IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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遅くなりましたが『機体設定①』に【戦国龍皇】を追加しました



第094話:復活の永遠

 ~セシリア Side~

 

 【戦国龍皇】の盗難事件から数日が経過しました

 犯人の篠ノ之さんは未だに懲罰房から出て来ていません

 まあ当然ですわね…永遠さんのISを盗むんですもの!

 反省文500枚でも少ないくらいですわ!

 …それにしても永遠さん…何時になれば戻って来るんでしょうか…永遠さんが戻って来る間はわたくしと簪さん、本音さんの3人で永遠さんの畑と田んぼの手入れをしているのでこちらは大丈夫ですけど…早くお話ししたいですわ…

 わたくしがそんな事を考えていると…

 

千冬

「おはよう!」

 

 織斑先生と山田先生が来ました

 

セシリア&本音

「!?」

 

 そして、その後ろにいたのは…

 

永遠

「久しいのぉ♪」

 

 そこにいたのは…永遠さんでした!!

 

セシリア

「永遠…さん…永遠さ~~~ん!!!」

 

本音

「永遠~~~!!!」

 

 わたくしと本音さんは嬉しさのあまり永遠さんに抱き着いていました

 ですが…

 

永遠

「グッ…ギャアアアアアアアアァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

セシリア&本音

「永遠(さん)!?」

 

 いきなり悲鳴を上げてしまいました

 一体何が…

 

千冬

「落ち着かんかアホ共!!!」

 

 ガン!ゴン!

 

セシリア&本音

「うぐぅ~~~…」

 

 織斑先生の拳骨が…

 

千冬

「火ノ兄はまだ万全ではない!動けるようになっただけだ!!」

 

セシリア

「そ、それを早く言ってください~~~…」

 

千冬

「言う前にお前等が飛びついたんだろうが!!!」

 

 仰る通りです…

 

千冬

「全く!どうしてくれるんだ!!また気絶したじゃないか!!」

 

セシリア&本音

「あ!?」

 

 そこには白目を剥いた永遠さんが倒れていました

 

セシリア&本音

「…すみません…」

 

 わたくし達には謝る事しか出来ませんでした…

 

 ~セシリア Side out~

 

 

 

 ~一夏 Side~

 

 オルコットとのほほんさんの暴走で久しぶりに来た火ノ兄は挨拶を一言言っただけで意識を失った…

 千冬姉は倒れた火ノ兄を席に運ぶと今の状態を話してくれた

 

千冬

「火ノ兄の傷だがまだ完全には塞がってはいない。」

 

 そりゃそうだよな…何しろ刀が体を貫通したんだから…普通なら死んでる傷だぞ…

 そんな傷が1,2週間で治る筈は無いよな…

 て言うか治るのが早すぎる気がするんだけどな…

 

千冬

「その為、復帰はしたが激しい動きは出来ん。当然ISも使えん。分かったな?」

 

全員

「はい!!!」

 

 アレ?って事は…

 

一夏

「織斑先生…」

 

千冬

「何だ?」

 

一夏

「そんな状態でどうやって家に帰るんですか?」

 

全員

「あ!?」

 

 俺の疑問に全員が気付いた

 火ノ兄は家から学園までISを使って登下校している

 ISを使えない体でどうやって行き来するのか分からなかった

 

千冬

「それか…本当ならISが使えるようになるまでは学園で療養して貰うのだが…これ以上日を開けると畑や田んぼがどうなるか分からんと言ってな…」

 

セシリア

「それでしたらわたくし達がしています!ですから永遠さんにはまだ療養を続けて貰ってください!!」

 

 え?そんな事してたのか?

 

千冬

「私もさっきそう言ったんだが…これ以上お前達に世話になるのは悪いと言ってな…ISは無理だが鍬を振るくらいなら平気だと言って聞かんのだ…仕方無いから暫く様子を見る事にした…」

 

 アイツもかなり頑固だな…

 

千冬

「それでさっきの織斑の質問の答えだが…今朝クロニクルに連絡を取っておいた。」

 

ラウラ

「え!?」

 

 クロニクルさんに?

 

千冬

「【ラインバレル】を持って来るように頼んだ。」

 

一夏

「【ラインバレル】を!?」

 

千冬

「ああ、アレの【転送】能力なら体への負担も少なくて済むと思ってな?」

 

 そうか!火ノ兄にはワープが出来る【ラインバレル】があったんだ!

