ファンタシースターオンライン2 「Reborn」EPISODE 4(休止中) 作:超天元突破メガネ
AP241:3/22 13:00
アークスシップ:ゲートエリア
帰還の後、サガ達と別れ、アメリアスはゲートエリアで、倉庫の整理を行っていた。
「えーっと、これはこっちで、、、」
ブツブツ呟きながら作業していると、不意に後ろから、声がかかる。
「あ!先輩!」
「押忍、先生っ!お久しぶりです!」
アメリアスが振り向くと、そこにいたのはニューマンの少女と、ヒューマンの少年。
「ロッティ!ルベルト!久しぶり!」
アメリアスは笑顔で、2人に駆け寄る。
2人は2年前、2人がまだアークス研修生の時に知り合った仲だ。
「もしかして、、、研修終わった?」
「押忍!もう自分たちも、正規のアークスです!!」
「おお!おめでとさん!今はどこ行ってたの?」
「実地修了試験の前の哨戒任務です、、、そろそろ、試験も終わる頃だと思うんですけど、、、」
ちらちらとゲートを見るロッティ。
「あ、、、!あの子です、あの子!!」
「隠れましょう、なんとなく!」
倉庫裏のフェンスに、3人が隠れる。
「どれ、、、?」
「あの、、、あ、先輩そっくりの髪の子です」
ロッティが指した方向にいたのは、アメリアスと同じ銀髪の少女。
下にアンダーアーマーでも着込んでいるのか、ほとんど露出のないエーデルゼリンを纏い、右が緑、左が青の瞳で、きょろきょろ辺りを見回している。
「デューマン、らしいんですけど、、、角が無いんです、、、聞いたところじゃ、2年前まで意識不明で、5年近く眠り続けてたとか、、、」
「噂なので、真偽はわからないっすけど。そういえばあの子、何処と無く先生ににて、、、先生!?」
ルベルトが横を見ると、いつの間にかアメリアスが消えている。
「ステラーーーーーーーーーッ!!!!!」
アメリアスは一気に飛び出すと、少女に抱きついていた。
「せ、先生ーーーーーーーッ!?」
そのままゴロゴロともつれあい、テレポーターに転がっていく2人。
そのまま、ショップエリアの二階に転送される。
「ぎゃあああああああっ!!!」
近くに居合わせた黄色いキャストの足元で、2人は停止した。
「せ、先輩、、、!?」
追いついたロッティとルベルトの前で、2人ががばっと起き上がる。
「うえええええん!会いたかったああああ!」
少女に抱きついたまま、大泣きするアメリアス。
「おーよしよし。泣くな泣くな」
少女はそんなアメリアスを、ポンポンと撫でている。
「えーっと、知り合い、なんでしょうか、、、?」
ロッティが首を傾げていると、
「知り合い以上ですよ。お二人は。」
先ほどのテレポーターから、メディカルセンター職員、フィリアが歩いてきた。
「フィリアさん、、、?」
「彼女は、、、ステラさんは、アメリアスさんの妹さんです。」
「妹、、、!?」
フィリアは頷いて、
「はい。7年ほど前の事故で、意識を失っていたんですけど、アメリアスさんが入隊した頃に、目を覚ましていたんです。もっとも、研究部の医療施設から出られなかったので、ずっと会えてなかったんですけどね」
するとアメリアスが、ステラを連れて、顔を赤くして戻ってきた。
「す、すいません!取り乱してしまって、、、」
「姉ちゃんが大げさ過ぎるんだよ、、、ごめんね、フィリアさん」
「仕方ない事です、大丈夫ですよ。でも、ステラさんにはメディカルチェックを受けてもらいたいので、来て下さい」
「はーい。それじゃあ姉ちゃん、また後でー」
フィリアと一緒に、ゲートエリアに戻っていくステラ。
アメリアスはしばらくそれを見ていると、突然慌てて、
「ああそうだ、シエラさんが話があるって、、、ごめんね2人とも!」
「自分たちも報告があるので、失礼します!」
アメリアスは2人と別れ、再び艦橋に向かった。
AP241:3/22 13:25
アークスシップ:艦橋
私が艦橋に戻ると、シエラさんは仕事中だった。
無数のウインドウに目をやり、ひたすら操作している。
その姿を眺めていると、私に気づいたらしく、シエラさんが驚いて振り向いた。
「わわ!アメリアスさんいつの間に!?」
「えーっと、1分ほど前から、、、まあ、存在感が薄いとは、よく言われるんですが、、、」
「そ、そんなこと無いですって!、、、ところで、久々の任務はどうでしたか?」
「問題なかったです。まあちょっと、ブーストかけた時に制御が効かなかった、、、くらいですね」
シエラさんはふむふむ、と頷くと、
「何か気になることがあったら、なんでも相談して下さい、、、っと、そろそろ本題に入りましょう」
シエラさんの手の上に、小さなウインドウが現れる。
「アメリアスさんに頼みたい任務について、アークス新総司令からの大切なお願いです。」
そ、総司令、、、!?
