偽物を倒した後、大きな船が水中から出てきた。
そこには文字が書かれていた。
伊・U
呼び方からしたらイ・ウーになるんだろう。
この船は俺が死んだから作られたものか。
「レキ、あそこに行くぞ」
「はい」
ハンドルを握って、船に向かって行く。
船に行く途中に携帯を取り出して、金次に電話をする。
しかし、何コールしても出てこない。
「ちっ!あいつあそこにいるのか」
「梓さん」
「なんだ?」
「あの船の前に小さな船が見え、そこに金次さんがいます」
「分かった!」
そう言って俺は少し進路を変える。
風で押しながら勢いをつける。
もう少しで到達する時に俺は金次の名前を叫ぶ。
「金次!」
その声が聞こえたのかちらっとこちらを見た。
何か目で訴えているような気がして、ショートカットすることにした。
夥しい程のマズルフラッシュ。
船の上の男が撃ち落とし金次とカナ?が登って行く。
しかしカナ?がやられて、金次がそちらに行く。
「レキ、お前はカナ?のところにいてくれ。俺はカナを治してから中に入る。カナに手助けが必要ならしてやってくれ」
「分かりました。………気をつけてください」
「おう」
そう言って、レキの少しの変化を喜びつつ、カナのところに降りる。
「な、なんじゃ!貴様は!?」
「赤霧だ。本物のな。治療するからちょっと退いたろ」
そう言って俺はカナの手を握る。
すると、カナを淡い光が包み傷がなくなっていく。
「おお。そんな事になってたのか」
「な、何をしたのじゃ!貴様は?」
「治しただけなのに何故そんな口調で言われなければならん」
「風切」
「お、大丈夫かカナ、じゃないな。兄か」
「ああ、金一だ」
「そうか。じゃ、俺は金次を助けてくるぜ」
「待て風切。相手は「シャーロック」!」
「だろ?見えてたし」
「………そうか。頼んだ」
「頼まれた」
そう言って走り出す。
奥へ奥へ進んでいくと何となくこの船がわかってくる。
実にシャーロックが好きそうな感じになっている。
一つの部屋に入ると、金次とアリアが言い争いをしていた。
「おうおう。なかなか楽しそうじゃねえか」
「「梓!?」」
そして、俺の傷を見て顔を青ざめる。
「なんだ?俺の傷を見てなんで立ってるんだ?って?」
「当たり前よ!」
「そりゃあの馬鹿に一つ言ってやらないとな」
「馬鹿って?」
「シャーロックだよシャーロック。自分の運命に孫を関わらせるなってな。じゃ、頑張って仲直りしてくれよ」
そう言ってアリアの制止を振り切って進む。
実際、止血してアドレナリンで無理矢理動いている感じだ。
奥に進むごとに雰囲気が変わっていく。
最後の部屋に着き、一回ため息をついて入る。
入ると生前、赤霧の時に一度だけ会った、
それでも今は初老の男がいた。
その男の名はあの有名なシャーロック・ホームズ。
「やあ、風切君」
「おう。シャーロック久しぶりだな。200年ぶりぐらいか?」
「そうだね。あの時の君は絶望、見たいな目をしていたが今は充実してそうだね」
「あの時は無理矢理戦わされたからな。今は自分の為、仲間の為に戦えてる。お前も随分と有名になったものだ」
「あの頃の僕は駆け出しだったからね。大目に見てくれたまえ」
「そうだな。で?アリアを金次と戦わせる理由は?」
「あの子が私の言うことを振り切ってここまで来るかと思ってね。金一が仕掛けようとしていた「
「そうか。なら、お前は俺が倒そう。殿って訳じゃないが、ここまで来て何もしないと言うのはなんか嫌なんでね」
「そうかね。まぁ、君も無関係じゃないからね」
「行くぞ!」
そう言って俺はベレッタを抜いた。