~千冬 Side~
千冬
「【戦国…龍皇】だと…」
私の目の前で再び信じられない事が起こった
あのモドキに【戦国龍】が倒されたと思ったら、進化して復活するとは…
セシリア
「アレが永遠さんの…」
簪
「【戦国龍】が
鈴
「…凄い…」
本音
「カッコいいぃぃ~~…」
千冬
「真耶!!すぐに【戦国龍皇】のデータを取る準備を!!」
真耶
「は、はい!?」
だが…火ノ兄の奴大丈夫なのか?
あのモドキに刺された上に斬られている…
普通なら生きているだけでも不思議なんだが…
~千冬 Side out~
~束 Side~
クロエ
「束様!?」
束
「…分かってるよ…あんな不細工なシステムまで使って、とーくんを傷付けたドイツの馬鹿共には後で報復してやるよ!!…でも、今はそれよりも…」
クロエ
「はい!遂に【戦国龍】が進化したんですね!」
束
「そうだね!………でもとーくん大丈夫なのかな?あの偽物に思いっきり刺されて斬られていたけど…」
クロエ
「そうですね………兄様…」
束
「…クーちゃん…心配なら今からとーくんの所に行っていいよ。【戦国龍皇】のデータは束さんが取っておくから。」
クロエ
「…いえ…私は束様の助手です。…それに…兄様があんな偽物に負ける筈ありませんから!!」
束
「うん…そうだね♪」
とーくん…無事でいてね…
~束 Side out~
~一夏 Side~
俺達はラウラを連れて避難したけど、火ノ兄が斬られて倒されたのを知った俺は【白式】の補給をして奴と戦おうとした
だけど…
一夏
「…何だよアレ…」
シャルル
「…
一夏
「
シャルル
「うん!【戦国龍】の…第二形態だよ!」
一夏
「…第二形態…【戦国龍皇】…」
アイツはあんな状態でも戦うって言うのかよ…
~一夏 Side out~
~三人称 Side~
≪アリーナ≫
アリーナでは
永遠
「…体は問題なく動く…これならイケるのぉ!」
永遠は二本の槍を連結させ1本の槍にすると【偽暮桜】に向かって行った
向かって来る永遠に対して【偽暮桜】はその姿をさらに変化させた
体から更に刀を持った腕が二本生えてきた
その姿は原形を留めておらず、もはや異形と言ってもいい姿だった
永遠
「化けもんめ!!」
槍で攻撃する永遠に対して、【偽暮桜】は4本の刀で全て受け止め、永遠を押し返していた
その理由は永遠は元々槍ではなく刀を用いた戦いの方が得意だからだった
永遠
「チィ!…槍では戦いづらいのぉ………ならば!!」
永遠は槍を【偽暮桜】に槍を投げつけると…
永遠
「…来たれ…【
【
永遠の周りに現れる6色の光の柱
しかし、呼び出された【
永遠
「…全ての封印を解き放て!!【
永遠のその言葉と同時に6本の光の柱の中から全ての【
今迄の【
だが、進化した【戦国龍皇】によってその制限が無くなっていた
永遠
「来い!【炎龍刀オニマル】【妖刀ムラサメ】!!」
永遠の呼びかけに応える様に二本の刀…【炎龍刀オニマル】と【妖刀ムラサメ】が永遠の元に飛んできた
永遠は右手に【炎龍刀オニマル】を、左手に【妖刀ムラサメ】を手に取り構えた
そして残りの4本の刀は【戦国龍皇】の鎧の羽にそれぞれ二本ずつ格納された
永遠
「行くぞ!!!」
≪管制室≫
全員
「………」
管制室にいたセシリア達は【
セシリア
「…これは一体…」
最初に声を出したのはセシリアだった
千冬
「…まさか、進化した事で【
鈴
「制限の解除って…あの天変地異を起こす刀を全て同時に使える様になったって事!?」
簪
「…コレが【戦国龍皇】の
真耶
「………ち、違います!?」
簪の言葉を真耶が慌てて否定した
千冬
「何が違うんだ!?」
真耶
「アレは
千冬
「何だと!?」
セシリア
「では今の【
真耶
「そうなります…」
鈴
「嘘でしょ…」
簪
「あれだけ強力な武器が…
千冬
「…使用本数の制限だけでなく…
真耶
「…分かりません…火ノ兄君が使ってくれれば分かるんですけど…」
千冬
「…そうか…【戦国龍皇】…一体どんな力を秘めているんだ…」
≪観客席≫
一方観客席では、生徒たち全員が【戦国龍皇】の姿に驚き言葉を無くしていた
観客席から見ていた楯無もまた、同じ状態だった
楯無
「………【戦国龍皇】…まさか【戦国龍】が進化するなんて…それに…あの【
【
楯無
「…これはいよいよヤバいわね…世界中の国から完全に目を付けられる…」
楯無はこの一件から世界の国や企業は永遠に目を付けてしまったと考えていた
実際それは正解だった…
貴賓室にいる賓客達は永遠と永遠のISである【戦国龍皇】を手に入れようと色々と画策し始めていた
ただし、彼らには知らない事があった…
それは永遠の後ろにあの篠ノ之束がいるという事…
何より、仮に力づくで手に入れようとしても、ISを生身で倒せる永遠自身に返り討ちに会うのが目に見えていた…
箒
「フッ…フフフッ…」
一方、楯無とは別の場所でアリーナを見ていた箒は
箒
「…感謝するぞ火ノ兄…私の為に進化させてくれて…」
箒は【戦国龍皇】を完全に自分の物と決め込んでいた
さらに、今まで我慢していた【戦国龍】を手に入れようと言う欲求を押さえきれなくなっていた
…その結果自分がどんな目に合うのかも知らずに…
≪アリーナ≫
永遠
「(時間も無い…はよせんと…)はああぁぁーーっ!!」
【オニマル】と【ムラサメ】を手に【偽暮桜】に斬りかかって行く永遠…
対する【偽暮桜】も四本の刀で迎え撃つ…
ガキガキガキィン!
