ダンジョンで双璧が暴れるのはまちがっているだろうか   作:よづき

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No.10

 

 

 

 

本日のステイタス更新でヘスティアは悩んでいた。自分の眷属達はどうも神友に聞いていた話と違うのだ。子どもの成長はもっと遅く、そしてこんなデタラメなスキルを持ってはいけないのだ。自分が知らないうちに神の力アルカナムを使用したのかと疑ってしまうほどに。もう一度、【ヘスティア・ファミリア】に入れてくれと直談判してきた2人のステイタスが書かれた羊皮紙をのぞく。

 

アルト・バイン

Lv6

力:I 2

耐久:I 0

器用:I 0

敏捷:I 0

魔力:I 0

 

発展アビリティ

・耐異常:C

・神秘:F

・魔導:H

・賢者:D

・索敵:I

 

スキル

【全知】

・物事の本質を見抜く

・情報収集時に超高補正

・集中の度合いにより効果上昇

 

【月下狼哮】

・月下条件達成時のみ発動

・獣化。全アビリティ能力超高補正。

・異常無効

 

【鉄壁】

・耐久に高補正

・守りたい願いにより効果上昇

・条件達成時のみ発動

 

【未来予知】

・24時間以内の先読み

・同じ時間軸で2度にわたる先読みは不可

 

 

魔法

【咆哮】

詠唱『火竜の王よ、』

『水竜の王よ、』

『荒ぶる力を我が身に宿せ』

・2属性魔法

・中範囲

・魔力量により効果依存

・詠唱により効果変化

 

【】

 

 

 

 

 

 

 

ノエル

 

Lv6

力:I 2

耐久:I 3

器用:I 10

敏捷:I 5

魔力:I 1

 

発展アビリティ

・耐異常:E

・魔導:E

・拳打:F

・双剣:G

・精癒:I

 

スキル

【全能】

・全ての動作に高補正

・集中度合いにより効果上昇

・器用の数値に依存する

 

 

【鉄壁】

・耐久に高補正

・想いの丈により効果上昇

・条件達成時のみ発動

 

【豪剣】

・剣装備時に全アビリティ能力中補正

・双剣時、高補正

・その他装備時全アビリティマイナス補正

 

 

魔法

【神々の詩ヴァル・ローレライ】

詠唱『我が身に全能の一端を』

・月光の付与魔法

 

【アステリズム】

詠唱『アストライアに告ぐ』

『輝く無数の星々 、荒れ狂う人々の切望』

『時は来た、終焉の予言は今詠われる』

『地を穿てーーー アステリズム』

・制約魔法。条件達成時のみ発動可能

・星群魔法

 

【サンタマリア】

 

詠唱『聖なる光よ、癒しの加護を』

・回復魔法

・効果継続型

 

 

呪詛

 

【アムネシア】

・対象者の神の力の無効化

・代償 解呪後、一週間自身神の力の封印

 

 

馬鹿げてるとしか言い様がない。アルトの全知はウラノスにも及ぶし、ノエルの全能が全ての動作に補正をかけるなどデタラメにも程がある。まるで神の手がかかっているようなステイタス。

 

アルトのスキルは全知以外に制約や条件を設けることでそれ相応の強さを引き出している。スキルは本人の人格なども反映される。彼の全知から見るに、わざと制約をかけている気がしなくもない。神の勘は当たるのだ。

 

それにヘスティアの眷属になった際に、2人は既に『Lv5』だったのだ。ヘスティアがLv5の最終ステイタスを更新し、既に資格を持っていたLv6へランクアップさせたに過ぎない。

しかもノエルの方は【ロキ・ファミリア】脱退前はLv3だったと言う。

 

アルトは伏せていただけで【ヘルメス・ファミリア】の元団長としてLv5まで上げたと言うので頷けるが、ノエルの後ろがわからない。

ロキ以外にステイタスを更新させていたというのか。

どうやって?ロキのところでLv4も資格を手に入れてたとして、3年でステイタスを更新しLv5まで持っていき、更にLv6の資格を手に入れて自分の元へ来たというのか、あの白金に輝く少女は。

 

Lv3時点のステイタスはどのくらいだったのだ、ロキはどこまで知っている?

もっと危険なのは少女に隠れる少年の方。

全能ゆえノエルが目立つがあの二人の頭はアルトだ。神を見下しているような気がすると思っていたが、違う、対等な存在として見ているのだ。

 

あの少年が子ども達に優しいのはただの優しさじゃない、弱いものに対する慈悲。神を見下しているように見えるのは対等に扱ってる故。

 

彼の全知の性能か、彼の嘘を神は見抜けない。神の力アルカナムはほとんど通じない。その状態じゃ少年が神を対等に見ていてもおかしくはないのだ。

圧倒的な異端。英雄ではない、あの二人は異端だ。ヘスティアの本能がはっきり告げている、彼らはおかしいと。特にアルトの方は確実に神の領域の入口に足を踏み入れている。

 

 それでもヘスティアは、危険だとも思わないし愛おしいのだ。あの2人が。あんなに危険だと思うのに、ベルを見守るあの二人を見ていると安心する。しかもノエルが「アルトは、ベルを本当の弟のように思ってる」と零したことがある。彼女の言葉に嘘はなかった。だからボクも信じてみようと思う、彼と彼女がベルくんに賭けた、【眷属の物語】を。

 


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