~永遠 Side~
ワシが家に帰ると束さんが出迎えてくれたんじゃが、クロエの事を聞いたらやはり無理をしとったらしくずっと眠っとるらしい
流石の束さんも起きたら注意しとくと言うとった
後、【
約束通り、次の日学園から戻ると一振り造った
今回は【深淵の巨剣アビス・アポカリプス】を造ったんじゃが、それを見た束さんは興奮し【
~永遠 Side out~
~シャルル Side~
転校してからの数日、その間に彼の戦闘記録を見せて貰った
彼の使う3機のうち残り2機のデータを見たけど、どちらも僕の想像以上の性能だった
ハッキリ言って僕なんかより彼は遥かに強い…そう思った
そして、今日は週末、以前言っていたように火ノ兄君を訓練に誘ってみた
彼もその時の事を覚えてくれていたからすんなり了承してくれた
他にはセシリア、鈴、簪、箒に一夏も一緒に訓練している
最初に彼に軽い手合わせをお願いしたけど一撃も当てられず負けちゃった…
それで今は一夏の訓練をしている
ちなみに、凰さんと更識さんは互いの意見を出し合いながら話し合っていた
火ノ兄君とオルコットさんは少し前に織斑先生に呼ばれて今はいない
シャルル
「ええとね…一夏がオルコットさんや凰さんに勝てない…と言うか一撃も当てられないのは、単純に射撃武器の特性を把握してないからだよ。」
一夏
「うぐっ…そう、なのか?一応分かってるつもりなんだけど…」
シャルル
「一応知識としては知ってるって感じだね。僕と戦っても全然距離を詰められなかったでしょ?」
一夏
「…確かに、
シャルル
「一夏は接近戦だけだからより深く武器の特性を把握しないと行けないんだよ。
一夏
「直線的…か…」
シャルル
「だからって
ちなみに一夏は今は【雪片弐型】じゃなくて火ノ兄君から貰った【
一夏
「なるほど…にしても、シャルルの説明は分かり易いな…今迄はな~…」
箒
「今迄が何だ?一夏?」
一夏
「何でもないです!」
確か篠ノ之さんに訓練して貰っていたんだよね…時々オルコットさんや凰さんもしてたらしいけど…一体どんな訓練してたんだろ?
いくら何でも彼…弱すぎる気がするんだよね…まあいいや…
シャルル
「凰さんが言ってたけど…一夏の機体は
一夏
「ああ…
シャルル
「きっと
一夏
「姉弟だからとかじゃないのか?」
シャルル
「血縁者でも同じ能力が出る理由にはならないよ。操縦者と機体の相性が重要だからね。再現しようとしても出来ないんだ。」
一夏
「そうなのか…」
シャルル
「異常って言えば火ノ兄君の機体もそうなんだけどね。」
【白式】と違って
一夏
「アイツのはああいう物だって思うしかないんじゃないか?」
シャルル
「そ、そうだね………次は射撃の練習をしてみようか。」
一夏は開き直ってるね…多分他の皆もそうなんだろうな~…
気を取り直して僕は一夏にアサルトアイフルを貸して射撃の体感を覚えさせる事にした
暫く一夏に撃たせていると…
永遠
「どうじゃ?そっちの方は?」
火ノ兄君とオルコットさんが戻って来た
簪
「永遠、セシリア!」
更識さんと凰さんが話を中断してこっちに向かって来た
鈴
「千冬さん何だって?」
セシリア
「【メイルシュトロム】を返す為に呼ばれましたわ。」
簪
「じゃあ、話し合いは終わったの?」
永遠
「ああ、じゃからワシも呼ばれた。」
シャルル
「それでどうなったの?」
永遠
「織斑先生の話は通った。賞品用の【
鈴
「へぇ~、それでどんなのを造るの?」
永遠
「暫く考える。先にお主等のを造ってからじゃ。」
簪
「よかった♪」
永遠
「休みの間に二人の分を造っておく。週明けには渡せるじゃろ。」
鈴
「楽しみにしてるわよ。」
二人はトーナメントに関係無く手に入れられるんだ…少し羨ましいな…
セシリア
「それではわたくしも訓練に入りますわね。【メイルシュトロム】を早く使いこなせる様にならなくては!」
オルコットさんはそう言って専用機を展開し
簪
「これが【蒼海の大剣メイルシュトロム】…本当に大きな剣だね。」
鈴
「簪は見た事無かったわね。一夏に渡した【
簪
「うん。」
それからオルコットさんは火ノ兄君や凰さんに指導されながら練習を始めた
僕が彼等の練習を見ていると…
一夏
「シャルル…撃ち終ったぞ。」
射撃訓練をさせていた一夏が弾倉を空にしてやってきた
シャルル
「あ!うん、どうだった?」
一夏
「やっぱり刀とは感覚が違ってたな…」
シャルル
「そこは練習あるのみだよ。」
一夏
「…そうだな…また練習を頼めるか?」
シャルル
「僕でいいならね。」
箒
「………」
…何だろ?…妙な視線を感じたけど…気のせいかな?