二本と四本の刀のぶつかり合い…
その戦いは常人では追いつけない速度だった
そんな剣戟を繰り返す中、永遠は【偽暮桜】の隙を伺っていた…
………そして…
永遠
「そこじゃ!!」
【偽暮桜】に出来た僅かな隙をついて、そこに【ムラサメ】を突き刺した
永遠
「よしっ!!」
【ムラサメ】を刺すと同時に永遠は後ろに飛びのき距離を取った
飛びのくと同時に永遠は【ムラサメ】の能力を発動させた
永遠
「奴の力を食い尽くせ!!【ムラサメ】!!!」
永遠の声に呼応するように【ムラサメ】は紫の光を放つと【偽暮桜】のエネルギーを吸収し始めた
【ムラサメ】によってエネルギーを奪われた【偽暮桜】は次第に形を保てなくなったのか4本の腕の内の二本の腕が崩れ落ちた
その姿に観客席が再び騒めきだした
【妖刀ムラサメ】が持つ能力…無尽蔵のエネルギー吸収能力に恐れおののいていたのだ
永遠
「流石は【ムラサメ】…こげな僅かな時間でココまで弱体化するとはのぉ…」
永遠がそう言った瞬間、頭の中にツルの声が響いて来た
ツル
『主…残り1分を切りました!早く!!』
ツルからの警告を聞くと永遠は決着をつける為…
永遠
「分かった…一気に終わらせる!!
【戦国龍皇】の
永遠は【オニマル】で右上から右斜め下に【オニマル】を振るとその軌跡は炎の線となった
そのまま左に水平に刀を振り…今度は下にずらし、左から右に同じ様に水平に振った
そして中心を縦に刀を振ると、それは正面から見ると『午』と言う文字になった
最後に円で囲み、その文字を力一杯切り裂いた
切り裂かれた文字は爆発し、【戦国龍皇】を炎が包み込んだ
カツン…カツン…
そして炎の中から【戦国龍皇】とは違う足音が聞こえてきた
炎の中から出て来たのは白い鎧を纏った馬…
その背に乗った【戦国龍皇】だった
<ヒヒィィィィィーーーーーンッ!!!>
この馬こそ【戦国龍皇】の
観客
「えええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!!」
【轟焔】の姿に観客席にいた生徒達は驚きの叫び声を上げた
≪管制室≫
管制室でも【轟焔】の姿に戦慄が走っていた
ただし…
千冬
「馬だと!?」
真耶
「織斑先生!!あれが【戦国龍皇】の
千冬
「あれが
それはあくまで教師二人だけ…
セシリア、簪、本音の3人は…
セシリア
「炎の鬣の白馬…」///
簪
「綺麗…」///
本音
「ふわぁぁ~~…」///
鈴
「あ~…駄目だこりゃ…コイツ等…完全にのぼせてるわ…」
【轟焔】に跨る永遠の姿が3人には『白馬の王子』の様に見えていた
鈴はそんな3人を呆れ気味に見ていた
≪アリーナ≫
【轟焔】に跨り【偽暮桜】に駆けて行く永遠…
その姿は正に戦場を駆ける戦国武将そのものだった
永遠
「はっ!!」
再び【偽暮桜】を剣を交える永遠…
だが、先ほどと違い【ムラサメ】によって弱体化し、【轟焔】が永遠の動きをサポートしているので永遠が有利に立っていた
数度の打ち合いの後【轟焔】の後ろ蹴りを喰らい、【偽暮桜】は後方に吹き飛ばされた
体勢を立て直した永遠に再びツルの声が響いて来た
ツル
『主!残り20秒です!!』
永遠
「承知!!」
<ヒヒィィィィィーーーーーンッ!!!>
カキキィィーン!!
永遠がそう答えると、【轟焔】は嘶くと同時に前足を持ち上げた
そのまま蹄を鳴らすと、左右に炎の壁が生まれ永遠と【偽暮桜】を結ぶ一直線の道が出来た
それと同時に、永遠の持つ【オニマル】の刀身が2倍近い大きさになった
永遠
「【轟焔】!!」
永遠の呼び声と共に【轟焔】は腰に装備されているブースターを点火して【偽暮桜】に走って行った
一瞬で【偽暮桜】の懐まで来ると永遠は【オニマル】を振り下ろし【偽暮桜】を両断し、そのまま駆け抜けて行った
真っ二つにされた【偽暮桜】は爆発四散し、粉々に破壊された
<ヒヒィィィィィーーーーーンッ!!!>
【轟焔】が立ち止まり声高らかに嘶き、戦いの終わりを告げた
………
……
…
それと同時に永遠のタイムリミットも0になった…
………
……
…
【戦国龍皇】が強制的に解除され永遠はその場で力なく倒れた
セシリア&簪&本音
「永遠ーーーーーーーーっ!!!!」
セシリアと簪、本音の悲痛な叫びがアリーナに木霊した………
~三人称 Side out~
次回『第087話:自分のルール』