 

千冬

「分かったか?」

 

全員

「はい!!!」

 

 俺達が返事をすると…

 

永遠

「むっ!」

 

 火ノ兄が目を覚ました

 

セシリア&本音

「永遠(さん)!!!」

 

 そんな火ノ兄に2人がまた飛びつこうとしたけど…

 

千冬

「お前等っ!!!」

 

セシリア&本音

「はっ!?」

 

 千冬姉が一喝して止めた

 

千冬

「また同じ事を繰り返す気か!!!」

 

セシリア&本音

「しゅみましぇん…」

 

 2人ともすっかり縮こまってるな…

 

永遠

「何かあったんか?」

 

 火ノ兄の奴…自分に何が起きたのか覚えてないみたいだな…

 

千冬

「何でもない!それより火ノ兄、折角だから何か言え!」

 

永遠

「あいよ~…」

 

 コイツのこのおかしな喋り方も久しぶりな気がするな…

 

永遠

「え~、取り合えず皆の衆…心配かけてスマンかった!まだ本調子では無いが動けるようにはなったぞい!」

 

 パチパチパチパチ

 

 火ノ兄の挨拶を聞いて俺も含めて皆が苦笑いしながら拍手していた

 皆は火ノ兄が無事だった事を喜んでいた

 

 ~一夏 Side out~

 

 

 

 ~ラウラ Side~

 

 兄上が戻って来た…

 だが何と言って話しかければいいんだ…

 兄上と言うのも私が勝手にそう呼んでいるだけで姉上と違って私はこの人の妹になってない…

 私がどう話しかけようか悩んでいると…

 

永遠

「むっ?チビッ子、無事じゃったか?」

 

ラウラ

「え?」

 

 兄上の方から話しかけてくれた

 

ラウラ

「は、はい!!お陰様で…」

 

永遠

「それは良か♪怪我した甲斐があったわい。」

 

 アレは怪我なんてレベルでは無いと思うのだが…

 いや、そんな事より…

 

ラウラ

「あ、あの…」

 

永遠

「ん?何じゃ?」

 

ラウラ

「た、助けてくれて…ありがとうございます!!!」

 

 まずは感謝を伝えなくては!

 

永遠

「気にせんでええわい。…ん?」

 

 よし!次は謝罪だ!

 

ラウラ

「それから………すみませんでした!!!」

 

永遠

「…は?」

 

ラウラ

「貴方を勝手に敵視し、試合の時にはあの様な事までしてしまいました…」

 

永遠

「………」

 

ラウラ

「これまで私が貴方にした事…本当にすみませんでした!!!」

 

永遠

「いや、反省しとるならワシはそれでいいんじゃが…」

 

 よかった…兄上は私の謝罪を受け入れてくれた…

 

永遠

「…チビッ子…どうしたんじゃお主?随分しおらしゅうなっとるが…」

 

 兄上まで教官みたいな事を言うな…

 私はそんなに変わったのか?

 

ラウラ

「それは…反省した結果と思ってください!」

 

永遠

「ああそう言う事か…しかし何と言うか…今までのピリピリした感じより今の雰囲気の方がワシはいいと思うぞい。」

 

ラウラ

「!?」

 

 今の方が…いい…

 兄上は笑いながらそう言ってくれた…

 

ラウラ

「あ、兄上…」

 

永遠

「兄上!?」

 

 しまった!?

 勢いで言ってしまった!?

 

永遠

「何故に兄上?…ってクロエか?」

 

ラウラ

「は、はい…」

 

 兄上は察してくれた…

 だが…

 

ラウラ

「その…私は…貴方を…あ、兄と呼んでも…いいでしょうか!」

 

 この人が私を妹と認めてくれるかは別だ…

 

全員

「………」

 

永遠

「………まあ…構わんぞ?」

 

ラウラ

「!?…ほ、本当ですか!?」

 

永遠

「うむ…クロエの妹ならワシの妹のようなもんじゃからのぉ…それに家族が増えるのはいい事じゃよ♪」

 

ラウラ

「家族…」

 

 この人は…こんな私を…家族と言ってくれるのか…

 

永遠

「ではこれからよろしゅう頼むぞ…ラウラ!」

 

 そう言って兄上は私の名前を呼んでくれた

 

ラウラ

「!?…はい!!兄上!!」

 

 私は…兄上の妹になれたんだ!!

 

 パチパチパチパチ

 

 すると私達のやり取りを見守っていたクラスの皆が拍手をしてくれた

 教官もだ…教官も喜んでくれたんだ

 ………そう言えば…兄上は教官達の様なツッコミを入れなかったな?

 まぁ姉上も兄上を『兄様』って呼んでるから似たような物だからか…

 

 ………

 ……

 …

 

 その後、授業が終わった後、兄上が復帰した事を知った4組の簪がやって来たのだが…

 

「永遠あああああぁぁぁぁぁっ!!!」

 

永遠

「ギャアアアアアアアアァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

 セシリアと本音と同じ事をして兄上はまたもや気絶してしまい、後からやって来た教官に拳骨を喰らっていた…

 そして私はセシリア、簪、本音の3人から兄上が許したから自分達も許すと言われ仲直りが出来た♪

 

 ~ラウラ Side out~

 


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