ウインドウに広がる、「sound only 」の文字。そして、、、
「久しぶり、ウルクだよ。私のこと覚えてる?あれよあれよという間に、総司令にされちゃいました。」
「ちょい待てええええええええい!」
思わず叫んでしまった。シエラさんが慌てて音声データを停止する。
「え!?ウルクって、え!?」
ウルク、、、ルーサーの事件の後、アークスを変える為に頑張っていた、私の友人。
確かあの事件の後、アークスの管理、運営を行っていると聞いていたし、何度か見かけはしたが、、、
「いや〜、ここまでいいリアクションが貰えるとは。ウルクさんにも直接見てもらいたかったですね〜」
「期待してた!?まさかシエラさん、期待してました!?」
「そんなことは、、、でもとりあえず、今のアークスの体制から説明したほうがいいのかもしれませんね」
シエラさんが一度、ウインドウを切り替える。
「この2年で、アークスの組織体制は、抜本的に見直されました。現在は、総司令をウルクさん、司令補佐をテオドールさんが務め、、、」
樹形図型の表の、右端を指し示し、
「『六芒均衡』の皆さんには、各部署の司令をやってもらっています」
「、、、あれ?シャオ君は?」
「シャオは、私達シップ管理官を創ったのち、マザーシップで集中演算に入りました。」
するとシエラさんは、ウインドウを閉じて、
「えへへ、、、実は凄いんですよ、私!こう見えて、作られてまだ2年くらいなんですけど、心も体も最初から大人です!」
にこっと笑って、謎のポーズを決めるシエラさん。
「なお、人格形成はウルクさんを基にしたとか」
「あ、通りで、、、」
彼女に会ってからずっと抱いていた既視感の謎が、これで解けた。
「そして、これとは別に、
「『守護輝士』、、、?」
「はい。どの部署にも属さず、独自の判断による行動が許される、2名のアークス、、、貴女と、マトイさんです」
「私が、、、」
「そしてそしてこの私、アークスシップ管理官シエラは、『守護輝士』専属オペレーターも務めているんです!」
一通り説明が済んだようで、またイスに座るシエラさん。
「以上、説明終わりです。というわけで、任務説明の続きをどうぞ」
停止していた音声データが、再び再生される。
「本当は直接会いたかったんだけど、シャオに色々押し付けられて、忙しくてさ。
声だけになっちゃってごめん。きちんと会うのはまた今度ね」
「、、、」
「まあ、積もる話は置いといて、、、今日は、貴女に頼みたい事が有るの」
ウルクの話が、本題に入る。
「最近、、、正規のアークスとは思えない、出自不明のアークスが、ちらほら現れてるんだ。」
「出自不明、、、?」
「情報部に調べてもらってるんだけど、カスラがさ、ちゃんと報告してくれなくて、なーんか隠してる感じなんだよね。そこで、貴女にも別口で調査をしてもらいたいの」
「カスラさんか、、、」
思い浮かべるのは、1人のニューマンの男性、、、情報部司令、「六芒の三」カスラ。
正直な所、確かに胡散臭い人だ。
「怪しいアークスの目星はついてる。ちょっとの間、付きっ切りで監視してくれないかな。
起き抜けでこんなお願いして悪いけど、『守護輝士』である貴女が動くなら、カスラも何も言えないはずだから、、、よろしくお願い!」
その声を最後に、ウインドウが、静かに消えた。
「以上、総司令からの連絡でした、、、なるほど、そういう理由だったんですね、、、」
「ウルク、、、なんか元気なかったような、、、」
私が漏らすと、シエラさんも頷いて、
「ウルク総司令、シャオからの指令系統を引き継いで、とっても大変そうだったので、、、件の任務、私からも、お願いします。」
「勿論です。あんな胡散臭い人に任せてられません、、、それで、具体的には?」
「まずはこの後、総司令からの任務ということで、ターゲットを出撃させ、、、そこに、アメリアスさんが同行します。」
「任務の内容は?」
「ナベリウス遺跡エリアの、ダーカー鎮圧になります。出撃は14:15です。準備が出来たら、また艦橋に来てください。」
シエラさんの後ろの時刻表示をチラッと見る。あと30分弱だ。
「了解しました。すぐに準備します。では、、、また後で」
私はシエラさんに一度別れを告げ、テレポーターでゲートエリアに戻った。
倉庫で装備品の確認をした後、下に降り、メディカルセンターの前を通りかかる。
「あ、姉ちゃん!」
すると、私と同じ銀髪の少女、、、ステラが声をかけてきた。
「メディカルチェックは?」
「問題なかった。姉ちゃんは任務?」
「うん。総司令直々に、ね」
へ〜、と感心する妹の、緑色の瞳を見る。
「、、、本当に、よかった。またこうやって話せて、、、」
「私もだよ。姉ちゃん。」
するとステラは、こちらに右手を差し出した。
「、、、約束して。これから、一緒に居てくれるって」
「、、、当たり前でしょ。約束する。」
ぱん、とお互いの手を握る。
「おっと、そろそろ行かなきゃ。」
「頑張れ〜」
ステラに手を振って、近くの上下移動用カタパルトに乗ろうとした、その時、
「アメリアスさん!」
ゲートカウンターの方から、フィリアさんが走ってきた。
「フィリアさん?」
「間に合ってよかった、、、伝えておかないといけないことが、、、」
フィリアさんは不安げに、私を見る。
「アメリアスさんは今、コールドスリープによって、ダーカー因子が殆ど洗い流されています、、、なので」
「、、、そうですよね。注意します。」
「はい、、、くれぐれも、気をつけてください、、、では、これで」
「ありがとうございます、、、行ってきます!」
私はカタパルトに乗り、艦橋へと向かった。
キャラクター紹介3
「ステラ」(オリジナル)(アークス)
age:16 high:150 weapon デュアルブレード-NT(デュアルブレード)
costume:エーデルゼリン
アメリアスの実妹である、アークスになりたてのデューマンの少女。
姉とは対照的な、少々いい加減な性格。
姉がジェットブーツ使いなので、対抗してデュアルブレードを使っている。
デューマンにもかかわらず角がない。