ファンデッキでも良いじゃないか。 作:skkコーポレーション
1回目、パワードギプス、パワードギプス、パワードギプス、ターンオーバータクティクス、ストロングブロッカー
通常の引きで2ターンあって
蛮族の狂宴Lv5、ターンオーバータクティクス
2回目、コリバルリバウンダー、パワードギプス、パワードギプス、蛮族の狂宴Lv5、スタジアム……1ターンあってフィールドゼネラル
3回目、パワードギプス、ターンオーバータクティクス、フィールドゼネラル、ファンタジスタ、マイティースラッガー…相手がカオスジャイアント×2の状態で1ターンあって蛮族の狂宴Lv5……これは最初なら来て欲しかった手札。
こんな感じでU.A.に拗ねられた様で悲しい初手でした…。
「………なんでだよ。」
素良が口を開く。
「……どうしてっ、」
この現状を認めたく無いのか声を荒げて何故かと叫ぶ。
「……なんで僕が勝てないんだよ!!」
「そりゃまぁ、運じゃないかな?」
「そんな訳ないだろ!エクシーズの奴を狩る事なんか、キャンディー舐めながらだって出来るはずなんだ!なのに……なのになんで本気を出してもエクシーズすら使わないマコトなんかに勝てないんだよぉ!」
そう、今現在、素良のフィールドはマコトのストロングブロッカーとパーフェクトエースで完全に制圧されていた。効果を無効にされ守備表示にされたサーベルタイガー、効果の発動を無効にされ破壊されたホイールソウライオ、打点では勝つことすら出来ないシザーベアー、そして彼の攻撃をも縛る《U.A.ペナルティ》の存在。そして彼の手札は0。ドレッドノートダンカーにより破壊され尽くした魔法・罠。
「なんかとはどう言う事だなんかとは。このデッキはキーとなる7枚を引けるかどうかで決まるんだ。その7枚の内一枚でも引ければ可能性はあるが、引けなければ何も出来ずに負ける。その可能性がある程にギャンブル性の高いデッキ。そんなのに制圧されるってことは運が無かったとしか言えんな。」
そう。マコトが使うデッキの1つ、【ウルトラアスリート】にはレベル4のモンスターが1種類のみ。つまり3枚しか居ない。加えて《増援》や《フラッグシップディール》などでデッキからサーチしたり特殊召喚が可能な魔法はあるが、その数も限られている。故に前世ではカードを出すことすら出来ずに敗北するケースが多発して居た。それでも使い続けるマコト曰く、「ロマンがあるから」らしいが、明らかに不利な事には変わらない。最近では《名推理》や《蛮族の狂宴Lv5》などで改善されてはいるが、確実性に欠ける物ばかり。兎に角、運が良ければライフを削られる事すら無いのだから、今回の素良は運が悪かった訳だ。
「ちくしょう!なんでこの僕がエクシーズの残党如きにぃ…!」
「慟哭するのは良いけどさ、早くターンエンドしてくれない?ジャッジキルは流石に悲しいから。」
「くっ……ターン…エンド…どうして…なんで勝てないんだ…」
エンド宣言しながらもブツブツと自問して居る素良。このまま行くと物理で刺されかねないのでターンを進める。
素良LP2500
モンスター(サーベルタイガー守備シザーベアー)
マコトLP4000
手札4
モンスター(ファンタジスタ、カストディアン、ストロングブロッカー、パーフェクトエース)
魔法・罠(ペナルティ、伏せ2)
「じゃあ俺のターン、ドロー!…カストディアン、ストロングブロッカー2体、パーフェクトエースを手札に戻して《ドレッドノートダンカー》を2体、《マイティースラッガー》、《フィールドゼネラル》を特殊召喚。ドレッドノートダンカーにパワードギプスを装備してサーベルタイガーを攻撃!ドレッドノートダンカーは貫通効果を持ち、ゼネラルの効果で攻撃力800アップで合計1800アップして4300。戦闘ダメージは2300の2倍で4600!終わりだよ!素良!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
