「行くぞ!」
そう言って俺はベレッタを抜き、胸と足に一発ずつ、もう片方の手で風を集めて撃つ。
しかし弾はシャーロックがカナ、金次の兄から盗んだ技術の『
「読めているよ」
「だろうな」
俺は走って行き横と上に撃つ。
撃ったその弾が弾き、方向を変える。
その間、シャーロックから飛んで来た弾を撃ち、シャーロックに向けて飛ぶ。
シャーロックは身体をずらすだけで避ける。
俺は舌打ちをして、ナイフを出し横に一閃するが腕を止められ、傷口の腹を蹴られる。
「がはっ!」
「君は直線的すぎるよ。赤霧とは大違いだ」
「当たり前だ。赤霧は使ってないからなっ!」
ベレッタをフルオートにして全弾周りに撃ち尽くす。
前にジャンヌにやった技だ。
弾が弾に当たって軌道を変える。
しかしシャーロックは氷を使って弾を止めていた。
俺は後ろに大きくジャンプして、弓を撃つ構えを取り撃つ。
弾が燃え上がってシャーロックに飛んでいき、飛び交っていた弾に当たって爆発した。
「これなら効くだろ」
「そうだね」
そう煙の中から声が聞こえた。
「弾を何度も当てて粉を作り出し、その粉に火を当てて粉塵爆発か。中々に良い手だったよ。防御が遅れていたら大怪我だった」
「ちっ!大して当たってないのによく言うよ」
「あるかもしれないと推理したまでだよ。そろそろ金次君達が来る頃だろう。君は戦闘不能にしておこう」
「はっ!やれるものならやってみろ!『赤霧の名の下に』」
そう言って俺の雰囲気が変わる。
風を纏って突っ込む。
ナイフを順手に持ち替え、前に突き出す。
防がれる瞬間に手を引きその勢いを利用して反転しながら回し蹴りをする。
「ほう?動きが良くなった」
「当たり前だよっ!」
そう言って手のひらを広げ、風を押し付ける。
シャーロックは氷を使って相殺する。
俺は後ろに飛んで壁を蹴って手に風を集めて地面に叩きつける。
しかし、
「惜しかったね。もう終わりだ」
そう告げた。
「あ?がっ!」
シャーロックから見えない何かが飛んで来て身体を貫いた。
「僕の推理以上に動いてくれたね」
「よく、言うよ。元々大して、動け、ないのは、分かった、だろうに」
「お腹に穴が空いていて動いてる時点で予想外だったよ。ともかく、これで君は戦闘不能だ。大人しく見ていてくれたまえ」
「ちっ!分かって、るよ。ゴホッゴホッ!」
「梓!?」
扉の方を見ると金次とアリアが入って来た。
「よう、ゴホッゴホッ!」
「大丈夫!?」
「大丈夫に、見え、るか?」
「見えないわよ!って言うか亜里沙に変わればあんたの痛みは多少はマシになるんじゃないの?」
「亜里沙、を、危険な、目に、合わせる、訳には、行かないから、な」
「それで、あんたが死んだら意味ないでしょ!」
「大丈夫、死には、しねぇよ。だが、少し、休ませて、もらうぞ」
そう言って目を瞑った。