東方高次元   作:セロリ

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72話 タイミングが悪い……

アレはあまりにも異質な人間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

折れた……………………。この、罪人を裁くための悔悟棒が…。

 

あまりの突然のことに私は固まってしまい、しばらく口を開けたままでいるしかできなかった。

 

確かにこの悔悟棒は、刀と渡り合うほどの強度を持ってはいないが、生物を叩く程度の事で折れるほどヤワなモノではない筈なのだ。

 

しかし、実際にはこんな無残にポッキリと折れてしまっているのである。

 

私は即座に耕也が何かをしたのだと判断した。だが、その判断をしたとしても、耕也がどんな力を使ったのかが皆目見当つかない。

 

見た所、この男には霊力というモノが全くないのだ。どんなに目に神力を通しても彼から霊力はおろか、魂の欠片すらも見えないのだ。

 

その事実を目の当たりにした途端、私は突然恐怖に駆られてしまったのだ。一体本当に何者なのだろうか? と。

 

陰陽師であるからには霊力があるのが必須。魔法使いのように魔力を使用していたのならば、即座に異端として扱われていたはずである。

 

しかし彼からは魔力を感じはしないし、妖怪との密通によって追いやられてきたのだからその線は低いだろう。

 

ただ、それでも分からない部分はかなりある。

 

何故霊力や魔力を持っていない人間が不老なのだろうか? という部分。

 

また、一体何の力が作用して私の行使する力を全て遮断してしまっているのだろうか?

 

私は、目の前で呆気に取られている耕也を後目に、私は再び手元にある浄玻璃の鏡を見直す。

 

結果は……やはり見えない。

 

念のために霊視をしながら見たのだが、それでも全く見えない。耕也の事を単独で見ると、ただ自分の顔が見えるだけの、何の変哲もない手鏡となってしまっている。

 

私はそれを見て、自分の中の質が劣っているのだろうかということすらも感じてしまうほどであった。

 

それほどまでに、綺麗な手鏡と化しているのだ。決してあってはならない自体が今目の前で起きてしまっているのだ。

 

その事が今まで経験したのことない事あったためか、それとも閻魔としての仕事を邪魔されたのか、はたまた自分の自尊心を傷つけられたのか、それとも…………この男に恐怖を抱いたためなのか……。

 

私はどの理由なのかもわからないまま、怒りが生じてきてしまい、その場で怒鳴ってしまう。

 

「あなたは……一体どこまで閻魔を愚弄すれば気が済むのですか!?」

 

柄にもなく、生きている人間に対してそう言ってしまう。

 

対する耕也は、私の言った事に対して怒るようなことはなく、むしろ申し訳なさそうな顔をして頭を深く下げてから上げ、謝罪してくる。

 

「……こればっかりは私にも譲れない部分があるのです。知られたくはない部分もあるのです……どうかご容赦のほどを。申し訳ありません」

 

そう言って再び深く頭を下げてくる。

 

私は耕也の態度に呆気に取られてしまい、次の瞬間にどう反応していいやらわからなくなってしまい、力が抜けるように椅子に座ってしまう。

 

そして先ほどの自分の行為を思い返しながら、自分を恥じる。

 

一時の感情に任せて何をカッカと怒っているのだろうか? と。

 

私は掌で目を覆い、呆れとも落ち込みともつかないため息を吐きだし、耕也に言う。

 

「…………すみません。少し血が上ってしまっていたようです。……また後日御伺いします」

 

そう言って私は耕也の顔も見ずに部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映姫が出ていったのを見て、俺は思わず安堵のため息を吐く。

 

もしあのまま映姫が引いてくれなかったら、戦闘になっていた可能性があったのだ。

 

映姫の怒りは、やはり突然の力の妨害によるものだったのだろう。本来ならば、悔悟棒は罪人の罪をその場で悔い改めさせ、地獄に行く可能性を少しでも軽減させようとする閻魔の気遣いの証でもあるのだ。

