ダンジョンで双璧が暴れるのはまちがっているだろうか   作:よづき

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ロキ・ファミリア幹部との補足関係です。ストーリーで深く掘るつもりがない裏話的なところです。

ノエル→フィン
人としては尊敬しているが、それを口に出来ないだけの強烈な憎しみが勝つのでいつか絶対に膝をつかせる。入団してから5.6年はどう暗殺するか本気で考えていた。今はそのつもりなし。

フィン→ノエル
問題を起こさない問題児。歳もそれなりに離れているので軽くあしらっている。恨まれてることも知っているので自分から深く関わるつもりもない。恨まれてる原因ついては悪いとは思ってない。


ノエル→リヴェリア
フィン同様、恨んでいる対象だが徐々に薄れている。薄れるのが怖くて近づきたくなかった相手。今でも事実を明かすには人がよすぎると思っている。


リヴェリア→ノエル
アイズより先に入団したので後の祭りではあるものの、アイズの時のように初めからもっと向き合っていればよかったと後悔している。なぜファミリアから、オラリオから消えたのか知りたい。


NO.25

 

レフィーヤ・ウィリディスは目の前の人物にこれ以上ないくらい怒りを覚えていた。

 

「(なんなんですか、この人!?)」

 

急に現れ、アイズをバカにしたどころかリヴェリア様に不敬を働くとは。

元団員といえど、いや、元団員だからこそ、それがどういうことであるかわからないはずもないのに。到底受け入れられるものではなかった。

 

「アイズ」

 

自分の後ろを見ながら彼女が、憧れの人の名を口にする。

振り返れば少し傷を負ったアイズと、いつかベートを飛ばした黒い男、ティオネ、ティオナが親しげーーーーー楽しそうーーーーーにこちらに向かって歩いてきた。

 

「(そんなわけないっ!)」

 

レフィーヤが動揺してる間にノエルが4人の元へ歩いていく。

 

「傷は?」

「すぐに治りそう…」

「そう」

 

あれだけアイズに興味が無いと素っ気なく話していたのに、彼女はアイズの容体を確認すると手を取り治癒魔法を唱える。

 

「ありがとう」

「しょぼい魔法だから、時間もかかるし効果も薄いけど…」

「なーにいってんの。アイズがどれだけノエルのこの魔法に助けられたと思ってんのよ」

「…」

 

昔の話を始めそうなティオネに、ノエルは少し顔をしかめる。やはり【ロキ・ファミリア】を好きではなさそうだとレフィーヤは考える。

 

「アイズに過保護だから、深層突入前とかは絶対に魔法をかけてからじゃないと行かせなかったでしょ」

 

しれっとノエルからすれば恥ずかしい部分を盛大に語るティオネと、知らなかった事実にくくくと笑うアルト。先程までの空気がうそのように和む。

 

「お前、すごい意外なんだけど」

「それ以上笑うとベルにアルトの昔の女の話を暴露する」

「おいやめろ」

 

ついていけず呆けるレフィーヤしか聞こえないように、リヴェリアから声が掛かる。

 

「ノエルは大事なものほどああいう態度をとるんだ。本当にどうでもいいものには興味すら示さない。ここに来たのも、アイズがやられたから我々が心配だったんだろう。全く、素直じゃない」

 

納得のできないレフィーヤに言葉が続く。

 

「あの言い方ももう少しマシな時期もあったんだがな」

 

細い腕を組み、ふぅ、と息をつくだけでも美しい王族のエルフはとても機嫌が良さそうだ。

 

「ノエル、そろそろ行かねぇと」

「ごめん。急ごうか」

「?ダンジョンに急ぎの用があるのかい?」

「強制依頼で、40階層辺りまで」

「…分かってるのかい?あの階層は第1級冒険者がパーティを組んでようやく安全を確保できるような階だよ?」

「2人が最大戦力」

 

「ええーじゃあ一緒に行こうよ!」

「ティオナ…リヴィラの問題、請け負ったのはあなた達」

 

アルトとは生まれながらの付き合いのため、会話がなくとも連携は取れる。もと団員同士とはいえ、2年程の付き合いしかないティオナが加わるのは得策とは思えなかった。

 

「そうだね。ティオナ。まだ伝えていなかったけど、次の遠征にノエルは参加する予定だ。その時でいいだろう?とはいえ、40階層に2人は…」

「いい。2人だと勝手がわかってて楽」

「そうかい」

 

仕方がない、と息をつくフィンと、少しジト目になるアイズ。

ノエルとアイズの付き合いはもうかれこれ9年だ。空白の期間はあれど、アイズにとっては古い付き合いの1人。アルトにはあっさり背中を預けるのに、特に仲の良かったベートやアイズにさえ一切頼ってくれなかったことを思い出す。

 

「ノエル、遠征では私と組んでほしい」

「アイズ…?」

「…だめ?」

「…わかった」

 

幼い頃よく2人でしてたように、おずおずと出されたアイズの小指をノエルは小指で握った。

 




リリと出会ったベルがノエルにうれしそうに報告するだけの、まったりした日常回をボツにしています。

挟むタイミングがなかったのですがお気に入りの話なので消せずに眠ってます。

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