キラ・ヤマトの異世界転生記   作:エルシオンガンダム

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皆さんお久しぶりです。

予約でGジェネを買い、ただ今0083をやっております。

さらにオーストラリアということなので、ホワイトディンゴもおります。

さて、これから第2章が始まります。

それでは、本編どうぞ。



第2章:覇王と軍師と転校生
第11話:中国からの使者


それは、どこまでも続く血の海だった

 

 

 

その血の海には宇宙服のような物を着た人や

 

 

 

軍服を着た人の死体が浮かんでいた

 

 

 

さらに周りを見ると、大きなロボットの残骸に

 

 

 

なにやらカプセルの様な瓶に入った『赤ん坊の様な何か』

 

 

 

そして、その中心には

 

 

 

青い制服を着て

 

 

 

返り血に濡れて

 

 

 

花の折り紙を持った

 

 

 

一人の少年が泣き叫んでいた

 

 

 

 

 

 

 

「「はっ!?」」

折りたたみベッドから、突如セシリアと雪泉が起き上がった。

「・・・雪泉さん」

「貴方もあの夢を?」

「・・・はい」

汗を書いている雪泉に、セシリアは頷いた。

因みにセシリア以外にも、雪泉と真那も折りたたみベッドで眠っていた。

真那は従業員としての仕事もあるので、二人よりも早く起きて先に行った。

雪泉は本来ならもっと早く起きることができたのだが、今回は珍しく長い眠りに付いていた。

「・・・最後に泣いていた方、あれは確かにキラさんでしたわ」

「はい・・・ですが、あれはまるで『キラさんが背負っている物』みたいでした」

そう。

血の海に沢山の死体、周りにはロボットの残骸とカプセルに入った赤ん坊の様な生物。

「もしやキラさんは、人を殺しているのでしょうか?」

「・・・それも、100・1000は超えるでしょう・・・」

人を殺した。

それだけでも彼女達はありえないと思った。

「もしそうだとして、どうしてこんなにも優しい方が、人を殺したのでしょうか?」

「解りません。ですがあれは・・・」

「・・・ええ」

 

 

余りにも悲しすぎる。

 

 

二人に理外は一致していた。

 

 

 

 

「キラ様、朝でございます」

「ふみゅ~・・・ボル○博士、お許しください!!」

「どこのキチ○イアニメですか!?」

「懐かしいですね」

入って来た真那がキラを起こしたのだが、キラは寝言で某キチ○イ少年の台詞を言った。

 

 

 

 

 

 

 

羽田国際空港

 

「ふ~着いた」

羽田空港のターミナルで、二人の女性とひとりの少女が立っていた。

「まさかこんなに早く日本に戻ってくるとはね」

桃色のチャイナドレスを着た女性は『雪蓮』。

中国政府で最も上にいる存在で、またの名を『覇王』と呼ばれており、中国支部のIS委員会を黙らせている。

その正体はキラと同じ転生者で、嘗て三国志で呉に存在した『孫策』その人である。

「まったくだ、お前が鳳に付いて行くと言った時は他の奴等が驚いてたぞ」

「いいじゃない、キラがすごく心配なんだから。冥琳もそうでしょ?」

「・・・そうだな」

赤紫色のチャイナドレスを着た女性は『冥琳』。

彼女も雪蓮と同じ転生者で『周瑜』なのだ。

雪蓮のストッパー役であり、実は雪蓮よりもキラとあれをした回数が多い(ストレスの所為)。

「・・・あのぅ、本当に私に付いてきて良かったんですか?」

「良いのよ。あのバカ達にはちゃんと言ってきたし、祭や穏が監視してるし」

二人の間にいる『鳳鈴音』が雪蓮に大丈夫なのか尋ねた。

彼女は中国代表候補生であり、一夏の幼馴染でもある。

鈴は二人がどれだけ偉いのかを知っているので、緊張しながらたずねた。

「さっきも言ったけど、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。これから私達は教師なんだから、もっとフレンドリーに話してちょうだい」

「とは言いましても、雪蓮さんも冥琳さんも、中国でも一番上の存在ですよ? そんな簡単に言うことできませんよ」

「まあ慣れるしかないな」

冥琳に言われて鈴はうう・・・とうなだれた。

「・・・話は変わりますけど、二人がそこまで心配しているキラって、あのキラ・ヤマトですよね? 一夏と同じISを操縦した?」

「ええ。まさか乗れるとは思いもしなかったわ」

「・・・どうしてそこまで?」

一人の少年の為に、中国政府の人間である二人が日本に来るのに疑問を持った鈴。

「・・・放っておくことが、出来ないのよ」

「え?」

「・・・あいつの色んなことを知ってしまったからな」

雪蓮は、キラに出会った頃のことを思い出した。

 

 

 

雪蓮サイド

 

 

あれは、10年前のことだったわ。

 

私と冥琳は、今後の為に大高達と会議した後だったわ。

 