 

ソレを俺は突然の事とはいえ、領域で遮ってしまったのだから、怒るのは無理ない。

 

領域によって完全に閻魔としてするべき仕事を潰している俺。彼女の浄玻璃の鏡は、あの場ではただの手鏡と化しており、俺の過去の行為すらも見ることができない。

 

もしかしたら自尊心すらも潰してしまっている可能性もあるのだ。

 

そんな事を考えていると、ベッドに散らばる折れた悔悟棒が目に留まる。

 

椅子から立ち上がってベッドに腰かけ、その破片を手に取り、眺め続ける。

 

忘れ去られた破片は、ライトの照り返しを受け、まるで俺に触られたくないかのように強い光を俺に向かって反射させ続ける。

 

それでも俺は角度を変え、反射光が来ないようにしながら眺め続ける。上半分の悔悟棒であったものには、自分の名前が耕の途中まで書いてるのが見て取れる。

 

字が汚い。その字面を見た時に思った事がそれであった。

 

おそらく自分の能力が通じない事を知って、焦っていたためであろう。とにかく字が汚いと、現実世界で言われていた俺よりも汚く見えてしまうのはそれが主な理由であろう。

 

その汚さが、まるで自分を非難しているような気がしてならず、思わず破片を放り出してしまいたい気分になってくる。

 

唯、映姫の受けた屈辱に比べれば、俺の今の気分なんて鼻で笑えるほどのちっぽけなモノであろう。それは間違いなさそうだ。

 

ため息を吐きながら、残りのココアを飲んでしまおうと、自分のマグカップに手を掛けようとする。

 

「…………あっ!」

 

俺は先ほどの切迫していた事態のせいで気が付かなかったのであろうが、悔悟棒の他に浄玻璃の鏡まで置いてあるのが目に入ってくる。

 

…………よりにもよって何でこんな所に。

 

そう思いながらも、手は自然と浄玻璃の鏡に向かって伸びていた。

 

はたしてそれはただの好奇心だったのか、それとも己の行為を今一度、できるなら確認してみたいという欲の表れであったのか、よく分からない緊張感の元にそれは実行されていた。

 

浄玻璃の鏡は男の俺が手で持つと少しだけ小さく感じ、やはり女性が持つものなのだなと思わせてくれる。

 

女性が持つようなその丸い形状をした小さな箱は、ただ今は照明を強く反射し、悔悟棒の時よりも強く俺を拒んでいる気がして、少しだけ眉を顰めてしまう。

 

領域が稼働しているので、今は自分の過去を見ることはできないであろうその小さな丸い箱に入っている鏡は、主の元へと帰りたがっているような雰囲気さえ醸し出している。

 

だが、今の俺はそれを深く考えるような事はせず、目の前の鏡が一体どんな機能を示してくれるのかについて興味があった。

 

本来ならば、今からする行為は本当に言語道断であり、本人にバレたのならば間違いなく地獄行きの対象となるであろう行為である。

 

それでも俺はその鏡の持つ機能に惹かれていた。飲みかけのココアの処理や、脇に置いてある悔悟棒の破片の存在すらも綺麗さっぱり忘れるほどに。

 

俺は鏡を保護している見事に研磨されている銀色に光る金属製の丸い蓋を開け、中の鏡を凝視する。

 

しかし予想通りといったところだろうか、領域が本来の効果を完全に遮断させてしまっており、ただ照明を反射するだけの眩しい鏡になってしまっている。

 

俺は領域を解除し、その鏡の効果を見ようと実行しかける。

 

だが、そこで俺の中の理性がそれに歯止めをかける。果たして本当に見たとして俺の身に害が無いだろうか? と。

 

考えてみれば、その可能性が無いとは言い切れないのだ。これは閻魔にのみ使う事を許された神聖なる宝具とも言うべきもの。

 

