ファンタシースターオンライン2 「Reborn」EPISODE 4(休止中)   作:超天元突破メガネ

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後半部分を加筆しました。


phase:3 「high free spirit 」

AD2028:4/1 11:30

地球:日本近海

 

凍りついた大海に、戦靴の音が響く。

『現在、代わりのA.I.Sを準備しています! 各員は、大和の戦力を削いでください!!』

「あーあ、結局こうなっちゃうんすね⋯ !」

「爆破して突破する! 簡単なことだ!」

A.I.Sが撃墜された時のために用意された、緊急プラン。

 

「ステラ! ちゃんとついて来なさい!」

「う、うん!!」

凍結した海洋を突破し、停止した大和を直接攻撃する。

 

戦場を埋め尽くし始める幻創種。

24の刃は、それに真正面から激突した。

 

戦闘補助(ステータスバファー)! 後は頼むっす!!」

「じゃ、1番槍は貰いますよ!!」

輝きが、一陣の風に変わる。

タキのテクニックに照らされたアメリアスが、幻創種の群れへ突撃する。

『ーーー!!』

飛び込んで来た少女に気づいた瞬間、ゾンビの身体は斬り裂かれ、光に消える。

 

「まだまだ⋯ うおっと!」

次の集団に狙いを定めたアメリアスの隣を、爆炎が掠めた。

「おお、危ないぞアメリアスー!」

「遠慮ないなクーちゃん! あと幻創種は風ね、風! それと地面が融けてる件について!!」

「関係ない! 全部爆破すればいいんだ!」

 

次々と、巨大な火球が飛来する。

本来幻創種の弱点は大気制御系なのだが、クラリスクレイスのテクニックは問答無用で幻創種を飲み込んでいく。

 

「ひえー。やっぱ三英雄は凄いね姉ちゃん」

「俺は殴る方が得意っすけど⋯ フォースはテクニック強烈っすからね⋯ 」

アメリアスの隣に、追いついた二人が着地する。

「こっちの戦力が分散してるぶん、ああいうのが一人いるのはむしろありがたいです。ステラ!」

「う、うん!」

「私たちは足止め! クーちゃんの隙を埋めるよ!!」

 

姉妹が前衛へ飛び出し、法撃職の二人は後衛から幻創種を狙い撃つ。

「これでも喰らえっ!」

「進路クリア! 急ごう!!」

ゾンビの群れを突破したところで、シエラの通信が突き刺さった。

 

『大和の砲塔より熱反応! 砲撃が来ます!』

「は、はい!!?」

思わず聞き返したアメリアスの『視界』を、赤熱した落体が掠める。

反射的に身を翻すと、アメリアスがいた場所に榴弾が落下した。

 

「マジで⋯ !?」「危ないっす!!」

青ざめ、動きを止めたステラをかばい、爆風をかわすタキ。

そしてその間にも、幻創種は迫ってくる。

「これじゃあ近寄れない⋯ !」

『⋯ 予測演算開始! 砲撃推定位置をマークします!!』

 

タキの呟きに、シエラの声が重なった。

直後エリアマップに、砲撃予測が表示される。

「これは⋯ !」

「凄い⋯ ありがとう、シエラさん!」

『この程度なんて事ありません! 頑張ってください!!』

 

シエラの支援を受け、アメリアス達は氷原を駆ける。

「喰らえ新技! ヘブンリーカイト!!」

ロードローラーを斬り伏せ、ステラはアメリアスに追いすがる。

「こら姉ちゃん! 勝手に行くなっての!」

「おっとごめん! これで勘弁して⋯ っと!」

 

先を行くアメリアスが振り返り、風の弾丸を撃ち出す。

ステラはため息をつくと、フォトンブレードを撒き散らして飛翔する。

吸い寄せられた幻創種は、ディスパースシュライクで斬り裂かれた。

 

