ファンタシースターオンライン2 「Reborn」EPISODE 4(休止中)   作:超天元突破メガネ

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投稿が遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした。


SB0ー1「惑星ループ」

AP241:3/22 11:30

アークスシップ:ショップエリア

 

アークスシップ臨戦区域、アークス・ロビーの下層に位置する、ショップエリア。

店舗の集中するこのエリアは、普段から多くのアークスで賑わっている。

また1人、アークスが来たようだ。移動用テレパイプが開く。

しかしその時、、、その場にいたアークスの視線が、一斉にテレパイプに集まった。

「ふーん。あんまり変わってなくて、よかった、、、」

出てきたのは、長髪のデューマンの少女、、、アメリアス。

周りの視線に気づくことなく、てくてくショップエリアを歩き回る。

「あ、、、センパイ!?」

すると、短髪のデューマンの少女が、アメリアスに気づいた。

「イオ!久しぶり!!」

「久しぶり、、、元気そうで、安心したよ。」

「もう、、、大袈裟だよ」

イオはムッとした顔で、

「待つ側からしたら、長かったんだぞ。センパイがいない間も、いろいろあったし。」

「、、、そっか。私がいない間も、頑張ってくれてたんだもんね、、、」

改めて、目の前の後輩の顔を見る。

この2年で、彼女は大きく成長したようだ。

「イオ、、、なんだか、大人になったね」

アメリアスからすれば、本心からの言葉だったのだが。

「ちょっ、、、いきなり変なこと言うなよセンパイ!そもそもセンパイとおれ、同い年じゃないか、、、」

どう受け取ったのか、顔を赤らめるイオ。

「はあ、、、センパイ、全然変わらないな」

「まあね、、、そうだ聞いてよイオ!私寝てる間にこっそりポッドに放り込まれたんだよ!いくらなんでもあんまりじゃない!?」

「あ、あれ成功したんだ、、、」

「ん?」「ああなんでもない!それよりさ、センパイまだ本調子じゃないんだろ?一度、ナベリウスの探索にでも行かないか?」

イオが慌てる様子を不思議に思いながら、アメリアスは頷いた。

「うん、いいんじゃない?じゃあ準備するね」

「よし決まり!あ、センパイの倉庫ロックしてあるから、マイショップのパス入れて使って」

「はーい」

アメリアスはイオと別れ、ゲートエリアに向かった。

 

AP241:3/22 11:43

惑星ナベリウス上空:キャンプシップ

 

アークスの活動圏内にある、緑豊かな惑星、ナベリウス。

知的生命体の存在は見られず、多種多様な原生種が闊歩している。

「着いたね、センパイ」

ずっと窓を見ていた私は、イオの声に振り返る。

「うん。なんだか懐かしいよ、この景色」

出撃ゲートが開くのを確認して、ジェットブーツ、、、「リンドブルム」を装備する。

そしてイオと、シップ中央に立った。

「じゃあ、、、行くよ!」

「任せろっ!」

一気に駆け出し、プール状のテレパイプに向けて、思いっきりジャンプする。

テレパイプに飛び込むと、一瞬で、ナベリウスの地面に転移した。

「よーっし!全力で行くよ!」

今回は探索任務。一帯を巡回しつつ、最深部の対象を排除する。

森の中を進んでいくと、すぐに小型原生種「ウーダン」の群れと、有翼種「アギニス」が現れる。

「イオ!ウーダンお願い!」

イオがチャージする横で、後方に宙返り。

同時にジェットブーツが起動し、青い刃を展開する!

