遅れてしまって申し訳ございません。
最近SAOの曲があちこちで流れていて、頭の中がSAOばっかりになってしまい集中できませんでした。
言い訳ですね・・・
皆様本当に申し訳ございません。
それで今回の話ですが、かなりグロテスクなシーンがあります。
見る際は気をつけてください。
「キェアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーー!!」
その怪物は悲鳴の様な雄たけびを上げていた。
「あれは・・・」
「なんですのあのクリーチャーは?」
その姿をみたキラとセシリアが、その場にいた者達を代表として口を開いた。
「とにかくなんとか・・・!!」
なんとかしないといけないと言おうとしたキラは、ある光景を見て最後まで言えなかった。
それは、怪物の周りにある、先ほどまで鈴達の戦いを観戦していた女子生徒達だった物の死体だった。
『!!??』
キラに続くようにセシリアたちもその光景を見てしまった。
その中には内蔵が飛び出た物もあれば、上半身または下半身がない物、果てにはバラバラになった物まであった。
吐き気が襲ってきたのか、セシリアや雪泉は手で口を押さえていた。無理もない。雪泉はともかくセシリアは今まで平和に近い世界で生きていたのだから、こんなグロテスクな光景は初めてなのだろう。
対する雪蓮と冥琳、そして真那は慣れてる所為か吐き気までは行かないが苦虫を噛み潰したような顔になっていた。雪蓮と冥琳は戦場で何度も切り殺しているし、真那はこれ以上の地獄を何度も見ているので耐性はあるのだ。
そしてキラは、
「あ・・・ああぁ・・・」
悲しんでいた。
解っていたはずなのに、何か来ると予感していたはずなのに。
「くそぉ!気付いてたはずなのに、どうして!」
「落ち着いてキラ!私達だってこんなことになるとは思いもしなかったのよ!?」
「そうだ、お前に非はない」
「そうですわキラさん」
「それよりも、この状況をなんとか打開しないといけません」
「ですからキラ様、落ち着いてくださいまし」
「皆・・・はい!」
彼女達に言われたキラは、気持ちを切り替えて化け物に顔を向けた。
すると、なにやら白い何かが化け物に突っ込んでいった。
「あれは・・・一夏さん!?」
「馬鹿野郎!エネルギーがない状態で行くなんて!!」
そう言ってキラもラファールを展開して、一夏の方に向かった。
「キラ!!」
「キラさん!?」
「まったくあの馬鹿は!とにかく、私達は鈴と合流するわよ!」
『了解!』
「うおおおおぉぉぉぉーーーー!!」
一夏は突如現れた化け物に向かって突っ込んでいた。
白式のSEを回復させている途中だったので、SEはそんなに残ってはいない。
それでもあんな光景を見てしまえば、一夏ならば恐怖よりも怒りが勝る。
鈴がキラ達と合流するという言葉を無視して、一夏は化け物に突っ込んだのだ。
「ぐおおおおぉぉぉぉーーーーーーー!!」
「でやあぁー!」
一夏は化け物に向かって雪片を振り下ろした。
「キエアァァァァアーーーーー!!」
ドゴン!
「ぐはっ!?」
しかし化け物の尻尾に叩かれ、そのまま吹っ飛ばされた。もともと少なかったSEは0になり、吹き飛ばされた一夏も壁にぶつかった衝撃で気絶した。
「一夏!」
キラは一夏に近づき、大丈夫かを確認した。
「ふぅ・・・まったく」
気絶しているだけだと解ると、キラは呆れていた。
「一夏!?」
「大丈夫、気絶してるだけだよ」
「もう一夏は馬鹿なんだから!」
「とにかく、鈴は一夏を連れて退避して!あれは僕達がなんとかする」
「わかったわ!!」
キラに言われた鈴は、気絶した一夏を連れて避難した。鈴も自分の機体のSEが少ないことを理解していたので、化け物をキラ達に任せて退避したのだ。
「さてと、先ずは様子見ね?」
「だな。あいつが一体何者なのかはわからんが、少なくても話し合いは出来そうにないしな」
「そうですわね」
化け物をどうするか作戦をねっている雪蓮達。
すると、
「キェェエエエエエエェェェェェーーーーーーーーーーーー!!」
突如化け物が、避難しようとしている生徒達の方に這いだした。
「まずい!?」
誰よりも先に気付いたキラが自身のラファールをラピードにして、化け物を止めようと飛び出した。
「やめろぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!」
キラはマイクロミサイルを発射し、ブレードを展開して突っ込む。
ミサイルの1発一発は対艦ミサイル並の威力があり、全弾直撃すると化け物は大きく怯んだ。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!」
キラは雄たけびを上げながら、レーザーブレードを横に一閃。
ズバ!
