~三人称 Side~
旅館から飛び立ったセシリアと本音は現在、【福音】のいる海域へと向かっていた
とは言っても2人のISは移動速度が違い過ぎるのでセシリアは【ワイバーン・ガイア】の背に乗る形で移動していた
本音
「セッシー、ぶっつけ本番になったけど大丈夫~?」
セシリア
「そうですわね…不安が無いとは言えませんが…ですが大丈夫ですわ。」
その道中で本音はいきなり実戦投入する事になった【ハルファス・ベーゼ】で大丈夫なのかを聞いて来た
セシリアと違い本音は【ワイバーン・ガイア】を受け取ってから永遠や簪、鈴達と訓練を行っていたので機体の扱いにも既に慣れていた
だが、セシリアの場合はISの技量は本音よりも遥かに上ではあるのだが、まだ新型に慣れていない為に不安が残っているのだ
尤も、それは第1陣で出撃した箒にも言えた事なのだが、箒の場合は本人の実力不足とその辺の事を何も考えず自分勝手に突っ走った結果ああなった
………
……
…
それから暫くして…
セシリア
「見つけましたわ!!」
本音
「こっちでも捉えたよ~!!」
【福音】が2人のレーダーの索敵範囲内に入った
本音
「それじゃあセッシー!!」
セシリア
「ハイ!先手必勝ですわ!!」
ガキョンッ!!
そう言ってセシリアは両肩の4枚の翼に装備されている大型砲【クロス・メガビームキャノン】を展開した
セシリア
「…発射!!!」
ドギュゥゥゥゥゥンッ!!!
『…La?』
ドガァァァァァァンッ!!!
セシリアの砲撃は【福音】が気付いた時には既に遅く、躱す事も出来ずに直撃を喰らった
セシリアと本音からは【福音】の位置を正確に捉えていたが、【福音】の方は2人の存在に気付いていなかった
それは【福音】の索敵範囲よりも2人の索敵範囲の方が遥かに広い為、セシリアはまず長距離からの砲撃による先制攻撃を仕掛けたのだった
そして…
『La~!!』
敵が来た事に漸く気付いた【福音】はすぐに砲撃のあった方角に向かって飛び出した
向かって来る【福音】に対して…
セシリア
「本音さん!!」
本音
「ん!全弾発射!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!
【ワイバーン・ガイア】の全火力兵装による一斉砲火を浴びせた
『La!?La~!!!』
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!
それに対し、【福音】も【
ドゴゴゴゴゴォォォォォンッ!!!
本音と【福音】の攻撃がぶつかり合い、巨大な爆発が起こった
そこに…
セシリア
「ハァァァァァッ!!!」
『La!?』
爆煙の中から2本のビームサーベルを抜いたセシリアが飛び出してきた
【福音】はすぐに迎撃しようとしたが…
セシリア
「遅いですわ!!」
ザシュザシュッ!!
一瞬で背後に回り込んだセシリアは【福音】の背中にある大型スラスターを根元から斬り落とした
そして…
セシリア
「これで!!!」
本音
「終わりだよ!!!」
セシリアは【クロス・メガビームキャノン】…本音は【アーム・カノン】と【レーザー・ブレス】をそれぞれ撃った
『La…』
ドガアアアアアァァァァァンッ!!!!!
スラスターを斬り落とされた【福音】は躱す事が出来ず2人の攻撃をもろに受けた
そして、そのまま力を失い落下して行った
その途中で本音が【福音】を受け止めると…
セシリア
「…生体反応は…ありますわね…機体の方は…」
本音
「止まってるよ~。」
セシリア
「ですわね。」
2人は【福音】をセンサーでスキャンし、ナターシャの無事とISの機能停止を確認した
本音
「それじゃあセッシー、これで任務完了だね~♪」
セシリア
「ええ、戻りましょう♪」
そう言って2人はナターシャを連れて旅館に戻って行った
アメリカとイスラエルが合同で開発した最新鋭の軍事ISと言えども、ISの生みの親、篠ノ之束の造った第5世代の前では何の抵抗も出来ずに敗れ去ったのだった
後日、IS学園からこの結果を聞かされた両国は暴走を止めたセシリアと本音に感謝すると同時に2人の機体の凄まじさに恐れおののくのだった
尚、【福音】を開発した研究者達は自分達が苦労して開発した【福音】が2人にアッサリ倒されたと知り、そのショックで暫くの間立ち直れなかったとか…
~三人称 Side out~