ファンタシースターオンライン2 「Reborn」EPISODE 4(休止中)   作:超天元突破メガネ

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シナリオからお察しいたたけるかと思われますがエンドレスエイト回です。
だって他にどういう方法があるというんですか...




SB5-5「カゲロウデイズ」

AD2028:4/16 00:00

地球周辺宙域:キャンプシップ

 

「……それにしても、意外と殺風景な星なんですね、月って」

窓の外を見て呟くアメリアスに、エンガは苦笑いで答えた。

「そりゃまあ、結局はただの岩石の塊だからなぁ」

『もう少しで突入予定地点になります。お二人とも、準備は良いですか?』

 

シエラの声に、エンガは肯定を返す。

「ああ。……アルの為にも、さっさと終わらせないとな」

出撃前に、ゲートまでついてきたアルの顔を思い出す。

「ぼくも行く!」とまで言い張った少年の顔は、あの日からずっと曇ったまま。

純粋無垢な少年は、ずっと苦しんでいる。

 

「……なぁ、アメリアス」

振り返ったエンガは、そのまま動きを止めた。

さっきまで窓の外を見ていたアメリアスが、険しい目で端末を見つめている。

———あまり、彼女らしくない表情だ。

「アメリアス?」

控えめに声を掛けると、小さな肩がびくっと震えた。

「あっ……は、はいっ!行けます、何時でも!」

いそいそと端末をしまい込み、テレプールの前へ駆け寄るアメリアス。

 

何をしていたかの興味からはひとまず目をそらし、エンガもその横に立つ。

「……あ、あの、エンガさん」

と。

アメリアスが恐る恐るといった様子で、エンガを見上げた。

「ん、どうした?」

「その……謝れていなかったので。こんな事態にしたのは、私のせいでもありますし……」

ごめんなさい、と言って、銀髪の頭が下がる。

 

エンガはすぐには、言葉を返せなかった。

実のところ、アメリアスの心情には薄々気づいていた。妹と似たような境遇、似たような価値観で戦っていたのだから。

ただ一つ、違ったことは。

彼女にはエンガが思っていた以上に、彼女を支えてくれる人がいたこと。

 

だから今、アメリアスは「救う側」としてここにいる。

今更かける言葉など、特に思いつかなかった。

「……一昔前流行った歌に、こんなのがあるんだが」

「?」

「……Let it go, Let it go. (これでいいの、ありのままで。)The perfect girl is gone(おりこうさんの少女なんてもういない)、ってな」

 

少女はそれを聞いて、ふふっと笑った。

「……それ、ヒツギにも聞かせてやりたいですね」

「……全くだ」

エンガもつられて、笑みを漏らす。

 

そこでタイミングよく、シエラの通信が割り込んだ。

『……見えました。あれです!』

いつの間にか、キャンプシップは月面に近づいていた。

ただ薄灰色の岩原が続く、無機質な地表。

そこに網目状に張り付くようにして、巨大な人工の建造物が広がっている。

 

アメリアスが目を剥く。

「な、なんですかあれ……?」

「アーデムの話じゃ、昔エーテル散布の為に使われていた施設らしい」

『現状使用するはずのない施設なのですが、ずっと用途不明の物資搬入が続いていたそうです』

キャンプシップはゆっくりと建造物へ近付き、ほどなく停止した。

 

『……対象、内部スキャン完了。テレプールの転移座標、確定。出撃、いつでもどうぞ!』

シエラの声に頷きを返し、エンガはアメリアスを見る。

「了解。行くぜ、アメリアス!」

「はい……!」

囚われた少女を救うため、二人は敵地へと飛び込んだ。

 

 

AD2028:4/16 00:22

月:廃棄施設

 

「ったくあいつら、月にとんでもねぇもん作りやがって…!」

「空気はもとより、重力制御まで完璧とは思いませんでしたね…!」

2人が走る音が、広い回廊に反響する。

アメリアスが視線を上に飛ばせば、見えるのはガラス張りの天井越しに広がる星空。

 

この巨大な月面施設には、さしものアメリアスも内心驚嘆していた。

地球調査で見てきた建造物に比べて、技術のレベルが違いすぎる。

(まるで、オラクルの施設みたい……)