素良LP2500→0
毎度の事ながら爆発したドレッドノートダンカーのボールの爆風で素良を吹き飛ばし、ライフを0にした。それでこいつどうしようかと思ったけどなんか一人で喋ってる。
「あり得ない…!黒咲に負けて、さっきやっと勝ったと思ったら今度はマコトに負けて!あまつさえ2回も!マコトの戦法は知っていたのに!どうして僕が負けるんだ!」
「素良、おまe…「素良ー!っ!?素良!戻ってきてたのか!良かったよ無事で!塾長もフトシ達も心配してたぞ!ほら、戻ろう!」ゆ、遊矢……」
近くに居たのか。ぶっちゃけビックリしたよ。…まぁいいや。
「素良、おまえさっき何で負けるかと嘆いて居たな。」
「それがどうしたっ…!」
「素良が勝てない理由じゃなくて、俺が勝てる理由なんだが…何故かな、この世界にはカードに少なからず力がある。」
「カードに…力?どう言う事だよ、マコト?」
「あーほら、お前のドラゴン、あとユートとバイク乗った奴のドラゴンが共鳴しただろ?他にも、ストロング石島の時、突然カードにテキストが追加されたはず。ペンデュラムに変化しただろ?」
「……アレが…カードの力?」
「俺はそう考えてる。他にも、カードの精霊とかも居てな。俺のデュランダルもそう言う存在さ。U.A.達もな。」
カードの精霊達をデュエルディスクの可視化・干渉可能モードにして二人に見せる。
『あー…一応初めましてになるだろう。私は《アーティファクト・デュランダル》だ。よろしく頼む。』
『まぁわかるだろうケド、《U.A.ドレッドノートダンカー》ダ。ヨロシクナ!』
……何で二人しか居ないの?
「……沢渡の時に喋ってたのはそう言う事だったのか。」
「カードに……こんな力が…。」
「まぁそれで、俺が毎回動き易い手札になるのは、こいつらのお陰だと思ってる。」
「精霊達の…お陰?」
「実際はどうか知らんけどな。ある人は言った。『手札に状況を覆せるカードが無いなら、ドローで創造すれば良いじゃない』と。」
「なんだそれ!」
「それは別の話だが、結構あるんだ。精霊が見える人のドローは凄いって。見えない人でもカードに好かれてれば事故る事は殆ど無いらしい。」
「……じゃあ僕はカードに好かれてないと。」
「そりゃそうだろ。そもそもこの遊戯王と言うゲームは人が楽しむ為に作られたものだ。それを争いの道具にして人を狩るとか言ったり復讐の為に使う何て事してたら誰だって『もうやだコイツ』ってなるだろ?……そうならなくても認めてはくれないかもしれない。」
「そう…か。わかった。もう良いよ。好きにして。」
「ちょっ、素良!?急に寝転ぶなよ!ビックリするだろ!?」
「……寝転ぶだけでビックリするものなのか?…まぁじゃあお前の身柄はこちらで確保させてもらうよ。…安心しなよ、此処には君をどうこうしようなんて奴は居ないからな。」
「……別に心配してない。」
「……そうか?…んじゃあちょいと俺は行くわ。多分アカデミアの奴らがいろんなところに居るから。」
「っ!待って!マコト、俺も行く!」
「あー…遊矢には素良と一緒に移動して欲しいんだけど…」
「あっ……わかった。でも無理はしないでくれよ、お前に何かあったら母さんも、塾長も、柚子も悲しむ。だから無理はしないでくれ!」
渋々、と言った感じで言ったけど…お前どこのヒロインだよ!それは柚子がお前に言う又はお前が柚子に言う台詞だろっ!
