IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第092話:盗難事件発生!盗まれた戦国龍皇!?

 

 ~真耶 Side~

 

 私はあの事件の日からずっと先輩から預かった【戦国龍皇】の解析作業を続けていました

 ですが…

 

真耶

「…はぁ…【戦国龍皇】…私なんかじゃ解析出来ないですよ…」

 

 解析が一向に進まないんですよ~…

 

「そう弱音を吐くな。」

 

真耶

「先輩!」

 

 振り向くとそこには織斑先生がいました

 

千冬

「…余り進んでないようだな?」

 

真耶

「すみません…私なんかじゃ分からない事だらけですよ~…」

 

千冬

「まあ、あの束ですら火ノ兄からデータを貰っていなければ【戦国龍】の解析が出来なかったそうだからな。その進化した【戦国龍皇】の解析ともなればやはり無理があったか…」

 

真耶

「…すみません…」

 

千冬

「別に責めてる訳じゃ無い。」

 

真耶

「はい…先輩…やっぱり篠ノ之博士に任せた方がいいですよ。ココではこの機体の解析はこれ以上は無理です。」

 

千冬

「…そうだな…束に連絡して明日にでもクロニクルに取りに来てもらうか…」

 

真耶

「そうした方がいいですよ!」

 

千冬

「ならそうするか…真耶、スマンが今の時点での解析データを纏めておいてくれないか?」

 

真耶

「博士に渡す為ですね。」

 

千冬

「そうだ。束には私から連絡しておくからスマナイがそっちを頼む。」

 

真耶

「分かりました!」

 

 では早速…

 

千冬

「待て真耶。少し休んでからでいいだろ?」

 

真耶

「え?ですが…」

 

千冬

「コーヒーくらいなら私が奢ってやる。少し付き合え。」

 

真耶

「………はい♪」

 

 私は先輩の気遣いに感謝し、解析室から出ました

 

 ~真耶 Side out~

 

 

 

 ~? Side~

 

 ガチャ…

 

 むっ!…やっと出て行ったか…千冬さんも一緒とは都合がいい…

 あのタッグ戦からあの解析室が無人になるのを毎日見計らっていたが漸くか…

 私は解析室に入ると目的の物の前に来た…

 

「………」

 

 私はすぐにでもそれを手に取りたかった…

 だが、すぐに山田先生が戻って来ると考えその気持ちを我慢し物陰に隠れ息を潜めた

 それから数分すると山田先生が戻って来た

 山田先生は1時間程度作業をすると再び解析室を出て行った

 今度は室内の電源を落としたりして出て行った事から今日の作業はこれで終わったのだろう

 

「…やっと出て行ったか…さてと…」

 

 私は解析室に誰もいなくなるのを確認すると隠れていた場所から出て来た

 そして待機状態の目的の物を手に取った

 

「フフフッ…待たせたな…お前の本当の主が迎えに来たぞ!!…【戦国龍皇】!!!」

 

 遂に【戦国龍皇】を手に入れた!

 私は込み上げてくる笑いを堪え、すぐに解析室を出て部屋へと戻った

 

 ~? Side out~

 

 

 

 ~千冬 Side~

 

千冬

「ふわ~…」

 

 朝一番で私が欠伸をしていると…

 

真耶

「先輩大変ですっ!!!!」

 

 血相を変えた真耶が慌ててやって来た

 

千冬

「ん?どうした真耶?」

 

真耶

「せ、【戦国龍皇】が!!!」

 

 私はそれだけで真耶が慌てていた理由を察した

 

千冬

「…盗まれたか?」

 

真耶

「はい…すみません!!私の管理不足です!!」

 

千冬

「…そうか…誰かはやると思っていたが…まあ気にするな。」

 

真耶

「気にするなって…早く取り返さないと火ノ兄君に何て言えば…」

 

千冬

「アイツはそんな事を一々気にする奴では無いだろ?それに心配しなくても犯人はすぐにボロを出す。お前忘れたのか?」

 

真耶

「え?」

 

千冬

「アイツのISに組み込まれている防衛機能の事だ。」

 

真耶

「………あ!?そう言えばそうでした!」

 

千冬

「そう言う事だ。今日明日中には犯人の方から名乗り出てくる。」

 

真耶

「ですが…篠ノ之博士には…」

 

千冬

「アイツには私から理由を話して受け渡しを遅らせる。」

 

真耶

「…はい…」

 

千冬

「それに誰がやったのかは想像出来る。お前も本当は分かってるんだろ?」

 

真耶

「…やっぱり…あの子なんでしょうか?」

 

 やはり真耶もアイツの顔が浮かんでいたか

 

千冬

「ああ、アイツが一番【戦国龍】に執着していたからな。むしろアイツしか思い浮かばん。恐らく二次移行(セカンドシフト)したのを見て歯止めが効かなくなったんだろ。」

 

真耶

「…そうですね…」

 

千冬

「…真耶…今日のHRで【戦国龍皇】が盗まれた事をクラスの連中に伝えるぞ。そう言えばアイツもすぐに動くだろ。」

 

真耶

「…分かりました!」 

 

 私達はそう言うと教室に向かった

 

 ~千冬 Side out~

 

 

 

 ~一夏 Side~

 

 う~ん?どうしたんだろ?

 

「~♪~♪~♪」

 

 朝から箒がやたら上機嫌なんだよな?

 何かあったのかな?

 

千冬

「諸君おはよう。」

 

 そんな事を考えてると千冬姉と山田先生がやって来た

 

千冬

「HRの前に全員に伝えておく事がある。実は昨夜、解析作業中だった火ノ兄の【戦国龍皇】が何者かに盗まれた。」

 

全員

「!?」

 

 【戦国龍皇】が…盗まれただって!?

 クラスの皆もそれを聞いて騒めいていた

 

ラウラ

「それはどう言う事ですか!!」

 

千冬

「そのままの意味だ。今朝、山田先生が解析室に行ったら待機状態の【戦国龍皇】が無くなっていたそうだ。」

 

ラウラ

「そ、そんな…兄上の…【戦国龍皇】が…」

 

シャルロット

「犯人が誰か分かってるんですか!!」

 

真耶

「まだ何も分かってません…」

 

ラウラ

「クソッ!!盗んだ奴を見つけ出して叩きのめしてやる!!!」

 

一夏

「………アレ?」

 

 クラスの皆が騒いでる中、一番大騒ぎしそうな子たちが静かだな?

 

一夏

「…オルコット…のほほんさん…何で黙ってるんだ?」

 

 そう、この二人がとても静かだったんだよな…

 

セシリア

「何も心配してないからですわ。」

 

一夏

「へ?」

 

 どう言う事だ?

 

セシリア

「盗んだところで使える訳無いからですわ。【戦国龍皇】は()()()()()()()ですもの♪」

 

本音

「そだよ~♪()()()()()は泥棒なんかに使えるような機体じゃないよ~♪」

 

「!?」

 

千冬

「それに関しては私達も同意見だ。盗むなんて事をする奴に火ノ兄の機体は使いこなせん。そいつが持っていても宝の持ち腐れだ。」

 

 オルコットとのほほんさんだけじゃなくよく見たら千冬姉達も慌てて無い…

 何でそんなに冷静でいられるんだ?

 

千冬

「とりあえずは【戦国龍皇】が盗まれた事だけは伝えておく。授業を始めるぞ。」

 

 千冬姉はそう言って授業を始めてしまった

 一体どう言う事なんだ?

 

「………」

 

 ~一夏 Side out~

 

 


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