ゲームの中の存在だとはいえ、人間が見ていいモノとは到底思えない。本来ならば、鏡の蓋を開けようとする時点でこの事が思い浮かべられ無ければいけなかったのだが、領域が遮断しているのでセーフというべきか。

 

俺は、流石にこればっかりは許されざる行為だと自分の中でけりをつけ、湧きあがる好奇心を抑えつけ、領域を解除せずに鏡の蓋を閉じてテーブルの上に置き直す。

 

そこでまたココアの存在を思い出し、その手に持って飲み干していく。

 

冷たくも熱くも無い何とも中途半端な温度であったためか、そこまで美味くは感じなかった。いや、気分の問題もあるのだろう。

 

そして再び映姫の残していった鏡と破片を視界に捉え、これをどうするか考え始める。

 

おそらく本人は遅くとも明日には気がつくであろうから、テーブルの上に置いてそのままの状態にしておくのが良いかもしれない。

 

此処は地霊殿であり、盗みを働く阿呆はいないのだ。

 

そう考えると、少しだけ安心感が湧き、悔悟棒の破片を鏡の隣に置いた時、少しだけ後日渡す事を考えてしまう。またどう詫びたらよいかという事についても。

 

しだいに、後日会った時は何と詫びたらよいのかという考えが次第に俺の頭を支配し出し、それについてどうしようかと考えていると、背中側からノブが回る金属音がしてくる。

 

俺は考え事に耽っていたためか、静寂を乱されたことによる驚きによって思わず背筋がピンと張り、その拍子に背筋が引きつるのを感じる。

 

引きつりの痛みを耐えながら、背中をねじり首もねじって補助をし、後ろを見やる。

 

後ろを見た瞬間に緊張が走り、胸が締め付けられるような感触がした後、意思に反して気道が狭くなるのが分かった。

 

俺の目の前にいたのは、先ほどまで憤りを示していた四季映姫その人であり、少し俯き加減で表情を暗くしながら入ってくる。

 

その足取りは、一度目の部屋に入る時よりもいくらか自信が無さそうに見え、またさらに俺の気道が狭くなる気がした。

 

映姫は黙って此方の方へとゆっくりと歩いてくると、そのまま俺の近くに座り、小さく口を開く。

 

「あの……忘れた物がありまして」

 

そう言われた俺は、すぐに破片と鏡を持って映姫に差し出す。ソレを映姫は何ともぎこちなく手を動かしながら受け取る。

 

本当に先ほど俺に対して怒鳴っていた人物なのかと思うほどの変貌ぶりであった。

 

俺はその変わりように何と話しかけていいのやら分からず、ただ映姫から視線を外して少し下を向き、ただ時が過ぎるのを待つしかない。

 

やがて、そんな暗い空気を嫌ったのか、映姫はぽつりと一言呟く。

 

「…………人ひとり裁くことのできない閻魔なんて……」

 

俺はその言葉を聞いた瞬間に、少しだけ焦りが生じ、また同時に自分のしてしまった事が如何に大きかったかを再認識し、脊髄反射のように反論してしまう。

 

「いえ、今回四季様に落ち度はありません。これは絶対です。……私は元々そういった神秘的な力や攻撃的な干渉を一切受け付けないという体質の持ち主なんですよ」

 

思わず本来ならば言う必要のない事までドンドン話し始めてしまっているが、理性のかけるブレーキも焼け石に水程度のものであり、さらに言葉が口から吐き出されていく。

 

「四季様が閻魔として実力的に劣っているという事は絶対にありません。……自分は大昔の大和国の軍神であった八坂神奈子の攻撃ですら跳ね返していたのですから……」

 

自分でも訳が分からず、ただ目の前で沈んでいる映姫に対して慰めにすら劣る良く分からない言葉をドンドン話していった。

 

「であるからしてですね、これは仕方が無いという事といいますか。何と言いますか…………ええとですね。あ~…………自分なんてただ道端にある石っころだと思っていただければ…………はい」

 