「お前も見てただろ。あんなの使って無理なんてする余地は無いさ。」
「……あぁ。気を付けてな。」
……イラッ☆
……………………
……………
……
「……多分この辺だよな……っと。いたいた…っ…間に合わなかったか……」
目の前でユーリに敗北してカード化されたオルガさんとハリルさん。……戻せるとは言えちょいとくるモノがあるな……。
「ん?…君も邪魔するのかい?だったら、容赦しないけど。」
「お前の目的が何で何をしたら邪魔になるのかを俺は知らないんだけど?」
「……チッ。…僕の目的は柊柚子の確保だ。後はわかるだろう?」
すごく嫌そうな顔された。それと多分わかる人は少ないと思うよそれ。
「んー…じゃあ、俺はお前の邪魔してるね。だって柊柚子の居場所知ってるし。」
今は恐らくユーゴと一緒にこの辺移動してる。
「……じゃあ教えてくれるかなぁ?」
「嫌です☆」
めっちゃイラついてるwwざまぁww
「ならもう容赦しないよ。デュエルだ!」
「いいぜ、元よりそのつもりだ。変に論争するより話は早いからな。」
さて、今からやるのは今までとは違う、相手のコンセプトを知らない状態でのデュエル。《プレデタープランツ》と言うテーマなのは知ってるが、使ってる人が居なかったし、アニメも結局そこまで観ることが出来なかったから。何も知らない。…いや、一つだけ分かることがある。《スターヴヴェノム・フュージョンドラゴン》…コレの存在と効果だけ。コイツだけは使ってた人が居たから。
「…………ぃ。」
………ん?
「おーい!」
「……何あれ」
「……あ。」
「おい!お前!やっと見つけたぞこの野郎!」
「ちょっとユーゴ!突然どうしたのって何コレ!わたしのブレスレットが急に光り出したってマコト!?どうしてここに居るのよ!?……きゃあっ!?」
「うわぁぁぁぁぁ!?……ん?何も起こらない?」
「あー…いや。起こった事はあるよ?」
俺の視線は、ある一点に注がれて居た。
「どう言うことだ?」
「ほら、そこに居たやつが…」
そこに居た筈の紫キャベツは……
「あーー!消えてる!!?あの野郎どこに行きやがった!」
居なかった。
「そのブレスレット。多分遊矢、ユート、ユーゴ、そしてさっきの紫キャベツに反応して4人の内二人以上揃うとランダムでどっかに飛ばす様なアイテムなんだ。……はぁ、折角のチャンスが……」
「……それでマコト?なんでこんな所に居るのよ?」
「あー、それはね、そこに落ちてる……」
「あ……!それって……っ!」
そう、オルガさんとハリルさんのカード。それを俺のデュエルディスクの規定のスロットに挿し込む。
「そうそう。これをこうしてこうやって……」
そのままディスプレイに表示されたボタンを押すと、辺りが薄い青色の光に包まれ、俺の目の前に二つに分かれて収束していった。
「……そのデュエルディスクに…そんな機能が……貴方何者なのよ?」
そして復活したオルガ&ハリル。それに驚愕した柚子。……何者ってそりゃあ…
「決まってんだろ?…俺は異世界のデュエリストさ。」
……と言うわけでデュエルしそうでしない回でした。「取り敢えず投稿したいけどひっそりやりたいからチラシの裏投稿で良いや」的なノリで投稿したこの作品。結局通常投稿に変更してしまいました。そして変更した途端に増えるお気に入り登録者数。……余談と言うか私事ですが、昨日プレステ4を買う事がら出来ました。前々から買おうと思ってたのですが、小遣いが足りない、置いてプレイする場所が無いなどと色々あって専用モニターを一緒に買ったりバイトでお金貯めたりして漸く買う事が出来たプレステ4。最初にやるのはダクソ3と最初から決めて居ましたが……なんだこのDLC。サムネの時点でトラウマが蘇るぞ。絶望の絵画世界を写すんじゃ無い。少なくともそれっぽい時点でアウトだ!DLCやる気が160%くらい失せたぞ。最終的に一周回ってやる気100%にはなったけど。
………誤字脱字、効果処理などの報告よろしくお願いします。
それとオリカに関する事ですが、感想などに何一つとして触れられる事が無かったので「沈黙は肯定と受け取る」事にしました。ええ、出しますよ?良いんですか?……それでは御機嫌よう。