~セシリア Side~
キィィィィィィィィィィィィィィィィィ………
セシリア
「早く…もっと早く!!!」
わたくしは現在、鳥型に変形させた【ハルファス】である場所に向かって全速力で飛行中です!
その胸中は焦りで一杯です!!
何故わたくしがこんなに焦っているのかと言うと先程イギリス政府に【イグニッションプラン】が行われている会場が襲撃されたと連絡が来たからです
それだけでも十分驚くべき事なのですが、あろう事かその襲撃犯の狙いはイギリスが出展していた【ブルー・ティアーズ】の2号機【サイレント・ゼフィルス】だったのです!?
【サイレント・ゼフィルス】は奪われてしまい現場に居合わせたラウラさんが犯人を取り押さえようとしたのが返り討ちに会ってしまったそうです
その為、わたくしは許可を貰うとすぐにラウラさんの安否の確認に向かって急いでいるのです!
ですが…
セシリア
「もどかしいですわね!!」
この姿の【ハルファス】のスピードでも目的の場所まではまだ少し掛かりますわね…
普通のISと比べれば何倍も速いのですがすぐに行けない事がこれほどもどかしいなんて…
永遠さんの【ラインバレル】なら文字通り一瞬で行けますのに…ええい!!無い物をねだっても仕方ありませんわ!!
セシリア
「とにかく1秒でも早く向かわなければ!!!」
~セシリア Side out~
~ラウラ Side~
ラウラ
「うっ…」
…白い天井…何処だココは…
何故私はこんな所にいる…
たしか…
ラウラ
「!?」
そうだ…思い出した!?
私は直前の記憶を思い出すと飛び起きた
クラリッサ
「隊長!?目を覚ましたんですね!!」
すると、副隊長のクラリッサが慌てて駆け寄って来た
ラウラ
「クラリッサ!!【イグニッションプラン】はどうなった!?襲撃犯は何処だ!?【サイレント・ゼフィルス】は!?」
私はクラリッサにあの後どうなったのかを聞いた…
だが…
クラリッサ
「隊長…残念ながら【イグニッションプラン】は中止になりました…襲撃犯については捜索隊が出されたそうですが犯人も【サイレント・ゼフィルス】も見つからなかったそうです…」
ラウラ
「そんな…」
クラリッサから返ってきた答えは最悪なものだった
私が…犯人を取り押さえていれば…こんな事には…
ラウラ
「クッ…ウウッ…」
クラリッサ
「隊長…ご自分を責めないで下さい!隊長は自分に出来る事をしただけです!!誰も隊長を責めたりなどしません!!イギリスも隊長に感謝しています!!」
クラリッサはそう言うが…
私は…自分の不甲斐無さが情けない!!
最初は乗り手がセシリアでなければ【サイレント・ゼフィルス】に負ける事は無いと自負していた…だが、現実は違った…コレは、私が思い上がった結果だ…
クソッ!!
結局私は何も反省していなかったのではないか!!
私が自分の不甲斐無さに悔しがっていると…
バンッ!!
セシリア
「ラウラさん!!!」
ラウラ
「え?…セ、セシリア!?」
部屋にセシリアが駆け込んで来た
何故ココにセシリアがいるんだ!?
セシリア
「お怪我の調子はどうですか!?何処か気分が悪くはないですか!?」
やってきたセシリアは真っ先に私の心配をしてくれた…
だが…
ラウラ
「…スマナイ…」
セシリア
「はい?」
【サイレント・ゼフィルス】を目の前で奪われ、返り討ちに合った私には心配される筋合いはない…
それなのに…
セシリア
「何故ラウラさんが謝るのですか?ラウラさんはイギリスの為に戦って下さったんですよ?」
ラウラ
「だが私は結局何も出来なかった…【サイレント・ゼフィルス】を奪われ…犯人を取り逃してしまった…感謝の言葉も心配される資格も無い…」
セシリア
「何を仰ってるのですか!!ラウラさんはイギリスの恩人です!!わたくしは恩人を心配しない恥知らずではありませんわ!!!」
ラウラ
「恩人?…私が?」
セシリア
「ハイ♪」
セシリアは私を責めるような事は一切しなかった
逆に感謝の言葉しか口にしなかった
だが、それでも…
ラウラ
「………」
私は…力の無い自分が許せない!!!
以前、兄上に倒された時とは違う…ただ強いだけの力を求めた時とは違う…力の無い自分が…情けない…
もっと…もっと…強くなりたい…
セシリア
「………」
~ラウラ Side out~