~ラウラ Side~
ラウラ
「…あ、姉上…何故貴方がココに…」
私は混乱していた…
謎の巨大な鳥が接近しているという事で基地内は混乱にみまわれていた
そんな中、すぐに出撃出来ない私はISを急いで整備しようと整備室に向かっていたのだが、まさか姉上が現れるなんて…いや、それ以前に姉上はどうやってココに来たんだ?
この基地はドイツでもトップクラスのセキュリティーを誇っているのに…
クロエ
「…『姉上』…ですか?」
ラウラ
「!?」
そ、そうだった!?
姉上と言う呼び方は私が勝手にそう呼んでいるだけだった
兄上と違って姉上には許しを貰っていなかった
ラウラ
「す、すみません!!クロニクルさん、でしたね…」
クロエ
「………」
ラウラ
「………」
クロエ
「………まあいいですよ?」
ラウラ
「…え?」
クロエ
「私をそう呼びたいなら構いませんよ?」
今…この人はなんて言ったんだ?
私が…この人を『姉』と呼んでいいと言ったのか?
ラウラ
「ほ、本当に…いいんですか?私が貴方にそう呼べば…貴方は…」
この人は私の『影』に戻ってしまう
そうだ…初めから分かっていた事だった…私のこの想いは矛盾していた…
この人は『クロエ・クロニクル』と言う人間…
私の姉になれば私の『失敗作』と言うレッテルを再び張る事になってしまう…この人に…そんな思いをもう一度させる訳にはいかないのに…
私はこの人の妹になりたいと…我儘を言ってしまったんだ
クロエ
「貴方の失敗作になるって言いたいんですか?それがどうかしたんですか?」
ラウラ
「…え?」
クロエ
「確かに私は貴方の失敗作です。ですがそれは私が気にしていた事です。気にしなくなればどうでもいい事なんですよ。」
ラウラ
「………」
クロエ
「私はもう吹っ切れました。貴方を私の『妹』として認める事にしたんです。」
ラウラ
「!?…い、妹?私が…貴方の妹…」
クロエ
「ハイ♪ですから貴方のお姉ちゃんとして来ました♪【イグニッションプラン】での事は聞き及んでいます。怪我はもういいんですか?」
ラウラ
「ぁ…ぁ…ハイ!!!」
私を妹と認めてくれただけでなく…心配まで…
私は込み上げてくるものを必死に我慢した
クロエ
「…さて、行き成りですみませんが少し付き合って下さい。」
ラウラ
「…え?あ、ハイ…」
私が落ち着くと姉上は歩き出した
一緒に来るように言われた私はそのまま着いて行った…
………
……
…
ラウラ
「ココは…」
姉上に連れられた場所は私達がISの訓練を行っている訓練場の1つだった
部下達が出撃している時に本当はこんな所に来ている暇は無いんだが…姉上に言われては断れなかった
だが…
ラウラ
「あの…姉上…折角会いに来てくれたのは本当に嬉しいのですが、実は現在緊急警戒態勢に入ってます…この基地に向かっている謎の未確認物体の迎撃に私も出向かなければならないんです…」
クロエ
「…謎の未確認物体ですか?それはもしかして『コレ』の事では無いですか?」
ラウラ
「え?」
パチンッ!
姉上が指を鳴らすと…
ブゥゥゥゥゥゥゥン!!
ラウラ
「!?…コ、コイツは!?」
目の前に突然現れたのは…『あの鳥』だった!?
~ラウラ Side out~