緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

12 / 64
第十二弾 双華

次の日、復活した金次とアリアがまた喧嘩していた。

………懲りないな。

 

「どうして!どうして信じてくれないの!?あたしの言ってることを!」

 

「信じられるか!?『魔剣(デュランダル)』とか言うそんなただの噂!」

 

ほう、その話題か。

少し調べてみるか、でもその前に、

 

「もうやめろ」

 

二人だけに殺気をぶつける。

 

「何よ!あんたも信じないっていうの!?」

 

「落ち着け。そう怒鳴っても事態は変わらん。その『魔剣(デュランダル)』がいるかどうかはこれから調べれば良い。」

 

「は?お前はそんな噂を信じんのか?」

 

「じゃあその噂が嘘だと言う根拠は?」

 

「そ、それは……」

 

「確かにいるかは分からない。噂だからな。でもそれが嘘だと言う根拠はない。少なくとも、最近は色々起こってるぞ。」

 

「……何か起こってるの?」

 

「昨日、いや一昨日か。白雪が金次が風呂に入ってたのに突撃してったな?金次から電話が来たって」

 

「………そうだな」

 

「実際、お前の携帯は俺が持ってた。」

 

「は?」

 

「お前が風呂に持って行ったのは俺の、と言うか亜里沙のだ。亜里沙にお前と同じのを買わせた。」

 

「………」

 

「つまり、恐らく『魔剣(デュランダル)』は既に近くにいる(・・・・・)

 

「「!」」

 

「白雪には言えないが、あいつに発信機をつけている。」

 

「「は?」」

 

「正確には白雪の白の髪につけてるやつだけどな。それじゃ、俺は行くわ。思う存分喧嘩してくれ」

 

そう言って、俺は松葉杖をつきながら離れた。

離れた時、バンバンとガバメントを撃つ音が聞こえた。

よく撃ってるな。

 

 

その昼休み、俺は装備科(アムド)に来ていた。

 

「あやや〜いるか?」

 

俺はキョロキョロしながら周りを見ていると、

 

「あやや、お客様ですだ!」

 

ひょこっと顔出して来た。

平賀あや。どう見ても小学生にしか見えない。

 

「おや?梓ちゃんですのだ。」

 

「梓ちゃんはやめてくれ。それで、頼んだものは出来てるか?」

 

「おお!出来てるのだ!ええっと、この辺に……あ、あったのだ!うんしょ、うんしょっと。」

 

そう言ってあややは二つの剣を取り出した。

その剣は鎖で繋がっていた。

 

「これなのだ!ご要望どおりにしてみたのだ!鎖はウォーターカッターでもない限り切れないのだ!」

 

「………と言うことは硬度はダイヤモンドぐらいだと?」

 

「そうなのだ。それは剣も同様なのだ。剣のもつところは滑りに食いように少しざらっとなってるのだ。名前は『双華(そうか)』なのだ。」

 

「その心は?クシュン!」

 

話を聞いている時にくしゃみをしてしまった。

 

「そういうところなのだ」

 

ということは、

 

「私と梓で双つ、てことかな?」

 

「そうなのだ。」

 

「ありがとう。クシュン!」

 

と、胡椒と振ってくしゃみをして戻る。

 

「さて、料金は前払いしたよな。じゃ、また頼むよ」

 

「ありがとうなのだ!梓ちゃんはお得意様なのだ!なのでしっかりサービスもするのだ!」

 

「じゃ、今度は武偵弾でも頼みに来るよ。またな」

 

「はい!またなのだ!」

 

そう言って剣を受け取って外に出た。

 

 

 

 

放課後、バンバン聞こえていたので屋上に行ってみる。

 

「うわぁ……」

 

貯水タンクにバカキンジと撃ってつけたような跡があった。

………技術力の無駄使いだな。

 

「………っ!」

 

何かの気配がして振り向く。

そこには見知った顔があった。

 

「レキ」

 

そのレキはスナイパーライフルを背負っている。

 

「白雪の護衛か?」

 

俺がそう聞くと、小さくフルフルと首をふる。

 

「梓さん」

 

そうレキの口から綺麗な声が聞こえた。

と、思ったら耳を疑うようなことを言ってきた。

 

「な、なんだ?」

 

「私と結婚してください」

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。