今日はまた色々あります。
それでは本編どうぞ。
新東名高速道路
キュイーン
「凄いはやい!」
「でしょ?」
朝方の新東名を、赤いバイクが駆け抜けていた。
操縦者は元神姫で今はISと融合して人間となったアーク。そのアークにしがみ付きながらはしゃいでいるのは、この小説の主人公のキラ・ヤマトである。因みに、ただ今アキレスはパトロクロスと言われる形態で走行している。余談だが彼女自身バイクの免許は持っており(勿論高野に頼んで)、ちゃんと高速道路の入り口から入った。
「それにしても、このISって二人乗りできるんですね?」
「まあね。私的にはトライクモードの方が好きだけど」
「あぁ、昨日のサイボーグライダーみたいな」
「例えが古い!?」
キラの口からでたワードにアークは突っ込む。
「そういえばアークさん、このISってPICとか付いてるんですか?」
「勿論付いてるよ。ただ、バイクの状態だと飛べないから、装着しないといけないんだ」
「なるほど、因みに武装は?」
「武装はアサルトライフルにロングライフルの『シルバーストーン』、フォールディングナイフと姉貴が買って来たイーダ型が持ってるブレード『エアロヴァジュラ』だよ」
これが詳細ねと言って、キラの前にディスプレイを出した。
「えっと・・・セラミック2ローターの、両輪駆動で。これがコンピュータ制御の、アンチロックブレーキっと。1万2千回転の200馬力・・・」
「鉄雄か!?」
またもやキラのボケにアークは突っ込む。するとキラは、ポケットからスマホを取り出し、イヤホンの片方をアークに、もう片方をキラの耳に入れる。そしてスマホを操作し、とある曲を流す。
【BGM:EXODUS FROM THE UNDERGROUND FORTRESS】
「なんでさっきからAKIRAネタ?」
「よく知ってますね?」
「・・・姉貴達とよく見てたからね」
ちなみにキラは、雪蓮達とよく見ているのだ。
「って言ってる傍から名古屋に着きましたね?」
「まあ300キロで走行してるからね。折角だから何処に行く?」
「じゃあ京都の鉄道博物館で!」
「・・・好きなの?」
「はい!」
満面の笑顔で返事をするキラにアークは苦笑いしてしまう。
「はあ・・・よし!それじゃあ京都まで行くか!」
「はい!」
しっかり捕まっとけよ!とアークに言われて、キラはアークに少し強くしがみ付いた。それと同時にアキレスはさらにスピードを出し、京都に向かって走るのだった。
「アクセルシンクローーーーーー!!」
「それ絶対訴えられるからやめて!?」
――――――――――――――――――――――
以下ダイジェスト
「お~500系だ!あっちには581だ!」
「キラ落ち着いて!」
「デカアアアアアーイ!説明不要!」
「ジオラマでかいね!」
「すごい!これ結構昔の発射票だ!」
「ここで変えられるようですね?うわ知人の名前まである!?」
「昔の列車って色々付けられてたからね・・・」
「電車見ながら食事なんて、最高ですよ」
「私自身色んな物を食べたり飲んだりできるのが嬉しいけどね」
「これがオオサンショウウオか」
「でかいし多い。というかびっしり固まってるね?」
「ある意味凄い・・・」
「イルカさんだ!」
「あっ!こっちに来たよ!?」
「きっとアークさんのことを気に入ったんですよ」
「アザラシの餌やりですよ!」
「やってみよっか!」
「うわぁ可愛いね!」
「はい!」
「はむはむ・・・この八橋美味しい」
「餡蜜にひやしあめも美味いです」
「ってキラ食べ過ぎだよ」
「金閣寺って本当に金ぴかなんだね?」
「これで金ぴかにしたISがいたら大うけですけどね」
「確かにそうだね」
ピキーン!
