IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第135話:巨鳥襲来!?

 

 ~ラウラ Side~

 

ラウラ

「ハァ…ハァ…次だ!!」

 

クラリッサ

「隊長!!いい加減休んでください!!」

 

 そう言って私を窘めるのは副隊長のクラリッサだ

 私はあの【イグニッションプラン】の事件の後、本国に戻るとすぐに訓練を始めた

 あの時…私がもっと強ければ犯人を逃がすような事は無かった…

 そう思うと自分の不甲斐無さに腹が立つ!!

 だから私は毎日訓練に明け暮れていたのだが、クラリッサや他の隊員達はそんな私に休む様に言って来ていた

 

クラリッサ

「このままでは本当に倒れてしまいますよ!?少しは休む事も必要です!!」

 

ラウラ

「だが私は…少しでも強くなりたいんだ!!」

 

クラリッサ

「それは分かりますがやり過ぎです!!ものには限度があります!!」

 

ラウラ

「ぐっ…しかし…」

 

クラリッサ

「………」

 

 クラリッサの無言の圧力に気圧された

 今日はクラリッサも引くつもりが無い様だな…

 

ラウラ

「…分かった…今日はもう休む…」

 

クラリッサ

「ホッ…」

 

 ココまで心配されては折れる他無い…

 私は訓練を終わらせて部屋に戻ろうとしたのだが…

 

 ヴィ―――ッ!!ヴィ―――ッ!!ヴィ―――ッ!!

 

ラウラ&クラリッサ

「警報!?」

 

 基地内に緊急警報が鳴り響いた

 

ラウラ

「何事だ!?」

 

通信兵

『当基地に接近中の未確認機の存在を確認!!総員警戒態勢に入れ!!繰り返す総員…』

 

ラウラ

「未確認機だと!?」

 

クラリッサ

「隊長!?」

 

ラウラ

「休もうと思ったが仕方ない!!クラリッサ!指令室に行くぞ!!」

 

クラリッサ

「了解!!!」

 

 私は現状確認の為、クラリッサと指令室に向かった…

 

 ………

 ……

 …

 

ラウラ

「司令!!!」

 

司令官

「ボーデヴィッヒか!?」

 

 私達が指令室に到着すると室内は慌ただしく動く隊員達がいた

 どうやら未確認機とやらはかなり面倒な相手の様だな…

 

ラウラ

「ココに接近している者がいるとの事ですが?」

 

司令官

「その通りだ。監視衛星で偶然発見出来たものでな…下手をすれば気付かない可能性があった…」

 

ラウラ

「それはどう言う事ですか?向かって来ているのはISなのでしょう?」

 

司令官

「ISかどうか判断がつかんのだ…口で説明するよりもお前達も見て見ろ…監視衛星から送られた映像がコイツだ!」

 

 そう言って司令はモニターの1つに監視衛星からの映像を映した

 そこに映っていたのは…

 

クラリッサ

「コレは…」

 

ラウラ

「…鳥?」

 

 緑色の鳥だった…

 目標の速度が速いせいか画像はかなりぼやけているが全体の形状は把握出来た…

 コレは鳥だ…

 だが、この鳥は衛星から確認出来るほどのサイズの上に鳥の速度にしては速すぎる…だから監視の目に止まったんだろう

 

司令官

「こんな巨大な鳥など見た事も聞いた事も無い…しかも、この鳥は真っ直ぐこの基地に向かって来ている。故に警戒態勢を取ったという訳だ。」

 

ラウラ

「成程…それで私達はどうしましょう?迎撃に出ますか?」

 

司令官

「うむ、【黒兎隊】は直ちに出撃してくれ。目標が敵対行動を取った場合は即座に排除しろ!!」

 

ラウラ&クラリッサ

「了解!!!」

 

 私は司令に敬礼をするとクラリッサと共に指令室を後にしようとした

 だが…

 

クラリッサ

「お待ちください隊長!!」

 

ラウラ

「ん?」

 

 クラリッサが呼び止めた

 何だ?

 

クラリッサ

「隊は私が率います。隊長は先にISの整備を行って下さい!」

 

ラウラ

「…え?」

 

 何を言ってるんだ?

 

クラリッサ

「連日の訓練でISがボロボロじゃないですか!!補給もしなければなりませんし隊長は先に整備室に向かって下さい!!」

 

ラウラ

「あ…」

 

 そうだった…

 ここ最近は訓練漬けでISの整備も必要最低限のものしかしてなかった…

 それにさっきまで訓練をしてたからSEも空だ…

 

クラリッサ

「分かりましたね?」

 

ラウラ

「…はい…」

 

クラリッサ

「司令、そう言う訳ですので隊は私が率いて出撃します。」

 

司令官

「そう言う事なら仕方が無いか…ボーデヴィッヒの訓練については私もやり過ぎだと思っていたが暫くは大丈夫だと思って好きにさせていたがこのタイミングで緊急出撃になるとは…」

 

ラウラ

「申し訳ありません…」

 

司令官

「タイミングが悪かっただけだ。気にするな。それよりも早く整備に向かえ。」

 

ラウラ

「…は…」

 

 私は隊の事をクラリッサに任せ整備室へと向かった…

 

 ………

 ……

 …

 

ラウラ

「クソッ…まさか訓練が原因で出撃出来ないとは…クラリッサ達の言う通り適度に休んでおけばよかった!!」

 

 私は整備室に向かいながら自分自身に悪態を吐いていた

 今の自分が本当に情けない…部下だけを戦わせて何も出来ない自分が本当に腹が立つ!!

 だが、今はそんな事を愚痴っている暇はない!!

 急いで【レーゲン】の整備をして貰わなければ…

 

ラウラ

「…終わるまで何事も無ければいいが…」

 

 私は謎の鳥の迎撃に出向いたクラリッサ達を心配していた

 だが、その時…

 

「…ラウラ…」

 

ラウラ

「!?」

 

 私の名を呼ばれた

 顔を上げた私の前に一つの人影が立っていた

 

ラウラ

「何者だ!!!」

 

 コイツが私を呼んだのか…しかし…今の声…どこかで聞いた事が…

 私が声の主が誰かを思い出しながら目の前の影を警戒していると影はこちらに近づいて来た

 

ラウラ

「………」

 

 私は警戒を強めていった

 だが、影が近づくとその顔が見えて来た…

 それは…

 

ラウラ

「!?…あ、貴方は!?」

 

 そう、そこにいたのは…

 

ラウラ

「『姉上』!?」

 

 ~ラウラ Side out~

 


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