ファンタシースターオンライン2 「Reborn」EPISODE 4(休止中)   作:超天元突破メガネ

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SBと書きましたが、実際のストーリーボードと対応はしていません。



0章 ずっとこの日を待っていた
SB0ー0「AGAIN」


AP241:3/22 10:30

アークスシップ:メディカルセンター

 

目を開けると、私は狭い個室にいた。

個室、、、というより、1人用のポッドの類だろうか。薄暗く、一面、金属の壁に覆われ、一歩分の余裕も無い狭さ。

そして、、、妙に寒い。

「え、えーっと、、、」

ふと、そんな声が出た。混乱しているから仕方ない。

私が動けないまま狼狽えていると、突然、プシュっという小さい音がした。

そしてそのまま、私の目の前の壁が下がっていき、ポッドを光が満たしていく。

やがて壁が完全に下がり、外に出られるようになった。

「、、、?」

とりあえず、外へ出てみる。

そこは、自分が入っていたのと全く同じ、無数のポッドが並ぶ部屋。両側には窓があり、広い宇宙の景色を映している。

ふと窓を見ると、1人の少女が映りこんでいる。

銀髪を背中まで伸ばし、儀礼用の服装をもとにデザインされた、黒い「エーデルゼリン」を着た少女。

きょとんとした青い瞳は、右だけが幾何学模様を描き、胸元からは身体中に刻まれた黒い文様が見え、短い角が前髪から顔を出している。

それは映りこんだ少女、、、私が「デューマン」である証。

「さーん、、、アメリアスさーん!!」

そのまま外を眺めていると、不意に、聞きなれない声が私の名を呼んだ。

振り向くと、そこにいたのは、桜色のアークス職員用制服、「フロンティアリード」を着た、金髪の女性。見たところヒューマンだろうか。

「おはようございます。無事目覚められたようですね。お体に異常はありませんか?」

彼女は尋ねながら、ウインドウを開く。どうやら私のバイタルデータの様だ。

「なるほど、ダーカー因子も綺麗さっぱり消えてますね。」

「あの、、、貴女は、、、?」

私が控えめに尋ねると、

「あ、、、すいません!自己紹介がまだでしたね、、、私、アメリアスさんの専属オペレーターになりました、シエラです!」

「はあ、、、」

「あれ?もしかして、記憶が曖昧だったりします?医療部から、そうなるかもとは言われてるんですが、、、」

「いえいえ!そんなことは無いんですけど、、、」

私は必死に否定する。

事実、私の記憶に抜け落ちはない。ただ一つ、、、ここに入った時の記憶を除けば。

「そうですね、、、お話したいことが幾つか有るので、とりあえずついてきてください。」

そう言うと、女性、、、シエラさんは歩き出す。

私は、その態度にどこか既視感を覚えながら、彼女についていった。

 

AP241 3/22 11:00

アークスシップ:艦橋

 

私がシエラさんに連れられて来たのは、アークスシップの中枢とも言えるエリア、、、艦橋。

シエラさんは中央にある大型モニターの前に立ち、話し始める。

「なるほど、記憶の欠落は起こってない様ですね。では、『深遠なる闇』撃退作戦の事も覚えていますか?」

私は頷いた。あの時のことはよく覚えている。

かつて亜空間に封印された【深遠なる闇】が残した4体の「ダークファルス」の力が集まり、さらに「仮面」と呼称された、特異なダークファルスを依代に顕現しようとした「深遠なる闇」。

しかし、私達アークスとの戦いの後、最後には「仮面」の力で自分自身の時間を巻き戻され、その顕現は防がれた。

「現在、【深遠なる闇】をめぐる緒戦から、2年の時が経っています。」

「にね、、、っ!?!

に、2年!?

待て待て待て、落ち着け私、、、ここはシエラさんの話を聞いて、、、!

「驚かれるのももっともです。あの戦いの後、ダーカー因子の集中除去のために、アメリアスさんはコールドスリープに入ったんです、、、2年なんて一瞬だったと思います。」

ダーカー因子、、、私達アークスの敵、ダーカーの持つ、あらゆる物を侵食する、恐ろしい性質。

確かに、私はダーカー因子が異常蓄積していたので、何か策を講じるとは聞かされていたが、、、!

「あの、、、私、コールドスリープに入った時の記憶がさっぱり、、、」

「それなら、、、アメリアスさんが眠ってらした時に、こっそり運び込んだそうなので」

や、、、やられた!

私はとある「事情」で、常人よりも休息を必要とする身体になっている。

当然、寝てしまえばそう簡単には起きない。

「貴女が眠っている間も、【深遠なる闇】との戦いは続いていましたが、、、ご安心ください!アークスは健在、宇宙も健在です!」

艦橋を覆う大型の窓から見えるのは、変わり映えのない、宇宙の姿。

やや混乱は残るが、とりあえず私は、そのことには安堵した。

「そしてついに、貴女の復帰、、、これでもう、アークスは万全の態勢です!!」

するとシエラさんは、今までのテンションから一転、困った様に、

「でも、そう簡単にはいかないってのが、世の常なんですね、、、」

「と、、、言うと?」

「ダーカー因子の除去が終わったばかりの貴女を、すぐ起こす形になってしまったのは、理由がありまして、、、」

そう言うと、シエラさんは思い出した様に顔を上げた。

「あ、その前に、、、これを渡しておきますね!貴女の為の物語を紡ぎ出す物、、、その名も、ストーリーボードです!」

「ストーリーボード、、、?」

若干困惑しつつも、それを受け取る。

「マターボード」にも似ているが、こちらはただ空欄。

「まあ、いろいろあるんですが、いきなりお話してもなんですし、、、少し、シップを回ってみては?皆さん、貴女の復帰を待ってましたし!」

やや強引に話をまとめつつ、提案してくるシエラさん。

しかし、こちらとしても、2年がたったアークスの姿は気になるところだ。

「そうですね、、、ありがとうございます。えーっと、どこから出れば、、、」

「あ、真後ろがテレパイプになってます」

私が近づくと、すうっと壁が開き、テレパイプが現れる。

若干不安を抱きつつ、私はテレパイプにアクセスした。

 




キャラクター紹介1
「アメリアス」(オリジナル)(アークス)
age:18 high:158 class:バウンサー
weapon:リンドブルム(ジェットブーツ) costume:エーデルゼリン
今作における主人公(安藤)で、種族はデューマン。
EP3の戦いの後、寝ている間にこっそりポッドに運ばれ、いつの間にか2年も眠ってしまっていた。
性格は至極真面目(自称)で、やや正義感が強すぎることも。
クラスはバウンサーで、ジェットブーツ「リンドブルム」を使い、様々なテクニックを織り交ぜて戦う。
好きなものは昼寝。嫌いなものは曲がったことと「全知」。

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