「なにやら私の噂が聞こえたような?」
「何を言ってるんだシャア?」
「これが鉄錫杖と高下駄かぁ」
「鉄の錫杖90キロあるらしいですよ?」ヒョイ
「それを片手で持ち上げるキラって・・・」
――――――――――――――――――――――
京都 とある丘
「すごい綺麗ですね」
「そうだね」
京都に着いて6時間。キラとアークは色んなところを回り、今は誰もいない丘で夕日を見ていた。
「・・・キラ」
「?」
「どうして、あの時キラは悲しそうな顔をしたの?」
今日の一番の目的である問い。その問いを聞いたキラは、夕日を見ながら口を開いた。
【BGM:水の証】
「・・・僕のことは、どれだけ知ってますか?」
「・・・・・・転生者だってことと、戦争のこと。そして・・・初恋の子のことは・・・」
「そうですか」
そう呟くキラは、再びアークに顔を向ける。
「実は、フレイの他にもう一人いるんです。このことは、真那さんや雪蓮さんと冥琳さん、紫苑さんくらいしかしりません」
「もうひとり?」
アークの言葉にキラは「はい」と頷く。
「名前は『ラクス・クライン』。元の世界では歌姫と呼ばれていて、僕に剣を託してくれた人なんです」
「・・・どんな娘なの?」
「気品があって、おっとりしていて、でもそれと同時に好奇心旺盛で肝が据わってる人でした。心の底から平和を祈りながら、歌を歌う優しい子でした」
キラの脳裏に浮かぶのは、彼女との出会い・・・。
『初めまして、私はラクス・クラインですわ』
『貴方が優しいのは、貴方だからでしょう?』
『思いだけでも、力だけでもだめなのです』
『私はラクス・クラインですわ、キラ・ヤマト』
『泣いて、良いのですよ?』
『何と戦わなければいけないのか、戦争は難しいですわね』
「キラ?」
彼女のことを思い出してしまったのか、キラの瞳から涙が溢れ出てきた。
「わかって・・いるんです。ラクスと・・・アークさんは・・・・・まったく違う・・・ことを。声も・・・瞳も・・全部・・・・・でも、あの時・・・アークさんの笑顔を見たら・・・僕・・」
「キラ・・・」
「謝りたかった!死んじゃってごめんって!言いたかった!ただいまって!でも・・・でも!」
ぎゅ
「!?」
やけくそ気味に叫ぶキラを、突如アークが優しく抱きしめた。
「ごめん・・・辛いことを、思いださせちゃって」
「アーク・・さん?」
「キラ。私はそのラクスって子にはなれないけどさ、辛い時には胸くらいは貸してあげる」
「!」
アークの言葉を聞いた時、キラもまたアークを抱きしめた。
「馬鹿・・・本当に皆馬鹿だよ・・・。こんな・・・泣き虫で、甘ったれで・・沢山人を殺した奴なんて、放っておけば良いのに・・・」
「何言ってるんだよ。放って置けないから、皆キラを守りたいんだよ・・・」
アーク自身も解った。どうして皆キラのことが好きなのか、どうして皆キラを守りたいのか。
放って置けないからだ。
前世でのこともあるせいか、キラには大きくて数え切れないほどの傷と、一人では背負いきれないほどの大きな罪を背負っている。しかもこの世界でも尚、目の前で沢山の人が死んでしまった。
アークも今日、キラと色んなところを回って解ったのだ。
目の前の少年は優しくて、それでいて悲しいのだと。
このまま行けば、キラは確実に壊れてしまう。
だから放って置けないのだ。
こんな優しい少年が、ただ壊れてしまうのが。
「泣きたければ泣いて良いよ。今は私しかいないし、落ち着くまでこうしているから」
「!! ・・・・ううぅ・・・ゥワアアアアアアアアアーーーーーー!!」
それから数十分、アークは自分の胸の中で泣き叫ぶ少年の頭を、優しく・・・優しく撫でていた。
――――――――――――――――――――――――――
「落ち着いた?」
「はい。ありがとうございます」
なんとか落ち着いたキラは、ずっとあやしてくれたアークにお礼を述べた。
「さてと、今から帰るのもあれだし、どうする?」
「僕は色々貰ってるので、どこかの旅館でも大丈夫です」
「じゃあ今日はお泊りだね」
「僕真那さん達に連絡します」
「ああそれは後で良いよ」
その前にと言って、アークは誰も居ない森の方に顔を向けた。
「隠れてないで出てきな。こっちはあんた等が居るのを知ってるんだよ」
アークが森に向かって言い放つと、6人の女性が現れた。
「よく私たちが居るのが解ったわね?」
「まさか・・・女性権利団体!?」
「大当たりよ化け物」
「狙いはキラのようだね?」
「これまた正解よ」
その言葉と同時に団体の女性達がISを展開する。ISはアメリカの量産型IS『イーグル』、ライフルやマシンガン、ブレードと言った標準兵装が搭載されている。
「ところで、どうして貴方の心臓からコアの反応がするのかしら?」
「さあね?あんた等みたいな酷い実験をされたのかもね?」
アークの言葉に団体の女性たちは険しい顔になる。
(キラ、ISは?)