「グランヴェイヴ!」

アギニスに突撃し、連続蹴りを浴びせる。

アギニスが墜落すると同時に、イオの放った矢が、ウーダンを貫いた。

「それそれ!先行くよ!」

そのまま突進を連発し、一気に進む。

「ちょっセンパイ早い!」

蓄積フォトン切れで着地すると、そこは開けたエリアだった。

「さってと、、、あれ?」

目の前を見ると、1人の男性が、何かと戯れている。

「、、、ビューティフル。なんて美しいんだ、、、この文句のつけようのないフォルム。完璧以外の言葉が見つからない、毛並み、、、!」

アークスなのだろうが、、、こちらには、全く気付いていないようだ。

よく見ると、戯れているのは、 桃色の毛と長い角をもった、見たことの無い生き物。

「そして何よりも、僕の事を愛し、常に寄り添うこの従順な姿、、、エレガント!!」

「えーっと、何なさってるんですか、、、?」

私が声をかけると、

「おっと、そういえばさっきからいたけど、君は誰だっけ?いやはや失礼。僕はこの子達以外の事には、ほとんど興味が無いものでね」

、、、どうやら、こちらには気づいていたらしい。というか、今変なこと言わなかったか、、、?

私が混乱していると、不意に肩がつんつんと突かれた。

驚いて振り向くと、さっき置いてきてしまったイオの姿。

「まったく、置いてくこと無いだろ、、、それと、この人はピエトロさん。つい最近できたクラス『サモナー』の創設者だよ」

「サモナー、、、?」

アークスは、自身のフォトン傾向に合わせた戦闘スタイル、、、「クラス」を選択する。

熟練のアークスが、新しい「クラス」を設立することもあるのだ。

「そう!僕の名はピエトロ!そしてこの子が、僕の愛するカトリーヌさ!」

生き物、、、カトリーヌを撫でながら、自己紹介するピエトロさん。後ろからはわからなかったが、私と同じデューマンだ。

「ところで、見ない顔だけど、、、名前は?」

「ああはい、アメリアスといいます、、、」

「君はサモナーを知らないみたいだからね、ぜひ説明させてくれ、、、サモナーは、さっきイオ君が言ってくれた様に、ここ最近設立された、新たな選択肢さ」

するとカトリーヌがこちらにやってきて、ぴょんと飛び跳ねた。

「おっと!」

思わずキャッチすると、腕の中で丸くなる。

「最大の特徴は、この子達!僕等はこのタクトで、愛する子と共に戦地へ赴き、戦うんだ!」

そう言って、ピエトロさんが取り出したのは、細い棒の様な武器。

「皆はこの子達をペットと呼ぶが、、、僕にとっては愛しい子!何にも代え難い、愛すべき子達さ!」

当のカトリーヌは、腕の中で、ぷわっとあくびをする。

「どうだい?サモナー、やってみたくなっただろう??」

するとカトリーヌが、私の腕からびょっと飛び出し、

「ぎゃっ!」

真っ正面から、ピエトロさんに突進した。

「まったく、やんちゃさんめ、、、わかったわかった!じゃあ一緒に、カフェにでも行こうか!」

カトリーヌに蹴られつつ、ピエトロさんは笑って立ち上がる。

「それでは2人とも!良いサモナーライフを!」

そう言ってピエトロさんは、カトリーヌと一緒にキャンプシップの発着ポイントに向かう。

「、、、変な人。ペットは可愛いけど」

「結構はっきり言っちゃうんだね、センパイ、、、で、サモナーやってみたくなった?」

「うーん、、、保留かな」

私は答えて、また歩き出した。

 

AP241:3/22 12:08

惑星ナベリウス:森林エリア

 

探索任務というものは、往々にして長引く。

原生種を倒しつつ、アメリアス達はひたすら、奥へと向かって歩いていく。

「左手に隠した、願いは願いのままで、覚めない幻、見てた、、、」

「その歌好きだよな、センパイ。」

「うん、、、おおっとフォイエ!」

突然現れたガルフに、炎テクニックをぶつけると、ガルフは慌てて逃げていく。

「、、、あれ?」

「ガルフが逃げてった、、、ダーカーの影響を受けてなかったのかな?」

首をひねるイオ。すると、アメリアスが不意に頭を押さえた。

「、、、ちょっとやばいかな、、、」

「センパイ、、、!?」

イオは不安げにアメリアスを見て、気づく。

いつの間にか、周囲に赤い粒子が飛び交っている。

「まさか、、、!」

イオが呟いた、その瞬間。

地面から、黒い虫の様なエネミーが、大量に現れた!

