~永遠 Side~
簪と出会って色々あってから2日が経ち、今日の授業も無事に終わったのでワシは家に帰ろうとしたら、清香と静寐が話しかけてきた
清香
「火ノ兄君!もう帰っちゃうの?」
永遠
「ん?そうじゃが。」
静寐
「…もし良ければだけど…今日は暫く残ってくれないかな?」
永遠
「理由は?」
清香
「うん!実はこの後織斑君の代表就任の歓迎会をしようと思ってるんだ!」
静寐
「それで、出来ればクラス全員でやりたいんだよ!だから…」
永遠
「何時頃始めるんじゃ?」
清香
「え!いいの!」
永遠
「時間によるの。あまり遅いと無理なんじゃが…」
静寐
「えっとね!今夜の6時から始めようと思ってるんだけど…どうかな?」
永遠
「ちと待ってくれ…ええ~~~っと…」
ワシは参加した場合の予定を計算した…
永遠
(終わりを7時にして…向こうに着くのに1時間かかるから…こっちで晩飯を食って…束さん達には先に食べといて貰って………畑を………風呂が………寝るのは……………)
清香
「…ひ、火ノ兄君…無理ならいいんだよ…」
永遠
「…いや、大丈夫じゃ!」
静寐
「…ホントにいいの?」
永遠
「構わんよ。折角、クラスメイトが開いてくれたイベントじゃからな。参加せんと罰が当たるわい。」
清香
「ありがとう♪」
永遠
「…じゃが7時になったら途中でも抜けさせてもらうぞ。…構わんかの?」
静寐
「うん♪それでいいよ♪」
永遠
「で、場所は?」
清香
「1年の食堂だよ!」
永遠
「分かった、時間になったら行く。」
静寐
「うん♪待ってるね~♪」
永遠
「…さて、束さんに連絡しとくかの…」
ワシは束さんに連絡した後、始まるまでセシリアと話したりしながら時間を潰したんじゃ
~永遠 Side out~
~一夏 Side~
清香
「それでは、織斑くんのクラス代表就任を祝して!」
全員(一夏以外)
「カンパーーーイ!!」
一夏
「…えっと…ありがとう………」
俺は今、困惑していた
一夏
(…何故こんな事に?…確か、6時になったら1年の食堂に来いって言われて来たんだよな~…それで、来たらいきなりこうなったんだよな…)
永遠
「何じゃ、織斑…折角皆が祝ってくれとると言うのに…もっと喜んだらどうじゃ?」
一夏
「い、いや…俺、この事知らなかったんだけど?」
永遠
「サプライズと言う奴じゃ。お主を驚かそうと思うたんじゃろ。それとも折角の皆の好意を邪険に思うとるんか己は?」
一夏
「そんな事あるかよ!?」
永遠
「なら楽しめ!楽しまんと損じゃぞ!」
一夏
「あ、ああ…」
火ノ兄はそう言って自分の席に座った
よく見ると他の子達の席はお菓子やジュースだけなのに、アイツの席だけ普通の食事が用意されていた
どうやらアイツは今日はココで夕食を取るつもりらしい
でも、火ノ兄の言う通り折角皆が用意してくれたパーティーだから楽しむことにした
火ノ兄も食事を取りながらオルコットや他の生徒達と話していた
それから時間が7時になると…
永遠
「む!時間じゃな。…皆!すまんがワシはここまでじゃ!この後も皆で楽しんでくれ!ではな!おやすみ~!」
全員
「おやすみなさ~い♪」
一夏
「オ、オイ!本当に帰っちまうのか!」
永遠
「初めからそういう約束で参加したんじゃよ。ではな。」
?
