緋弾のアリア〜傭兵からの転生者〜   作:SAMタイム

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第一弾 プロローグ

目を開けるとそこは白の世界。

何の音も聞こえず、何の匂いもしない。

元々、俺がいた場所ではないことは分かる。

 

「………どこだ、ここ」

 

そう周りを見渡しながら手を握ったり飛び跳ねたりしてみる。

 

………ん?

 

「あれ、目が見える。確か目は見えなかったのに」

 

そう、俺は地雷の爆発で石が目に当たり、目が潰れて見えなくなっていた。

 

「気づきましたか?」

 

ふと、聞こえた声。

俺はその声が聞こえた方を見る。

見ると、一人の女が不自然に笑っていた。

そう感じたのでとりあえず。

 

「その不自然な笑顔はなんだ?」

 

俺がそう言うと固まった。

 

「な、なに言ってるのかな!?私は自然に笑えてたでしょ!?」

 

「いや、そんなこと言ってる時点で不自然だと思うが?やっぱり嘘笑いだったか」

 

女はあたふたしていたが、はっ、っとして、

 

「おっほん」

 

何かを仕切り直していた。

 

「それで?ここはどこだ?」

 

「そ、そうね。ここは死後の世界よ」

 

女は調子を取り戻し答えた。

 

「何故俺はここにいる?」

 

「あなたの人生を見たけど不幸だったわね。普通の家庭に生まれたのに、拉致されて、さらに傭兵として働かされて殺されたわ。……まぁ、私のせいなんだけど」

 

……………は?

この女、とてつもないことを言い出したぞ。

 

「おいこら」

 

「ん?何?」

 

「お前のせいだってどういうことだ?」

 

「…………な、なんのことかな?」

 

「とぼけるな。今自分で言ったろ。私のせいなんだけどって」

 

俺がそう言うと冷や汗を流していた。

 

「………」

 

「おい、どういうことか説明してもらおうか」

 

俺が問い詰めると、恐る恐る口を開いた。

 

「………わ、私はこの世界でいろんな世界を見る役目を負っているわ」

 

「それで?」

 

「……そ、れで、暇だからペラペラと大体人の人生が書かれている本をめくっていて」

 

「それで?」

 

「え、ええっと、「それで!?」ごめんなさい!!あなたのページが破れてなくなったから無理やり違うことを書き直しました!!」

 

「……」

 

「だ、だって、人の人生を破ったって言ったら怒られるんだもん。だから、ちょちょいっと、書き直し、て………」

 

女は声がだんだん小さくなっている。

ははは、そうかそうか。

 

「つまり?」

 

「つ、つまり」

 

「お前のせいか!!」

 

俺は思いっきり駆け寄って頭を握りしめた。

 

「ぎゃぁぁぁ!痛い痛い!ご、ごめんってば!!痛い痛い痛い痛い!!」

 

「俺がそのせいでどんな目にあったと思ってる!?」

 

「ごめんごめんごめん!!ちゃんと、ちゃんと転生させるから!!」

 

その言葉を聞き、手を離した。

 

「転生?」

 

「痛たた。そ、そう。違う世界に生まれ変わるのよ!」

 

「は?」

 

「ほら、私のせいで、人生終わったも同然じゃない?」

 

「そうだな、お前のせいで」

 

俺がそう口を挟むと狼狽えながら、

 

「…お、怒んないでよ。ち、ちゃんと生き返らせるって言ってるんだから」

 

「ほう?」

 

「あなたには『緋弾のアリア』というアニメの世界に転生してもらうわ」

 

「『緋弾のアリア』?」

 

「そう。あなたは知らないかもしれないけどね。まぁ、その世界は多少なりとも前の世界よりは争いは少ないわ」

 

「………そうか」

 

その言葉を聞いて、少し安心した。

生き返る世界でも戦争なんかさせられたら面倒だからな。

 

「それで、特典はどうする?」

 

「特典?」

 

「そう、あなただけの特別な力を手に入れられるのよ。何がいい?」

 

「別にいらん」

 

「ええ!?本当にいいの?」

 

「転生させてもらえるだけでまだマシだからな」

 

「むぅ、それじゃあ私のプライドが許さないわ!……そうだ、それじゃああなたはどうやって生きていたい?」

 

「あ?生き方か?」

 

「そうよ」

 

「そうだな、……風、かな」

 

「風?」

 

「そう。風のように自由に生きていたい」

 

「………そう。分かった。それじゃああなたは今から転生します。ああ、最初からだからね。生まれる時から」

 

「………まじかよ」

 

「マジよ。さ、そこの扉から行けるわ」

 

「………そうか、じゃあな」

 

俺は突如現れた、扉に向けて歩き出した。

 

「………ふふっ。少し面白くしてやろうかしら」

 

そう、後ろから聞こえたような気がしたが、気のせいだと割り切って扉をくぐった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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