「ダーカー!?しかもすごい数だ、、、!」

アメリアス達がいる水辺を覆い尽くす勢いで、ダーカーが湧いて出る。

「殲滅しか無い、、、やるよ、イオ!」

アメリアスが叫ぶと同時に、ジェットブーツが白く光りだす。

「チャージ、、、クリア!イル・グランツ!!」

数秒のチャージの後、ブーツから放たれた光条が、数体の「ダガン」を砕く。

するとリンドブルムの青い刃が、白く変化した。

「ジェットブーツギア、起動、、、モーメントゲイル!」

ジェットブーツの加速を利用した、左右への攻撃が、一気に群れを吹き飛ばし、

「バースサイクロンっ!」

そのまま回転攻撃に派生し、吹き飛ばした群れをまとめて巻き上げる!

「くそっ、小型は狙いづらい、、、!」

一方、バレットボウとは相性が悪い、小型エネミーとの近接戦に、イオは苦戦する。

「イオ!危ないっ!!」

「え!?」

ダガンの間から飛び出した浮遊系ダーカー、「ブリアーダ」が、イオに迫った、その刹那、

「ディストラクトウイング!」

突っ込んできた影が、ブリアーダを両断した。

「貴方は、、、!」

突っ込んできたのは、二本の剣、、、デュアルブレードを握り、桜色の戦闘衣を纏った、ニューマンの女性。

「大丈夫ですか、アメリアス様!!」

「、、、誰だっけ?」

「ど直球に忘れられてる!?カトリです、カトリ!」

「ああ思い出した!という事は、、、」

呟いたアメリアスの真横で、爆発が発生し、ダガンの一団が吹き飛ぶ。

「意外と、腕は落ちていない様だな」

その中心にいたのは、鋼色の装甲に包まれたキャスト。

「サガさん!」

「久しぶりだな、アメリアス。とりあえず、今はこの状況を突破するぞ」

「了解、、、!イオ!動ける!?」

「ああ!距離が取れればこっちの物だ!」

カトリが至近距離を抑え、イオはバレットボウで、一気にダーカーを撃ち抜いていく。

「「はああああああああっ!!」」

ジェットブーツを装備したサガとアメリアスが一気に突撃、範囲攻撃でダーカーを蹴散らした。

「殲滅成功、、、!」

「ありがとうございました。サガさん、カトリさん」

「アメリアス様、ご無沙汰しております!このカトリ、バウンサーを伝え、広め!ついに伝説となりましたわ!」

「、、、寄せられた苦情の数で、だがな。しかし、バウンサーもやっと、普遍的な広まりを見せてきた」

「そ、そうですか、、、」

相変わらずの2人を見て、アメリアスは苦笑する。

この2人は、二年前に新設されたクラス「バウンサー」の創設者。ちなみにジェットブーツとデュアルブレードは、バウンサー用の装備である。

なお見ての通り、アメリアスのクラスもバウンサー。

カトリの強引な勧誘を喰らい、ハンターから乗り換えたクチだ。

「とりあえず、お二人も探索任務の様ですね。ここは共闘といきませんか?」

「ああ、それで行こう。カトリも構わないな?」

「はい!無論です!!」

「2人がいるなら心強いな、センパイ」

こうして4人になったパーティーは、再び最深部へと進み始めた。

 

AP241:3/22 12:20

惑星ナベリウス:森林エリア

 