「良いぞ姉妹! 私もここらで一発⋯ !!」

クラリスクレイスの振るう紫黒の創世器が、再び爆炎を纏い、

「⋯ っ! クーちゃんっ!!」

全く同時に、アメリアスの悲鳴が響いた。

「なっ⋯ ぐあっ!!」

吹き飛ばされたクラリスクレイスは、受け身を取ろうとして倒れこむ。

 

「し、視界が⋯ !」

『大和の砲撃が変質! 視野混乱を誘発する特殊弾です!!』

立ち上がれないクラリスクレイスに、タキが駆け寄る。

「アンティっ!!」

かざされるウォンド。本来対象の異常を回復する補助テクニックは、クラリスクレイスの傷を癒し、周囲フォトンの吸収補助さえ開始する。

 

立ち上がったクラリスクレイスは、ロッドを放り投げ、両腕を振り上げた。

「二重属性複合開始⋯ 全部まとめて吹き飛ばす!!」

業火と闇黒、二つのエネルギーが混ざり合い、臨界に達する。

それは法撃の極致。熟練の法撃使いのみに許された、獄炎の具現。

『前衛、射線確保を!!』

「獄炎波動子装填⋯ ! 焼き尽くせ!フォメルギオン!!!」

 

ステラとアメリアスが左右へ跳んだ直後、熱線が幻創種を呑み込んだ。

「ははは!! どんなものd⋯ 」

「砲撃来てるっすから!!」

高笑いするクラリスクレイスの襟を掴み、タキが大急ぎで爆風をやり過ごす。

 

アメリアスはそれを呆れた目で一瞥すると、また駆け出そうとして、

『⋯ 前方にエーテルの異常反応!!気をつけてください!!』

「! 姉ちゃんあれ!!」

 

ステラの声に、思わず立ち止まる。

幻創種のいなくなった道に集う、緑色の輝き。

4人の目の前で、それは形を成した。

『⋯ ようこそ! 我が牙城へ!!』

「貴方はっ⋯ 金の使徒⋯ !?」

現れたハギトの姿に、アメリアスは瞠目する。

 

『反応は具現武装と酷似⋯ エメラルド・タブレットの変異体と思われます!!』

ハギト⋯ エメラルド・タブレットの周囲に、T-レックスとスネークヘリが具現する。

「お、多いっ⋯ ! クラリスクレイス次席、もう一発⋯ 」

「そんなにぼこじゃか撃てるもんじゃない!」

 

苦い顔で答えたクラリスクレイスは、直後身を翻して機銃を回避する。

「立ち位置を崩さないで!! っステラ後ろ!!」

「えっ⋯ !!?」

振り返ったステラは、顔を引きつらせた。

 

ステラを覆う影。

巨獣の顎門が、ステラへ開かれる⋯ !

 

「させるかよ!!!」

「はああああああっ!!」

 

瞬間。

T-レックスが仰け反り、舞い降りた刃に断ち切られた。

「ふぅ⋯ 危ないところでした!!」

「ジェネ!!」

九番艦(ハガル)の増援⋯ ! 助かったっす!!」

 

現れた援軍に、アメリアスは安堵の声を上げる。

そして、

「だいじょうぶか!?」

「え、えっと⋯ 貴方は?」

尻餅をついたステラの隣には、小さな少年が飛び回っていた。

 

「おれはモア! あぶない所だったな!」

「モア⋯ さん? でも、なんで浮いて⋯ 」

元気よく自己紹介をされたものの、ステラは訳が分からず少年を見る。

 

「⋯ 大丈夫。彼はウェポノイドよ」

「え⋯ ?」

凛とした声。

いつの間にかステラの隣に、黒髪のニューマンの少女が立っていた。

「新型戦術媒体、『チップ』の技術を応用して、武器に肉体と人格を与えた自立型兵装。まだハガルでの試験運用の段階だから、貴女が知らないのも無理はないわ」

 

少女はそう言うと、ロッドを片手に飛び出していく。

「アネットはやっぱりぶっきらぼうだな⋯ お前もむりするなよな!」

モアもステラに笑いかけると、アネットの方へ飛んで行った。

 