一夏
「そう言えば気になってたんだけど…シャルルのISって【ラファール・リヴァイヴ】だよな?山田先生が使っていたのと随分違う気が…」
シャルル
「僕のは専用機だからかなりいじってあって、正式名は【ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ】だよ。基本装備をいくらか外して
一夏
「倍!?しかも20って…まるで武器庫だな。」
シャルル
「そうだね。」
ザワザワ…
一夏
「ん?なんだ?」
何か騒がしいな…
~シャルル Side out~
~一夏 Side~
生徒1
「ねぇ、あれって…」
生徒2
「うそ、ドイツの新型?」
生徒3
「まだトライアル段階だって…」
騒がしいと思ったら黒いISを纏ったボーデヴィッヒがやって来たのか
ラウラ
「織斑一夏、私と戦え!!」
いきなり何言ってんだ?
一夏
「嫌だ、理由が無い。」
ラウラ
「貴様に無くても私にある!貴様がいなければ…教官が大会二連覇の偉業をなし遂げていたのは明白だ!だから、私は貴様を認めない!!」
…コイツ…やっぱり…
だからって俺がコイツと戦う理由にはならない…
一夏
「…また今度な。トーナメントの時にでもしてくれ。」
ラウラ
「ならば戦わざるを得ないようにしてやる!!」
言うと同時に左肩の大砲を俺に向けて撃とうとした…けど…
ガキィィン!
ラウラ
「何!?」
砲身に何かが当たって別の場所に砲弾が飛んで行った
ラウラ
「何者だ!?」
永遠
「こげな所で、んなもんぶっ放したら他の者も危険じゃろうが!少しは考えんか!」
一夏
「ひ、火ノ兄!?」
砲身の向きを変えたのは火の兄だったのか!
上から鞘が落ちてきたって事は、アイツ、刀の鞘を投げつけて向きを変えたのか?
ラウラ
「貴様!何のつもりだ!?」
永遠
「言った通りの意味じゃ。訓練の邪魔じゃからドンパチはするなと言うとるんじゃ!」
ラウラ
「フンッ!丁度いい!貴様にも用があったんだ!」
永遠
「ワシには無いが?」
火ノ兄の言う通りだ…ボーデヴィッヒには火ノ兄との接点は無い筈だが…
ラウラ
「教官は貴様の方が御自分より強いと言った!私は認めない!あの方より強い者がいるなど…認めてたまるか!!!」
永遠
「いやちょっと待て!言っとくかそれはワシが言った訳ではないぞ!向こうが勝手にそう言っとるだけじゃ!ワシは一度だって自分の方が強いなどと言った事は無いぞ!」
ラウラ
「黙れ!!言い訳など見苦しいぞ!!」
永遠
「本当の事なんじゃが…」
ラウラ
「貴様は私が倒す!そして、教官の目を覚まさせてやる!!」
永遠
「…こやつ…人の話を聞いとらん…」
今にも火ノ兄に襲いかかろうとした時…
先生
『そこの生徒!何をしている!学年とクラス、名前を言いなさい!』
いいタイミングで先生からの放送が入ってくれたな…
ラウラ
「ちっ!…邪魔が入ったか…」
踵を返すとボーデヴィッヒはアリーナから出て行った
セシリア
「永遠さん大丈夫でしたか!?」
簪
「怪我とか無い!?」
永遠
「平気じゃよ♪」
鈴
「ところでアンタ、鞘をぶつけるなんて無茶するわね?」
永遠
「ん?そうかの。じゃが、ワシの場合これくらい出来んといかんからな。」
セシリア&簪&鈴&一夏&シャルル
「え?」
永遠
「ワシは織斑と違って後ろ盾が無いからの。自分の身は自分で守らねばならんのじゃ。これはその自衛手段の一つじゃよ。」
何言ってんだ?
