緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第十八弾 銀狼

理子にとっても嫌なことを言われた翌日。

完全復活、と言うことで学校に来ていた。

………アリアの目が死んでいる。

何があった………。

さらに、理子は俺たちも特訓をすると言って来た。

 

その昼休み、俺たちは空き教室に来ていた。

理子が何故ここを指定したか分からなかったが。

すると、そこに女子達がこの教室に向かってきた。

俺と金次は咄嗟に、金次はロッカーに、俺はダンボールに隠れる。

そこに女子達がきて制服を脱いでいる。

俺は亜里沙と言う人間がいるから興奮したりしない。

と言うことは金次の特訓か。

そこへ理子からメールが届いた。

 

『しっかり見てるか確認!1分以内に理子の下着の色を当てて見て!出来なきゃロッカーを開けちゃいます!」

 

………俺は別に良いんだが。

ま、取り敢えずハニーゴールド、とうって送信する。

理子は解答を見てニヤッとロッカーを見た。

あいつ、ロッカーが空いているの知ってたな。

 

そこへ一人の男が入ってきた。

小夜鳴先生だ。

探偵科(インケスタ)の先生で確かDNAとかの生物学とかも教えていた気がする。

小夜鳴先生は女子達が制服を脱いでいることに驚いていた。

そして、血の検査をするだけだったと言う。

検査キットを置いた瞬間、

 

「……ボソボソ」

 

と何かを呟いた。

確かルーマニア語だったか?

すると、レキがロッカーを見つめて、ロッカーを開けた。

金次がバレた。

そこへ風を切って何かが走ってくるのを感じた。

俺は制服を脱いで入っている胡椒を振って、

 

「クシュン!」

 

くしゃみをして、女に変わる。

 

私はばっとダンボールから出て、

 

「金次!そこから出て!」

 

私がそう言うと、察したのか素早く金次が前に出た。

そこに、何かが飛び込んできた。

それは一匹のオオカミだった。

ロッカーを突き飛ばしてその上に立った。

 

「ぐわぁ!」

 

と、ロッカーから声が聞こえた。

武藤、あんたか。

その武藤が銃を取り出して、オオカミに向ける。

 

「「ダメ(だ)!女子達は防弾制服を着てない!」」

 

と金次と私が同時に言う。

そしてそのオオカミは小夜鳴先生に飛びかかった。

私は風を使い、オオカミの下に潜り込んで、

 

「白雷!」

 

下から電気を通すように掌底を打った。

オオカミは苦しそうに声を漏らすが、元来た場所から飛び出していった。

 

「待て!」

 

私は走り出して、レキに梓が脱いでいた制服を渡す。

 

「はい、レキ。どうせ来るんでしょ?」

 

私はレキにウインクして、風を使って跳び出した。

その風を使い、滑るように乗る。

途中、空中を踏みしめて飛び上がって、周りを見渡しながら、

何かが走っているのを見つけた。

それは一匹のオオカミだった。

 

「見つけた!」

 

私は風を解除して降りる。

 

「亜里沙!」

 

そこへ金次の声が聞こえた。

何処にあったのかバイクにレキと乗ってきた。

私は風を使い、金次の近くまでいってスピードを合わせて並走する。

 

「金次!どうする!?」

 

「取り敢えずあそこまでいくぞ!」

 

「了解!」

 

そう言って私達はオオカミを見たビルまで行った。

 

「どうする?私は銃もナイフも持ってないよ。梓に銃を調達するように言っとかなきゃ。」

 

「そうか。レキは?」

 

「通常弾で仕留めます」

 

「……そうか。俺は正面から行く。レキは狙撃してくれ」

 

「はい」

 

そう言って別れる。

私はレキが狙撃の体勢になったところで、

 

「レキ、麻痺させるよね?」

 

「はい」

 

レキが無感情にはい、とだけ答えた。

そして、いつものようにレキは唱える。

 

「私は一発の銃弾。銃弾は人の心を持たない。ゆえに何も考えない。ただ、目標に向かって飛ぶだけ」

 

そう言って引き金を引いた。

その弾は、オオカミを掠っていった。

 

「ビンゴ」

 

私はそういって、レキの手をとって風を使いオオカミがいた方は移動する。

 

「レキでも外すことがあるんだな」

 

「「外してませんよ。(外してないよ)」」

 

そう言ってオオカミが倒れている。

レキはそのオオカミに近づく。

 

「――脊椎と胸椎の中間、その上部を銃弾で掠めて瞬間的に圧迫しました。今、あなたは脊髄神経が麻痺し、首から下が動かない。ですが――5分ほどすればまた動けるようになるでしょう。元のように」

 

そう、レキは殺すために撃ったのではなく、麻痺させる為に撃った。

 

「逃げたければ逃げなさい。ただし次は----2キロ四方何処へ逃げても私の矢があなたを射抜く。----主を変えなさい。今から、私に」

 

 そう言ったレキに対して狼はよろよろと立ち上がり、レキの前まで来ると、そのふくらはぎに頬ずりをした。まるで従順な犬のように。

その後、ハイマキと名付けられ、武偵犬としてレキに飼われることになった。

 

 

 

 

 


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