否、あるいは。

12年前から行われてきたマザー・クラスタによる干渉は、オラクル側の技術を盗み取る意味合いもあったのだろうか。

 

「っと、それよりも今はヒツギだ。シエラさん———」

通信端末に手をかけたエンガが、立ち止まる。

「エンガさん?」

「……クソっ、通信が妨害されてやがる」

 

エンガが見せた端末には、「jamming」の文字。

「またですか……?」

アメリアスは眉をひそめた。

たびたび起こってきた通信妨害だが、そもそも、こうも簡単に妨害されることが異常なのだ。

フォトンの扱いなら、アークスの方が一日の長があるはずなのだから。

 

「やっぱりこちらのフォトンが『エーテル』として変質してるから……?」

「分からん。だけど通信させたくないってことは、奥に何か隠してるのは間違いないだろ」

行くぞ、と走り出すエンガ。

アメリアスもそれに続こうとして———揺らぎのような光を感じた。

「———っ、エンガさん!」

前方に滑り込むようにして、エンガを止める。

 

その青い瞳が見つめる先で、次々と青い光球が灯った。

「チッ、奴さんも気づいたか……!」

巨大な爬獣、首無しのライダー、歪に肥大したヒトガタの怪物。

幻創の獣が、二人の前に立ちはだかる。

 

「突破します。援護を!」

「任せろ!」

エンガが放つ牽制弾を追い、疾走を開始する。

静まった空気を、吹きすさぶフォトンが薙いだ。

 

「はっ———!」

エンガの弾丸に面食らった瞬間を衝き、アメリアスは敵中へ飛び込む。

銃撃、光線、あらゆる迎撃を、黄金の瞳に導かれるままに回避する。

そしてその足は、その刃は、次々と幻創種を斬り裂いていく。

 

「っと!」

着地したアメリアスに、一斉にゾンビ型の銃口が向けられる。

しかしジェットブーツには、すでに紅蓮の如き紅光がチャージされていた。

「行けえっ!」

光はたちまち回転する業火を形どり、幻創種を焼き尽くした。

 

「エンガさん!」「おうよッ!」

新たに幻創種が現れると同時に、エンガがアメリアスのすぐ横に飛び込む。

すかさずチャージするのはザンバース。風の領域が二人を包み、エンガの銃弾に刃を乗せる。

「今ですっ!」「ブチ抜く!」

風を乗せたシフトピリオドは、一瞬で幻創種を蹴散らした。

 

「一丁上がり!急ぐぞ!!」

「はいっ!!」

消えゆく燐光を背に、二人は再び駆け出す。

広大な回廊は、暫くは一本道だ。

 

「シエラさん……クソっ、通信が妨害されてやがる」

「………?」

眉をひそめたアメリアスの視界に、一瞬揺らぎのような光が映った。

「———っ、エンガさん!」

前方に滑り込むようにして、エンガを止める。

 

その青い瞳が見つめる先で、次々と青い光球が灯った。

「チッ、奴さんも気づいたか……!」

巨大な爬獣、首無しのライダー、歪に肥大したヒトガタの怪物。

幻創の獣が、二人の前に立ちはだかる。

 

「突破します。援護を!」

「任せろ!」

エンガが放つ牽制弾を追い、疾走を開始する。

静まった空気を、吹きすさぶフォトンが薙いだ。

 

「はっ———!」

エンガの弾丸に面食らった瞬間を衝き、アメリアスは敵中へ飛び込む。

銃撃、光線、あらゆる迎撃を、黄金の瞳に導かれるままに回避する。

そしてその足は、その刃は、次々と幻創種を斬り裂いていく。

 

「っと!」

着地したアメリアスに、一斉にゾンビ型の銃口が向けられる。

しかしジェットブーツには、すでに紅蓮の如き紅光がチャージされていた。

「行けえっ!」

光はたちまち回転する業火を形どり、幻創種を焼き尽くした。

 

「エンガさん!」「おうよッ!」

新たに幻創種が現れると同時に、エンガがアメリアスのすぐ横に飛び込む。

すかさずチャージするのはザンバース。風の領域が二人を包み、エンガの銃弾に刃を乗せる。

「今ですっ!」「ブチ抜く!」

風を乗せたシフトピリオドは、一瞬で幻創種を蹴散らした。

 

