緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第二十六弾 シャーロック

偽物を倒した後、大きな船が水中から出てきた。

そこには文字が書かれていた。

 

伊・U

 

呼び方からしたらイ・ウーになるんだろう。

この船は俺が死んだから作られたものか。

 

「レキ、あそこに行くぞ」

 

「はい」

 

ハンドルを握って、船に向かって行く。

船に行く途中に携帯を取り出して、金次に電話をする。

しかし、何コールしても出てこない。

 

「ちっ!あいつあそこにいるのか」

 

「梓さん」

 

「なんだ?」

 

「あの船の前に小さな船が見え、そこに金次さんがいます」

 

「分かった!」

 

そう言って俺は少し進路を変える。

風で押しながら勢いをつける。

もう少しで到達する時に俺は金次の名前を叫ぶ。

 

「金次!」

 

その声が聞こえたのかちらっとこちらを見た。

何か目で訴えているような気がして、ショートカットすることにした。

夥しい程のマズルフラッシュ。

船の上の男が撃ち落とし金次とカナ?が登って行く。

しかしカナ?がやられて、金次がそちらに行く。

 

「レキ、お前はカナ?のところにいてくれ。俺はカナを治してから中に入る。カナに手助けが必要ならしてやってくれ」

 

「分かりました。………気をつけてください」

 

「おう」

 

そう言って、レキの少しの変化を喜びつつ、カナのところに降りる。

 

「な、なんじゃ!貴様は!?」

 

「赤霧だ。本物のな。治療するからちょっと退いたろ」

 

そう言って俺はカナの手を握る。

すると、カナを淡い光が包み傷がなくなっていく。

 

「おお。そんな事になってたのか」

 

「な、何をしたのじゃ!貴様は?」

 

「治しただけなのに何故そんな口調で言われなければならん」

 

「風切」

 

「お、大丈夫かカナ、じゃないな。兄か」

 

「ああ、金一だ」

 

「そうか。じゃ、俺は金次を助けてくるぜ」

 

「待て風切。相手は「シャーロック」!」

 

「だろ?見えてたし」

 

「………そうか。頼んだ」

 

「頼まれた」

 

そう言って走り出す。

奥へ奥へ進んでいくと何となくこの船がわかってくる。

実にシャーロックが好きそうな感じになっている。

一つの部屋に入ると、金次とアリアが言い争いをしていた。

 

「おうおう。なかなか楽しそうじゃねえか」

 

「「梓!?」」

 

そして、俺の傷を見て顔を青ざめる。

 

「なんだ?俺の傷を見てなんで立ってるんだ?って?」

 

「当たり前よ!」

 

「そりゃあの馬鹿に一つ言ってやらないとな」

 

「馬鹿って?」

 

「シャーロックだよシャーロック。自分の運命に孫を関わらせるなってな。じゃ、頑張って仲直りしてくれよ」

 

そう言ってアリアの制止を振り切って進む。

実際、止血してアドレナリンで無理矢理動いている感じだ。

奥に進むごとに雰囲気が変わっていく。

最後の部屋に着き、一回ため息をついて入る。

入ると生前、赤霧の時に一度だけ会った、

それでも今は初老の男がいた。

その男の名はあの有名なシャーロック・ホームズ。

 

「やあ、風切君」

 

「おう。シャーロック久しぶりだな。200年ぶりぐらいか?」

 

「そうだね。あの時の君は絶望、見たいな目をしていたが今は充実してそうだね」

 

「あの時は無理矢理戦わされたからな。今は自分の為、仲間の為に戦えてる。お前も随分と有名になったものだ」

 

「あの頃の僕は駆け出しだったからね。大目に見てくれたまえ」

 

「そうだな。で?アリアを金次と戦わせる理由は?」

 

「あの子が私の言うことを振り切ってここまで来るかと思ってね。金一が仕掛けようとしていた「同士討ち(フォーリングアウト)」をアリアと金次君にしてあげたのさ」

 

「そうか。なら、お前は俺が倒そう。殿って訳じゃないが、ここまで来て何もしないと言うのはなんか嫌なんでね」

 

「そうかね。まぁ、君も無関係じゃないからね」

 

「行くぞ!」

 

そう言って俺はベレッタを抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 


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