(すみません、今メンテに・・・ブレード一本あれば戦えますけど)
(オッケー、ヴァジュラ貸してあげるから、3人お願い)
(了解!)
キラとアークは念話で話し合い、作戦を決めるとアークはヴァジュラをキラに渡した。
「何を考えてるかわからないけど、貴方には此処で死んでもらうわよ!」
「ふざけるな!こんなところで最終回迎えたら、感想で沢山コメントしてくれる人達に申し訳がつかない!」
「キラメタいからそれ!?」
「それなら・・・死になさい!」
【BGM:メガゾーン23より ROCKCAFE】
団体の一人がマシンガンをキラ達に向かって放つ。しかしキラとアークはそれをかわし接近する。
「でやあぁぁぁぁーーーー!」
ズバ
「な!?」
「もらった!」
キラの持ったブレードが1機のイーグルのライフルを切り裂く。そこにすかさずアークが、シルバーストーンを放つ。直撃したイーグルは強制解除されただけでなく、女性の右腕を焼いた。
「アギャアアァァァァァァァーーーーーー!!」
「あれ!?こんな出力でたっけ?!」
「さっき鉄雄の真似してる時にちょっと出力を・・・」
「いくら何でも早すぎ!?・・・でもこの状況では助かった」
そう言って二人は団体に向き直る。因みに言うが、ISに通常兵器は聞かないと言うが、SEはそれなりに減ってはいるのだ。そしてキラが持っている武装はISの武装なので、通常兵器よりも攻撃は通りやすいのである。
「キラ、アサルトライフルも貸すから1分耐えて」
「わかりました」
するとアークは、アキレスの先端部分を展開し、シルバーストーンと合体させた。
「この!」
キラは次の1機に狙いを定め、アサルトライフルを撃ちながら一気に近づく。そして先ほどのようにイーグルのマシンガンを切り捨てる。そこから至近距離でアサルトライフルを連射、SEをゼロにさせる。
「化け物め!」
「死になさい!」
残った4人がキラに向かってライフルやマシンガンを連射する。しかしキラは上にジャンプし、木の枝に掴まる形で避ける。
「はあ!」
上から回り込む形でキラは団体たちの背後から奇襲を仕掛けた。後にいた1機のイーグルのSEを削る。削られたイーグルは反撃のためブレードを展開してキラに迫るが、キラはそれを軽くいなしながらこれまた至近距離でアサルトライフルを放つ。
「な、なんて奴よ!?生身でISと渡り合えるなんて!?」
「やっぱり化け物は化け物なのよ!」
そう言って団体の女性たちはまたキラにマシンガンやライフルを構えた。
「キラ離れて!」
「!?」
その掛け声と同時にキラはその場から離れた。
「スーパーシルバーストーン、発射!」
チャージが完了し、アークは狙いを定めて引き金を引いた。
その瞬間、青色の極太い光線が、団体を気絶していたものも含め丸ごと飲み込んだ。その光線は森をなぎ倒し、一直線に向かって行った。そして、そこに残ったのはISのコアだけだった。
「ひぇー、凄い威力だ」
放った本人もかなり驚いていた。
「ってキラ、大丈夫!?」
「はい、大丈夫です」
「うわ!?」
アークが叫ぶと、それに返事をするようにキラが上から出てきた。
「よかった・・・それより、コアを回収して此処から離れないとね?」
「そうですね・・・」
そう言ってキラとアークは警察が来る前にISを回収し、京都から離れて大阪に行くのだった。
―――――――――――――――――――――
大阪府 とあるホテル
「ふぅ疲れた・・・」
「本当だね・・・」
あの後キラとアークは、またもや高速を使って大阪までやってきた。それから安いホテルをチェックインし、真那達に連絡を入れて今にいたる。
