緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第十弾 警護

「……そのボディーガード、あたしたちがやるわ!」

 

通気口からアリア達が出てきた。

金次は無理矢理連れられてきたっぽい。

 

「アリア!?キンちゃん!?」

 

とっても白雪が驚いていた。

 

「ん〜?なにこれぇ?」

 

綴先生がアリア達を覗き込んでみる。

 

「あ〜、なんだぁ。こないだのハイジャックのパーティーじゃん」

 

すーっ、とタバコを一気に吸って、こき、こきと何か薄ら笑いを浮かべて、ナナメ上を見つつ首を鳴らしている。

 

「これは神崎・H・アリア――ガバメントの2丁拳銃に小太刀の二刀流。二つ名は『双剣双銃(カドラ)』。欧州で活躍したSランク武偵。でも――アンタの手柄、書類上ではみんなロンドン武偵局が自分らの業績にしちゃったみたいだね。協調性が無いせいだ。マヌケぇ」

 

そう言いながら、アリアのツインテールの片方を引っ張っている。

……痛そうだな。

 

「い、イタイわよっ!それにアタシはマヌケじゃない。貴族は自分の手柄を自慢しない。たとえそれを人が自分の手柄だと吹聴していても、否定しないものなの!」

 

「へー。損なご身分だねぇ。アタシは平民で良かった~。そういえば欠点……そうそう、アンタ、およ……」

 

「わぁ――――!」

 

高い声だから、すっごい頭に響いてくるぞ。

耳痛い。

 

「そそ、それは弱点じゃないわ!浮き輪があれば大丈夫だもんっ!」

「アリア……自爆してるぞ?」

「――ッ!」

 

そうか、泳げないのかこいつ。

 

「んで、こちらは、遠山キンジくん」

「あー……俺は来たくなかったんですが、アリアコイツが勝手に……」

「――性格は非社交的。他人から距離を置く傾向あり」

 

……まさかこの人、全生徒のデータが頭の中に入ってるんじゃないだろうな?

俺の余計な情報も知ってたし。

それなら簡単な熟語ぐらい知っとけよ。

 

「――しかし、強襲科アサルトの生徒には遠山に一目置いている者も多く、潜在的には、ある種のカリスマ性を備えているものと思われる。解決事件は……たしか青海の猫探し、ANA600便のハイジャック……ねぇ、何でアンタ、やることの大きい小さいが極端なのさ」

 

「俺に聞かないでください」

 

「武器は、違法改造のベレッタ・M92F。三点バーストどころかフルオートも可能な、通称・キンジモデルってやつだよなぁ?」

 

あ、キンジの顔が引き攣ってる。てかなんでそんなことまで知っているんだ?

 

「あー、いや……それはこの間ハイジャックで壊されました。今は米軍払い下げの安物で間に合わせてます。当然、合法の」

 

「へへぇー。武装科(アムド)改造(いじり)の予約入れてるだろ?」

 

「うわっち!」

 

金次に根性焼きをしている。

熱そう。

って言うかこの時代のやつにそれはまずいだろ。

 

「……でぇー?どういう意味?『ボディーガードをやる』ってのは」

 

「――言った通りよ。白雪と風切のボディーガード、24時間体制、アタシ達が無償で引き受けるわ!」

 

「お、おいアリア……!」

 

金次は乗り気ではなさそうだな。

でも、恐らくもう金次は諦めている。

哀れなり。

 

「………星伽、なんか知らんけど、Sランク武偵が無料(ロハ)で警護してくれるらしいよ?」

 

「嫌です!アリアになんか警護して欲しくありません!」

 

「大丈夫よ。金次の部屋で」

 

「よろしくお願いします!」

 

金次の部屋って言った瞬間、白雪が飛びついた。

一応、俺の部屋でもあるんだけどな。

ま、俺はまだ入院中だし、いいか。

 

「アリア。俺の警護は昼間だけでいいからな。白雪を優先させてくれ。」

 

「は?何でよ」

 

「心的に白雪の方が弱い。白雪の場合、金次を人質に取られたら簡単に着いて行きそうだからな。それに、俺の能力上、一人の方が戦いやすい。」

 

「………分かったわ」

 

話が着いて、金次の部屋にアリア達は帰って行った。

俺は病院に戻る。

………しんど。

 

 

 

 

 


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