ファンタシースターオンライン2 「Reborn」EPISODE 4(休止中)   作:超天元突破メガネ

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祝!

イオとクラリスクレイス(の中の人)、今期覇権(おそらく)アニメに出演!!




SB4-2「キミノヨゾラ哨戒班」

A.P241:4/8 13:00

アークスシップ:ゲートエリア

 

アラートから、数時間後。

「つ、疲れた……」

へろへろになりながら、私はシップに戻ってきた。

いやその、鎮圧任務自体はものの1時間ほどで終わったのだ…だけど、その後。

私が射撃訓練にVR訓練エリアに行くのをリサさんに見つかってしまい、「お手伝いしますよお!!」と嬉々として言われ……

 

率直に言う。死ぬかと思った。

「やばい、ここ2時間の記憶がもう朧気……」

へとへとの体を何とか動かし、私はカフェまでやってきた。

「あ、アメリアスだ!こんちはー!!」

「あーはい、こんにちはフランカさん…えーと、どうしようかな…」

 

適当に注文し、厨房近くの4人掛け席に座る。

「……あれ?センパイ?」

……と。

そのまま寝落ちしかけた直前、聞きなれた声が私を呼んだ。

 

「イオ?…それに、ヒツギとアル君も」

「なかなか帰ってこないから、先に戻ってたイオとお昼でもってなって…」

「アリスお姉ちゃん、大丈夫?」

「ま、まあ大丈夫かな……」

アル君の問いかけに、苦笑いで答える。

 

そのままどうせなら一緒にということになり、3人が残りの席に座った。

「お姉ちゃん、オムライス!」

「あーはいはい、っていうかあるの?……うわあった……」

「結構いろいろあるよー。フランカさん、地球のレシピとかも調べてるらしくて」

ぺたっと伏せたまま、2人の会話に混ざる。

「……センパイ、ほんとに大丈夫なのか?」

「お昼食べたら、ちょっと休もうかな……この後の任務にも響きそうだし…」

 

心配そうに尋ねるイオに返していると、

「……あそうだ、さっきイオと話になったんだけど」

注文を終えたらしいヒツギが、こっちの顔を見て、

「アメリアスって……結局何歳なの?」

突拍子もなく、そんなことを聞いてきた。

 

「へ?」

「センパイの話に先輩を巻き込むのか…恐れ知らずだな……」

ぽかんと口を開ける私の横で、眉間をおさえるイオ。

「いやね、そういえば聞いてなかったなー、って」

「センパイはコールドスリープに入ってたから、結局何歳なんだろうなって、ヒツギと話してたんだ……」

「は、はぁ……」

 

何歳なの、と聞かれても。

「だって、私の誕生日223の2月だし…18歳でいいんじゃないの?」

「ま、そうなるよな」

うんうんと頷くイオの横で、ヒツギが少し驚いたような声を出した。

 

「え…アメリアス、あたしより年上だったんだ」

「お姉ちゃん、16さいだっけ。このあいだおおきな声でいってたもんね」

「シーッ!!っていうかあれ聞いてたのあんた!?」

あれとは……そうか、前に断片情報拾ったときに、叫んでるのを見たような。

 

すると、一連の会話を聞いていたイオが口を開いた。

「じゃあ、年齢問題にケリがついたところで…結局、ヒツギはセンパイのこと呼び捨てのままでいいのか?」

「うーん、確かに最初の頃はシエラ含めさん付けしてたと思ったけど……」

「?」

 

なんか本題に入ったっぽいが、いまいち、話についていけない。

「センパイの呼び方だよ。一応年上だし、命の恩人だろ?」

イオに言われて初めて、いつの間にか呼び捨てで呼ばれていたことに気づいた。

言われてみれば、最初は…いや、最初から呼び捨てだったような……?