大高から、

『君達に会ってもらいたい少年がいる。その少年は、私や君たちと同じ転生者なんだが、少し精神的に危うい状態でね?』

って言われて、私達は折角だから会うことにしたわ。

 

『はじめまして・・・キラ・ヤマトです』

 

最初に会った時のキラは、本当に可愛いかったわ。

平均的な小学生よりも小さくて、ちょっと女の子みたいな顔をしていたわね。

ちょっと胸を当てると顔を赤くしたり、甘い物を食べてる時は凄く幸せそうだったわ。

冥琳に宿題を見せて褒められた時なんて、満面の笑みだったもの。

そんなキラを見て、冥琳も微笑んでいたのは今も忘れられないわ。

そうそう、紫苑が来たときなんて、キラすっごく紫苑に甘えていたわね。

最初は恥ずかしそうだったけど、紫苑から『大丈夫よキラ君。いっぱい甘えて良いわ』て言われて、我慢の限界だったのか抱きついたわ。

本当に可愛かった。

 

・・・でも、それ以上にキラは、優しすぎて、『脆い』子だったわ・・・。

 

しばらく経って、キラと真那、私に冥琳に紫苑の5人で買い物に行った時、行った先で女性権利団体に襲われたわ。

団体の奴等は笑いながら、目の前でなんの罪も無い子供達を殺していく。

はっきり言って狂っているとしか思えなかったわ。

私達は怒りがこみ上げて来たわ。

そりゃあそうよ、目の前であんなことをされてじっとしてるわけにはいかない。

その中でキラだけは泣いていた。

でも・・・恐怖じゃなかったわ。

憎しみや怒りなんてない。ただただ悲しみしかなかったわ。

そのあとは・・・・・・私達が団体を制圧した。

私達はあの子と同じ『女神の子供達』として生まれた存在。

普通の人では耐えられない程の身体能力を持っているわ。

持っていた武器や、団体が持っていた武器を使って全滅させた。

勿論殺したわ。命乞いをしてくる者もいたけど、さらに怒りがこみ上げて八つ裂きにしてやった。

そして全てが終わって、キラは動かなくなった赤ん坊を抱いて泣き叫んだわ。

 

 

『どうして・・・どうしてこんなに簡単に、人を殺せるんだ!! 皆、明日が欲しいのに!! 皆、平和に暮らしていたのに!! どうして、どうしてなんだぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!??』

 

 

キラのその言葉を聞いて、私達は胸が締め付けられたわ。

私達はいままで、沢山の人を殺してきた。

でもそれは、呉の平和の為だった。

それからしばらく経って、『ディアボロス』という『幻獣』と二人の付き添いのメイドに会い、色々あって人の記憶を見ることができる装置を見つけたわ。

そして私達はキラの前世を直接見て、正直自分が嫌になったわ。

あの子は、大人たちに罵倒されて、目の前で大切な人達を殺されて、もう心がボロボロの状態だったのよ。

しかも、好きでもない殺しを何度もやって、さらには幼馴染とも殺しあったなんて・・・いくら戦争とはいえ酷すぎるわ。

それだけじゃない。

世界中で戦争が起きていて、人種差別に核まで使った大量殺戮兵器だなんて、もう戦争どころか虐殺以外の何者でもないわ!!

確かに戦争なのだから人が死ぬのは当然だし、平和の為とか言って大勢の敵を殺すのは理に適ってるけど、自分達の利益の為に味方を切り捨てて劣りに使って自爆させるなんて最低だわ。戦いなんだから当然で済ましたくないわこれ。

こんな歪んだ世界でよく耐えられたわね?いろんな人達の支えもあってだけど。

私だけじゃないわ。冥琳も紫苑も同じことを考えていたらしいわ。

真那は異星人と戦ってたらしいけど、それでも考えられるものがあったらしいわ。

本当に優しすぎる子だって思ったわ。

あの時の事件もそうだけど、この子は他人の為に涙を流すもの。

それと同時に、私は気付いてしまった。

キラは私達と違って優しすぎる。

そんなキラは転生しても尚、色んな理不尽に遭って来た。このままさらに不幸が続くと、キラは絶対に壊れてしまう。

そう思うと、段々とキラのことが放って置けなくなってしまったわ。

冥琳たちも思ってたらしいし、折角だからみんなでキラのことを支えていくことを決めたわ。

まあそれからさらに増えたけどね・・・。

 

 

 

雪蓮サイド OUT

 

 

「おっと、そろそろモノレールの時間ね?」

「そうだな?」

「はい」

雪蓮は現実に戻ってきて、すぐさまモノレールのターミナルに向かった。

(キラ・・・待ってなさい。すぐに私達も行くわ)

(まあ・・・少し位は甘えさせても良いか)

(一夏。待ってなさい、すぐに私が行くから!!)

その後3人は、モノレールを乗り換えてIS学園に着くのだった。

 

 

 

 

雪蓮と冥琳が、キラが撃たれたと知るのはそれから1時間後であった。

 

 

 

 

 

 


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