一夏
「後ろ盾って…俺にそんなもの無いぞ!?」
セシリア
「…本気で仰ってますの?」
一夏
「え?」
鈴
「一夏…アンタの姉は誰?」
一夏
「誰って千冬姉だけど?」
簪
「そう、貴方は世界最強の弟。それだけで大概の人は手を出さない。」
一夏
「あ!?」
永遠
「そして、その世界最強の友人は誰じゃ?」
一夏
「…た、束さん…」
永遠
「左様。これで分かったか?お主の後ろには世界最強の姉とISの生みの親がおる。その二人を敵に回してまでちょっかいをかける物好きはそうはおらん。」
セシリア
「それに対して永遠さんにはそういった人がいません。」
簪
(実際はその束さんが後ろにいるけど…)
鈴
(知ってるのは私達だけだもんね…)
一夏
「………」
永遠
「その上、ワシは他の生徒と違い、自宅通学しとる。お主よりも狙われる可能性が高い。一応ISの使用は許可されとるが四六時中展開しっぱなしという訳にもいかん。」
シャルル
「だから、自衛の為にああいう事を出来る様になったの?」
永遠
「そう言う事じゃ。まあ、此処に来る前から鍛練はしとったから、急いで出来る様になったという訳では無いがの。」
…皆の言う通りだ…俺には千冬姉と束さんがついてる…けど火ノ兄には…
一夏
「…その、俺…」
永遠
「別にお主が悪いと言う訳では無い。周り環境が違ったというだけじゃ。」
一夏
「…環境…」
その言葉は以前のほほんさんに言っていた言葉だったよな…
あの時とは意味が違うと思うけどやっぱりいろいろと考えちまうな…
永遠
「しかしあのチビッ子は何故にあそこまでワシや織斑に敵意を剥き出しにしとるんじゃ?」
ボーデヴィッヒの事に話を変えたか…
アイツが俺に敵意を向けてるのは…
一夏
「………それは…スマン…俺に関しては…その、聞かないでくれ…」
永遠
「さよか。じゃがワシに対しては何故じゃ?織斑先生より強いと言われただけで何故あそこまで睨まれんといかんのかのぉ?」
一夏
「…多分アイツは、千冬姉がドイツで教官をしていた時の教え子だ。」
永遠
「そう言えば織斑先生を教官と呼んでおったな。」
一夏
「…千冬姉はある理由で1年程、ドイツでISの訓練教官をしていたんだ。」
永遠
「あのチビッ子はその時の生徒の一人じゃと?」
一夏
「ああ、だからアイツは千冬姉を慕ってるんだ…それで、千冬姉が自分より強いと言ったお前に対して敵意を持ってるんだと思う。」
永遠
「何じゃそれは?面倒臭い奴じゃのぉ~…お主と同じではないか。」
一夏
「うぐっ………あの時は…その、すまなかった…千冬姉の言う事が信じられなくて…」
永遠
「全く!チビッ子と言い、お主と言い、何故、本人が言う事を信じんで織斑先生の言う事の方を信じるんじゃ。」
一夏
「…確かにそうだけど…でも実際お前の方が千冬姉より強いじゃないか!」
永遠
「勝手に決めるな!!言っとくがワシは織斑先生とやり合った事は一度も無いぞ!どっちが強いかなんぞ分かってはおらんのじゃ!!」
セシリア&簪&鈴&一夏&シャルル
「え?」
鈴
「そうだったの!?」
簪
「てっきり負けたからそう言ってるのかと…」
セシリア
「思ってましたわ…」
永遠
「じゃから向こうが勝手にそう言っとるだけじゃと言うとるじゃろ!!」
セシリア&簪&鈴&一夏&シャルル
「すみません…」
シャルル
「けど、そういう事なら本当に一度戦ったらどうかな?このままじゃ噂が一人歩きし続けるよ?」
永遠
「それも面倒なんじゃよな~…」
鈴
「何で?」
永遠
「この話は結構伝わっとるからな…どっちが勝っても面倒事が起きそうでな~…」
セシリア
「そうですわね…永遠さんが勝てば、敵討ちとでも言って襲われそうですし…」
簪
「織斑先生が勝てば、永遠は色々言われそう…」
シャルル
「…どっちが勝っても火ノ兄君に被害が来そうだね…」
皆の言う通りになりそうだな…
鈴
「確かに面倒ね…どうするの?」
永遠
「………ほとぼりが冷めるまで待つしかあるまい。…織斑先生には後でもう言うなと注意しておくわい。」
セシリア
「今はそれくらいしか出来ませんわね…」
…けど、このままじゃ、俺やボーデヴィッヒみたいなのが今後も現れるかもしれないんだよな
~一夏 Side out~
~永遠 Side~
永遠
「…まあこの話はもういいわい!ワシもそろそろ帰らんといかんが…お主等はどうする?」
セシリア
「わたくしはもう暫く続けますわ。【メイルシュトロム】を早く使える様になりたいですから。」
永遠
「うむ!お主なら使いこなせる!頑張るんじゃぞ!」
セシリア
「ありがとうございます♪」///
永遠
「さて、ワシはもう行くぞ。また来週会おう。簪、鈴、お主等の【
セシリア
「はい♪」
簪
「待ってる♪」
鈴
「楽しみにしてるからね~♪」
ワシはそう言うと【ラインバレル】の【転送】を使って島に帰った
~永遠 Side out~
次回『第073話:剣刃の意思、白の光剣と紫の霊剣』