「多分叫んだ拍子とかで取れちゃって、そのままだったのかな……」

「あのさ……まあいいや。別に呼び捨てでいいよ、特に気にしないし」

呆れて答えた後、ふと思いつく。

 

「そうじゃなかったら……イオみたいに『センパイ』とか」

「先輩かぁ……ん、なぜだかわからないけどしっくりくる」

あれ。冗談のつもりだったんだけど、ヒツギ的にはアリなんだ。

「えー……」

すると今度はなぜか、イオが苦い顔をした。

 

「なんでえーなのさ、ヒツギも後輩なんだからいいじゃん」

「んー、なんだかなぁ……」

そんな話を続けていると、

「アメリアス―、ほれ、サンドイッチ出来たよー」

フランカさんの声と同時に、カウンターからパックが飛んできた。

 

フライングサンドイッチを、すぽっと胸の前で受け止める。

「おっと、ありがとうフランカさん」

「いや雑でしょ…」「いいのいいの」

受け取ったサンドイッチを手に、立ち上がる。

「あれ、食べていかないのかセンパイ?」

「そうしたいんだけどねぇ。ちょっとやんなきゃいけない事があって、テイクアウトにさせてもらった」

それじゃあねと3人に言って、私はカフェを去った。

 

 

それじゃあねと言い残して、アメリアスはカフェを去っていった。

「…アメリアスって、結構忙しかったりするの?」

「新惑星の調査だからな。マザー・クラスタだっけ?の追跡もあるから、センパイは尚更だろうな……」

答えたイオは、ふと考え込むように口元に手を当てる。

 

「イオ?」

「いや、なんかさっきのセンパイに違和感が……あ」

はっとした顔で、イオはヒツギを見た。

「センパイ、さらっとお前を呼び捨てにしてたぞ」

「ああ確かに…でも、それはあたしが年下だってわかったからじゃ?」

そうでもないんだと、イオは言う。

 

「センパイ、その、何て言えばいいんだろうな…いつも何処かよそよそしいんだよ。よっぽど慣れた相手じゃないと、呼び捨てで呼んだりしないんだ」

実際おれも一時さん付けで呼ばれてたんだと、イオは懐かしそうにもらす。

「へぇ…でも、なんであたしはあっさり?」

「さあ、何かは知らないけど、センパイのお眼鏡にかなったんじゃないか?」

 

どういうことよと、苦笑するヒツギ。

「イオ―、3人分お待たせ―!」

するとフランカの声が、イオたちを呼ぶ。

「わーい!オムライス!」

「こらはしゃぐな!」

大喜びのアルをどやしつけ、ヒツギはイオとカウンターに向かった。

 

A.P241:4/8 14:20

アークスシップ:ショップエリア

 

昼下がりの、ショップエリア。

「あれ、リオさん」

「ん…ステラ……?」

アイテムラボの前に居たリオを、フェオを連れたステラが呼び止めた。

 

「武器の強化ですか?」

「……マスターからもらった分、全部放り込んで……プラマイゼロ」

あー…、と、察したような顔をするステラ。

「おとなしく、新式の武器に切り替えては?」

ステラが提案すると、リオはぷんぷん、と小さな首を振る。

「マスターからのプレゼントだから…これだけは、譲れない」

すっとステラを見上げた拍子に、リオはあっと声を上げた。

 

ステラの肩越しに、見覚えのある背中が見えたのだ。

「リオさん?」「ステラ、うしろうしろ」

くるっと後ろを向いたステラも、あれっと声を上げる。

「エンガさん?」

「お?ステラじゃねえか。いいところに」

現れたエンガは、やや困った顔で辺りを見回している。

 

「どうされました?」

「いや、ちょいと人と待ち合わせてるんだが…あいつ、ええと何だったかな……」

しどろもどろに言うエンガ。

「……アイカ、だ」

するとテレポーターの方から、ニューマンの少女が歩いてきた。

 

「おお、そうだったそうだった。『久しぶり』だな、アイカ」

「そうだな。まさかアークスシップで再開することになるとは思いもしなかったが…」

驚いたのはリオ達である。

「え、え?お二人は面識が……?」

「ん?ああ、昨日言ったろ。アイカの地球潜入は、俺達アースガイドが取り持ったんだぜ?」

 

ステラは思い出した。

以前イツキとリナのフレンドに協力を要請しに訪れた、清雅学園。あの学校と八坂兄妹のいる天星学院高校は姉妹校で、距離もそこまで離れていなかった。

「俺はその時の連絡員だったのさ…いやはや、顔見知りと会えて助かったぜ」

「こちらこそ、あの時は本当に世話になった。また、よろしく頼む」

 