「ステラ、行ける!?」

スネークヘリを沈め、ステラへ駆け寄るアメリアス。

「う、うん! でもあの緑いのが⋯ !」

「大丈夫、あいつは⋯ !」

ステラの手を引き、正面を見やる。

 

「⋯ タイマンは苦手っすけどね」

白いベストをフォトンの光で照らし、エメラルド・タブレットと相対するのは、タキ。

「全く、また悪趣味な武器を⋯ お前の相手は、俺っすよ」

背負ったフォトンリングが収束し、タキの右手に一本のウォンドを造り出す。

 

『沈めっ!!』

具現されたミサイルが、タキへと爆進する。

「沈むのは⋯ テメェだ!!」

タキは叫ぶと、その手のウォンドを投げつけた。

 

⋯ テクターの真価、ウォンドによる近接戦闘能力。

それを支える法撃爆発が、ミサイルを吹き飛ばす。

『何っ⋯ !?』

爆風が、2人の間を白く染める。

 

「そこだ⋯ っ!!」

タキはそれを逃さない。

爆風から伸びた右腕が、エメラルド・タブレットを無理矢理掴み上げる。

『ぐっ!!?』

「二重属性複合開始⋯ さて、消えて貰おうか!!」

タキの両手が、白く輝く。

 

⋯ 8番艦には、奇妙なテクターがいた。

格闘は苦手と言っておきながら、近接戦闘力を追求する、変わりもののニューマン。

しかしその探求は、本人も知らないうちに、実力という名の証左となっていった。

 

故に、彼の実力を知る者は、彼をこう称える。

「切り刻め⋯ バーランツィオン!!」

杖闘士(レガリエーター)』と。

 

『ぐああああああっ!!!』

氷の刃に串刺しにされたエメラルド・タブレットは、そのまま光になって消える。

『具現武装、撤退した模様です!』

「よっし! じゃあどんどん⋯ うおっ!?」

突如飛来した砲弾に、モアは慌てて上空へ逃げ出す。

 

『大和の砲撃が激化しています! ダッシュパネルを設置するので、一気に接近してください!!』

「了解です! 行きましょう、皆さん!!」

ダッシュパネルに飛び込んだアークスは、激しい砲撃の中を駆け抜けていく。

 

(⋯ !あれは⋯ !!)

その最中。

少し離れた所で、砲撃ではない、フォトンの爆風が起こった。

言うまでもない。イツキやイオ⋯ ここで戦っている、他の仲間たちのものだ。

 

「⋯ まあ、これだけいればね、っと!」

段差を華麗に飛び越え、射入位置に近いエリアへ飛び込む。

「よっ⋯ と!!」

具現したスネークヘリの横腹を蹴りつけ、

「援護するよ!」「!」

着地したアメリアスの横をかすめ、鎌鼬がスネークヘリを斬り裂いた。

 

「エコーさんっ!!」

近くの氷塊の上から、ロッドを握ったエコーが手を振る。

アメリアスがそれに応じて腕を上げると、すぐ近くで爆音が響く。

「いよっと! 俺もいるぜ!!」

大型のランチャーに乗ったゼノが、周りの幻創種を吹き飛ばして着地した。

 

「何人かこっちに合流に来てる! 俺らもさっさと道を開くぞ!」

「了解です!!」

幻創種を蹴散らし、9人は大和へ接近する。

 

すると、大和甲板の巨砲が動いた。

『大和の主砲に高エネルギー反応! 来ます!!』

三連装砲塔に、光が満ちる。

氷上のアークスに向けて放たれたのは、ビッグヴァーダーの主砲に匹敵する、光子ビームだった。

 

「うわっ!」「づっ⋯ 何よそれ⋯ !」

アメリアスはステラの服を掴み、強引に横合いへと回避する。

『連射は出来ない様です! 今のうちに接近を!!』

「ステラ立てる!?」「ごめん姉ちゃん、私は大丈夫!」

 

