緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第十四弾 花火

レキが恋人になって次の日、

病院に行って、やっと足が復活した。

やっぱり自分の足で自由に動けるのは嬉しい。

アドシアードも、もう明日に迫っている。

俺は何にも出場しないので適当に狙撃科に行っていた。

そこではレキが練習をしていて、世界記録を出していた。

おおー。

さて、授業も終わり、約束通りレキと祭りに行くことになった。そのまま行っても良かったが、流石に時間的に早かったので時間を空けて行くことにした。

 

 

 

そして、少し日が傾き始めた頃、俺は駅前でレキを待っていた。浴衣とかは着るのが面倒なので武偵高の制服だ。

 

「梓さん」

 

と、レキの声が聞こえたので見てみると、淡い水色の浴衣を着たレキがいた。

 

「おお。可愛いな。凄く似合ってるぞ」

 

「ありがとうございます」

 

俺が素直な感想を言うと、レキは少し照れたような気がした。

 

「それじゃ、行くか」

 

「はい」

 

こうして、俺たちは祭りに向けて歩き出した。

しかし、電車に乗った時もその間も会話は無かった。

 

でも、駅を通過して祭りに行く人たちでごった返している時にレキが俺の腕に抱きついた。

 

「………何してる?」

 

「日本では恋人は腕を組んで歩くと聞いたものですから」

 

「少なくとも付き合って2日目のやつらはしない。ほら、離れろ。はぐれないように手は繋いどくから」

 

そう言って俺はレキを剥がして手を握る。

 

「………ありがとうございます」

 

「おう。」

 

そして再びの無言。

………なかなかつらい。

 

歩くこと数十分経つが、花火の音は聞こえてこない。

そして、周りの人たちは次々と帰って行くのを見た。

どうやら花火は終わっていたようだ。

 

「すまん。レキ。どうやら時間を間違えてもう終わったらしい。」

 

「構いません。」

 

「それではおれの気が済まないんだが、お?ちょっと待ってろ」

 

俺は遠くに花火を売っている店を見つけて花火を買う。

……これで多少の気晴らしにはなるか。

 

俺が花火を買って戻って行くと、数十人にレキが囲まれていた。

………またか。

そこで、レキが俺を見つけて駆け寄ってきた。

 

「梓さん」

 

「あ?んだてめぇ」

 

………面倒くせ。

 

「あー、俺はこの子の恋人だが?」

 

俺がそう言うと全員笑い出した。

……何かおかしなこと言ったか?

 

「じゃあ、じゃあさ!お前の彼女!俺たちに貸してくれよ!ちゃんと可愛がってやるからさ!ぎゃははは!」

 

「お前ら見たいなゴミに大切な彼女を貸すと思うのか?勘違いも甚だしい。」

 

「あぁ!?舐めたんじゃねえぞごらぁ!!」

 

逆上してきた男が殴りかかってくる。

俺はその拳を掴んで握り潰した。

あ、メキャって言った。

 

「ぐぁぁぁぁ!お、俺の手がぁ!」

 

「こ、この野郎!」

 

「レキ、少し下がってろ。」

 

「はい」

 

俺はレキを少し下がらせ、構えを取らずふらっとする。

殴りかかってきたのを手で払い腹に一発。

そいつの腕を掴んでそのまま後ろにいたやつに殴りかかる。後ろのやつを叩き潰したあと、ジャイアントスイングで投げ飛ばす。

 

「はい。あと七人。」

 

「く、くそぉ!」

 

一斉に三人殴ってきたのをしゃがんでかわし、くるっと回りながら一人を足払いをする。その二人に両手で裏拳を決め、一人を踵落としで腹を蹴って倒す。そして、裏拳をした二人纏めて蹴り飛ばす。

 

「あと四人」

 

一人は足を踏んで肘打ちその流れで裏拳。一人は拳を外に払って膝蹴りして一本背負いで投げる。一人は左足で蹴ってくるのを手で受け止め、もう一つの足の膝を踵で膝カックンしてシャイニングウィザードを決める。

最後の一人は風を使って後ろに周り、バックドロップを決めた。

 

俺は手をはたき、ため息をついた。

 

「はぁ、こっちが武偵高なのは制服見て分かるだろうに。レキ、行くぞ」

 

「はい」

 

俺はレキを待って歩きだした。

 

 

 

無言で歩いて行く二人。

途中でプチっと言う音が聞こえた。

 

「ん?ああ、鼻緒が切れたのか。」

 

「すみません。」

 

「いいさ。………仕方ない。空から帰るか。」

 

「?」

 

俺はそう言って膝に手をやって抱え上げた。

要はお姫様だっこだ。

 

「………」

 

「行くぞ?しっかり掴まってろよ。ふっ!」

 

俺は力いっぱい飛び上がった。

風に乗ってゆっくりと進む。

 

「どうだ?気持ちいいだろ?」

 

「………はい」

 

「もう少し飛ばすぜ!」

 

俺たちはこうして空の散歩を楽しんだ。

少しだが、レキが楽しそうにしているように見えた。

 

そして、白雪からメールが届き、その内容を見て俺はほくそ笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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