「アークさん、今日は本当にありがとうございます。後半色々あったけど、楽しかったです」
「私もだよキラ」
少し前まで神姫だったアークは色んな食べ物を食べたり、飲み物を飲むことが新鮮で嬉しいのだ。
「さてと、私はちょっとシャワー浴びるね」
「解りました」
「覗かないでよ」
「しませんよ!」///
顔を赤くするキラに笑いながらアークはシャワー室に入った。
シャー
「・・・キラ」
シャワーを浴びるアークは、キラのことを思い出していた。
(・・・辛かったんだろうなぁ。色んな人達に化け物って言われて・・・)
今日の戦闘を見て、キラがどれだけ奴等に敵視されてるかがわかった。
身体能力も、反応速度も、どれもこれもが人のそれを超えすぎている。
キラのことは大体香取達から聞いているのだが、改めてみると酷いとしかいえないのだ。
「まったく、放っておけないよ」
充分に身体を洗ったアークは、シャワーを止めて浴室からでる。
「そういえば、香取の姉貴からなんか服を貰ったんだっけ?」
アークは自分の拡張領域から香取から受け取った袋を取り出す。
「なにが入ってるんだろ?」
そう言って袋から服を取り出す。
中に入っていたのは、ミニスカートタイプの婦警の制服だった。しかも黒のガーターストッキングと手錠付きである。
「ななななななな、なんだよこれはァァァァーーー!?」///
アークは顔を赤くしながら叫ぶ。
(待て待て待て待て!色々可笑しいんだけど!?なんで婦警の制服なの!?)///
すると袋の中に、なにやら紙があったのでそれをとりだすアーク。
内容は、
『キラ君と10発頑張ってください♪ by香取』
「姉貴ぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーー!!??」///
なんでこんな物を入れたのか解らない香取に向かって叫ぶアーク。
「はあ・・・はあ・・・本当になんでこんな物を・・・そういえば」
アークは出かける前に香取からあることを聞かされた。
『良いですかアークさん?キラ君にはヘブンズウイルスというものが宿っています。発作が起きれば、だれであろうと『陵○』してしまうんです。ただ、キラ君自身その所為でさらに心がボロボロになっています。もしキラ君に襲われたら、できるだけ受け入れてください。いやなのは解りますが、どうかお願いしますね』
「はあ・・・」
思い出したアークは、そっとキラの居る方を見る。
「はあ・・・はあ・・・」///
なにやら発作が起きているキラが蹲っていた。しかも涙を流しながら。
「はあ・・・もう本当に放って置けないんだから」
そう言ってアークは、やけくそとばかりに婦警の制服を手に取った。
「はあ・・・はあ・・・」
ただ今キラは絶賛発作が起こっていた。
「このままじゃ・・・このままじゃ」
解っていても抑えられない持病。このままではアークを襲ってしまうという絶望感。
そのとき、浴室からドアが開く音が聞こえた。
「キラ、上がったよ」///
駄目だと解っていても振り向いてしまうキラ。
振り向いた先には、婦警の服装をしたアークが右手に手錠を持って立っていた。
「アーク・・さん?」///
「えっとさ・・・姉貴から君のことは聞いてる。その・・・私もやったことないから解らないけど、よかったら・・・相手になってあげる」///
「!!」///
その瞬間、キラは例の如くアークを押し倒した。
それからは、皆さんのご想像にお任せします。
これなんてエロゲ?