「一丁上がり!急ぐぞ!!」

「はいっ!!」

消えゆく燐光を背に、二人は再び駆け出す。

広大な回廊は、暫くは一本道だ。

 

「シエラさん……クソっ、通信が妨害されてやがる」

「………?」

眉をひそめたアメリアスの視界に、一瞬揺らぎのような光が映った。

「———っ、エンガさん!」

前方に滑り込むようにして、エンガを止める。

 

その青い瞳が見つめる先で、次々と青い光球が灯った。

「チッ、奴さんも気づいたか……!」

巨大な爬獣、首無しのライダー、歪に肥大したヒトガタの怪物。

幻創の獣が、二人の前に立ちはだかる。

 

「突破します。援護を!」

「任せろ!」

エンガが放つ牽制弾を追い、疾走を開始する。

静まった空気を、吹きすさぶフォトンが薙いだ。

 

「はっ———!」

エンガの弾丸に面食らった瞬間を衝き、アメリアスは敵中へ飛び込む。

銃撃、光線、あらゆる迎撃を、黄金の瞳に導かれるままに回避する。

そしてその足は、その刃は、次々と幻創種を斬り裂いていく。

 

「っと!」

着地したアメリアスに、一斉にゾンビ型の銃口が向けられる。

しかしジェットブーツには、すでに紅蓮の如き紅光がチャージされていた。

「行けえっ!」

光はたちまち回転する業火を形どり、幻創種を焼き尽くした。

 

「エンガさん!」「おうよッ!」

新たに幻創種が現れると同時に、エンガがアメリアスのすぐ横に飛び込む。

すかさずチャージするのはザンバース。風の領域が二人を包み、エンガの銃弾に刃を乗せる。

「今ですっ!」「ブチ抜く!」

風を乗せたシフトピリオドは、一瞬で幻創種を蹴散らした。

 

「一丁上がり!急ぐぞ!!」

「はいっ!!」

消えゆく燐光を背に、エンガは再び駆け出す。

アメリアスもそれに続こうとして———

 

「—————」

小さな違和感を感じ、立ち止まった。

 

——否、この感覚には覚えがある。

マターボードによる時間遡行。その時に必ず感じた、既視感(デジャヴ)———?

 

そしてアメリアスは、

「……クソっ、通信が妨害されてやがる」

()()()になる、その言葉を聞いた。

「止まって!!」

思わず、アメリアスは叫んでいた。

 

「なっ……ど、どうしたんだよいきなり」

エンガは振り向き、首をかしげる。

「———()()()()()会っ()()()いっ()()()()()

「……っ!!」

瞠目する。

その言葉で、確信した。

 

自分達は、敵地に飛び込んだのではなく。

敵が作った舞台で、踊らされていたのだと。

「……少し、離れててください」

エンガを押しのけ、アメリアスは正面に向かって手を伸ばす。

転送されたガンスラッシュが、その右手に握られる。

 

「おい、何して……」

エンガの声も聞かずに、アメリアスは引き金を引く。

瞬間。

 

世界に、何かが割れるようなエフェクトが走った。

 

「何っ………!!?」

瞠目するエンガをよそに、アメリアスはため息を吐く。

「具現武装……何でもありとは言え、これはやりすぎでしょう」

通信がつながらなかったのも、納得がいった。

「エーテルのせい」なんていう、安直な理由ではなかった。

 

——この空間がまるごと、敵の描いた物語の中だったのだから。

「いい加減出てきたらどうですか?もう、貴女方の物語は終わりです」

『……言ってくれるね、守護輝士(ガーディアン)

もう一度、世界にノイズが走る。

 

沈黙した回廊に、靴の鳴る音が響いた。

「そのまま気づかずに散歩してればよかったのに。70%もったいない」

そこには、ふてぶてしく呟くオークゥと。

「……もうバレちゃうなんてね。クゥから聞いてた通り、気持ち悪い人」

宙のような青い髪を揺らす、もう一人の使徒がいた。

 




「カゲロウデイズ」

文句ありげな陽炎に「ざまぁみろよ」って笑ったら
実によく在る夏の日のこと。 そんな何かがここで終わった。

—————
いやぁここで使わずにいつ使う(笑)

同じ文章繰り返しって禁止事項に該当しちゃうんですかね?
一応繰り返しを抜いても最低文字数を下回ることは無いんですけど。

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