「はいは~い♪新聞部で~す。話題の新入生の男子2人に質問しに来ました~♪ってアレ?ちょっと貴方!?」
火ノ兄が帰ろうとしたら新聞部を名乗る人がやって来た
永遠
「すまんがワシはもう帰るんでなインタビューはあやつ一人にしてくれ。」
新聞部
「あ!ちょっと待って!?」
火ノ兄は新聞部の人が止めるのも聞かず外に出て行ってしまった
新聞部
「…行っちゃった………あ、皆、私は二年の黛薫子。よろしく。」
黛先輩はそう言うと名刺を俺に渡してきた
黛
「本当は火ノ兄君にも色々聞きたかったけど帰っちゃたから仕方ないわね。」
………いいタイミングで帰りやがったなあの野郎!…狙ってたのか?…そんな訳ないか…
黛
「…さて気を取り直して!織斑君、クラス代表になってどう言う気持ちか教えてくれる?」
一夏
「えーと、これから頑張っていきます?」
黛
「どうして疑問系?後もう少しいいコメントを頂戴。例えば、俺に触ったら火傷するぜ!とかさ~♪」
一夏
「むしろそのセリフは火ノ兄の方が合う気が…」
黛
「え!?そうなの………よし彼のコメントはこれで行こう!」
一夏
「アイツなら物理的に燃やせるからな…」
黛
「…マジで?」
一夏
「マジですよ!…勝手にそんな事書いたら先輩も説教されながら燃やされますよ…」
黛
「………私は何も聞かなかったわ…」
一夏
「…そうした方が身の為ですよ…」
黛
「なら織斑君!いいコメントお願い!」
しまった!火ノ兄が駄目なら俺に来るんじゃねえか!…仕方ない!
一夏
「自分、不器用ですから…」
黛
「うわっ、前時代的なコメント………まぁいいや、捏造しておくから。」
一夏
「なら聞く必要ないだろ!捏造するなら俺だけじゃなくて火ノ兄のも捏造しろよ!」
黛
「ハッハッハッ…何ヲ言ッテルノカナ…取材ヲシテナイ人ノ事ヲ書クナンテ出来ル訳無イジャナイカ…ハッハッハッ…」
一夏
「物凄い棒読みじゃねえか!そんなに説教されるの嫌なのかよ!」
黛
「嫌に決まってるでしょ!彼の説教って一切の容赦が無いから恐れられてるのよ!もう学園中に広まってるんだから!噂じゃ織斑先生まで説教されて凹みまくったらしいのよ!」
一夏
「千冬姉まで!?」
先輩の情報に他の子達まで驚いている
それはそうだ!あの千冬姉に…世界最強と言われた俺の姉を凹ませるまで説教が出来る人間がいるなんて信じられる訳なかった
黛
「あくまで噂よ?でも、火の無い所に煙は立たないっていうし…もしかしたらって事もあり得るのよ。」
一夏
「………」
まさか!…本当に?
黛
「…ねえ織斑君!もしよければこの事を聞いて来てもらって良いかな?報酬は弾むからさ!」
一夏
「んな事出来るか!!」
黛
「え~~~いいじゃな~い減るもんじゃないし~!」
一夏
「俺の寿命が減るんだよ!俺はまだ死にたくない!」
黛
「ケチ~!ぶ~ぶ~!」
一夏
「よし分かった!後で千冬姉に黛先輩が聞きたい事があるって伝えておくよ!」
黛
「ごめんなさい私が悪かったです…だから…それだけはやめてーーー!?」
一夏
「全く!」
黛
「…なら…オルコットさん!何か知らない?」
今度はオルコットに振ったか…懲りない人だな…
セシリア
「…そうですわね…織斑先生ではありませんがわたくしの知り合いの方が一人…永遠さんのお説教を受けたそうですわ。」
黛
「え!?織斑くんじゃなくて?」
セシリア
「違いますわ。その方のプライバシーの為、名前は言いませんが入学する前に一度ですが、永遠さんのお説教はキツイと愚痴を聞かされましたわ。」
黛
「そ、そこまでなの…」
セシリア
「ええ、わたくしが知っているのはそのくらいです(流石に束さんの名前は出せませんもの)…先輩、これ以上の深入りは地獄に片足を入れている様なものですわよ。」
黛
「………はい…諦めます…」
セシリア
「賢明な判断ですわ。」
黛
「………よし!今までの事は綺麗サッパリ忘れてインタビューの続きよ!」
一夏
「忘れるのかよ…」
と言うか他に何を聞くっていうんだよ…
黛
「織斑君…ホモってホント?」