「キェアアアアアアアーーーーーー!!」
見事に化け物の右腕と思わしきものを切断し、緑色の血が大量に溢れ出した。
「キエェェェェェェェェェーーーーー!!??」
化け物も痛みに耐えられず、悲鳴を上げ出した。
その瞬間、
『痛い・・・痛いよう・・・』
「え?!」
『!?』
キラ達の脳内に痛みを訴える少女の声が聞こえて来たのだ。
「ま・・・まさか!?」
「あの化け物からなの!?」
キラと雪蓮の言葉に一同は驚愕と共に化け物を見た。
「キェェェェェェェェーーーーーーーー!!」
化け物はまるで苦しんでいるかのように叫ぶ。
「・・・とにかく、あの化け物を何とかしないといけませんわ」
「そうですね」
今度はセシリアがビットを化け物に向かわせ、それと共に打鉄を纏った雪泉も化け物に突っ込んだ。
「いきますわ!」
さらにセシリアが遠距離から攻撃し、ビットからもレーザーが放たれた。キラたちとの訓練により、セシリアもまた同時進行でのビット攻撃を可能にしたのだ。後ろから放たれるライフルとビットの弾幕を、雪泉は掻い潜る。雪泉もセシリア同様キラ達との訓練によりこのような芸当が出来るようになった。セシリアから放たれたレーザーは、化け物の身体を貫通していき、さらに雪泉がブレードで化け物を切り裂く。
撃たれた箇所と切り裂かれた箇所から、右腕同様緑色の血が流れ出す。
『アアアアアアアアアーーーーー!!??痛いよぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!??』
「「!?」」
またもや脳内に少女の悲鳴が聞こえ、二人は攻撃を止めてしまう。
その隙を逃がさんとばかりに化け物の尻尾が雪泉を狙った。
「キェエエエエーーー!!」
「雪泉さん!?」
「っ!?」
雪泉は咄嗟に防御の態勢になり、化け物からの攻撃をしのごうとした。
「あう!?」
だが、化け物からの尻尾攻撃はかなりのパワーがあり、雪泉は観客席まで吹っ飛ばされた。
「雪泉さん!!」
「なんてパワーですの!?」
「迂闊には近づけないわね」
キラは吹っ飛ばされた雪泉の方に駆け出し、セシリアと雪蓮は化け物のパワーに驚愕していた。
「雪泉さん、大丈夫ですか!?」
「ええ・・・ですが、SEをかなり持っていかれました」
雪泉は自分のISのSEを確認した。先ほどまで満タンだったSEが、いまの一撃で3分の1を持っていかれたのだ。
「キェエエエエエエエエ!!」
グシュグシュ
「な!?」
「再生した!?」
キラたちがまた化け物の方に向くと、なんと化け物の切られた右腕が再生したのだ。しかし、セシリアと雪泉が作った傷はいまだに治っていなかった。
それを見たブルーティアーズは、セシリアたちに調べた結果を簡潔に述べた。
《マスター。どうやらあの怪物は、受けた傷の大きさで回復速度が変わるようです》
「ということは、余り大きな傷をつけてもあまり意味はないと?」
「それか、再生する前に強大な一撃を食らわせるかだな」
そんなことを考えていると、またもや化け物が生徒達の方に這い出す。
「!? また!」
キラはまた化け物に向かって飛び出し、セシリア達はそれを援護するかのように一斉射撃を行った。
「このぉ!」
今度は左足を斬ろうと迫るが、化け物は左足を上に上げる形で避ける。
「キェエエーーーー!!」
さらに左足でキラを掴み、そのままセシリアたちの方に向かって投げた。
「ぐぁ!?」
「キラさん!?」
「キラ様!?」
投げられただけなのでSEは余り減っては居ないが、壁にぶつかった衝撃でキラ自身にはダメージが入った。
「大丈夫ですかキラ様!?」
「しっかりしてくださいまし!!」
「ううっ・・・」
「くっ・・・待ちなさい!!」
キラに近づくセシリアと真那。雪蓮達は生徒達を守るように、またも化け物に一斉射撃を行う。
「キエエエエェェェェェェェェェェー!!」
化け物は悲鳴を上げながら地面を殴りだした。
すると、雪蓮達の周りの地面が隆起し始めたのだ。
「な!?」
「これは!?」
「うそでしょ!?」
「キェエエエエエエェェェェェェェェェェーーーーーーーーーー!!」
そして化け物は尻尾で雪蓮達を吹き飛ばした。
「きゃあ!?」
「ぐぅ!?」
「あう!?」
雪蓮達はキラ達の方に吹き飛ばされ、同じ様に壁に激突した。
「雪蓮さん・・・冥琳さん・・・雪泉さん・・・」
キラはセシリアと真那に支えられながら雪蓮達に近づく。
