VS竜悴公姫&文化祭
第四十七弾 襲撃


変装食堂(リストランテ・マスケ)の準備が終わり、アリアの母親の再審がある日。

俺は「るうと」の手入れをしていた。

 

「るうと」と言うのは友人の剣だ。

 

そこで、金次から電話がかかってきた。

 

「もしもし」

 

『梓か?』

 

「おう。どうだった?」

 

『……懲役536年の有罪判決だった』

 

「やっぱりか」

 

『やっぱり、だと?』

 

少し苛立ったように聞いてくる金次。

 

「ああ、イ・ウー自体秘密だったんだぞ?自ら出頭した理子や、捕まったジャンヌとブラドは誤魔化せないだろ。実際に捕まったんだから。しかし、パトラや俺が殺した偽物、イ・ウーのリーダー、シャーロック・ホームズは捕まってないからどうとも言えるしな」

 

『……』

 

「こうしてアリアの母親が生きている以上、まだ時間はある。わざわざ事実上の終身刑にしているのには何かしらの理由があるだろうからな」

 

『……そうだな』

 

「アリアを励ますような言い方をすれば、アリアの頑張りが足りないんじゃない。アリアの母親をわざわざ隔離する理由があると俺は思う」

 

『……分かった。アリアに伝えて、って、な、なんだ?』

 

突然、金次の声が焦りだす。

まるで、不測の事態が起こっているかのように。

 

「どうした、金次?」

 

『ぜ、前方の信号が消えている……』

 

そう金次が呟く。

その後、バチバチバチバチィーー!と音が聞こえ、

その途端、電話が途切れた。

 

「……何があった……。レキ!俺は少し出てくる!」

 

「私も行きます」

 

「……分かった。装備はしておけ」

 

「はい」

 

俺はレキに指示をして、ベレッタ、グロック、ソードブレイカーを胸元に装備し、「るうと」とヘカートを背に背負う。

 

「レキ、行くぞ」

 

「はい」

 

レキもドラグノフを背負って返事する。

俺はレキを抱えて、窓から飛ぶ。

風を操作しつつ、ビルの屋上を伝って飛んでいく。

進んで行くと、信号が停止しているところに入った。

 

「レキ、止まっている車や横転している車とかあったら言ってくれ」

 

レキにそう言うとコクンと頷いた。

俺も下を見渡しながら進んでいく。

と、そこで、バチバチィーー!と音が聞こえた。

 

「あそこです」

 

先ほど音がした方をレキが指を指す。

その位置が見える場所の屋上に着地して、レキを降ろす。

 

「レキ、金次が気づくのに遅れたのは恐らく姿が見えなかったからだ。宣戦会議(パンディーレ)の中で、姿が見つけにくいのは、恐らくヒルダだ。あいつなら影の中に隠れることが出来るから。ヒルダがいたら、頭を撃て。一度じゃなく、頭でも少しずらしたりして撃て」

 

「はい」

 

そう言って俺もレキも狙撃体制に入る。

ヘカートのスコープを覗き、金次やアリア、理子の姿を確認する。

そこに、宣戦会議の時に見た、ゴスロリの格好をしたブロンドの髪の女、ヒルダが見えた。

 

俺はレキの肩をチョンチョンと叩く。

それを合図にレキが引き金を引く。

 

ヒルダの頭に銃弾が当たり、弾け飛ぶ。

その頭に何度も何度も銃弾を撃ち込む。

それを見て、俺もヘカートを見て、銃口の前に螺旋状に風を配置する。

そして、引き金を引く。

その銃弾は頭ではなく、体を貫通した。

 

「多分、これでも効かないだろうな」

 

ブラドとの戦い状、魔臓を壊さなければ意味がない。

なので、多少の時間稼ぎにすらならないだろう。

そこで、バチッと音が聞こえたので風の壁を配置する。

その風の壁にバチバチッ!とスパークが弾ける。

スコープを覗くと、ヒルダがこちらを見て嗤う。

 

そこに黒の車が登場し、そこから、茶髪の男子?が出てきた。

その男子が銃を突きつけると、少しヒルダが怯んだような気がする。

……何か入ってるのか?あの銃に。

持っている剣にも怯んでいるように見える。

 

ヒルダは影の中に入って消えていった。

 

俺もレキもスコープから目を離す。

 

「さて、終わったようだし帰るか」

 

「はい」

 

ヘカートを背負い、レキを抱えて男子寮に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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