一夏
「ブウウウウウゥゥゥゥゥーーーーーッ!!」
黛
「ウワッ!?汚いな~!いきなりどうしたの?」
一夏
「ゲホッゲホッ!どうしたもこうしたもあるか!今何て言った!!」
黛
「え?ホモって聞いたんだけど?」
一夏
「誰から聞いたそんなホラ話!?」
黛
「誰からって…学園中の噂よ?知らない人なんていないんじゃないかな?」
そ、そんな…
黛
「それでどんな男が好みなの?…もしかして火ノ兄君みたいなのがタイプだったりするの?」
生徒達
「キャアアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーッ!!!」
生徒1
「やっぱりそうなんだ!」
生徒2
「今迄の事を考えると織斑君は受けよね!」
生徒3
「でも火ノ兄君はノーマルだから織斑君の想いが届くことは無いんだね…」
生徒4
「ううっ…可哀想な織斑君…」
一夏
「あんた等何言ってんだ!!誰だそんな事言い触らしたのはあああぁぁぁーーーっ!!!俺はホモじゃねええええぇぇぇぇーーーーーっ!!!」
セシリア
「…織斑さん…」
一夏
「!?」
突然後ろからとてつもない殺気が…この声は…
一夏
「…オ…オルコット…さん…」
振り向いた俺が見たのは笑顔のオルコットだった…
でもその笑顔が怖い…
目が全く笑ってねえよ…
セシリア
「男性の永遠さんがタイプと言うのは本当でしょうか?」
一夏
「めめめ滅相もないです!おおお俺が好きなのはれっきとした女の子です!男には興味ありません!!」
俺は全身から冷や汗を流しながら身の潔白を証明しようとした!
セシリア
「…本当ですか?」
一夏
「神に誓って嘘ではありません!」
セシリア
「…神に誓って…ですか?………まあいいでしょう…ですが…もし不純な理由で永遠さんに近づけば…どうなるか分かりますわね…」
一夏
「ははははい!!(確実にライフルの的にされる!)」
セシリア
「…ライフルの的になる程度ですむと思っているのですか?」
一夏
「!?(バ、バレてる!てか違うのかよ!)」
セシリア
「ビットも合わせて砲身を直接貴方の体に当てて零距離で蜂の巣にしますわ…文字通り穴があくまで…」
一夏
「ヒイイイィィィーーーッ!!」
そんな事されたら本当に死んじまう!
周りを見たら他の子達もオルコットの殺気に当てられて、中には気絶しかけている子までいる
セシリア
「分かりましたね…」
一夏
「はい!!」
セシリア
「…黛先輩…」
黛
「は、はい!!」
セシリア
「貴方も下らない事ばかり聞いていないで新聞部らしい仕事をしたらどうですか?」
黛
「ででででもね!織斑君のホモ疑惑は皆が知りたがってる事で…」
セシリア
「人の噂も七十五日と日本では言うそうですわよ。そのような噂放っておけばよろしいのでは?」
黛
「そ、それは…」
セシリア
「わたくしは織斑さんがホモでも同性愛者でも変態でも興味はありません…」
一夏
「…そこまで言わなくても…」
セシリア
「何か?」
一夏
「何でもありません!」
セシリア
「………ですが…貴方のせいで噂が長続きすると関係の無い永遠さんにも迷惑がかかるんですよ?それとも永遠さんのお説教が聞きたいんですか?」
黛
「!?………ごめんなさいもう聞きません真面目に記事を書きます!?」
セシリア
「よろしいですわ。」
一夏
「………」
それから、黛先輩は借りてきた猫のように大人しくなって、俺やオルコットに取材をしていった
最後に、専用機を持つ俺とオルコットの写真を撮りたいと言って来たけどオルコットが火ノ兄がいないから嫌だと断った
確かに火ノ兄も専用機を持っているんだから3人で撮るべきだよな
黛先輩もその理由に納得したのかあっさりと引き下がって今日のパーティーはお開きとなった
~一夏 Side out~
~? Side~
?
「此処がIS学園ね!…待ってなさいよ!一夏!!」
私は数年ぶりの幼馴染との再会を楽しみにしていた!
~? Side out~
次回『第048話:中国の代表候補生』