ステラを見つつ、すぐに全周を確認する。

幸い、直撃を受けた仲間はいないようだ。

「ゾンビがいっぱいでてるぞ!!」

「させるかよ! ゾンディール!!」

タキによって展開される、特殊重力場。

「行きますっ!」

そこへ飛び込んだジェネが、ダブルセイバーと共に舞う。

 

「ミリオンストームっ!!」

「アクション! サリィプロード!!」

不意にロードローラーの集団へ、光弾と爆発が襲いかかった。

「おおっと!?」

クラリスクレイスが顔をあげると、1組のデューマンが走ってくる。

 

「よし、センパイもいた!」

「加勢する! 頼んだよエリザベート!」

魔術師の様なペット⋯ サリィ種がその手の杖を振るう。

放たれたフォトンが創り出すのは、敵を捕らえる重力場。

「行くぞっ!」

そしてイオの一太刀で、幻創種がまとめて斬り裂かれた。

 

「マイフレンド!そっちは大丈夫だったかい!?」

「は、はい! でも、これで11人⋯ ?」

『正確にはモア君を除いて10人ですね。ご安心を、右舷側に14人居ますよ』

「あ、ありがとうございます⋯ 」

 

違和感を振り払い、アメリアスは大和の方を見る。

最早、行く手を遮る物はない。

気づけば、鋼鉄の巨躯は目前にまで迫っていた。

 

『再度主砲に高エネルギー反応!!』

「直線上より退避!一気に距離を詰めます!」

ビームを掻い潜り、ついにアメリアス達は、大和直下へ到達する。

 

『⋯ そろそろ、お引き取り願おうかッ!!』

再び現れる、翠玉の光。

エメラルド・タブレットが、二機の戦車を引き連れて具現する。

「こっちの台詞だ! 行くぞ皆っ!!」

「⋯ ! ゼノさん!!」

息巻くゼノを、アメリアスは肩を掴んで引き止めた。

 

『また主砲が⋯ いいえ、これは!!?』

前甲板の三連装砲が、()()()()

放たれた光線は⋯ 上空で収束し、巨大な光球を造りだした。

 

『あれが落ちたら⋯ !』

「こいつ⋯ ! 私達を諸共潰すつもりか!」

怒号を上げ、クラリスクレイスが創世器を振りかざす。

「クーちゃん、何を!?」

「性質がフォトンと類似しているなら⋯ !あいつを直接破壊する!」

 

光球を灼く爆炎。

氷原を融かす法撃を受けても、光球は歪む事なく、じりじりと地面へ落ちて行く。

「貴女1人じゃ⋯ くっ!」

「アネットさん! ⋯ っあっ!!」

加勢しようとしたジェネとアネットに、大和、戦車の砲撃が襲いかかる。

 

「クソっ⋯ だああああああっ!!!」

クラリスクレイスは1人、爆炎を放ち続ける。

前線が⋯ 仲間が砲撃を引きつけているうちに、何とかして破壊しなければ。

「ここで⋯ 終われるかあああああ!!」

輝きを増す、黒紫の長杖。

模倣創世器「灰錫クラリッサII」。

 

⋯ 分かっている。

自分の命は造られたもの。自分の力は造られたもの。

そしてその力だって、三英雄(クラリスクレイス)を名乗るには値しないということも。

 

それでも。

クラリスクレイスは、信じたかった。

 

例え、自分が弱い存在でも。

自分の意思で、何かを成し遂げられると。

クラリスクレイスという少女は、今ここに生きていると。

だから⋯

ここで、止まれない⋯ !

 

「跳べえええええええええええっ!!!」

一陣の追い風が、赤い髪を撫でた。

「アメリアスっ!?」

「クーちゃん合わせてっ!!」

光球に肉薄したアメリアスが、輝きを放ちながら滞空する。

 

「あ、ああ! ⋯ イル・フォイエ!!」

「ヴィント⋯ ジーカー!!」

折り重なる、突風と爆炎。

二つの必殺が、光球をかき消した。

 

「「やった!!」」

『高エネルギー消滅! 残りの幻創種の撃破を!!』

「よし、持ち場崩すな! 確実に片付けるぞ!」

残った戦車、そしてエメラルド・タブレットに、集中攻撃が降り注ぐ。

 

