ファンタシースターオンライン2 「Reborn」EPISODE 4(休止中) 作:超天元突破メガネ
AP241:3/25 19:12
アークスシップ:艦橋
アメリアスに連れられ、ヒツギは艦橋に来た。
「うわぁ⋯ !」
一見、アニメやゲームでイメージする
そこには、1人の女性が待っていた。
「あ⋯ 貴女は確か⋯ 」
「アークスシップ管理官、シエラです。お変わりない様で、良かったです」
かなり控えめにチューンされているが、キャスト特有のエコーがかかった声で、シエラが笑う。
「あの、えっと⋯ 」
混乱はしていたが、ヒツギは1つだけ気になっていた。
「来たこと⋯ 驚かないのね。まるで⋯ 来るのがわかってるみたいだった。」
びくっと、アメリアスの肩が動く。
「?」
「そ、それよりも! 本当にお身体大丈夫なんですか!? また幻創種に襲われていないかとか、とっても心配だったんですよ!?」
動揺を悟られないよう、切り返すシエラ。
『危ない危ない⋯ シエラさんナイス』
『アメリアスさんがわかりやすい人なのは知ってるので⋯ 』
片手間に、ヨハネスに返事をしていると、
「⋯ 心配、してたの? あたしを?」
きょとんとした目で、ヒツギがそう尋ねた。
「まあ、この間の任務の時は助けてもらったしね⋯ あ!」
アメリアスはそう言うと、思い出したように声を上げた。
「あの時は、本っ当にごめん!! 散々暴れた挙句、勝手に倒れたりして⋯ !!」
「いやあのっ、あの時はあたしも助けてもらったし⋯ 」
わたわたとヒツギが答えると、アメリアスはそーっと頭を上げて、
「ありがとう⋯ でも、本当に元気でよかった⋯ 」
ホッとした様子のアメリアス。
「そうですね⋯ あ、そうだヒツギさん、何か訊きたい事があるんですよね?」
するとシエラが、ヒツギにそう尋ねた。
「不肖シエラ、わたしに答えられる事なら、何でも答えますよ!」
「あー、うん、その⋯ 」
ヒツギは小さく息を吐いて、質問を投げかけようとする。
「それじゃあ遠慮なく⋯ 貴方達は、バグなの⋯ って、そうじゃなくて、ええっと⋯ 」
腕を組んで、考えこむ。
「貴方達は人間⋯ ってそりゃそうか⋯ どこに住んでるの⋯ ってそりゃここよね⋯ 」
いまいち質問がまとまらない。
「うーん⋯ あーいや、違う⋯ あーもう、なんて訊いたらいいの⋯ 」
1人で悶々と思案するヒツギ。
「ん〜! 訊きたい事が多すぎる! あたしは何を求めてるんだ〜!!」
「いやこっちに聞かれても⋯ 」
「えっと⋯ ヒツギさんと一緒にいる、アル君という子のことでしょうか⋯ ?」
「あ、とりあえずそれ!!」
シエラが助け舟を出すと、ヒツギは頷いて、
「⋯ あれ? 何でアルの名前知ってるの?」
「あ⋯ 」
(シエラさん⋯ )
アメリアスはしらっと目をそらした。
「まあいいわ⋯ あの子は⋯ アルは何者なの? こっち側の人間なの?」
「すみません⋯ それに関しては、不明です⋯ 情報が不足していて、こちらでは判断つきかねます⋯ 」
「そんな⋯ !」
アルという少年が、本当は何者なのか。
彼がどちら側の存在なのか。
人間なのかーーーーーそうでないのか。
ここなら答えが見つかると、心のどこかで期待していた。
「そん、な⋯ 」
告げられた不明という答えに、ヒツギが動揺していると、
「⋯ ヒツギさん」
「アメリアス⋯ ?」
「ヒツギさんは⋯ どう思っているの?」
アメリアスが、そう尋ねた。
「どうって⋯ 」
「質問を変えようかな。ヒツギさんは⋯ 何であって欲しいの?」
「あたしが、アルが何であって欲しいか⋯ ?」
一見、不可解とも言える問い。
(アルは⋯ バグのはずなんだ。ここにある⋯ 不可解な状況全てが、バグのはずなんだ。
だって、マザーがそう言っていたから⋯ そのはず、なのに⋯ )
その時、ヒツギは気づいた。
ずっと、自分で封じていた答えに。
(⋯ マザーの言っていることが、本当に正しいの⋯ ?)
