「あんた達!私の奴隷になりなさい!」
入って来たのはツインテール少女で、いきなりそんなことを言い出した。
………なに言ってんだ?こいつ、ああ、金次とそんな遊びしてたのか。俺まで巻き込むな。
俺はそう思ったので、
「断る」
そう言って窓まで走って手すりに登った。
「ちょ、ちょっとあんた!なにを「危険な遊びは」」
アリアの言葉を中断させて、
「奴隷ごっこは二人でやれ。じゃ!」
俺はそのまま飛び降りた。
アリアがなにやら叫んでいるが、生憎ワイヤーは俺の能力上必要ないので無視する。
地面まで10mぐらいになったので体勢を整えて足下に風を集めて踏みつけて少し浮き、風を調節して着地する。
俺は戻っても話が面倒なので少し時間を開けて戻ろうと、少しばかり歩き出した。
その後、のんびりと歩いている。前世では出来なかったことだから、こういう合間はのんびりと過ごしたい。
そう思った矢先に、
「ちょ、放してください!」
そう聞こえて、その方向を見ると、武偵高の女子が三人絡まれていた。
………どこにでもいるな、ああいう奴ら。
俺はその集団に近づいていき、その途中で、
「ハックション!」
くしゃみをしてしまい、女に変わってしまった。
………背に腹は変えられない。
私はそのまま歩いて行って女の子の手を持っている奴の腕を掴む。
「ちょっと、放してあげなさい」
「ああ?なんだお前。」
「私はこの子達の先輩よ」
「あ〜。なに?もしかしてお姉さんが変わってくれちゃうの?」
「変わらないわ。これ以上この子達の邪魔をするなら実力行使で、追い払うわよ?」
「へへっ!出来るもんならやってみな!」
「そう?それじゃ!」
その言葉を聞いて私は拳を振り抜いた。
すかさずもう一人の男の腹に肘を入れ、裏拳で顔を殴って回し蹴りで蹴り飛ばす。
「こ、このアマ!」
男達が殴りかかってくる。
その攻撃を避けるか受け流すかで防ぐ。
「あなた達は他のやつに襲われないように下がってて!
そこの金髪の子!その二人を守って!」
「は、はい!」
と、安全喚起をして、もう面倒なので風を使おう。
「ふっ!」
掌底を腹に入れ二段蹴りで蹴って、殴ってきた奴の下に潜り込んで腹に拳を入れ、アッパーで吹き飛ばす。
最後の一人は腹に一発入れ、顔を蹴り上げ、踵落としで決める。
「と、止まれ!」
「ん?」
その方向を見ると、さっきの女の子一人が捕まっていた。
「あっちゃ〜まだいたか。」
「くそ、あかり!」
「うぅ、ライカぁ」
「ウルセェ!こいつぶっ殺すぞ!」
と、あかりと呼ばれた女の子の首にナイフを突きつける。
………はぁ、大っぴらに使いたくなかったけど仕方ない。
「あ〜、そこの男、3秒以内にその子から離れなさい。
腕無くなるわよ。はい、3」
「は?なに言ってんだお前「2」その距離から切れるわけねえだろ!「1」やれるもんならやって見やがれ!」
「はい、0」
その瞬間、私は足を叩きつける。
そして、あの子の髪が切れない程度に筒状に、真空波を発生させる。
「ぐわぁぁぁ!」
その男はその真空波で腕が切れた。
「あ〜あ、だから言ったのに。さっ、そこの子達、行くよ」
「「「は、はい」」」
そうして、その場から離れた。
私達は少しばかり歩いて、周りを確認してため息をつく。
「あなた達、大丈夫だった?」
「は、はい。ありがとうございました。」
「いえいえ、あ、さっき見たのは忘れてね。それじゃ、気をつけて帰ってね」
「あ、あの!」
「ん?なに?」
「お名前、聞いてもいいっすか?」
その言葉を聞いた私は、内心焦った。
どうしよ、ここで風切梓です、なんて答えたらダメだし。
実際、こっちの名前は武偵高にはないし。
………しょうがないっか。
「私は風切亜里沙。そっちは茶髪ちゃんがあかりで
そっちの金髪の子がライカちゃん。かな?」
「そ、そうですけどなんで?」
「さっきあかりちゃんが捕まってた時につぶやいたでしょ?」
「あ、そう言えば、」
「ま、そっちの黒髪の子は分かんないけど。あ、そろそろ私は行くね、じゃ!」
私はそのまま走り去った。
何かと聞かれるのは厄介だし。
「ハックション!」
あ、男に戻った。
はぁ、やれやれ。面倒なことになりそうだ。
と、俺は考えながら寮に戻る途中で、携帯がなった。
「もしもし」
「君が風切梓君かね?」
「あ?誰だお前」
「私の名は明かせないが、そうだな"H"とでも呼んで貰おうか」
「それで?Hさんよ何か依頼か?」
「ああ、
「………何故それを知っている。」
実際、俺は誰にも言ってない。
言っても嘘だとしか言われないし、言っても意味がない。
「推理したのさ」
「推理?」
「そう、近い内にこの世界にいるはずのない人間が生まれるかもと推理したまでさ。私は推理に推理を重ねることによって恐らくの未来が見える。私は「
「ほう?俺の前世を知っているとはな。流石
「………何故そう思うのかね?」
「そうだな。まず一つ、俺の前世を知っている。俺の前世はあんたの名前は普通に聞いたしな。二つ目、あんたは推理と言った。誰かから聞いたとか言えば良かったのにな。ま、そんなところだ。」
「ほう。なかなかにいい推理だ。名前は伏せるとして依頼は、あの子を見ていて欲しいんだ。」
「アリア、か?」
「そう。あの子は推理力がないばかりに、欠陥品、と言われていてね。あの子のことを信じてあげて欲しいのさ。」
「流石のホームズも親バカか」
「ふふっ。それじゃ頼んだよ。お金は振り込んでおくから。」
「ちょ!まって、切られた。ま、良いか」
そんな話をして寮にかえった。
今回は伏線張ってます。