『ば、馬鹿な⋯ ! 想定を超えている⋯ !』

瞠目するエメラルド・タブレットの前に、3人の少女が降り立つ。

「⋯ クーちゃん、あんまり気を張っちゃだめだよ?」

「貴様こそ。あ、それとクーちゃん言い過ぎだ」

「すいません、聞かん坊は姉の悪い癖で⋯ ほら姉ちゃん、さっさと済ませるよ」

 

長杖。魔装脚。飛翔剣。

輝ける各々の刃が、切り札を撃ち放つ。

「フォメルギオン!!」

「ヴィントジーカー!!」

「ケストレルランページ!!」

『ぐ⋯ うああああああああああっ!!!』

エメラルド・タブレットは、あっけなく光球に戻り、艦橋へと飛んで行った。

 

『幻創種の反応消滅! さあ皆さん、殴り込みお願いします!!』

「「「了解っ!!!!」」」

氷原に敷設されるカタパルト。

そこから24人のアークスが乗り込む光景は、圧巻としか表せないだろう。

 

嘗て300機以上の戦闘機と、数えきれない魚雷によって、海の底へ沈められた大和。

それが今、24人の歩兵によって、陥されようとしている。

 

「あの主砲行きます! どおりゃああ!!」

アメリアスの連撃が、砲塔に光の軌跡を描く。

『アメリアスさん! 後ろっ!!』

「⋯ なっ!?」

砲塔を叩き壊すと同時に、アメリアスは身を翻した。

 

「エメラルド・タブレット⋯ ! こいつしつこいっ!!」

三度現れた虚像へ、ミサイルを弾き飛ばしながら飛びかかる。

「邪魔だっ!!」

繰り出される蹴撃。

しかしその全てを、エメラルド・タブレットは意に介さない。

 

『エメラルド・タブレットは、大和と接続しているようです! 今はダメージを与えられないので、大和の消耗を!』

「⋯ 了解!」

光弾をかわし、次の砲門へ走る。

 

「わっ⋯ !」

後部からも、爆風が立ち上る。

「ほああああああああああっ!!!」

視界に意識を向けると、剣を振るう少年の姿が僅かに映った。

「⋯ 負けてらんないね!!」

 

艦砲が、次々とひしゃげ、壊されて行く。

24人の猛攻を前に、大和の艦砲が全滅するのに、さほど時間はかからなかった。

「これで最後っ!!」

大型機銃を破壊したアメリアスの横に、後部甲板からイツキとリナが走ってくる。

 

「アメリアスさん!」

「イツキ君にリナさん! じゃあ後方も⋯ !」

「ええ、全て破壊したわ! これでこのデカブツを無力化できたはず⋯ !」

笑顔を浮かべるリナ。

 

『A.I.S、再起動完了! これで一網打尽に⋯ !』

シエラの声も、明るく上ずり⋯

 

『⋯ !! 待って下さい! 大和の反応に異常を感知!!』

急にその声は、危急を伝える物へと変わった。

 

「それってどういう⋯ うわっ!!」

振動が、甲板のアークスを襲う。

『こちら揚陸艇! 甲板上のアークスを回収する!!』

『皆さん、乗ってくださいっ!!』

「わ、わかった!!」

急行した揚陸艇へ、次々と飛び乗るアークス達。

 

「うわあっ⋯ !」

「うわ危っ⋯ !!」

アメリアスも、ステラと揚陸艇の甲板へ避難する。

「なっ⋯ あれは!!?」

不意に、タキが驚愕の声を上げた。

 

大和の艦橋が、緑色に輝く。

同時に鳴動する氷原に、白い(ヒビ)が入って行く。

「ま、まさか⋯ !!」

 

轟音が轟く。

砕かれた氷をはねのけ、大和の巨躯は進み出した。

 

嘗て駆けていた、凍りついた海原では無く。

ずっと見上げていた、青い空へと。




5/21
今週は後半を書くのが限界でした⋯

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