「キャアアアアアーーーー!?」
『!?』
突如悲鳴が聞こえ、キラ達は嫌な予感がしながら生徒達のいる方に顔を向けた。
「キエェェェェェェェ!!!!」
そこでは、化け物が生徒達を捕食している光景が映った。
ボリ バギ グチュ
そんな音が化け物の口から何度も聞こえて来た。
「いやああああーーーー!!??」
「誰か!誰か助けてえええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!」
「おかあさああああぁぁぁぁぁん!!」
そんな光景を見た生徒達は悲鳴をあげだし、中には助けを呼ぶように叫ぶものもいる。
「キエエエエェェェェェェェェェェェーーーーーーー!!」
そんなことはお構いなしに化け物は生徒達を食い殺していく。
それはまさに地獄絵図だった。
「ひ・・・ひいっ!?」
「うぅ・・・!?」
そんな地獄の様な光景を見たセシリアは悲鳴を挙げだし、雪泉は胃の中の物が今にでも吐き出しそうになっていた。
「そんな・・・」
「こんな・・・ことって」
雪蓮と冥琳は生徒達を守れなかったことを後悔した。
「これでは・・・あの時と同じだ!!」
真那は前世と同じことが目の前で起こっていること、そしてとめることが出来なかったことを悔やんだ。
そしてキラは、
「ぁ・・・・ぁああっ・・・・」
目の前で起こっていることに絶望していた。
また守れなかった。
また目の前で人が死んだ。
ISという力があったのに。
死んだ。
死んだ。
死んだ。
死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ・・・・・。
死・・・・・・・・・
「うぁあああああああああああーーーーーーーーー!!!!」
突如キラが泣き叫びだし、頭の中で何かが弾けだし化け物に向かって飛び出した。
「キラ!!」
「キラ様!?」
雪蓮と真那の声すら無視し、キラは両手に刀型のブレードをコールし三重瞬時加速で化け物に迫る。
「キェエエエエーーー!!」
それに気付いた化け物は、キラに向かって尻尾を振り下ろす。しかしキラはそれをバレルロールでかわし、化け物の懐に入った。
「うわあああああああーーーーー!!」
そしてキラは両手に持ったブレードで化け物の腹を大きく切り裂いた。
『イギャアアアアアァァァァァァァーーーーー!!??』
「黙れエエエエエエエーーーーーーー!!」
キラは悲鳴を止めようと思いバーグラリーに換装し、切り裂かれた腹をこじ開けミサイルとグレネードを叩き込んだ。すると化け物のお腹と口から爆発と大量の血が噴出した。
『アアアアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーー!!』
そんな悲鳴と共に化け物は倒れた。
『ぁ・・・ぁああ・・・いだい・・・いだいよぉ・・・』
「・・・・・・」
キラはブレードを持ち、倒れた化け物の顔に近づく。
『ま・・ま・・・痛いよぉ・・・』
「・・・・・・・」
『まま・・・まま・・・まm』
「ウアアアアアアアァァァァァァァァァァァーーーーー!!!!!」
キラは泣き叫びながら化け物の頭を何度も叩きつけるように切りつけた。その度にキラが返り血に塗れ、その光景は一言で表せば『狂っている』ようだった。
「キラ・・・」
「キラさん・・・」
「キラ・・・」
「キラ様・・・」
「キラさん・・・」
『キラ・・・ヤマト』
そんな光景を見て、彼女達はもはや見ていられなかった。余りにも悲しすぎて、余りにも苦しすぎて、彼女達はキラに向かって飛び出した
「もうおやめくださいキラさん!」
「もうこの化け物は死んだのよ!」
「もういい、もういいんだキラ!」
「それ以上自分を傷つけないでくださいまし、キラ様!」
「キラさん、もう大丈夫です!」
『武器を下ろしてください!キラ・ヤマト!!』
各々がキラを止めるために叫ぶ。それが聞こえたのかキラは振り下ろすのを止めた。
「み・・・んな・・・・・ぁ・・・」
『キラ(さん)(様)!?』
そう呟いた瞬間、キラのラファールは自動的に待機モードになり、キラは気を失った。その姿は、まるで死んでいるかのようで、セシリア達の瞳から涙が溢れだしていた。
それから数分後、余りにも遅すぎる教師の部隊が駆けつけた。
次回は事件後の話をして第2章は終わりです。
みなさん大変申し訳ございませんでした。