『ヒツギさんは、何であって欲しいの?』
この問いは、答えを求めたのではない。
ただ、ヒツギに考えて欲しかったのだ。
絶対にあり得ない⋯ そう思い込んでいた、気づかざる方向の答えを。
「⋯ ごめん、アメリアス。あたし、かなり混乱してるみたい⋯ 頭の中、ぐっちゃぐちゃ」
苦笑して、とりあえずの答えを告げる。
「ちょっと整理する時間が欲しいから⋯ 今日はもう、帰るね」
アメリアスは、納得したように頷いた。
「うん⋯ また来てね、ヒツギさん」
「こちらはいつでもいいので、気軽に尋ねてください」
ヒツギは頷くと、メインメニューを展開する。
2人の目の前で、ヒツギは光に包まれ、姿を消した。
AP241:3/25 20:00
アークスシップ:艦橋
「⋯ 本当に消えちゃいました」
唖然とした様子で、シエラさんが呟く。
「流石ですね、アメリアスさん。さりげなくヒントを与えちゃうなんて」
「⋯ いえいえ、彼女が今するべき事を示したまでです⋯ ふわぁ」
不意に、あくびが出た。
時刻を見ると、思いの外経っている。
「ん⋯ 今日はもういいですか?」
「あ⋯ はい、お疲れ様でした」
『お疲れ様ー』
艦橋を出て、私はゲートエリアに戻って来た。
「つっかれたー⋯ でも、ちゃんと話ができて良かった⋯ 」
マイルームに戻ろうと、歩き出して、
「あ⋯ ! あのっ!!」
不意に声をかけられ、慌てて振り向いた。
「すいません、フレンドを探してるんですけど⋯ 」
(こ、この人⋯ !?)
そこにいたのは、まさかのコオリさん。
「ヒツギっていうアークスなんですけど⋯ 」
(やっぱり〜!!)
ヒツギさんといえば、さっきログアウト? してしまったばかりだ。
「ど⋯ どんな格好の方?」
「あ⋯ えっと⋯ 赤毛のポニーテールで、青いニットのセーターを着てます」
ど、どう答えるべきだろうか⋯
「えーっと⋯ ごめん、ちょっとわかんないな⋯ 」
たどたどしく答えると、コオリさんはそうですよね、と肩を落とした。
「ありがとうございます。では⋯ 」
しょんぼりと歩いていくコオリさんを見送って、改めてマイルームに戻ってくる。
「お帰り⋯ マスター⋯ 」
「ただいま。例のやつ、集まった?」
サポートパートナーのリオに尋ねると、リオはこくっと頷いて、物資保存用のケースを取り出した。
「カフェの依頼のやつ⋯ 集まった」
「集まった!? ありがと〜!!」
カフェのフランカさんからの依頼を、リオに手伝ってもらっていたのだが⋯ 予想以上に、リオは頑張ってくれたようだ。
「眠⋯ 今何時?」
「8時過ぎ⋯⋯⋯ 寝るには早い」
「⋯ ですよねー」
リオには筒抜けだったようだ⋯
「うーん、特にすることもないしな〜 」
ベッドに座り、適当に部屋を見渡す。
手慰みに、棚からラッピーのぬいぐるみを取って撫で回していると、メールの着信音が鳴った。
「?」
差出人は、「アークス戦闘部」⋯ と言われても、2年間寝ていた身としては、なんの内容か検討もつかない。
「どれどれ⋯ 」
メールを開くと、こう綴られていた。
『subject:
第一次東京調査に参加したアークスへ
調査報告書の提出期限が、本日23:59まで
となっております。
未提出のアークスは、速やかに提出をお願
いします』
「しまったー! すっかり忘れてたー!!」
そういえば昨日の調査は、探索情報だけでなく、出現した幻創種の特徴、戦闘や環境についての所見をまとめて各自で報告することになっていた。
要は「レポート」というやつだ。
「だーもうっ! なんでアークス個人でこういうのさせるんだかー!!」
「攻撃方法とか⋯ 戦闘におけるエネミーの情報は⋯ 直接戦った人が、一番よくわかるから⋯ 」
「むぅ⋯ 」
確かにリオの言う通りだったりする。
「あと⋯ 3時間半くらい!? もう⋯ ぱぱっと書いてやる!」
ワープロを立ち上げ、作業を開始する。
「えーっと、任務中は晴れてたし⋯ そうだ、ダッシュパネル危ないって書いとかなきゃ⋯ 」
適当に仕上げるつもり⋯ だったのだが。
「うーん、弱点情報くらいは纏めとこうかな⋯ 」
だんだん、密度が濃くなっていく。
⋯ 結局、凝り性な
「R.O.C.K.E.T」
飛び立ったのは、何?