そう支離滅裂な言葉を言っていると、映姫は俺の言葉が面白かったのか、失笑ものだっただけなのか、突然笑いだす。

 

「ふ…ふふ、ふふふふ! ははは! …………全く………………貴方は本当に変な人間ね。空回りしながらも閻魔である私に普通に接する事ができるなんて……沈んでいた私が阿呆みたいだわ」

 

そう言いながらベッドから立ち上がり、そのまま俺の方へと向き直る。

 

先ほどの映姫はどこかへ吹き飛び、そこにはすでに自信を取り戻したようにたたずむ映姫がいた。

 

「いいですか? 貴方は私に過去を明かさない。どうしても明かしたくない理由があるのは分かります。……ですがっ! 貴方のような人間は放っておくと罪が蓄積するばかりです。……よって、罪の軽減をするために定期的に説教しに行きますのでそのつもりでいるように。……いいですね?」

 

俺は、敵わねえな。と思いながらも、何とも言えない嬉しさが湧きあがり、返事をしていく。

 

「お願いいたします」

 

そう言うと、映姫は微笑みながら少し大きめの声で返答してくる。

 

「よろしい! ……ふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいですか? 貴方はやはり先日も言ったように力に頼り過ぎてる。もう少し自分の本来の性能を生かす行動を心がけなさい。一体何ですかこの堕落した家具の数々は! 周りの家を見てみなさい。他の妖怪や人間は井戸の水を汲んだりして日々の水を得ているのにも拘らず、貴方はただ取っ手を捻ればいいだけ。さらには皆夜の明かりは細々とした光で我慢をしているにもかかわらず貴方はなんて贅沢な! つまりはうらや…贅沢が過ぎているのです。堕落し過ぎているのです。確かに妖怪が身近にいる地底での生活は人間の能力では追いつかない部分もあるでしょう。しかしそれでもあなたは補って余りある力を使っている。もっと自分を見つめ直して無駄な部分を削ぐのです。削いだ後は私…自分の持てる素の力を最大限までに発揮するのです。良いですか? もっと簡単にいえば節約するのです。資源は有限なのです。無限ではありませんよ!」

 

俺は説教を承諾するんじゃなかったと思いながらも、素直に正座してありがたい話を聞いている。

 

あの慰め紛いを行った日から数日後、俺が何時も通り仕事から帰ってくると、映姫が玄関の前に仁王立ちしていたのだ。

 

どうも俺の罪は説教してもなかなか減らないらしく、かなりの長い期間説教を受けないといけないらしい。

 

しかも何故か食事まで食べていくという何とも良く分からないサイクルに決められていたのだ。

 

俺はこの良く分からない、いつの間にか決められていた事に腑に落ちないと思いながらも映姫の話を聞いていく。

 

「聞いているのですかっ!?」

 

考え事に耽っていたせいか、映姫の話を聞いていないと思われてしまっていたようだ。

 

急いで顔を上げて映姫を見てみると、悔悟棒を持ちながらプンスカ怒っている映姫が見られた。

 

小町の気分はまさにこんな感じなのだろう。いや、小町の場合は弾幕添えだからもっときつかったであろう。

 

説教されながら弾幕を撃たれまくる。……嫌すぎる。

 

俺は思わず身震いしそうになりながらも、映姫に言う。

 

「はい、聞いております。……所で映姫様。少々よろしいでしょうか?」

 

そういうと、先ほどまでの熱を収め、こちらに何だと言わんばかりに聞いてくる。

 

「……どうしたのですか?」

 

俺は先ほどからの説教で、ある部分について聞くことにした。

 

その所々見え隠れしていたものは、映姫にとってもかなり重要な部分であろう。

 

「もしかして……照明器具とか欲しいのですか?」

 

そう俺が投げかけると、映姫は顔を真っ赤に染め、まるで湯気でも立つのではないかというほどである。

 

映姫は慌てて、動揺しながらも弁解を始める。

 

