~永遠 Side~
ワシは今、博士とロケットのある海岸に向かっておるんじゃが、今までの話からロケットに異常が起きたのは、もしやあの神様の仕業ではないかと考えているところじゃ
ワシはこの世界の出来事に関わりたくないとはっきり言うたからな、無理矢理関わらせる為に博士のロケットを落としたのかもしれんのぉ
ま、大丈夫じゃろ!確かこの博士、妹と友人の姉弟以外の人間は道端の石ころ程度にしか考えんらしいからな、ロケットを直したらさっさと出て行くじゃろ
この島にはあの博士が興味を持つような物は無いしの
ワシも久しぶりに人と話が出来たしな
永遠
「お!見えてきたぞ!」
しかし…何か忘れてる気がするのぉ?
~永遠 Side out~
~束 Side~
私は前を歩く少年についていきながら彼、永遠と名乗った子の事を考えていた
たった一人で5歳の頃から自給自足でこの島で暮らしていると言われた時は、さすがに信じられなかった
でも、家の周りにあった畑や田んぼを見ると彼が言ってることは嘘ではないというのが分かった
だからこそ彼の事が気になった!私が箒ちゃん達以外に興味を持つ人間がいるなんて思わなかったよ
そんな事を考えていると
永遠「お!見えてきたぞ!」
目的の場所にいつの間にか着いていた
………
……
…
私は早速ロケットの機体とシステムの確認を始めた
機体の方は墜落による破損が運よく少なかったお陰で飛ぼうと思えばすぐに飛べる状態だった
でも、システムの方は酷い状態だった
墜落による影響かロケットのプログラムの殆どが壊れてしまっていた
これじゃ幾ら天災の私でも一からプログラムを作り直さないとこのロケットは使うことが出来ない
永遠
「どんな感じじゃ?」
束
「うん、機体は損傷が少ないからすぐに直せるよ。…でも、システムが殆ど壊れちゃってる…」
永遠
「そうか…して、システムの復旧にはどのくらいかかりそうかの?」
束
「ここまで壊れてると一から作り直した方が早いね。…作るにしても1週間はかかるかな?」
永遠
「フム、1週間か…その間どうするんじゃ?」
束
「ハァ~どうしよ?」
ホントにどうしよ…一番いいのはこの子の家に泊めて貰うのがいいかもしれないけど自分から頼むのは束さんのプライドが………
永遠
「ならその間うちに泊まるか?」
束
「え!?…いいの?」
向こうから提案してくれた
永遠
「別に構わんぞ。さっきも言ったが話し相手が欲しかったからの。飯と寝床位なら用意するぞ。」
束
「………ホントにいいの?」
永遠
「いいぞ。」
束
「……ホントのホントに?」
永遠
「いいと言っとる。」
束
「…ホントのホントのホント~に?」
永遠
「お主しつこいぞ!嫌ならその辺で野宿しとれ!」
束
「ごめんなさいごめんなさい!泊めてください!お願いします!」
いくら何でも野宿は嫌だ!
永遠
「全く素直にそう言えばよかろう…」
束
「あう、ごめんなさい…」
永遠
「じゃがこの人参はどうするんじゃ?」
束
「あ、それは大丈夫!粒子変換して
永遠
「それは良かった!さすがに地元の漁師さんに見つかると面倒じゃからな。」
束
「アハハハッそうだね…」
私は笑いながらロケットを
永遠
「さて、ここにはもう用がないなら帰るかのぉ。もう一人もそろそろ目を覚ましておる頃じゃろうしな。」
束
「うん、そうだね。」
私は彼の家に戻った
そして家が見えてくると家の前にクーちゃんが立っていた
私達に気づいたクーちゃんは、酷く狼狽えた表情をしながら近づいてきた
クロエ
「た、束様!?ご無事ですか!?」
束
「大丈夫だよ~。クーちゃんも大丈夫だった?」
クーちゃんが目を覚ましてるのに安堵していると次の彼女の言葉で私の思考は停止してしまった
クロエ
「私のことより束様!ここはどこですか?あの家に見た事もないISが3機あるんですよ!」
束
「………え?」
永遠
「………あ!」
ISが3機ある?どういうこと?
~束 Side out~
次回『第004話:発覚』