「さて、だいぶ奥まで来ましたね、、、」

深くなっていく森を、4人で歩く。

「そろそろ最深部のはずだ」

すると森を抜け、広いエリアに出た。

「到着、、、っ!大型原生種の反応ありっ!!」

イオが叫んだ直後、森の中から大型原生種「ロックベア」が現れる。

「こいつが討伐目標だ、どうする、アメリアス」

「イオは後方から頭部を狙撃。私たちは直接、弱点を狙いに行きます」

「了解、、、来るぞ、センパイ!」

こちらに気づき、腕を打ち鳴らすロックベア。私は冷静に、ブーツを起動する。

「ギアチャージ、、、フォイエっ!」

大きく飛び上がり、ロックベアの頭部に炎弾を叩き込む。同時に、ブーツの刃が紅くなった。

「さあ、行きますよ!」

「手早く済ませる、、、!」

サガさん、カトリさんが、ロックベアと距離を詰める。

「妥協はしないっ!エレメンタル・フューリースタンス!さらにラピッドブースト!」

ブーツの光が激しくなり、私の周りを光が渦巻く。

「はっ!」

繰り出す「グランヴェイヴ」は、ブーストにより、凄まじいスピードでロックベアに突き刺さる!

しかしロックベアは腕を振り上げ、大きく振り回す。

「おっと!」

私がバックターンで回避すると、ロックベアは体勢を崩し、転んだ。

「チャンス!喰らいなさい、ケストレルランページ!」

下にいたカトリさんが、自分の周囲にフォトンの刃を展開し、ロックベアの頭部に突き刺していく。

「それなら!ストライクガスト!」

私は空中で一回転すると急降下、ロックベアにかかと落としを叩き込む。

同時に赤いフォトンが伝播し、カトリさんとサガさんの攻撃力を底上げした。

するとロックベアが起き上がり、また暴れ出す。

「無駄だっての!」

私はまたグランヴェイヴで、ロックベアの頭部に肉薄し、蹴りを入れる。

これこそが、バウンサーの戦術。

バウンサーが得意とするのは、高機動戦闘。

空間を駆け回り、的確に相手に接近、属性変更のギアや、様々なスキルで弱点を突き、優位に立つ、、、!

「こっちも忘れるなよ!!」

後ろではイオが、全力の一撃の為、弓を引き絞る。

「ラスト、、、ネメシス!」

放たれる矢。しかしロックベアは起き上がり、着弾は腹になってしまった。

「あっ、、、」

「大丈夫です!機は逃しません、スターリングフォール!」

カトリさんが周囲にフォトン刃を展開し、一気に飛び上がる。

「もう一発!」

再びケストレルランページが繰り出され、フォトン刃が突き刺さる。

「決めるぞ、アメリアス!」

「はい!サガさん!!」

空中でギアをブーストさせ、エネルギーをブーツに収束させる!

「「ヴィントジーカー!!!」」

全力の蹴りが、ロックベアの巨躯を吹き飛ばした!

そのまま岩盤に激突し、ロックベアは動かなくなる。

「任務完了!」

「お疲れ様、センパイ!」

着地した私の元へ、イオが駆け寄る。

キャンプシップが終了を確認し、帰還用テレパイプを配置した。

「お二人も、ありがとうございました」

「ああ、、、そうだアメリアス、少しいいか?」

テレパイプに向かおうとした私を、サガさんが引き止める。

「?」

「話しておきたい事がある、、、最近、お前の活躍を見て、戦術の多様性を模索するアークスが増えている、、、いい兆候だ」

「私の、、、?」

「ああ。お前のおかげだ、、、何か困った事があったら言ってくれ。力を貸そう」

「、、、ありがとうございます」

サガさんにお礼を言ってから、またテレパイプに向かう。

すると私のデバイスが起動し、ストーリーボードを開いた。

「わっ、えちょっ、、、」

ストーリーボードを見ると、空欄だった場所に、先ほどの任務が書き込まれている。

「、、、なるほど。そういう事なんですね」

私はストーリーボードをしまい、今度こそテレパイプに入った。




キャラクター紹介2
「イオ」(NPC)(アークス)
age:18 high:144(推定) weapon エーデルイーオー(バレットボウ)
costume:エーデルゼリン
アメリアスの少し後にアークスになった、デューマンの少女。
アメリアスの事を「センパイ」と呼び、慕っている。
バレットボウを極めるまで使うと言っており、エーデルイーオーの開発には彼女の意見が取り入れられたとか。
あと、女の子扱いすると怒る。

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