春より冬の方がすき
佐藤家自宅
「いや~寒いですね~」
(ポッチャマ……)
(寒すぎィ!)
{(これ以上気温下げるの)やめてくれよ……}
「……てかなんでAKYSさん下着一枚で平気なんですか?」
(お前らは鍛え方が足りねえんだよ)
(そういう問題じゃないと思いますけど……)
(布団からでるのやめたくなりますよ~)
(ポッチャマ……ポッタイシ……エンペルト……)
「ああ……MURさんが余りの寒さに壊れだした……」
(つーかよぉ……)
(とっくに冬過ぎてんのに春が来ないのはおかしいだルルォ!?)
(やっと気づいたか、これは異変だぞ)
「気づいてたんなら教えてくださいよAKYS!」
(馬鹿か、これぐらい自分達で気づきやがれ)
(……)
(あれ?MURさん、どうしたんですか?)
(……………)
(………MURさん?)
(………………この)
「?」
(この畜生が!!!)
(!?)
(昨日佐藤の身体借りて歩いてたら雪のせいで足を滑らせてポッチャマ人形とポッチャマ財布とポッチャマカバンとポッチャマTシャツを落としたんだゾ……!しかもこの世界にはもうポッチャマグッズはないんだゾ………!)
(そもそもなんで人形なんか持ち歩いてるんですか……)
(いや、MURそれは自分の不注意じゃ)
(は?)
(クゥーン……)
(この異変起こした奴許さないゾ殺ゾ死ゾ)
「止められそうにないですね……」
{よし、じゃあ(心臓に一発)ぶち込んでやるぜ}
(………馬鹿共が)
ーーーーーー
佐藤は異変を探りに様々な場所を訪れていた。
「でも俺が行く必要なんかあるんですか?」
(いや、今回ばかりは自ら殺……倒さないと気が済まないゾ)
(今殺すって言いかけましたよね?)
(てか佐藤お前転生者なんだから誰が黒幕か知ってんだろ?教えてくれよな~頼むよ~)
「いや~別に東方に詳しかった訳じゃないですし」
(は?ホンマつっかえ……)
「まあ、少しずつ探していくしか……あ、あそこの子に聞いてみましょ」
佐藤が指を指した先には白銀のような髪の色をした少女がいた。
「あの~すいません、聞きたいことが「くろまく~」………え?」
「くろまく~」
(…………見つけたゾあいつが犯人ゾ殺るゾ)
(ちょ、MURさん落ち着いてください!)
(うるさいゾあいつが黒幕ゾ殺ゾ死ゾ)
(駄目だ………暴走してる………)
(佐藤身体代わるゾ死ゾ死ゾ死ゾ)
(何にも聞こえてない、はっきりわかんだね)
「ちょ、やば………」
佐藤の身体が光り、MURとチェンジする。
「!?何が起き……」
「迫真空手流奥義・葬打夜」
「きゃ!?」
目の前の少女はギリギリMURの攻撃を避け、距離をとる。
「ちょ、ちょっと、戦うならせめて弾幕ごっこ……」
「葬打夜」
「ま、また!?」
「ポッチャマの仇ゾ」
「ポッチャマ?何を言って……」
「よし、ぶち込んでやるぜ!」
「きゃ!ま、待ちなさ……」
「殺ゾ死ゾ」
「く……こうなったら悪いけど少し眠ってて貰うわ!」
(先輩、どうするんですか!?)
(………下手に止めない方がいいでしょ)
少女とMURが向かい合う。
「おい少女、名前は?」
「………レティ・ホワイトロックよ」
「よし、これでポッチャマの仇の名前が分かったゾ」
「だから何の話よ!?」
まるで話を理解しようとしないMURに怒るレティ、だが、MURはそんな事は知らんとばかりにレティに攻撃を仕掛ける。
「ふっ!」
(……っ!さっきと顔つきが違う!)
MURの拳をかわすと同時に弾幕を放つレティ、MURも円を書くようにレティの周りを走り避けていく。
「………ここだ」
そして、隙が出来た瞬間、一気に敵に接近する
が
「あ」ツル
(ちょ、MUR何足滑らせてんですか!)
その隙を相手が見逃すはずも無く、
(………!今よ!)
レティから撃たれた弾幕を回避しようとするが、完全に体制を立て直していなかった事で幾つか被弾してしまった。
「いってぇなあ」(弱気)
(MURさん、大丈夫ですか!?)
「これぐらいなら大丈夫だゾ」
しかし、この地形じゃ厄介だ、とMURは地面を見ながら舌打ちした。
(雪の中での戦闘は慣れないゾ……でも見た所相手はこの地形に慣れているみたいだな……)
「どうしたの?もう終わり?」
「まだまだこれからゾ」
ーーーーーーーー
突然だが、MURの戦闘力について説明する。
彼はパワーと性格な判断力で敵の攻撃を対処し、その持ち前のパワーで敵に強力な一撃を与える戦闘スタイルだ。
実戦での強さもAKYSを除けば4人の中でもトップだった。
紅魔館でもパチュリー、小悪魔を2人同時に相手をし、楽勝とはいかないものの勝利を収めている。
レミリアに対しても有効なダメージを与えたのはAKYSを除けば彼だった。
彼は空手部内でも一番信用できる強さを持っていた。
故に、信じられなかった
「ぐっ………!」
彼がこれほどまで追い詰められている事に
追い詰められている理由は単純だった。
「馬鹿ね、普通の人間がこんな強い吹雪の中まともに戦えるはず無いでしょう」
そう、彼はどんなに強くても人間の身であるため、ずっと寒さに耐えられるほど頑丈な肉体ではなかった。
さらにレティの能力とも相性が悪かった。
いや、レティの能力と今の季節の相性が良すぎたのだ。
「私の能力は寒気を操る程度の能力、果たしてあなたは極限まで低下された気温の中でどこまで耐えられるのかしら?そう`人間の体`でね」
「…………………少しヤバいゾ」
(祝日は)ないです(午前午後バイト)