緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第二十三弾 ブラド

「かかってこいよど三流。格の違いを見せてやる」

 

そう俺はブラドに言った。

 

「図に乗るなよ!クソガキ!」

 

そう言って飛び出してきた。

その横を二匹の銀狼が駆け抜けてくる。

俺はグロックを抜いて、レキがやっていたことを実践する。

レキのやっていたような軌道を銃弾が描き、脊椎と胸椎の間を瞬間的に圧迫する。

銀狼たちはそのまま崩れて行って、その向こうからブラドが拳を振るってくる。

俺は下に潜り込んで手首を撃ち、足に風を纏ってオーバーヘッドキック見たく蹴り飛ばす。

ブラドは少しだけ吹き飛んだがやっぱり傷は回復していた。

 

「ゲバババ!効かねえよ!」

 

「知ってるよ。金次!アリア!理子を頼む!あとこれも!」

 

そう言って、胸ポケットから十字架を取り出す(・・・・・・・・)

 

「これは!?」

 

それが(・・・)本物だ。理子が押し付けられたのもブラドが持っているやつも違う。が、説明は後だ。ブラド、お前に懐かしいもの見せてやるよ」

 

そう言ってブラドの方に向き直り、

 

『赤霧の名の下に』

 

そう口にする。

すると、雰囲気が変わる。

 

「これは!?あの時の」

 

「そうだ。お前を瞬殺したやつだ」

 

「ゲバババぁぁ!待ってたぞ!それにやり返す時をなぁ!あのヒステリア・サヴァンの遠山と手を組まれても厄介だ。『ワラキアの魔笛』に酔え。」

 

そう言って胸が膨らむほど息を吸っていた。

…まさか!

 

「金次!耳を!」

 

 ビャアアアアアアウヴァイイイイイイイイイイイイイイイイ――ッ!!

 

そう叫んだ。

俺の予想では金次のヒステリアモードを無くす為のさけびだろう。後ろでは金次がヒステリアモードが切れたことに驚いていた。

 

「ゲバババハハ!これで遠山は使い物にならねえぞ!その雰囲気はテメェは効かなかったか」

 

「俺のは金次と違って血流とかじゃないんでねっ!」

 

そう言って目を撃つ。

一つをわざと口元に撃つと、そちらを庇った。

 

(ほう?目を守らず口を守るか)

 

俺はそれを見て、ナイフを取り出し、弓を撃つ様な構えを取る。

そして、ナイフの横を摩擦が起こる様な撃ち方をして風を送ると、その銃弾が燃え上がった。

その弾が肩の目の模様のところが焼ける。

 

「ゲバババハハ!効かねえな」

 

「いや、前にこれで腹に穴開いてるから」

 

思わずそうツッコミをいれる。

すると、ブラドが5メートルはあろうかという携帯基地局アンテナを屋上からむしり取って自らの武器にしていた。

 

「ゲバハハハ、これでも食らえ!」

 

そう言って、そのアンテナを投げてきた。

俺はそのアンテナをしゃがみながら避け、と同時に自分の元で竜巻を起こした。

アンテナは風によって打ち上げられて俺の横に落ちる。

ブラドはその間に走ってきて拳を振り上げて、叩きつける様に殴ってくる。

俺は風を手に纏い、思いっきり殴った。

 

「おおりゃゃぁ!」

 

衝撃波が発生してわざと金次たちの元へ飛んでいく。

 

「梓!」

 

「大丈夫だ。カスリもしてない。が、このままではラチがあかない。お前らがトドメをさせ。俺がわざとやられるからその隙に」

 

「だが、俺はヒステリアモードじゃないぞ!?」

 

「理子、金次に胸を押し付けてやれ。」

 

「な、何言ってるのよ!あんた!」

 

「アリアよりそれの方が早い。準備が出来たら一発ブラドを撃て」

 

俺はそう言い舌を出して、走り出す。

ブラドは先程投げたアンテナを拾っていた。それを横殴りに振ってくるのでしゃがんで避け、膝を撃つ。

倒れ込んできたので顎を蹴り上げ、コケたところで足の裏を撃つ。

そして、ワイヤーを取り出し足を縛って、切る。

 

「ちっ!小賢しい!」

 

そう言ってブラドは体を起こしながらアンテナを振ってくる。

俺はそれをジャンプして避けるが、もう一度横殴りにしてきて、防ぎ切れず飛ばされる。

 

「ぐふっ!」

 

「ハハ!そんなものか赤霧!」

 

そう攻め続けてくるブラドに、パンっと音が鳴った。

その方を見ると金次が引き金を引いていた。

金次はこくっと頷く。

………しっかり意図が通じた様だ。

 

「効かねえよ!」

 

「それはどうかな?」

 

「何?」

 

そう疑問を持ったブラドに俺は風を使って空を飛び、

 

「パイルトルネード!」

 

そう言って、腹に文字通り風穴を開けた。

しかし、ブラドはアンテナを振るってくる。

俺は吹き飛ばされるが金次たちが四つの魔蔵をしっかり撃ちぬいた。

 

そして、倒れたブラドにアンテナが倒れて下敷きになっていた。

俺は頭を叩いて、元に戻る。

そうして、金次たちが理子と話してる間に倒れている銀狼二匹に近づく。

 

「よう。お前たちの主は倒した。」

 

銀狼はしっかりと俺を見つめる。

 

「これからはお前たちの好きにするといい。元の森に帰りたければ帰してやる。それでも、俺と来るならレキが飼っているハイマキと楽しく暮らせばいい。来るならついてこい。」

 

そう言って俺は金次たちの方へ行く。

銀狼たちはゆっくりだが、俺についてきた。

俺が金次たちに近づくがそこから理子がハンググライダーで飛び去って行った。

金次たちはやれやれといった表情で見ていた。

 

こうして、戦いが幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 


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