「そ、そんな訳はありません! ただ、貴方の為にですねっ!」

 

「ですがさっき羨ましいとか何とか言いかけてたような……」

 

さらに突っ込んでいくと、映姫は悔悟棒をブンブン振りまわしながら顔を先ほどよりもさらに赤くしながら言い始める。

 

「な、な、な、何ですかそれはっ! 閻魔たる私がそんなこと言う訳が無いでしょう!? だいたいさっきから聞いていれば何です。閻魔である私を疑うなどと言語道断です。重罪ですよ重罪!」

 

と、あくまでも言っていないと言い張る映姫。

 

だが、俺はそんな事は気にせず、照明スタンドを取り出して映姫に渡すことにする。

 

まるで此方がいじめているようになってしまっているが、実際の所は映姫の疲れは尋常ではない筈だ。多分神力などで誤魔化しているはず。

 

だから目の疲れの軽減には、明りぐらいはあった方がいいであろう。

 

だから俺は段ボールに詰め込まれている照明スタンドを目の前に差し出し、映姫に話し始める。

 

「まあまあ、そう仰らずに。明るい所での作業の方が目の疲れも全く違ってきます。ですので、これをどうぞ。」

 

そう言いながら箱をコツコツ指さしながら、映姫に説明していく。……まだ映姫は何か言いたそうだったが。

 

「これは、数日前のさとりさんの部屋にあった照明器具と同じものです。電気のつけ方はこの絵にあるように、ひもを一回引けば点き、もう一度尾引けば消えます。あと、明るさの調節もできます。このつまみを捻ればできますのでお試しください。このように操作は簡単ですので、取り扱いは楽かと思います」

 

そういうと、顔を真っ赤にしながらも差し出された段ボール箱を受け取る。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

先ほどまでの主張はナリを潜め、少し嬉しそうに脇に箱を置く。

 

しかし、さすがに映姫は緩めたりはせず、すぐに引き締めて説教を再開していく。

 

「そ、それでですね。話を戻しますが、貴方はまだ自分の力を信じ切れてはいないのです。もっと自分で―――――」

 

と、その時であった。俺達の横で突然空間が歪み始める。

 

「な、妖怪っ!」

 

と、映姫が警戒を露わにし始めた直後

 

「耕也、ご飯をたか……一緒に食べましょう?」

 

そう言いながら空間が裂け、不気味な目が無数に現れたかと思えば、紫がその裂け目から姿を現してきた。

 

俺はソレを見た瞬間に不味いと直感で察知した。

 

おそらくこれは不味い展開になること間違いなしであると。映姫と紫の相性は非常に悪い。片や境界を曖昧にし、片や境界を引く。

 

もちろん映姫の方が実力的には上であり、能力の有効性では映姫に軍配が上がる。

 

そして何より性格も合わないという水と油の関係なのだ。

 

「耕也…………あら、あらあら」

 

と、映姫の姿を見た紫は何とも怖い笑みを浮かべた後、俺の方を見る。

 

……だから

 

「ねえ耕也……閻魔を連れ込んでよろしくやっているわけなのかしら?」

 

嫉妬の具合も半端ではないのだ。今まで見た紫の笑顔の中で一番怖い……。

 

俺は心の中で大泣きしながらも、紫に必死に説明していく。

 

「い、いや四季様は説教といいますか何と言いますか。不老で死ににくいから説教をですね……つまりは説教をして下さっています!」

 

と、最後の方はヤケクソ気味に言ってしまっている。

 

すると、映姫が口を開いていかにも閻魔らしいオーラを漂わせながら口を開く。

 

「やはりあなたでしたか……八雲紫。……して、貴方は大正耕也とどんな関係で?」

 

俺の方を見ながら紫に聞いていく映姫。

 

しかし、対する紫は映姫ではなく、俺の方を誘惑するかのような笑みを浮かべ、閻魔に言い放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「耕也は私の夫よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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