頷いて、アイカはふとフェオを見た。

「ん……?そのサポートパートナーは……」

「自分の相棒です。フェオ、っていいます」

ぺこりと、フェオはアイカへ一礼する。

 

アイカはその顔を見つめ、ああ、と呟き、

「まだ稼働間もないといったところか」

「はい…一緒に、高めあってるってところです」

答えたステラに、アイカは満足そうに微笑みを返した。

 

「そうか…色々、教えてやるといい。様々な体験が出来れば、彼は大きく成長する」

私のようになと、アイカは続ける。

「半年前…あの地球潜入は、私にとってかけがえのない経験だ。ただの調査じゃない…多くのことを学ぶことができた」

私はあの時、大きく成長した、と。

アイカは懐かしそうな瞳で、フェオの頭を撫でた。

 

「……尤も、経験豊富過ぎて変わり者になってしまった者もいるが」

ちらっと、アイカがリオを見て言う。

その言葉に、

「……どーいう意味」

滅多に表情を変えないリオが、むすっと不機嫌そうな表情を浮かべた。

 

「そんなこと言わないでくださいよアイカさん。リオさんは普通にいい人ですよ」

「分かっているさ。ただの冗談だ」

笑い飛ばすアイカ。

するとその横で、エンガが不意に携帯を開く。

 

「ん……?お、よし」

エンガはうんうんと頷きながら携帯をしまい、ステラ達のほうを見た。

「連絡が来たか」

「ああ。すまんステラ、ちょいとお姉さんに連絡をしてもらえるか?」

「姉に…?なんですか?」

エンガは頷いて、言った。

「『アースガイド』との会談の日取りが決まった。知らせたいから、また艦橋に来てくれってな」

 

A.P241:4/8 15:00

アークスシップ:艦橋

 

「お…来たな」

ヒツギとアルを連れて艦橋に顔を出したアメリアスに、エンガは軽く手を振った。

「あれ、妹さんに言伝頼んだんだが……来てないのか?」

「それが、ステラは特訓があるとかで…」

「ステラ、まだ新人さんなんだもんね」

 

エンガはそうか、と頷いて、話を始める。

「妹さんから聞いてるとは思うが……さっき、うちのトップから連絡が来た。アークスの代表として、お前さんにアースガイド本部に来てほしい」

「え、会談ってまさか直接ですか?」

「重要な話ってのは、顔を突き合わせて話した方がスムーズに進むんだ。大体そんなもんだろ?」

 

ふむふむと頷く、ヒツギとアメリアス。あと後ろのシエラ。

「ふぅん…で兄さん、何処に行くの?」

「本部があるのは、アメリカのラスベガスだ。シエラさん、位置情報なんかは……」

「日本国外はあまりデータがありませんでしたが、ここしばらくの調査で何とか確保できました。地球はとにかく都市が多くて……」

 

そう話すシエラの横で、アメリアスはなぜかそわそわと後ろ手を組む。

するとシエラは、アメリアスの心配事を見透かしたように、

「ああアメリアスさん、言語については心配ないですよ。アースガイドからの情報提供もあって、主要言語は大体の翻訳が済んでいますから」

「そ、それはよかったです…またベトールみたいにカオスなことになるんじゃって思って…」

 

アメリアスはほっと、胸をなでおろした。

「ラスベガスかぁ…やっぱり、アースガイドも世界規模なのね」

「そうじゃなきゃ何のためのアースガイドだよ。……あとヒツギ」

溜息交じりに言ったエンガは、ふとヒツギに目を向ける。

 

そして一言、告げた。

「言っとくが、お前は留守番だ。ここに残ってもらうからな」

 




「キミノヨゾラ哨戒班」

君と僕もさ、また明日へ向かっていこう
未来を少しでも 君と創りたいから


―――――――
ちょっと短いんで、ここは書き足すかもしれません。
1/21追記:書き足しました。

冒頭ですが、一応、VRで色々訓練してそうだな…という妄想。
ちなみに自分(作者)は射撃系下手というレベルではなく、ジェットブーツ以外まともに使えません…(泣)

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